◆平成23(2011)年8月17日 時事通信 官庁速報

虐待通報の時間外対応を民間委託 =岐阜県

岐阜県は、児童虐待の相談件数が年々増加傾向にあることを受け、民間に委託し、休日・夜間にも専門的な知見のある相談員が対応する通報ダイヤルを開設した。社会福祉法人などに委託する自治体はあるが、民間委託は全国初という。事業費は1100万円。

平日の昼間は、従来通り県の子ども相談センターが通報を受け付けるが、同センター職員の勤務時間外となる休日・夜間の通報は、民間の電話相談会社「ダイヤル・サービス株式会社」(東京都)に転送。臨床心理士や社会福祉士をはじめ専門性の高い電話相談員が対応する。緊急性が高い事案と判断した場合は、該当する地域のセンター職員に速やかに連絡し、児童の安全確認を行う。これまで時間外の通報は、庁舎の守衛が受けて担当職員に伝えるか、留守番電話に録音した緊急連絡先にかけ直してもらう間接的な対応を取っていたため、通報者には二度手間だった。他方、2010年度の相談件数は前年度比49%増の672件に上り、終日対応できる体制づくりが課題となっていた。子ども家庭課は「児童虐待に関する地域の関心が高まり、近隣住民や学校、警察などからの相談が増え、早い段階での発見、対処につながっている」と分析。その上で、「通報を受ける側も強化する必要があった。新体制でしっかり対応していきたい」と話している。



◆平成23(2011)年8月16日 佐賀新聞

児童虐待防止へ100万円を補助 県、実施団体募る

児童虐待の根絶を目指す佐賀県は、民間団体が実施する児童虐待防止へ向けた取り組みや意識啓発につながる事業に対して、50万円を上限に全額補助する。事業対象が県全域の場合は100万円で、26日まで実施団体を募集。行政では把握が難しい問題を民間団体がすくい上げ、官民協働で児童虐待の根絶に努める。

児童虐待防止につながる新規事業が対象。県民や各種団体構成員向けの講演会・研修会の実施、チラシやパンフレット配布、相談コーナー開設など、一過性ではない地道な取り組みを想定。地域の“世話焼きおばさん”的な役割を果たす事業提案も期待する。2010年に県内の児童相談所が対応した児童虐待件数は4年連続増の140件で、過去最多となった。全国的にも初めて5万件を超え、重大な社会問題となっている。古川康知事も3期目のマニフェストで「児童虐待の根絶へ対策充実」を掲げている。児童虐待件数が増加している現状を受け、県母子保健福祉課は「虐待根絶は早期発見・早期対応に尽きる。行政の目が届きにくい人に対し、身近な人がかかわれる仕組みを提案してもらい、佐賀から虐待をなくしたい」と話す。問い合わせは同課、電話0952(25)7056。



◆平成23(2011)年8月13日 毎日新聞 地方版朝刊

柏の児相男児連れ去り:母親の少女ら4人、家裁支部に送致 /千葉

児童相談所に侵入し男児(2)を連れ去ったとして母親の少女(19)=成田市=ら計5人が逮捕された事件で、千葉地検松戸支部は12日、母親と仲間の少年3人(いずれも15歳)の計4人を未成年者略取と建造物侵入の非行内容で千葉家裁松戸支部に送致した。また、少女の交際相手のアルバイト、和泉浩史容疑者(29)=成田市=については、同日付で不起訴処分(未成年者略取容疑については告訴がないため不起訴、建造物侵入については起訴猶予)とした。

5人は7月21日午後11時半~同22日午前1時ごろ、柏市の児童相談所に無施錠の窓から侵入し、1階にいた男児を少女の自宅アパートに連れ去ったとして、柏署に逮捕されていた。逮捕時の聴取に対し、少女と和泉容疑者は「男児と3人で暮らしたかった」と容疑を認める供述をしていた。



◆平成23(2011)年8月12日 毎日新聞 大阪夕刊

子供シェルター:10代後半用、京都に関西初の開設 虐待から保護、衣食住提供

親の虐待などで帰る場所がない10代後半の一時避難所「子供シェルター」が今秋、関西で初めて京都府内に開設される。京都の弁護士や元児童相談所長らが運営団体「ののさん」(代表・安保千秋弁護士)を結成し、NPO法人認定を申請中。子供の保護施設となる一軒家を既に確保した。

家庭環境に問題がある子供への支援は児童相談所や児童福祉施設が担う。だが、幼児・児童が多い施設での集団生活に10代後半がなじめないこともあるほか、原則として18歳になると施設を出なければならない。こうした10代後半の子供たちに衣食住を提供し、新生活に向けて多面的に支援する民間のシェルターが04年以降、東京、愛知、神奈川、岡山、広島の5都県でできた。京都では、当面、性的被害に遭いやすい少女に限定し、2、3人ずつを2週間程度受け入れる。京都弁護士会子どもの権利委員会の協力で少女1人に弁護士1人が付き、就職や住宅探しなど将来の自立の方向性を一緒に考える。スタッフが24時間常駐。虐待する親などが乗り込んで来る恐れがあるため、場所は公表しない。当面、近隣府県からも受け入れる。予想経費は年約1500万円で日本弁護士連合会の援助を受けるが、大半を寄付で賄う必要がある。事務局長を務める吉田雄大(たけひろ)弁護士は担当事件に絡み、帰る場所のない子供のためにアパートを借りたこともあるが、個人の活動に限界を感じていた。「都市では、薬物犯罪や性犯罪も少なくない。子供を守り、次のステップへの手助けができれば」と話している。問い合わせはあかね法律事務所(075・252・0086)。



◆平成23(2011)年8月12日 西日本新聞 朝刊

2児虐待死から1年 密室の悲鳴 もう逃さぬ 大阪市は今 児相、消防24時間連携

大阪市のマンションで昨年7月30日、食べ物を長期間与えられず育児放棄された幼児2人の遺体が見つかり、母親が逮捕された事件は全国に衝撃を与えた。あの悲劇から1年-。「ずっと泣き声が続いている」「置き去りにされているのではないか」。地域住民から児童虐待を疑う通報を何度も受けながら幼い命を救えず、厳しい批判にさらされた市は、事件を教訓にどう変わったのか。現地を訪ねた。

若者向けの衣料品店が立ち並ぶ市中心部。目抜き通りに、事件現場の11階建てのマンションはあった。この一室で、元風俗店従業員の下村早苗被告(24)=殺人罪で起訴=の3歳の長女と1歳の長男が長期間放置され、餓死した。住民に話を聞くため、中に入ろうとしたが、オートロックに阻まれた。事件発覚前、住民から通報を受けて訪れた児童相談所(児相)「大阪市こども相談センター」の職員も同じ状況だったのだろうか。事件前の昨年3-5月、通報は計3回あった。職員は5回訪問したが、最後まで被告や子どもには会えなかった。特に3回目の通報で訪問したのが通報の10時間後。後に有識者でつくる市の検証部会で「緊急事態との認識がなかった」と問題視された。事件後、センターには「対応が手ぬるい」など全国から批判の声が殺到したという。岸本弘子・虐待対応担当課長は「保護者や児童の特定ができず、緊急性の高さを認識できなかった。繰り返さないために、手探りでやってきた」と語る。

◇ ◇

真っ先に変えたのは、「通報への即応」と、泣き声通報が集中する「深夜から早朝の対応強化」だ。昨年8月から、全国で初めて市消防局との連携システムを導入した。通報を受けたセンター職員が緊急性が高いと判断すれば、いち早く安否確認のため市消防局に出動を要請するのだ。センター職員だと30分以上かかる場所でも、消防なら市内89署・出張所のうち現場に最も近い所から出動し、平均8分台で到着可能。通報時には現場が分からなかったが、消防隊員が泣き声を聞いた通行人を見つけて話を聞き、特定できたケースもあったという。この1年に出動した62件のうち、午後6時-午前6時の夜間・早朝が75%。それだけではない。センターも昨年9月から、夜間・早朝でも速やかに出動できるように職員(児童福祉司)を自宅待機から宿直体制に変更した。安否確認のため、一足先に現場到着した隊員から、専門知識を持つ職員が引き継げる体制だ。消防局も当初は手探りだった。市消防局の山下毅企画担当課長(50)は「隊員から『近所で火災が発生したら、どちらを優先するのか』など、疑問や不安の声も上がったが、対応マニュアルもできて今は慣れてきた」と説明する。

◇ ◇

ただ別の課題もみえてきた。事件前からの計画でセンター職員は、2年前より約50人増の154人になった。一方で、緊急性の判断には経験が大切だが、全体の経験年数は下がった。「ノウハウを蓄積し組織全体の専門力を上げないといけない」と岸本課長は強調する。現場マンションで住人の一人に話を聞けた。ミュージシャンの外山大輔さん(31)。事件以降、互いに無関心だった20-30代の住人同士があいさつを交わしたり、月1回の交流会を開くようになったという。「前からこういう関わりがあったら、救えたのかなって思う」。変化は市井の人々にも生まれていた。

□大阪2児虐待死

昨年7月30日、大阪市西区のワンルームマンションで幼児2人の遺体が見つかり、大阪府警は死体遺棄容疑で母親の下村早苗被告(24)を逮捕。長女桜子(さくらこ)ちゃん=当時(3)=と長男楓(かえで)ちゃん=同(1)=で、被告は同年6月9日ごろ、2人を置き去りにして部屋を出て帰宅せず、同月下旬ごろに2人を餓死させたとされる。「育児が嫌になった」と動機を供述したとされ、大阪地検は精神鑑定をした上で今年2月、殺人罪で起訴した。




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育児放棄事件

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いつも思いますが、ネグレクトはなかなか介入が難しいですね。
近隣住民の協力あれば可能ですが、記憶より、証言より、証拠なんですが…。
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