困った時は生首飛ばしてました!
拙作「ブラッドマニア2」より。
大昔、高校生の頃の作品です。
技術もお金も無い自主製作ホラーを撮っていて、
本格的な特殊メイクなど使えない状況。
でもでも派手な見せ場を用意したい!
そんな時は断首シーンがお勧め。
首をすっ飛ばすわけです。
手軽で効果的だと思いますよ。
1作目の「13日の金曜日」は、
特殊メイクによる残酷描写の見本市のような作品でした。
そのクライマックスのハイライトが、
殺人鬼ボリーズ夫人の首を刎ねるカット。
コマ伸ばしによる粗いスローモーションの効果もあり、
かなりインパクトのある場面に仕上がってます。
ところがこのシーン用のダミーヘッドを写真で見ると、
意外にチャチでダッチワイフな仕上がり!
ビデオのコマ送りで問題のカットを再生してみると、
1コマ1コマの画像はブレていて細部は確認不可能でした。
また、劇場での鑑賞時は、刃物で首を切断しているように見えましたが、
実際はもともと切れている首を、刃先でチョン、と飛ばしてるだけでした。
「一瞬しか映らないのなら、そんなに精巧でなくても大丈夫なのか!!」
そう気付いた私は、
実際に自分の作品で試してみました。
上の画像は私が高校生の時に製作した8ミリ映画の1シーンです。
ラストに何か大きな見せ場を用意したいなあ、
と思っていたので、
物凄く簡単な首を型取りもせずフリーハンドで作り、
現場に持ってゆきました。
30分でデッチ上げたインチキ生首を見た仲間達は、
「ダッチワイフじゃん!」
と笑いました。
撮影は簡単です。
カメラの前で血糊と一緒にピョン、と首を投げるだけ。
撮影中はギャラリーの中からも、
・・・ダッチワイフ?・・・・・
なんてささやき声が聞こえてきたりしましたが気にしません。
で上がった画ですが、
ご覧の通り、素晴らしい出来、とは言い難いものの、
問題なく使用出来るレベルでした。
というかブレブレでダミーの出来なんて判りませんよ。
ムービーカメラはシャッタースピードが遅いんで、
画はブレるんです。
でも連続して映写すると、一瞬のことなので、
それなりに凄そうに見えちゃいます。
このカットで手作り生首が画面に映るのは6コマ、
4分の1秒だけです。
プロが製作したゾンビ映画でも、
首が飛ぶ場面は簡単な特殊効果で作品にインパクトを与えてます。
「ゾンビ」では女性ゾンビの首をナタで勢いよく飛ばします。
このカットでのゾンビは後ろ姿なので、
顔なんてまともに作ってないと思いますよ。
「死霊のはらわた」でもスコップでゾンビの首を刎ねますが、
正直お人形にしか見えない手作りの首。
明らかにフリーハンドで作っちゃった代物ですが、
下手でもとにかくモロに見せるぞ!的なサービス精神で、
楽しい見せ場に仕上がってました。
「新ゾンビ」では、
ギリギリまで役者本人の顔を映しておいて、
斬る瞬間にダミーとすり替える、
という手法が大変効果的でした。
この方法ならダミーの出来はかなりラフでも大丈夫。
ちなみに同じダミーヘッドを使う方法でも、
「破裂」はけっこう面倒なんです。
ショットガンで吹き飛ばすのが一番良いんですが、
日本では無理ですからね。
やはり斬って飛ばすのが良いですね。
あと今は手軽にデジタル処理が出来るので、
現場では斬られた演技だけ、
全ては後処理で、ってのも面白いかも。
その場合も飛ぶ首の画像はブラすのが、
リアルに仕上げるコツだと思います。