東京都の石原慎太郎知事は14日の定例会見で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野(ぎの)湾市)移設問題をめぐる鳩山由紀夫首相の言動について、「(中国による強引な領土拡張の)事例を鳩山大先生が知ってるか知らないが、この時期に一国の総理が『勉強したら、海兵隊の抑止力を認識しました』とはナンセンス」などと苦言を呈した。会見の詳報は以下の通り。

--普天間基地の移設問題で、鳩山首相が沖縄の基地負担軽減について全国知事会議の開催を要請した。大阪府の橋下知事は「全国で受け入れられるかどうかが地方分権の試金石だ」という趣旨の発言をしたが…

「要するに、普天間が象徴する沖縄のアメリカの陸海空、海兵隊を含めた戦力の存在意義というものを、全国の知事が認めて、基地をできればあちこち引き受けてくれ、ということなんでしょうけども」

「アメリカの沖縄を主な基点として展開する軍事力の配備という抑止力の構造を眺めれば、かつては三沢基地がアメリカの日本における在日米軍基地の最も大事なもののひとつで、(そのほか)岩国であり嘉手納だっだ」

「これは冷戦構造の中で、たびたび三沢の日本の空軍とアメリカの空軍が共同して、領空を侵犯してきたロシア(旧ソ連)の空軍にスクランブルをかけて追っ払っていた。そういう時代というのはほとんど解消しましたな、冷戦構造も崩壊して。ゆえにも、ヨーロッパでの西東の軍備配備もだいぶん形が変わってきました」

「今ね、このアジア、東アジアにおいて、日本とアメリカが共同して守らなければいけない仮想敵国というか、危険というものの存在がどこかといえば、それはやっぱり北朝鮮と中国でしょう。そう想定して考えるときに、基地というのは相手の基地の近くにあればあるほど有利なわけだし。間近すぎれば不利なこともありますけどね。それでこれがどれほど日本以外の国に頼りにされているか、韓国もそうだし台湾もそうだし、東南アジアの国々もそれに期待している」

「そういう中で、かつて私の親友の奥さんがフィリピンの大統領になってだね、しきりにフィリピンにある米軍の基地に『出ていけ、出ていけ』というから、『ナショナリズムは結構だけれどもね、あなたね、あんまり言い過ぎとアメリカはパッと出ていっちゃうよ』と」

「それで『実はアメリカはフィリピン(の基地を)全然評価してないんだよ』と。『ほれ、見なさい』といって、私、手にしていたアメリカの極東における軍事基地の評価分析を渡してあげました」

「そこに何が書いてあったかというと、気の毒な話だけど、『クラークフィールド、スービックの海軍基地というものの存在価値はほとんどない。特に日本における基地に比べれば全く見劣りし、ほとんど価値がない。唯一の価値は決定的に安い買春』だって」

「これで(奥さんが)怒っちゃった。けしからんといって『出ていけ、出ていけ』といったら出ていっちゃったね、アメリカは。その後、あの基地の経済というのは疲弊して、基地がもたらした経済というのは全くなくなって。それで企業誘致の特許区も作りましたが、あんまりはやってませんな」

「何が怖かったかというと、その後、フィリピンがちょうど日本の尖閣諸島と同じようにギリギリの境界線で持っているスプラトリー諸島は、完全に中国に盗られたんですよ。で、何をやったかというと、『これはもともと中国の領土だ』と言いだした」

「その常套(じょうとう)手段で(中国の)調査団がやってきて、そのとき、昔の小銭とかいろんなものを皆でばらまいて、次の調査団が『ほれ見ろ。こんなものが出てきた。これは間違いなく中国の領土の証拠だ』ということで。そこら辺というのは、考古学者というか、それを見た人がいるわけだけどね」

「とにかく、あっという間に非常に際どい領海線があって、どこの領土と決めかねていて。海底資源のある浅い海ですから、それが中国に席巻されましてな。そういう事例を鳩山大先生が知ってらっしゃるか知らないかしらないけども。一国の総理がね、この時期になって勉強したら、海兵隊の機能からしての抑止力というのを、はじめてとは言わないけども、『つくづく認識しました』というのは、これはナンセンスなんだよね」

「前も言ったことあるかもしれませんけども、外国人記者クラブにこの間も行って話を聞いたときに、ある経済人がいて同じことを聞かされた。僕は怒りっぽいもんだからね、いやな情報を聞くとカッとなるんだけど、それが面白いのか、親しい外国人記者が教えてくれるんだけども」

「その中の1人がこういっていた。『かつては日本バッシング(たたき)だったと。その次が日本パッシング(外し)になった』と。で『今、石原さん何だか知ってるか』って。『今はジャパン・ディッシングだ』って。ディッシングっていうのは、どういう言葉かというと、彼らの語感でいうと日本無視ですな。これは非常に屈辱的だし、日本にとって好ましいことじゃないし、明らかに危険ですな」

「そういう評価しか国際的に受けてない総理大臣がこの段になってね、戦術、戦略、図式を知らないで、何を持って日本中の知事を集めて、『どこかいいところないか』と聞いたって。仮にだね、福島県とか岩手県が手を挙げたとして、そんなところをアメリカがうんというわけないですな。距離からいってもね」

「橋下君はどういうつもりか、沈下しつつある、ユーティリティーのない関西空港を提供してもいいというけど、別にあそこへ海兵隊を持ってきてもどうなるもんでもないでしょう。練習、演習はしなくちゃいけない。そのスペースはどこにあるわけでもない。和歌山の山のなかでやるのかね?」

「いろんなことを推測されますけども、私はやっぱり全国の知事会を開いて、どっか受け手ないですかと聞くことそのものがナンセンスだと思うね。それが何か国民に対するプレゼンテーションになるんでしょうかね? 私は全くならないと思う」

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