図解 相対性理論と量子論―物理の2大理論が1冊でわかる本/佐藤 勝彦
過去に何度か相対性理論と量子論についての本を読んだことがあるが、これほど分かりやすい本は初めて。

全く理系の基礎がなくても理解出来るように一切数式を使わずにこの難しい理論を明確に論じてしまう著者に拍手を送りたくなるような本だった。素晴らしい。


物理は不思議なことが多過ぎてとても興味がある。この本のおかげでより興味が沸いてしまった。


物理と宇宙を理解するにはNHKがビデオで出している「アインシュタインロマン」が一番と何人からか聞いたことがあるので、これを見てもっと知りたいと思う。

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特攻からの生還―知られざる特攻隊員の記録/鈴木 勘次

きけわだつみの声など特攻隊の若者の遺書的な文章は読んだことがあるが、本著は特攻隊として相手の空母に突っ込んだ著者が奇跡的に助かり、特攻隊の生活や仲間との日々、突撃命令が出てから出撃し、敵艦に突っ込むところまでの心境の変化などをリアルに表した貴重な本。


いつ自分の順番が来るか分からない日々。


仲間が次々と出撃し、見送る日々。


悶々とした日々の中では、一体どこに生きがいを求め希望の光を見出したらよいのだろう。戦いの相手は敵か、それとも死の恐怖か、あるいわ孤独感か、苦悶するばかりである。


想像もつかない。


突撃命令が出て特攻機に乗り込むまでの心境。出発までの待つ間。飛び立つ瞬間の感覚。死へ向かいひたすら突き進む飛行時間。


胸が締め付けられる感覚に襲われる。


ひしひしと死の実感が胸を締め付け、不安が生理的に動悸、発汗、尿意となって身体的変化を伴う不快感を生じてくる。こめかみのなるのが聞こえ、途絶えがちの声が上擦ってくる。すでに覚悟が出来ていたはずなのに、やっぱり駄目だった。過去にとらわれず、未来に憧れず、ただ一瞬の忍耐で、霧のごとく跡形もなく消え失せるのに何を恐れる。


最後の特攻の瞬間。


やっと目的を捕らえた。苦しい行程であった。長かった。本当に長い行程であった。    

考えていた恐怖も忍に値しないもののように思えた。そのときやっと肩の荷がおりた、と思った。もうこれ以上は嫌だ。でも間にあった。これでいいのだ。もう死んでもいいのだ。                                                           絶好の角度、厳かな儀式の始まりだ。使命は果たした。自分の戦争は終わったのだ。疲れた。安堵の気持ちの奥に焦点のぼやけた茫漠とした、表現のない死が、いつか見たことのあるような空間で待っている。                               「そのまま突っ込め!勝ったぞ!」                                                                 安堵の心があった。


今の若者と変わらない無垢な青年達が、生まれた時代が少し違うというだけでこれだけ運命が違うのだ。


今の日本の繁栄は、先人達のおかげと肝に銘じいけていかなければいけないと改めて思う。


読了後、温かい風呂に入り、妻の手料理を食べ、子供の寝顔を見て寝る、という普通のことがすごい幸せなことなのだと激しく実感した。

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川本裕子の時間管理革命/川本 裕子

政府関係の仕事や、大学院教授、社外取締役、2児の母、執筆など一人何役もこなす川本氏の時間管理について興味があったが、結局のところ普通に考えられることを愚直なまでに実践しているだけなんだということが分かる。


特に自分に出来ていないところは、事前準備を徹底するということ。


これが分かっているようでなかなか実践出来ないのだが。。。


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今回の特集は「YKK知られざる善の経営」。


以前YKKが世界シェア50%近いという話を聞いたことがあったが、今回の記事を読んで世界に誇るビジョナリーカンパニーだということを知った。


株式非上場の同族経営で、ローテク産業。しかし経常は三菱重工をしのぐ。売上は世界で6196億円。


一度海外赴任になれば20年もザラ。徹底して地元に根ざした経営をする気合の入り方。代理店も商社も使わずすべて一からの立ち上げ。


利益よりも信用を大切にするという創業者の考えを今も頑なに守り続けているまじめな会社。


こんな隠れたビジョナリーカンパニーが日本にあったことに感動した。

ポケット解説 ドラッカーが描く未来社会/中野 明

過去にドラッカーの代表作である「現代の経営」を読んで、さっぱり訳が分からずにその後棚にしまってあるという情けない思い出がある。


本著はそんな未熟な読者でもドラッカーの考えを時系列でまとめた本でとても分かりやすかった。

話し言葉で読める「西郷南洲翁遺訓」 無事は有事のごとく、有事は無事のごとく/長尾 剛

「西郷南洲翁遺訓集」は西郷隆盛の側近達が、西郷の言葉を後世に残すために綴った書物のこと。


過去に原文での読解に挑戦してみたが、さっぱり意味が分からずに歯がゆい思いをしていたので、この話し言葉で読めるというタイトルに惹かれて購入。


常に「克己」を心がけることです。


「克己」、すなわち己に克つ。


「克己」を成し遂げるためには、自らの4つの心をなくさなければなりません。


意なく、必なく、固なく、我なし。


意。私利私欲のことです。「自分さえよければいいんだ」という浅はかな心です。


必。意を実現しようとする心です。「私利私欲を満たすためなら何でもやってやる」といった暴力のエネルギーです。


固。意に拘り、意に閉じ籠る心です。他人からの忠告にも耳を傾けず、反省を一切拒否しようとする愚かな心です。


我。自分の意の他は何も見まい、とする心です。「他人を思いやろう、他人を理解しよう」といった努めを放棄する心です。


この4つの心を消し去るのです。自分の中にある「意・必・固・我」を発見して、それを見つめるその先に克己があるのです。


そして、人は「克己」を果たした時に初めて、本当に世のためになる仕事を成し遂げられるのです。


他にも多くの名言が取り上げられているので、繰り返し読みたい本だ。

日本を変える―自立した民をめざして/川本 裕子

大学院で担当教授の川本裕子氏の著書。


授業では、自然体で接してくれる優しい教授という印象だが、本著では道路公団民営化委員会の一員として【官=抵抗勢力】と戦った経験からか、【官】による日本の統治(増殖)が続くと、日本経済を押し潰してしまう、厳しい論調を展開。

日本経済の中には、世界ではほとんど死滅したはずの社会主義がまだ棲みついてる、と強烈に【官】を批判。

道路公団民営化でも、国会で民営化が決議されたにも関わらず【官=抵抗勢力】のセコイ抵抗が激しかったと言っていた。

川本氏は、本著を通じて【民】が主役となり、持続可能な社会を築くための方法論を説いている。


その根本にあるのが、「持続可能な日本の実現=未来への責任を果たす」という思い。


-子供達に対して責任を果たしているか?

改革議論を聞いていて、一番気になることは、われわれは未来への責任を果たしているのか、ということです。         

つまり、日本をこれからも末永く豊かで誇りの持てる国にしたいと本当に考えているのだろうか、出来ることを尽くしているのだろうか、と自問せざるおえないのです。                                                                 
この典型が年金の改革案です。                                                                  

経済の発展を阻害するほど、現役世代に過大な負担を強いる案になっています。 

大人としての責任を果たしえていないのではないだろうか。                                           

組織的には大きな声になりにくいけれど、良識のある人も多く、この「静かなる良識」がある限り、 改革は個人個人の心の中で着実に育っています。                                                                       

本当の改革を起こすのは静かなる良識を持った国民以外にはありません。                                          

そこに日本の希望が見えると私は信じたいと思います。
川本氏が言う、未来への責任を果たすために出来ることを考えてみると、

①官僚が縦割行政と天下りを辞め国家百年の繁栄に使命を尽くし、
②政治家(特に国会議員)が地元の高齢者への迎合と利益誘導をやめ、
③それにすがり投票する(主に)高齢者が孫などの次世代を思い、
④若者世代が選挙に参加して意思表示をする。


以上の4つが同時並行的に変わっていかなければ日本の明るい未来はないと言えるのではないだろうか。

国民一人一人が自分の立場を優先するのではなく、未来への責任を果たし行動するということが大切なのだと思う。

レバレッジ・リーディング/本田 直之

速読というより、多読をして、ビジネスに必要な情報を効率的に集めましょう、という内容でその手法について指南した内容。


ほとんど実践していることで、かなり著書とかぶった読書の仕方をしているようで共感する部分が多かった。


でも本当は、新しい発見ややり方を知りたかったんだけど。。。

油断! 07006

テーマ:

分譲マンション屋さんに以前お借りした本(遅くなってすいません。。。)で元通産省出身の堺屋太一氏の石油危機を題材にした小説。


「石油輸入が大幅に減少した場合、日本が受ける影響」について研究した内容が元になていて、マルコフ過程という数学理論を駆使して予測しただけに信憑性が高く読んでいて恐怖を覚えてしまう。


まさに日本語の「油断」とは「油断して油を断つ」ことなのだ。


今でこそ日本の石油備蓄は6ヶ月分あるらしいが、それでも産油国同士の戦争など始まれば99%以上輸入に保っている日本は危機的状況になるだろう。


科学技術力を生かした新しい代替エネルギーを日本に開発してほしいと思った。



歴史の喪失―日本人は自らの歴史教育を取り戻せるのか/高橋 史朗

高橋史朗氏の本は初めて読んだが、戦後研究や歴史教科書についての専門家のようだ。

戦後研究、特にGHQの占領時の戦略についての研究をするために渡米して、3年間アメリカの大学と国立公文書館で3年間格闘した研究者。


それゆえにアメリカ側の資料を基にした占領政策に対する理解が深く、衝撃的な内容の本だ。


歴史の事実と、論理的思考で現在の日本人の歴史感の間違いを鋭く解き、日本人の自虐意識を改め、事実を知り、日本人である誇りを持とうという主張にとても共感した。


本著を一般的には”右”とか言うのだろうが、そう言う人はそもそもGHQの戦略で戦後教育がなされている事実をどれだけ理解しているのだろうか。


そういう人に一度読んでほしいと思う。