二十一世紀に生きる君たちへ/司馬 遼太郎

21世紀まで生きられない司馬遼太郎氏が21世紀を担う子供たちに向けて書いたメッセージ。


子供向けに平易な文章で書かれているが、言っていることは深く大人にも響く。


君たちは、いつの時代でもそうであったように自己を確立せねばならない。


自分に厳しく、相手にやさしく。


という自己を。そして素直で賢い自己を。


21世紀においては、特にそのことが重要である。


小学生の国語の教科書に載っているという。日本の国語教育もすてたもんじゃないと思う。

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生かされて。 07042

テーマ:
生かされて。/イマキュレー・イリバギザ

夢にまで出てきたほど衝撃的な1冊。。。。


1994年に起きたルワンダの内戦の際、牧師の家のトイレの中で3ヶ月間隠れて生き残った著者の壮絶な体験談。


100日で100万人の死者。しかもチツ族・フツ族というルワンダに存在する民族間の殺戮。


精神科医がナチスの強制収容所での3年間の体験を書いた夜と霧 でも、同じ人間がよくこんなことを出来るなと思ったが、このルワンダの民族浄化は民衆による殺戮という意味でより酷いものだ。


一緒に学校に通っていた友人や親友、友達の親、学校の恩師、家族ぐるみで家を行き来していた友人たちが、その友人たちを斧を使って平気で殺戮を行うという到底人間とは思えない行為。群集心理の怖さを見た。


この間著者は、トイレの中で神に対してお祈りを続け、啓示を受けるという不思議な体験をしており、その後の人生が願った通りになったという物語となる。


強く願うということが人生に希望を持たせ、生きる力が湧いてくるのだということだろう。


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1997年にアフリカをバックパッカーで旅していた時にルワンダに行く計画していたが、大使館の職員に「死んでも良いなら行けば」と言われたこと今更ながら思い出した。今思えば恐ろしいことだ。

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0歳からの母親作戦―子どもの心と能力は0歳で決まる/井深 大

息子が3/17で2歳になった。


もうあの日から2年も経つのかと感慨深い。


最近は、「パパ あっち」など2語連続で話すようになり、意思表示も激しくなってきている。


それがまたかわいい。日に日にかわいさが増していくようだ。


この子をすくすくとまっすぐな子に育てるためにあらゆることに気を遣っているつもりだが、育児には??がつき物で日々格闘している。


そんな中で、以前読んだ 本著を読んでみる。


前回はまだ生まれる前だったが、実際の育児をしている時期に読むのではまた感じ方が違う。


育児に答えはないのだろうが、一番大切なことは最大の愛をもって接するということが大事なんじゃないかと思う。


今後の息子の成長が本当に楽しみだ。






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迷いと決断 07040

テーマ:
迷いと決断/出井 伸之

前ソニー社長の出井氏の半生を綴った本。


1946年設立のソニーに出井氏が入社したのが1960年。社員2000名で年商80億円という規模。1960年にソニーアメリカが出来たばかりという時期に入社したということだ。


今でこそ社員16万人、売上7.5兆円という規模に拡大したが、出井氏が入社した設立14年時点で2000名の規模というのは比較的ゆっくりとした成長だったのだと意外だった。


経営者としての出井氏は、本著を読む限り戦略に長けた人物だと感じるばかりだったが、これが本当にそのとおりだとしたら相当な先見力を持った人ということになる。


ひねくれた考えだが、後からであればいくらでも言えてしまうことなので本当のところはどうなんだろう、という気持ちを拭えなかった。



不動心 07039

テーマ:
不動心/松井 秀喜
松井が骨折をしてから復活するまでのドキュメントをNHKで特集されていたのを見て、なんて淡々としているんだろう、と思った記憶がある。
一流の選手の精神力は違うな、などと勝手に納得していたが、本書を読んで松井がどんな不安な気持ちになっていたか、しかしすぐにプラス思考に切り替えて困難を乗り越えて来たのだと納得した。

苦しいことや困難なことがあると、「人間万時塞翁が馬」を心の支えにして乗り越えているのだという。


「人間万事塞翁が馬」を心の支えにしていますが、何も達観している訳ではありません。


過去は決して悔やまぬように心がけますが、未来は違います。未来に対しては、自分に厳しくありたいと考えています。過去はともかく、未来は自分でコントロールできるのですから。


「努力できることが才能である」


これも子供の頃から僕を支えてくれた言葉です。この言葉が僕の希望でした。


一流選手でさえこの謙虚さ。


凡人である自分が努力しない訳にはいかないと思う。





もうひとつの日本は可能だ/内橋 克人

浪費なき成長

不安社会を生きる

に続き3冊目。

内橋氏は一貫して、アメリカのグローバリズムを強烈に批判し、行き過ぎた市場原理主義がマネーが主役となり、人間を排除の対象としてしまったと一刀両断する。経済の主人公は人間であってマネーではないと。

後半は日本が持続可能な社会の実現に向けて何が出来るかを提言。

日ごろ物事を動的に見るようにして物事のつながりを考えるように意識しているが、内橋氏の地球的観点での視点にはいつも多くの気づきを与えてくれる。


道をひらく/松下 幸之助

久しぶりに松下幸之助氏の本を読む。

日本を代表する経営者であり、思想家であった氏が身も心も繁栄の社会を実現したいと願う思いを込めた短文集で、一篇一篇が心に響くものばかり。

あなたはいま 何をもとめて日々努力し

日本はいま 何をめざして進んでいるのだろうか

ともに育ち ともに暮らしているこの国を愛し

日本人自身のすぐれた素質を大切に思うならば

政治家も経営者も 勤労者も家庭の主婦も

おたがい 他にのみ依存する安易な心をすてて

みずからが果たすべき責任にきびしく取り組もう

この国日本の 百年の計をあやまらないために


自分だけがよければよいというような安易な考え方を否定し、人として正しく生きましょうと説いている。

稲盛会長しかり、松下幸之助しかり、利他の精神や、人として正しく生きるということは普遍的な真理なのだと思う。

今号の特集は、「アメリカ 萎える超大国」


最近アメリカの凋落が激しい。多方面で同じようなことを聞く。


覇権国家アメリカのやり方が行き詰って来たのだろう。


異常な借金を抱えるアメリカが今の繁栄を築けたのは、貯蓄よりも消費という消費大国だったこと、基軸通貨として決済により米国にドルが還流していたこと、ITの隆盛、世界最大の軍事国家という微妙なバランスが保たれていたからであるが、少しずつ綻びが出てしまっている。


ブッシュが大統領になってからより顕著になったのではないだろうか。(ブッシュがネオコンということに大きく影響していると思うが)


一度綻びはじめたらその流れは誰にも止められないだろう。その次にくる世界のリーダーが中華思想という覇権主義の中国じゃないことを願う。


歴史のあるヨーロッパ連合(EU)か日本であることば望ましいのだが。

大東亜戦争の実相/瀬島 龍三

陸軍大学校を卒業後、大本営陸軍参謀となり、敗戦後シベリア抑留を経て伊藤忠に入社し会長まで登りつめたという稀有な人生を送った瀬島龍三氏が、ハーバード大学でハーバード・MITの国際関係学者50人を前に講演を行った際の講演録。


おじいちゃん戦争のこと教えて でも、受態戦争だったという表記のところで参考として紹介されていた本だったと記憶している。


さすが大本営の参謀だっただけに、戦争に至るまでの経緯が事細かに整理されていて戦争に関する文献としても価値が高いと思える。


おじいちゃん戦争のこと教えての著者である中条氏が言うように、日本が軍国主義で植民地拡大にひた走った訳ではなく、自存自衛の受態戦争であってアメリカに追い込まれ戦争せざる負えない状況になったことが良く分かる。


昭和16年に東城内閣が両国の首脳会談を要請したが、米国に拒絶されたことで戦争に突入することになってしまったということだ。


東京裁判においては戦勝国による一方的な裁判で日本だけに戦争責任があるということになってしまっているが、インドのパール判事は、米国にも戦争の責任はあるのではないかと指摘している。


それを踏まえた上で最後に7つの教訓を提示しているが、これが鋭い指摘で分かりやすい。


敗戦後のことについは本書では触れていないが、東京裁判からGHQの統制など点と点が線で繋がったような気がした。




人生と陽明学/安岡 正篤
 

初めて陽明学に関する本を読んだ。


陽明学は王陽明の学問思想のことを言い、江戸時代に日本に伝来した学問で実践の活学として知られているらしい。


その中心となる教えは「知は人の真実な感情と実践を通して初めて知となる」というもので、人間の自然な心情に根ざした倫理と実践を強調するものということだ。


日本に伝わってからは、佐藤一斎などが昇華させ、戦前の終身教育へと脈々と受け継がれて行き、戦後は東洋学の権威安岡正篤氏が復活させたという流れを持つ。


本著は、安岡正篤氏の講演録をまとめた本で口語調のため分かりやすかった。


様々なケースを取り上げ、「人として正しく生きなさい、人間性を磨きなさい、勉強しなさい」と言われていて、とても身が引き締まる思いがした。


繰り返し読みたい一冊。