カズに言われたことが、ショックだった。
僕が らん を泣かせてたの?
やっぱり・・僕・・ママ失格なの?

「もう・・僕・・ママで・・いられないの?
らん に嫌われたの?」


カズが近づいてきたけど・・・
カズに言われたことが・・胸に刺さってて・・
何か、言われてるのは、わかるけど、何を言われてるか・・
耳に入ってこない。

いつもはあったかく感じるカズの腕の中に入る気になれない。



床にうずくまって、突っ伏して。
らん の名前を呼んだ。
自分が情けなくて。

らん に謝った。
ちゃんとした、ママじゃなくて、ごめん。
ちゃんとした、ママになれなくて、ごめん。
ママが僕なんかで、ごめん。

僕が・・産んだりなんかしたから・・ごめん。



僕に今、できることなんて・・
何もなくて。

謝っても・・謝っても・・どうしようもならなくて。
ただ、泣いて。

いくら泣いても、気は済まなくて。

だって・・・そばにらん がいない。
そばに・・いられない。
そばに・・いさせてもらえない。

言葉が出なくなった頃に、抱き上げられて、ソファーに座らされた。
隣にカズが座って。
肩を抱いて、手を握って、頭撫でてくれて。


「大丈夫。智は らん のママだから。
ワタシたちが、心配なだけです。
智が疲れちゃってるから、ちょっと、休んで欲しい・・って。
だから・・・元気になるように・・ね?」