いまこそ国益を問え―論戦2008/櫻井 よしこ

気鋭のジャーナリストである櫻井よしこ氏の最新刊。


中国の覇権主義の台頭、アメリカの北朝鮮融和策、環境問題、阿部・福田


と続く国内政治の混迷、チベット問題など日本を取り巻く世界情勢などを


鋭い独自の視点でまとめた本。


櫻井氏の考えはかなり過激と思う点もあるが、外交と国益という視点で


みればしごく真っ当。


櫻井氏には、確かな取材に裏打ちした記事をどんどん書いて欲しいと思う。

AD
飛鳥へ、そしてまだ見ぬ子へ―若き医師が死の直前まで綴った愛の手記 (祥伝社黄金文庫)/井村 和清
静かなノモンハン と同じく、田坂広志氏のなぜ、働くのか で死生観
を 身近に感じるために紹介されていた本。
悪性腫瘍で31歳という若さで、2歳の子供とお腹の胎児を残して

他界した医師の手記。

医師だけに、検査で悪性腫瘍と分かると長く生きられないことを悟り、

家族に心配掛けないように配慮する姿が胸を打つ。

あと数ヶ月の命と悟って自宅に帰った時の描写がとても印象的だ。

世の中が輝いて見えるのです。


スーパーに来る買い物客が輝いている。走りまわる子供たちが輝いて


いる。犬が、稲穂が、雑草が、小石までもが、美しく輝いて見えるのです。

そして、自宅へ戻って見た妻もまた、手を合わせたいほど尊く見えたのです。

極限の世界で見える世界なのかも知れない。
当たり前のことを、幸せ、と心から感じられることはとても幸せな
ことなんだと、 改めて思う。
AD
経験と教育 (講談社学術文庫)/ジョン デューイ

同じく天外伺朗氏の教育の完全自由化宣言 で紹介されていた


デューイ教育学の教育思想を凝縮した内容。


子供の才能と個性を切り拓く教育を目指し、子供自身の


経験が好奇心を発起し、独創力を身に付け、能動的成長


を促す。子供自身の経験がとても重要とのこと。


ただデューイは哲学者でもあるため、哲学書のように難解な


表現が多く、かなり分かりづらい。。。

AD
東京シューレ子どもとつくる20年の物語/奥地 圭子

天外 伺朗氏の教育の完全自由化宣言 で紹介されていた本。


学校の先生だった奥地氏が、不登校の子供たちの居場所を


つくるために、20年かけて生徒と地域社会と共に作ったフリー


スクールの物語。


不登校の子供たちが、自分達のしたいことを自分達で決めて


実行するという、通常の学校とは仕組みも考え方も全く違うが、


今まで不登校だった子供たちが活き活きしている様子がリアル


に伝わってくる。


多くの学校が画一的な運営方法を取る中にあって異色の学校


だが、子供たちが自分で考え、行動するということを学ぶ


という点において、素晴らしい仕組みだと思う。

自ら語る小倉昌男の経営哲学 (日経ベンチャーDVD BOOKS)

昭和の名経営者で、官と徹底的に戦い小口配送


という新しい産業を創った小倉昌男氏の本と講演のDVDセット。


穏やかな表情の中に、燃えるような信念を持ち続けた気骨な


経営者で、一つ一つのメッセージが心に響く。

ざっくり分かるファイナンス 経営センスを磨くための財務 (光文社新書 297)/石野 雄一

会社のマネジメント研修でファイナンスの講義を実施。


その事前準備のために。


小難しいことをこれほど優しく説明できるっていうのは


やっぱりすごいなぁ。

この国のけじめ 決定版 (文春文庫 ふ 26-1)/藤原 正彦


国家の品格
の骨格となった文芸春秋での連載を冊子と


してまとめた本。


痛快・痛烈な時事評論や教育論、日々の随筆まで幅広い


テーマで藤原節を発揮。


藤原氏の考え方には共感する部分が多く、読んでいて


痛快に感じてしまう。


久しぶりに国家の品格を読み直したくなった。


メモ

・中学生のテレビ視聴が平日で2時間5分、週末で4時間5分、

 読書時間がそれぞれ4分と8分。日本衰亡を予告する統計

 が出ても、何の措置も取られない。

・国をあげての英語フィーバーは滑稽を通り越して醜態である。

 為政者は、真に誇るべき日本の文化や情緒を子供たちにしっかり

 学ばせ、祖国への自信と誇りを持たせることが肝要と思う。

・主客転倒がしばしば起きる。経済繁栄を第一に考え農産物輸入

 を完全自由化し、相対的に不利な農業を捨て有利な他の産業 

 に力を注げば経済効率は高まり、米や肉の値段は半分になる

 だろう。一方で農家の大半は潰れ、日本の田園は荒廃するだろう。

 これは美しい自然の喪失であり、ひいては「もののあわれ」など

 日本人の有する類稀な美的感受性の喪失に繋がる。美しい自然

 や情緒、高い道徳、文化、伝統などは国家の品格である。

 繁栄追及が国家の品格を著しく傷つけてしまうのである。

・小学校で起業家精神や英語やパソコン、株式投資を教えるのは、

 愚民化政策としか評しようがない。産業界などを眼中に入れていた

 ら日本の学問が滅んでしまう。教育とは、政治や経済から超越

 すべきものある。人々がひもじい思いをしようと、子供たちだけ

 には素晴らしい教育を与えるというのが誇り高き国家の覚悟だ。

・真のエリートとは歴史や文学などの豊富な教養を背景に大衆

 とは比較にならぬ総合判断力を有し、いざとなれば国家国民

 のために生命を投げ出す覚悟のある人間である。

富の未来 08114

テーマ:
富の未来 上巻/A. トフラー

世界のルール・秩序が大代激変の時代であると言う。


気鋭の未来学者トフラーの15年ぶりの大作ということで


気合を入れて読んでみるが、起こっている事象から


変革の時代だという論法で書かれている内容を読む限り


すごいインスピレーションが働くわけでもなく、新しい発見が


あった訳でもなく、淡々と読み進めてしまう。。。


自分が未来を予測出来る訳でも、時代を先読みできる程の


能力も持ち合わせていないので、本書の深いところまで自分


が理解出来ていないだけだろう。


気合を入れて読んだだけに後味の悪い感じだなぁ。

簡単に、単純に考える (PHP文庫)/羽生 善治

羽生氏と著名人3名の方が対談するというもの。


二宮清純氏、平尾誠二氏、金出武雄氏という異業種の


スペシャリストとの対談。


一流同士の対談ということでキラリと光る深いコメントが


散りばめられている。


メモ

・子供の頃に洞察力をみにつけさせたら、教えることって

 あまりないかも知れない。本人が勝手に色々なことに気づいて

 いくから。それに向上心さえあれば、自分で問題を探して、

 それに対して自分で取り組んでいくし、そうやって自分を

 成長させていく。

・一流は、人一倍洞察力があり向上心があって、そこに

 創造力があるから一流になれる。

・日々の生活の中で、危機的な状況に追い込まれ、リスクを取り

 決断していく経験を沢山すると、総合的な人間力が身に付く。

 



風見しんごさんのえみるの赤いランドセル と同様、子供が

不幸にも亡くなってしまった親の手記ということでなかなか

読めず本棚にしばらくしまってあった。

10万人にひとりと言われるユーイング肉腫という小児がんを

5歳の時に発症し、その後、5度の再発、4度の手術を経て9年という

短すぎる生涯を閉じた山崎君の物語。

5歳までいたって元気だった子が突然に発病し、数年

で亡くなってしまうなんてあまりにも悲しい。


「おかあさん、もしナオが死んでも暗くなっちゃダメだよ。

明るく元気に生きなきゃダメだよ」


9歳で死を理解し受け入れるだけでもすごいことだが、

親のことを思う優しさに心を打たれる。


息子が元気に朝を迎えられ、元気に朝食を食べ登園

し、時には駄々をこねることも、遅くに帰って息子の幸せな

寝顔を見れることも、そういった当たり前の幸せを享受できる

ことを感謝しなければいけない、と強く思う。