おじいちゃん戦争のことを教えて―孫娘からの質問状 (小学館文庫)/中条 高徳

著者であるアサヒビール名誉顧問の中條氏と、とある方を通じ


ご縁を頂けたので、約3年半ぶりに再読


この本との出会いによって今まで以上に日本に誇りを持てる


ようになったと言える、素晴らしき書。


直接中條氏の謦咳に接する幸運に感謝しつつ、中條氏の


「誇りある日本を創る」という思いを少しでも引き継いで行きたいと思う。


貴重なご縁を大切にしよう。



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アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)/パウロ コエーリョ

夢を信じて旅をするという少年の物語。


多くの経営者が推薦本としてあげる本書は、一般的には


スピリチュアルと言われるような内容かも知れないが、


少なくとも自分にとっては、しごく真っ当な人生の法則を


再認識させてくれる内容。


・何かを強く望めば宇宙のすべてが協力して実現するように

 助けてくれる


・前兆を敏感に感じ取り、前兆に従うこと


この本で繰り返し伝えられるメッセージ。


夢が自分の成功のためだけでなく、公の精神に根ざした


ものなら、より多くの協力を得られるだろう。


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国をつくるという仕事/西水 美恵子


プリンストン大学助教授から世界銀行に転じ、


世界銀行副総裁まで務めた西水氏。


本書は、悪政により生まれる貧困撲滅の戦いを、


時に激しい怒りと氏が感動して涙したというエピソード


と共に綴られ、激しく感情を揺さぶられる。


本を通じて西水氏のゆるぎない信念・覚悟がビシビシと


伝わってくる。それはすごいこと。


その理由を自分なりに解釈すると、西水氏が言うように


原体験があるからこそ腹が据わるということなのだろう。


週末のある日、ふと思いついて、


カイロ郊外にある『死人の町』に足を運んだ。


そこは、邸宅を模す霊廟がずらりと並ぶイスラムの墓地に、


行きどころのない人々が住み着いた貧民街だった。

その町の路地で、ナデイアという名の幼女に出会う。


病に冒されたナデイアは、西水に抱かれたまま、静かに


息をひきとった。

下痢からくる脱水症状が死因だった。


安全な飲み水の供給と、衛生教育さえしっかりしていれば


防げたはずの下痢・・・。


家庭で簡単に作れる糖分・塩分配合の飲料水で、


応急手当ができたはずの脱水症状・・・。

その時の想いを語る西水の目に、涙が浮かぶ。


「誰の神様でもいいから、ぶん殴りたかった。


天を仰いで、辺りを見回して・・・。


その瞬間、あの子を殺した化け物が見えたのです。


きらびやかな都会がそこにある。


最先端をいく技術と、優秀な才能と、膨大な富が溢れる都会がある。


でも私の腕には、命尽きたナデイアが眠る。


悪統治。民衆など気にもかけないリーダーたちの仕業と、直感したのです」。


ナデイアの死は、西水の髄に火をつけた。


学窓に別れを告げ、貧困と戦う世界銀行に残ると決めた。


ナデイアが仕事の尺度になった。


「何をしても、必ずナデイアに問うのが習慣になりました。


生きていたら、喜んでくれるかしら。


あなたを幸せにできるかしら・・・」。


原体験のある人の発言は重い。


行動も本気さが違う。


使命を気づくに当たり、強烈な原体験を持っている人間とそうでない


人間では、気づきのレベルとその後の行動に大きな違いが出るのだろう。


そして、西水氏のミッションが、


「悪統治との戦いと良きリーダーの育成」


となり、より良き社会の実現のため自らを顧みず突き進む。


そして、西水氏の言うリーダーシップとは、


途上国の草の根で出会ったリーダーたち全てに、共通するものを見た。


「正しいことを正しく行う」情熱だった。


話や形は変わっても、皆それぞれの「ナデイア」を胸に抱いていた。


その情熱が信念の糧となり、ハートが頭と行動に繋がる。


心身一体、常に一貫した言動だからこそ、


民の信頼を受け、人々を鼓舞し、奮起した。



「正しいことを、正しいと判断でき、行動出来る」というのはリーダー


の素養として必須だと、改めて思う。


日本人で、これほど世界でリーダーシップをとっていた人がいた


ということに純粋に感動すると共に、大きな刺激を頂いた一冊。


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藤田晋の仕事学 自己成長を促す77の新セオリー/藤田晋

藤田氏が連載している日経アソシエの記事を書籍化したもの。

新しいタイプの経営者らしい独特の視点で、ビジネスマンの成長

を促すセオリーが満載で、参考になること多し。

・ある程度の経験を重ねてきたと思える人は、若い頃抜粋された
 ことで得たものと引換えに失ったものを見直さなければなりません。
 そして失ったものを常に埋め合わせる努力が必要です。

・最も怖いのは、周りからおだてられて自分を見失うことです。

 自分の真の実力値を正しく理解して、理想と現実のギャップ

 を受け入れること。後は、そのギャップを埋める努力をしていくのです。

・相手から話を聞きだして、そこに自分の話を乗せていくのがプレゼン。

・直感的に「やりたい」と思ったのではなく、理詰めでやろうと決心した

 仕事はそれだけ迷いがあるということ。迷いが多いと失敗する可能性

 が高くなる。


・「納期遅れ」や「締め切り遅れ」は全体の歯車を狂わせ、失敗する

 可能性が高くなる。



・必要な人材は、現状に満足しない人、変化に対応できる人です。

 現状に満足し変化しない人は、会社の成長を妨げてしまう。



・集中力のある人は、「他のことを切り捨てる」をかなり意図的に

 やっている。



グローバルリーダーの条件/大前 研一 船川 淳志

大前氏の定義では、グローバルリーダーとは、


「何よりも大切なのは新しいことを学ぶ心、人の心がわかる


こと、人の上に立てるリーダーシップ、自分の考えをまとめて


表現できる能力、多様な価値観を受け入れる力、など普遍的


適応性のある人間としての能力が身に付いていること。


それと世界の主要な地理、歴史、文化、宗教、などの一般教養、


自然科学的なものの考え方と若干の法知識、母国語と英語に


長じることである。」


と言う。


これを船川氏との対談の中で詳細を浮き彫りにしていくという


ことだが、相変わらず大前氏の自画自賛と船川氏が大前氏


をすごいすごいと持ち上げることに少々うんざり。。。


大前氏は愛国者で日本を元気にすることを使命に思っている


ようだが、その裏返しか、日本のことをけちょんけちょんに


扱き下ろし、日本には世界に通用するグローバルリーダーは


いないと断言。。。


そこまで言って、次はあなたの番だ!と言われても。。。


もちろん素晴らしいことを言っているところは多々あるのだが、


読了後はなんとも言えない倦怠感が襲う。。。


東井義雄「いのち」の教え/東井 義雄

教育学者である東井義雄氏が、小中高生とその親に


向けた「いのち」の大切さと、生かされていることの真理


を伝えようとしたエッセー。


・大学受験に失敗した息子に父親が送った手紙


「おめでとう。幾らお金をつんでも、幾ら望んでも得られない、


尊い勉強をさせて頂いたね。お父さんは失敗したとき、これは


きっと、仏様が、お父さんの一番の問題点を、教えて下さった


のだと信じて、失敗を大切にして来た。


そして、自分が得意の絶頂に立った時、どこかに泣いている


人があるということの考えられる人間になっておくれ」


失敗から学ぶこと甚だ多し。


また、健康で好きなことが出来る人生を歩めていること


自体が幸せで、生かされていると感じる。


自分のようになりたくてなれなかった人のことを慮れる人間に


なるという、人生の本質を実によく表した話だと思う。


他にも親子の絆、努力の大切さなど人生の本質を平易な


エッセーで氏が語りかけて来る。

日本人と中国人―なぜ、あの国とまともに付き合えないのか (Non select)/イザヤ・ベンダサン

日本と中国の微妙な関係は、今にはじまったことではなく、


歴史的にそうだという。


それを秀吉、家康、新井白石、平田篤胤、西郷隆盛などを


通じて考察していくという内容。


所謂学者の論文調で果てしなく分かりにくい・・。




誰が学校を変えるのか―公教育の未来 (ちくま文庫)/藤原 和博

藤原氏が和田中学校での教育改革の実践をいかに


して行ったのか。


その背景にある思い。


実行の過程における紆余曲折。


普段なかなか知ることの出来ない学校と教師の真実。


地域と学校との関わり。


地域の大人と子供とのナナメの関係。


和田中学校・校長としての教育改革の総決算と言える内容で、


日本の教育も素晴らしきリーダーの出現により変わるのだ。


藤原氏レベルの方が全国で100人とか出現すれば、日本は


相当に元気な国になるかも知れない、と思う。


トランクの中の日本―米従軍カメラマンの非公式記録/ジョー オダネル

米国従軍カメラマンが戦後の日本を非公式に撮影した300枚の写真を


集めた本で、核を落とされた広島、長崎の街が徹底的に破壊された様子


や、市民の暮らしぶりなどを写真を通じて窺い知ることが出来る。


著者はあまりにひどい体験だったため、45年間トランクの中にしまって


一生開けないと思っていたトランクの中にあった写真を公開し、平和を


伝えることを使命として米国や日本、ヨーロッパなどで精力的に


展示会をされている方。


たった60数年で、これほど街並みも人々の服装も暮らしぶりも景色も


変わってしまうのかと感じてしまう。


多くの写真の中で特に印象的な写真が2枚。


1つ目は、知的で穏かな人柄の老人が著者に写真を撮らせる際に、


「息子のような君に言っておきたいのだが、今の日本のありさまを

しっかり見ておくのです。国に戻ったら爆弾がどんな惨状を引き起こした

か、アメリカの人々に語りつながなくてはいけません。写真も見せなさい。


あの爆弾で私の家族も友人も死んでしまったのです。あなたや私の

ように罪のない人々だったのに。死ななければならない理由なんて

何もなかったのに。私はアメリカを許しますが、忘れてくれと言われて

もそれは無理です」


と語ったこと。


一般の一老人がこのような見解を述べる日本の知的レベルには


著者も相当驚いたことだろう。


もう1枚がNHKスペシャルや民放などでも特集された写真。



人生バランスだ!


写真には添えられた著者のコメント。



《焼き場に10歳くらいの少年がやってきた。小さな体はやせ細り、

ぼろぼろの服を着てはだしだった。少年の背中には2歳にもならない

幼い男の子がくくりつけられていた。その子はまるで眠っているようで

見たところ体のどこにも火傷の跡は見当たらない。


 少年は焼き場のふちまで進むとそこで立ち止まる。わき上がる

熱風にも動じない。係員は背中の幼児を下ろし、足元の燃えさかる

火の上に乗せた。まもなく、脂の焼ける音がジュウと私の耳にも届く。


炎は勢いよく燃え上がり、立ちつくす少年の顔を赤く染めた。

気落ちしたかのように背が丸くなった少年はまたすぐに背筋を伸ばす。

私は彼から目をそらすことができなかった。

少年は気を付けの姿勢で、じっと前を見つづけた。

一度も焼かれる弟に目を落とすことはない。

軍人も顔負けの見事な直立不動の姿勢で弟を見送ったのだ。


 私はカメラのファインダーを通して、涙も出ないほどの悲しみに

打ちひしがれた顔を見守った。私は彼の肩を抱いてやりたかった。

しかし声をかけることもできないまま、ただもう一度シャッターを切った。

急に彼は回れ右をすると、背筋をぴんと張り、まっすぐ前を見て

歩み去った。

一度もうしろを振り向かないまま。


係員によると、少年の弟は夜の間に死んでしまったのだという。

その日の夕方、家にもどってズボンをぬぐと、まるで妖気が立ち登る

ように、死臭があたりにただよった。今日一日見た人々のことを思うと

胸が痛んだ。

あの少年はどこへ行き、どうして生きていくのだろうか?》

《この少年が死んでしまった弟をつれて焼き場にやってきたとき、私は

初めて軍隊の影響がこんな幼い子供にまで及んでいることを知った。

アメリカの少年はとてもこんなことはできないだろう。直立不動の姿勢

で、何の感情も見せず、涙も流さなかった。そばに行ってなぐさめて

やりたいと思ったが、それもできなかった。もし私がそうすれば、

彼の苦痛と悲しみを必死でこらえている力をくずしてしまうだろう。

私はなす術もなく、立ちつくしていた。》

無表情と思われた少年だったが、カメラマンのジョー・オダネルは、

炎を食い入るように見つめる少年の唇に血が滲んでいるのに気がつく。
少年があまりにきつく噛みしめている為、唇の血は流れることなく、

ただ少年の下唇に赤くにじんでいたのだった。


テレビで初めてこの写真を知った際、この少年に自然と


感情移入してしまい、とても苦しい思いをしたことを思い出す。


たった60数年前にこんな『現実』があったということを我々は


忘れてはいけないのだ。