【北京=川越一】日中財務対話のため中国を訪問している菅直人副総理・財務相は3日、北京の中南海で温家宝首相と会談し、中国側が麻薬密輸の罪で死刑が確定している日本人4人の刑執行を通告したことについて懸念を表明した。

 菅副総理は、麻薬犯罪に厳罰で臨む中国の姿勢に理解を示しつつも、「日本の基準からすると罰則が厳しいと思う人が多い」と述べ、死刑執行の判断に異を唱えた。

 これに対し温首相は「(死刑は)中国の法律に基づくもので、持ち込もうとした覚醒(かくせい)剤は何千人もの命を危険にさらす。重大な犯罪だ」と主張。比較的抑制的な態度で臨んでいるとして、理解を求めた。

 日本政府が懸念を示しても、刑の執行が取り消される可能性は極めて低い。昨年12月には、ブラウン英首相らによる減刑嘆願にもかかわらず、英国人に対する死刑が執行された。

 同じ時期、ベトナムの裁判所が、大麻約8トンの密輸を企てた中国人の男5人に死刑を言い渡した。その際、中国のインターネット上には「中国自身、死刑制度があるのだから、ベトナムに対しいかなる抗議もできない」「法律は政治の干渉を受けるべきではない」などの意見が寄せられた。中国としては、死刑制度が存在する日本には抗議する権利がない、という論法になる。

 また、3月下旬に中国産ギョーザ中毒事件の容疑者が逮捕されたことについて、菅副総理は、真相解明が日本国民の中国製食品に対する信頼回復につながると指摘した。温首相は、自ら直接、食品安全問題に取り組んできたと強調。日中両国で合意した「食の安全」に関する閣僚級協議の枠組みづくりを進めたいとの意向を改めて示した。

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