秘密の扉

ひと時の逢瀬の後、パパとお母さんはそれぞれの家庭に帰る 子ども達には秘密にして


テーマ:
2005-07-16
しあわせ
テーマ  あいしてる

sora2
長いその腕に優しく抱かれて
私の鎧が溶けてなくなる
たよりない少女のままでいても良い?
恐い時は恐いと素直に言うから
ありのままの私を受け止めてくれる
あなたの胸の中で安らぎたいから
大きなその手で支えてくれる
幸せは感じるもの
ただ味わうもの
すべてを受け止めてくれるあなたと
目と目を合わせた
そこにあるもの
それがしあわせ



2005-07-17
隘路 6
テーマ たかし 第2章

 たかしが子供だとは全く思わないけれど、時々不安になることは確かにある。一人の人間の中にはいろいろな側面がある。女としての私は確かに彼に夢中だけれど、大人の人間としての私から見ると時に危うい面も見える。でもそれは私だって同じことだ。親だからいつまでも彼が子供に見えるのだと思う。
 別れると言う選択肢はさんざん考え尽くしてもう迷いはないつもりだった。それなのに再び心が揺れる。総ての決断を私に委ねられているような気がした。

 それから2.3日してたかしが戻ってきた。私はこれで最後かもしれないと思いながら、いつものように振る舞った。その段階ではハッキリと決めていたわけではない。けれど一つ一つの瞬間がかけがえもなく愛おしかった。たかしは新しい環境についてずっと喋っていた。10日振りに見る彼がなんだか眩しく、逞しく、懐かしく思えた。二人で買い物に行ったり、彼のリクエストで二人で料理をしたりふだん通りに過ごした。
 母親からの電話のことは言わず、すべてがいつも通り、それは楽しく安らかな休日だった。違うのは日曜日に早目に夕食をとり見送ることだけ。
「来週あたりdoorも来てごらん、向こうも見せたいし」
「うん、楽しみにしている」
バイクが見えなくなるまで見送る。先日と同じように部屋に戻って泣いた。いったいこれがいつまで続くのだろう。
 距離が遠くなって、心も離れるかも知れない。新しい環境で、出合いがあるかも知れない。翌週は風邪を理由に静岡行きを直前になってキャンセルした。今、思い返しながら1月のブログを読み直すとほとんどが以前書いたものを引っぱり出してきて掲載していたようだ。辛い時期だった。ずっと一人で過ごしていると何もかも悪く考え、不安に思い、いつの間にか別れを決断していた。
 
「秘密の扉」を再開したのはそのためだ。心の整理をつけるため。ところが始まる直前の週末連絡もせずにたかしがやってきた。私はきちんと別れを告げられず、自然消滅のような形で別れるつもりだった。メールの量が少なくなったので変化を感じた彼が突然やってきたのだった。彼を目の前にして私の決意は脆くも崩れてしまった。
 私は何度同じことをくり返しているのだろう。やはりこうやって書き記してみると自分の思考パターンや恋愛のパターンがハッキリ見えてくる。途中4月なかばには彼からの連絡が途絶えたり、何度も喧嘩したりで恋愛の「今」は相変わらず迷走しながら進んでいる。

 ただ、ハッキリと言えるのはお互いが想い合っている以上終わることは出来ないと言う単純な事実だ。私達は些細なことで喧嘩をくり返しながらきっとお互いを理解し合っていくのだろう。この半年で彼の新たな面の発見がいくつも在った。彼も同じだと思う。そうやって付き合っていくことで冷静になって、それでも相手を必要とすればその先も在るのかしらという私の遠距離恋愛の決定だった。けれどそれは誤算だった。逢えない時間に想いがつのって私達は相変わらず冷静になれない。

 私達は今も熱烈に恋愛をしているのだ。



ひとまず当初の予定通り1月までのことを書いて区切りをつけたいと思います。ですから第2章はここで終わりです。

長い長い話を読んで下さった方、心配して下さった方々どうもありがとうございました。

これからは気が向いたら詩や恋愛論を書くつもりです。ですからお別れではありません。ただ、本当に極まれの更新になると思います。毎日の更新はややきつく、少々疲れも出て参りました。特に私は夏が苦手でwしばらくゆっくりと日記ブログ「いわゆる認識の相対性」 の方をメインに更新するつもりです。
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2005-06-28
干潟 7
テーマ たかし 第2章


「二人で暮らすとなったら、どうせいつもくっついているから良いんじゃない」
この部屋で暮らすことがあるのだろうか。
「あはは…そうかもな」
たかしの携帯の画像を眺めながら嬉しいようなそれでいて不安な気持ちが湧いてくる。見たこともない所でたかしだけの生活がほんとうに私にできるのだろうか。
「で、どうするの?来るの?」
「一年くらい待ってくれる?」
たかしは鼻で笑った。
「そう来ると思った」
たかしの声に皮肉っぽさが漂っていた。
「ごめんなさい」
「doorがそれで納得するなら」
「わがまま言ってごめんなさい」
「車の中でずっと考えていたんだ、doorは何がそんなに不安なのか」
「俺さ、人を好きになるのに理由なんてないと思う。会社にいるんだよ、島野ってやつなんだけど経理の女の子好きになっちゃってさ」
「相手結婚していて子供だっているのに頑張っちゃってるんだよ」
「それ~ちょっといくらなんでも無理じゃない」
「俺もそう思うんだけど、もうそんなの関係無いって。なんだか見ているこっちが切なくなってくる」
「そう」
「飲みに行った時にいい加減目をさませよって言ったんだ、俺だって。そうしたらなんて言ったと思う?」
「わからない」
「僕は条件で人を好きになったんじゃない、彼女が彼女だから好きなんだって。F
さんだってそうでしょうって」
「私のこと知ってるの?」
「うん、前ちょっと話した。ちょっとくらい年上で遠距離くらいなんでもないって、僕なんかこれから離婚させて子供の面倒まで見なきゃいけないんですよって」
「えっ、そこまで話が行っているの?」
「いや、詳しいことはしらないけど。それ聞いて思ったんだ、俺も同じだなって」
「……」
「だけどさ、doorは違うんだよね」
「なにが?」
「そこまで俺のこと好きじゃないでしょう」
「ちょっと待ってよ、それとこれとは…」
「同じだよ」
「同じじゃないわ、私はもう少し理性的になって気持ちが落ち着いたら考えましょうって」
「言っていることは解るけど俺はいつもdoorは俺のことそんなに好きじゃないって思っている」
どうして何時も分かってもらえないのだろう。私はこんなに好きなのに。好きな気持ちに溺れてしまってきちんとした判断が出来ないから待ってくれと言っているだけなのに。
「ねえ、恋愛と結婚は違うのよ。いくら好きでも別なものになっていくの。今はただ、別なものにしたくないだけ」
「そんなに好きじゃないからそんなことが言えるんだ。好きだから一緒にいたい、結婚したい。別なものになったって一緒にいられるならそれでイイじゃないか」
「……」
「まあいいさ、それでdoorの気が済むなら」
「ごめんなさい」
「謝んなくても良いよ、ああdoorのこと、うちの親にも話してあるから」
「えっ、…なんておっしゃっていらした?」



2005-06-29
干潟 8
テーマ たかし 第2章

「まあ実際にはぶつぶつは言ってた」
「でしょうね」
「俺の気持ちとか全部話して、分かってもらえた」
「そう…」
親としては仕方がなく認めるといった所だろうなと思った。それはそれで仕方がない。恋愛結婚なんてそんなものかも知れない。
「正月にでも一度連れてこいって言われた」
どんどん話が決まっていくような勢いだ。私はなんとも答えられなかった。
「あ~そうそう、土曜日杉山達の結婚式だから、doorも来られる?」
「えっ、あ、そうか。急がなくちゃいけなかったのよね」
「腹出て来ちゃうからな~ははは」
「私が行ってもいいの?」
「うん、年末に急に決まったことだから。青山の方のレストランを借り切ってやるらしい。立食だし、来られないやつも出て来ているみたい。doorのことも紹介できるし」
「わかった、昼間?」
「うん」
二人だけの関係からどんどん広がって行く。そうやって既成事実として何かが積み上がって行くのだろう。外堀を埋められて行くような、しかしそれでも嬉しいようななんとも言えない感慨がそこにあった。でもまだ出会ってから半年。心の中でブレーキがかかる。もう少し待ってね、たかし。



2005-06-29
干潟 8
テーマ たかし 第2章


 師走はただでさえ慌ただしく過ぎて行く。たかしもずいぶん忙しそうで、バタバタとしているうちに土曜日はやって来た。
 美容院に行く間もなかったので、朝、丁寧に髪を引っ付め、付け毛を付けてなんとかごまかす。たかしはスーツ姿で化粧をする私を楽しそうに眺めていた。ワンピースの背中のファスナーをやっとのことで上げる。このところ運動不足でずいぶん背中に肉が付いているような気がする。ボディスーツを着ても肩周りが余裕の無い感じだ。最近の服はどうも身体にフィットし過ぎるデザインで私にはかなり厳しくなってきている。一昨日のパーティーの時はそんなに気にならなかったのに、たかしの友達と会うと思うと少し緊張してしまう。
「ねえたかし、ちょっとこれやばいかな」
「ふふん」
たかしはニヤニヤと笑っている。
「いっそのこと、こっちのノースリーブのドレスの方が良い?」
「どっちでも良いよ」
「一応平服でって書いてあるからやっぱりこっちかな。クリスマスシーズンだから赤のワンピースでも良いかも」
「door、昨日のうちに決めておけよ」
急いで着替えた赤のワンピースもウエストがかなりきつかった。
「うわ、だめだ!」
サイズに余裕のある黒のベルベットのスーツは鏡の前に立ってみると、いかにも落ち着き過ぎてしまってミセスの風格が漂い、たかしの隣には合わない感じだった。諦めて再びベロアのワンピースに着替える。
「door、そろそろ」
と言ってたかしはコートに袖を通した。実はコートフェチな私は、ああそのコート姿に痺れてしまう。慌ただしく玄関を出て二人で駅に向かった。商店のウインドウに映ったたかしに改めて惚れ惚れとする。
「いやあ、いいな~、格好良いよ、たかし。コートが良い、すっごい似合う」
「えへ?」たかしはさすがに照れている。mill
「コート好きなのよ、コートが」
「なんだよそれ」
「いやあ、格好良いよ~」
「コートがだろ」
クリスマスの街角はなんだかウキウキとしていて心まで踊るようだった。
「そう言えばこんなふうにビチッと決めて二人で歩くのって初めてかも」
「そだね」
「クリスマスイブはこんなふうに外で食事したいな」
たかしはにっこりと微笑んだ。



2005-07-01
干潟 10
テーマ たかし 第2章


 表参道で地下鉄を降りて青山通りを通って行くことにした。たかしはコートを揺らしながらさっさと歩いてゆく。彼と歩くと私は時々小走りになってしまう。だいたいコンパスが全然違うのに、歩調まで早いときては追いつけない。今日は履き慣れないピンヒールだから余計だった。たかしは私と並んでいないことに気がついて振り返る。私はたかしの姿を楽しみながらゆっくりと歩いて行って彼の腕をとった。
「一緒に歩いて行こうよ」
「ごめんごめん」
たかしは歩調を緩めのんびりと歩き始めた。木枯しの吹く中でも心が暖かくなり幸せな気持ちで一杯だった。すぐには静岡にはいけないけれど彼と一緒に生きて行きたい。心からそう思った。
 
 会場になっているフレンチレストランはワインショップの2階にあった。バラバラと人がやってきて口々に挨拶しながら花婿と花嫁を祝福している。幸せな光景だった。いつか私もたかしとこんなふうに祝福される日が来るのだろうか。人前での簡単な式は指輪の交換が済み、花婿と花嫁は誓いのキスを冷やかされていた。見ているのが恥ずかしくなって、たかしの顔を見上げると、たかしも私の顔を見降ろしていた。繋いだ手をぎゅっと握り合いお互いの瞳で心を通じ合わせる。花嫁はシンプルなウエディングドレスを着ていた。お腹はちっとも目立たない。彼女は大輪の薔薇のように微笑んでいた。人生最良の日のひとつなのだろう。
 式が済み乾杯も終わって私達は料理を取りに行く。顔見知りや友人同士でそちらこちらに固まりとなって話したり笑ったりしている。たかしは前に並んでいた友人と話しはじめた。




2005-07-04
干潟 11
テーマ たかし 第2章


レストランのあちらこちらから笑い声が聞こえる。幸せな気持ちのお裾分けが私のところまで届いてくるようだった。その声に混じって
 「えっ!たかしの彼女ってあの人?」
という声が聞こえた。一瞬胸がドキッとして後ろを振り返ることもできなかった。身体も心も凍り付いたようになってしまう。つづくその声はもう低くなって聞き取れなかった。私は頭をまっすぐに立ててたかしの隣に移動する。胸の鼓動が大きくなったような気がする。
 誰かが私について何かを言っている。それは決して気分の良いものではなかった。その声は意外性を含んでいたから、続く言葉は肯定的なものではないのだろう。けれど、他の人がどう思おうと、たかしは私を選んだのだという自信が胸の奥に在った。自分でも少し意外な気持ちがする。以前の私だったらきっと落ち込んでしまったことだろう。他の人がどう思おうと私は私。たかしが私をとても大切に想ってくれているという実感が私のプライドだった。こんなに素敵な人が私のことを好きって言ってくれるのだもの。それを疑ったり、不安に思ったりしていては彼をも貶めることになってしまう。
 私がたかしを愛しているから、たかしが私を愛しているから。これから二人で生きて行きたいから。今までよりもっと自分のことが好きでいられるし、大切に思える。彼を素敵だと思えば思う程、自分にも自信が湧いてくる。それが自分達だけの満足でも良い。だって、それが恋愛というものじゃないかしら。
 若くもない、子供だって産めるかどうかも分からない。どう考えても条件が悪い、けれどそんな私でいい、それでも結婚したいと言ってくれる彼の想いを心の底から有り難いと想った。



2005-07-05
干潟 12
テーマ たかし 第2章

 私には特に知っている人も居ないので置いてあった椅子に腰掛けて料理を食べていた。たかしは向こうで誰かと話し込んでいる。そこに女の子がやってきた。4.5才だろうか。薄いピンクのレースの服がとても可愛らしかった。両親は向こうで話し込んでいるらしい。誰か相手になってくれる人を探しているのだろう。
「こんにちは」
「こんにちは」
「お名前は?」
「わたなべさやか」
「さやかちゃんなにか食べたいものがあったら取ってきてあげるよ」
さやかちゃんははにかんだ。
「ケーキとジュース」
自分の皿を席に置いてケーキを取りに行く。ケーキの皿を渡すと消え入りそうな声でありがとうと言った。彼女と二人でな取り留めもない話をする。彼女はは椅子に座り、足をぶらぶらさせながらゆっくりケーキを食べていた。
「さやかちゃん、大きくなったら何になりたいの?」
「えっとねー、ケーキやさんになりたかったんだけど、やっぱりお嫁さんにする」
「なんで?今日の花嫁さん綺麗だったから?」
女の子は頷いた。
「だけど花嫁さんの服を着られるのは1日だけだよ、それでもいいの?」
女の子は少し困った顔をしていた。
私は大人気ないのは承知していた。禅問答の問いを彼女に投げかけて欲しかった。問いに意味はなく、その問いを味わうことで自分の答えを探るかのような。あるいはなにかのお告げを伺うような
「さやかちゃんのママも花嫁さんだったんだよ」
「そうなの?」
「花嫁さんになって、さやかちゃんが生まれてママになったの」
なにか言いたげな女の子の唇はクリームの脂がついてつやつやと光っている。ピンク色の頬と唇のバラ色が抱き締めたくなる程愛らしかった。
「ケーキやさんになったら花嫁さんになれる?」
「なれるよ、ケーキやさんになって、花嫁さんになって、おかあさんにもなれるよ」
彼女はニコニコしながら実をよじって考えていた。そのかわいらしい様子に私の心の古傷は痛んでいた。
「おかあさんにはなりたくないの?」
「わかんない」
「さやかちゃんのお母さんはいつも楽しそう?」
「わかんない」
「そっか」
ケーキを食べ終えて椅子から滑り降り彼女は母親の近くに行った。母親に私を指し示し、母親と私は目顔でお互い挨拶をする。
 分からない、やっぱり確かな保証などどこにもないのだ。ただ今の気持ちを持ち続けていられたら幸せになれるのだろう。第1章を書いた時の詩で「吐息はため息に変わり、愛は無関心に変わる」と書いた。それでも初めから諦めては何も手には入らない。
 たかしが話を終えて私の方に近付いてきた。



2005-07-06
干潟 13
テーマ たかし 第2章

「いい結婚式だったね」
たかしは先ほどまで女の子が座っていた席に腰掛けた。
「そうね」
話の接ぎ穂は喧噪に巻き込まれて漂って行った。二人とも黙ったまま相手に言うべき言葉を探している。ここで誤魔化してしまうのは私達ではなかった。
「私達にもいつかこんな日が来るのかしら」
絡み合わなかった視線がようやく交わる。
「僕は来てほしいと思っている」
「あなたが旅行中にやっていた例の仕事が繋がりそうなの」
たかしの表情は変わらなかった。
「うん」
「でも私あなたと離れたくない」
「うん」
私達はしばらく目で会話していた。そこにあるのはただ相手を求める気持ちだったのではないだろうか。
「どうしても今はどちらかを選べる状態じゃないわ」
たかしはゆっくり瞬きをした。そして口だけで微笑んだ。
「別に急がなくていいさ」
「無理していない?」
「していないって言ったら嘘になる」
「ごめんね」
その顔を見るのが辛くてたかしの肩に頭を預ける。
「俺さ~、バイク持っているんだよね」
「えっ」
「あんまり乗らないし、アパートのところに置いとけないから実家に置いてあってさ、
だから来る」
「私も行く」
確かな保証は何処にもない人生だけど、私らしく、彼らしくそのままで生きて行きたかった。泣き出したいような衝動にかられ、歪んでしまった私の唇の端に彼の指が触れ、たかしは微笑んでいた。のどの奥はひりひりと痛んで言葉が出て来ない。
「まだどうなるか良く分からないの。案外早くダメになって、しっぽを巻いて都落ちするかも」
たかしは頷いた。
「バイクに乗っていたなんて初めて知った」
たかしは再び頷いた。もしかしたら、声が出なかったのかも知れない。



2005-07-07
七夕
テーマ たかし 第2章

今宵は七夕。
離ればなれに暮らす恋人達が年に一度だけ逢える日です。
 
 天帝の織姫が仕事に励んでいたので牽牛とめあわせてやったらお互いに相手に夢中になって仕事もしない。それではと年に一度しか逢えなくなってしまったと言う、悲しいお話です。
 好きな人に逢えない辛さや切なさが、今とても分かるので、今年ばかりは心から星空が見たいと思います。
 巡り会わなければ仕事に励んでいられたのに、出会ってしまったために返って辛い思いをする。一時も離れたくない、いつもずっと一緒に居たい。好きなんだもの当たり前ですよね。
 好きであればずっと一緒にいくらでもいられる。そんな子供のころの恋愛と違って大人の恋愛は少しほろ苦く、より切ないような気がします。
 それでも一緒に成長して行けたらイイと言ってくれる人と出逢えたことはとても幸せなことだとつくづく思っているのですよ。
 今東京は微妙に曇り空。夜には晴れてくれるようにハラハラしながら見守っています。あの人もきっと同じ気持ちだと思うから。
今夜、星空に向かってつぶやきます。
「逢いたい」と。



2005-07-08
自分に恋する
テーマ 恋愛についてあれこれ

いきなりですが。
 2、3日前から降って湧いたように、私の中で革命的なことが起こった。何と表現してよいか分からない。突然自分のことがとても大切になってしまったのである。それは自分を愛すると言うことなのだけれど、余りにも突然に起こったので、もうこれは恋と言っても良いかも知れない。

 以前「秘密の扉」は自分の解放作業とどこかで書いたと思うのだけれど、ようやくその効果が出て来たと言うところだろうか。とにかく自分が可愛くて愛おしくて仕方がない。以前、自分を愛する という記事を書いた。その時は自分を好きになりつつある所と書いたが、それは無理に自分を愛そうとつとめたと言うべきだろう。今は理屈ではなく、とにかく自分が大切で大切で仕方がない。

 前は自分の愛する人が自分より大切だった。それは心の癖とでも表現したらよいのだろうか。まず第一に相手があった。自分を二の次に据えてしまうことでどこか自己満足していたのだろう。だからといっていま相手への愛が少なくなったわけではないのだ。むしろより真直ぐに愛せる感じがする。

 皆さんには当たり前の事かも知れない。長かった。それに気がつくまで私は何と遠回りして来たのだろう。いろいろな人が指摘してくれても、頭で理解するばかりで心に届かなかった。けれど、いまそれがとても実感できる。身体中に元気が出て来る。

ああ、なんだかとっても幸せ。
そしてこれからは今よりもっともっと幸せになれるに違いない ♪



2005-07-09
今度はリーディングバトン
テーマ ブログ

今度は、リーディングバトンw
・・●モ~ロモ~ロ記●・・ のわかめさん から廻って来ました!


Q1. お気に入りのテキストサイト(ブログ)

ごめんなさい、最近全然他のブログを見て廻る余裕がないです。
それでも廻る所wアメブロ外で選んでみました。

中東に降る雪@Jerusalem
らくださんはフォトグラファーですから写真も素晴らしいです。通い詰めてほぼ1年w

まなざしの快楽
ブログタイトルがしょっちゅう変わります。最近発見して夢中になって読んでいます。
ブログや2ちゃんの考察が面白いと思います


Q2. 今読んでいる本

「神々の沈黙~意識の誕生と文明の興亡」
ちょっと前に買って今2回目を読んでいます。人間の意識に関する本、とても面白いです。


Q3. 最後に買った本

「男というもの」
rennaimodoさんのお勧めでアマゾンのユーズドで1円で購入w
わたし的には浮気な男の言い訳本wま~本音なんでしょうけどw

Q4. 好きな作家

「おばちゃまは飛び入りスパイ」 のシリーズのドロシー・ギルマンは全部買って読みましたw
たかしちゃまにもプレゼントw特に一人で生きる勇気 で、彼女の素顔を読むことが出来て感動しました!

Q5. よく読むまたは、思い入れのある本

「大草原の小さな家」 シリーズ 
小学校5年生の頃からなん10回となく読んでいます。是非福音館の単行本で挿し絵を楽しんで頂きたいw

Q6. この本は手放せません!

「黙示録の秘密」松居桃楼 著

私の人生が変わった本。絶版ですからっ!
とんでもなタイトルですがところがどっこい名著です。多分出版部数も少ないだろうし、これを持っている人は手放さないでしょうw
私はこの本だけは絶対に誰にも貸しません。万が一古書店で見かけたら即買いです!
私は20万積まれても売らないw それ以上だったら応相談w


Q7. 次にバトンを渡すヒト

johnさん、 きびさん  よろしく~



2005-07-10
隘路 1
テーマ たかし 第2章

 年末は慌ただしく過ぎて行く。
 結婚式の日に大きく動いた気持ちはいつの間にか日常の中に埋没していった。どうしてどちらかを選ばなければならないのか、頭では理解できてもどうしても心が追い付いていかない。選択を迫られていること自体に理不尽さを覚えていた。
 たかしは連日日付けが変わらなければ帰って来なかった。それでも毎日私の部屋に来て私達は毎晩抱き合って眠った。私は何度も何度もすべてを捨ててたかしと一緒に静岡にいこうと考えた。けれど何度考えても、やっぱりもう少しだけここに残ろうと考え直すのが常だった。
 たかしだけが私にとっての総てじゃない。そう考えてしまう私は冷たいのだろうか。もし私がたかしの立場だったら私のことを愛していないのねと詰め寄ったかも知れない。けれどたかしはそれをしなかった。ずっと私を見守っていた。

 クリスマスイブに約束していた食事の予約を入れる余裕もなかったようで、私は勝手に高層ビルのチーズフォンジュの店に予約を入れた。たかしは前日も休日出勤しているような状態で時間に間に合うかどうか私は心配していた。クリスマスプレゼントはジルサンダーのマフラーを選んだ。あきたりだけれど趣味のうるさい彼に何を選んでいいか良く分からなかったからだ。
 内緒で編んでいたセーターは途中でベストに変更されてそれでもお腹の辺りまでしか出来上がらなかった。以前はテレビを見ながらあっという間に編めたものだから充分間に合うと思っていたのだけれど、ブログばかりの毎日では編み棒を手に取ることも忘れていた。

 たかしは約束の時間からに15分程遅れて走りながらやってきた。コンタクトを入れてくるのを忘れてきてしまったのに一目で彼だと分かる。そばを通ったカップルの女の子がたかしを振り返り目で追っていた。私はそれを見て少なからず優越感に浸る。中身も良いけれどガワだってそれなりには大切だ。素敵デショ、ワタシノモノヨ。私は相変わらず彼のコート姿にすっかり満足していた。
「ごめん、遅れた」
私は抱きつきたい衝動にかられたけれど、黙って彼の腕をとって歩き始める。
「こっちこそ無理させちゃったんじゃないの」
「クリスマスイブだぜ、当たり前だよ」
少し上がった息が白かった。Xmas
 レストランでの食事は会話が弾んで楽しかった。もう少しでこんなふうに一緒じゃなくなるかと思うと私の胸は痛む。どうしても静岡行きを決断できない自分が申し訳なかった。
「doorこれ、クリスマスプレゼント」
たかしはごそごそしながら一目見ただけで中身の明らかな小さな包みを私に差し出した。
「たかし、私それ受け取って良いかどうか分からない」
静岡行きの決断も出来ない私に婚約指輪を受け取る資格があるとは思えなかった。戸惑っている私を見てたかしは悪戯っぽく笑った。
「うん、御期待の物と少し違うかも知れないけど、受け取ってほしい」
たかしは自分で包みを開け始めた。不思議に思いながら彼の手先を見つめる。彼の手の中でその包みは本当に小さく見えた。



2005-07-10
交錯
テーマ  あいしてる

yakei
メールを送って5秒後の
あなたから来た着信は
私のメールと入れ違い
こぼれた涙は知っている
おんなじ時を過ごしてる
同じ想いをいだいてる



2005-07-11
隘路 2
テーマ たかし 第2章

ポコッと音がしてケースが開くとずいぶん小さなパヴェダイヤのリングが入っていた。
「小指にして」
私は左手の小指に指輪をはめる。ぴったりだった。
「どう?これならしてくれる?」
それは私達の折衷案のようだった。無責任にイエスといいたくない私と、それでも示したい彼の意志がひとつの小さな形になっていた。もし立爪の婚約指輪なんかだったら、そうでなくとも薬指用だったらやはり心の中に抵抗を感じただろう。けれど指輪というものを贈ることで彼の意志はしっかりと私に伝わっていた。
「ごめんね、気を使わせちゃったね。なんて言ったらいいか…」
喉が詰まって言葉が出て来なかった。たかしは私の顔を見ながら静かに微笑んでいる。
「…ありがとう、とっても嬉しい」
「ほんと?」
頷きながら自分の意志を押し付けること無く私の気持ちも尊重してくれる彼とだったら、この先も上手くやっていけるに違いないと思った。
「こんなに気の効いたものを貰ったのに、なんにも芸がなくて申し訳ないんだけど」
私はマフラーの包みをたかしに渡した。たかしは包みを開けてマフラーを取り出した。
「ありがとう」
「向こうに行ったら必要無いかも知れないけど、風邪引かないようにね」
「うん」
「私の事だからたくさんメールしちゃうかも知れないけど、返事はいいからちゃんと仕事をしてね」
「おいおい、別に今日でお別れじゃないんだからさ」
「うん、これ素敵、嬉しい、ずっとする」
歪んでしまいそうになる口元を見せまいと思わず俯いてしまった私の頬をたかしの手が撫でる。嬉しいような少し恥ずかしいような甘酸っぱい素敵な気持ち。

照れくさくなって私は急いで話題を変えた。
「ねえ、引っ越しは何時するの」
「うん、年内にやっちゃいたい。正月doorのところで過ごして良いだろ」
「うん」
「実家に帰ったりするの?」
「ちょこっと顔は出さないといけないと思う」
「何日?」
「いつもは2日だけど今年はどうなのか…妹たちの都合もあるし、明日にでも聞いてみる。たかしは実家に帰らないの?」
「それなんだけどさ…」
「…?」
「ちょっとうちの親にあってくんねえ」
「えっ、…御挨拶に伺うの?」
なんだか急に胸がドキドキして来た。たかしは親に何と言っているのだろう。
「だめ?」
「ダメじゃないけど」
「別に結婚するとかしないとかじゃなくて、doorの事を話したら正月に連れてこいって言われてるんだ」



2005-07-13
女の子だけのお話
テーマ ブログ
 「秘密の扉~第2章~」もそろそろ更新終了です。
昨日は気分の悪いことが二つも重なってとても物を書く気持ちになりませんでした。楽しみにして下さった方、ごめんなさい。
 今日は女の子だけのお話をしたいと思いますので男性の方はスルーして下さいませ。ごめんね。

たかし第2章では生理が上がりそうwな恐怖に怯えておりますが、今現在順調に復活。どうも男ッ気があるといかんようですw
もしくは身体が過剰反応していたのでしょうか。
夏の生理ってうっとうしく無いですか?生理ってそもそもうっとうしいものなんですが。
蒸れたりかぶれたり。前はそんなことは余り無かったような気がします。
今現在私はメインで羽根つきナプキンを使用しています。昔の生理用品にくらべると格段にズレないモレない、素晴らしいです。それでも三日目ぐらいになるとカブレて来るんですよね。結構頻繁に取り替えているつもりなんですがやっぱりカブレる。これは私だけじゃないみたい。かぶれちゃう人多いみたいですよね。

どうしてなんだろう。

もしかしたら、余りにフィットし過ぎるのかも知れない。ナプキンの形も立体的になって、より身体に密着するようになっていますよね。密着するからモレないんですが密着し過ぎてカブレるのかも。少し前まで100円ショップに昔ながらの四角いナプキンが売っていてそれが意外に良かったので三日目ぐらいからそちらを使うようにしていたのですが、最近もう置いていないんですよ(ToT)仕方なくこのところ三日目からはタンポンに変更でございます。どこかに四角いナプキン売っていませんかね~

それにしても!
ちゃんと下wからこどもを産んだのに未だに生理になると下腹部痛と頭痛と吐き気!
どうにかならないものでしょうか。あ”~~!気分悪っ!



2005-07-13
隘路 3
テーマ たかし 第2章

いよいよ来るべきものが来るのだ。逃げたところで、いつかは避けられない道だ。
「わかった。どこまで話しているの」
「う~ん、一通り」
「バツ一で、7才年上でってこと?一緒に住んでいないけれど子供も居るってことも?」
「うん」
「何もそんな人とって言われたでしょう」
「だけど俺、他に考えられないって言ったら納得してた」
たかしの言葉は嬉しかったけれど、親の立場なら反対するだろうし、当たり前だと思った。
「どうしよう、何着ていこう」
普通だったらせっかくのお正月、振り袖姿で
「まぁ可愛いお嬢さんね」
などと言われてニコニコしている所なのだろうけれど。
「それでいいよ」クリスマス用の真っ赤なワンピースでは行けない。
「これじゃ…なんか、スーツでも来ていくわ。なんだかちょっとドキドキしてきた」
「はははっdoorでもそんなことがあるんだ」
「失礼ね」
いくら笑いに誤魔化しても不安は水にたらした墨のように広がっていく。先入観はあるだろうし、かと言ってどうすれば良い印象が与えられるのかも分からなかった。
 たかしの引っ越しの日、私は古いiMacを引っ越し荷物の中に入れてもらった。これを繋げばネットで彼ともやり取りできる。年末はいろいろなことがあって、私も辛い毎日を送っていた。不安はいっぱいだけれど、なんとか良い年にしたかった。

 いよいよ年が開けてたかしの家に二人で向かった。連れ立って歩きながら心臓の鼓動を感じていた。別に、自分より良く思われなくても良い。やっぱり多少は色眼鏡で見られてしまうのかしら、それだけは避けたい。たかしの御両親だもの、大丈夫、信じて良いはずだ。
組んだ腕からコートをとおして私の鼓動がたかしに伝わってしまうかと思うくらいだった。
「door、黙っているけど大丈夫?」
「ちょっと緊張してる」
「平気だってば、うちの親も結構さばけてるから」
「それなら良いんだけど…」
年越しは二人で過ごして元旦にたかしは実家に戻った。今日はほとんど私を迎えに来たようなものだ。最寄り駅まで迎えに来てくれれば良いと伝えたが、たかしはわざわざ部屋まで迎えに来てくれた。素直に喜ぶどころか逃げ出さないかと監視されているような居心地の悪さを感じていた。でも私一人だったらもしかしたら逃げ出していたかも知れない。

 住宅街の真ん中にたかしの家はあった。初めて見る。ここで彼は育ったのだ。私の知らないたかしがここに居たんだろう。この街で育ち、友だちと遊び、いくつか恋愛もしたのだろう。そう思うとその家になんだか親しみが湧く。これから会う御両親も私の知らないたかしを知っていて、私は彼等の知らないたかしを知っている。どんな御両親だろう。
「ちょっと、…たかし、深呼吸させて……大丈夫かなぁ」
「doorは細かいことを気にし過ぎなんだよ」
そう言いながらたかしは扉を開けた。
「ただいま~、連れてきたよ~」
廊下の向こうから御両親がいらして上がるように勧めてくれた。たかしは母似だったようだ。簡単に御挨拶をしてたかしの家に上がった。


2005-07-14
隘路 4
テーマ たかし 第2章

 居間に通されてきちんと御挨拶をしなおし、当たり障りの無い会話が始まる。表面上は和やかに、にこやかに進んで行った。たかしに何かを取らせにいった隙にすかさずお母さんから連絡先を聞かれた。私は素直に名刺を渡す。嫌な予感が心を掠めたけれどそれを押し殺してお父さんの冗談に口だけで笑ってみせた。2時間ほど和やかに過ごしてお暇させていただいた。たかしは私を送りに外に出て来た。駅までの道をゆっくりと歩く。
「どうだった?」
「どうって」
「うちの親」
「たかしの御両親だな~って」
「どういう意味よ」
「ん…素敵だって事」
「んだよっ」
 それからたかしは親についての解説を始めた。なんだかいつもより喋り過ぎるのは彼も何か不安を感じているのだろうか。それには触れずに素直に相づちを打つ。名刺を渡したことも黙っていた。雪が降り積もるように心の中の不安は次第に募っていく。年末に降った雪のなごりが道ばたにあり埃で黒くすすけていた。早く溶けてしまえば良いのに。

 翌日から次の日までたかしとずっと過ごした。たかしによると御両親は私に良い印象を持っているようだとの事で少しだけホッとした。日常のなんでも無いことが真珠のように貴重に思える。優しく、傷つかないように二人の時間を丁寧に過ごした。砂時計の砂が次第に落ちていくのを感じるように。これでお別れじゃないのに、そんなことは分かっているのになんだか貴重に思えるのだ。夕方実家から乗って来たバイクにたかしはまたがった。
「今週はちょっと無理だけど来週末にはこっちに来るから」
「うん、途中気を付けてね」
もっと言いたい言葉はいくら努力しても声にならなかった。
「泣くなよ」
たかしは革のごついグローブで私の頭を乱暴に撫でた。バイク姿は格好が良かったけれどそれをちゃんと見ることも口にすることも出来なかった。
「いってくる、じゃ」
バイクはスピードを上げてすぐに見えなくなってしまった。取り残された私は部屋に戻って泣いた。大きな声を上げて思いっきり泣いた。寂しかったらいつでも逢いにいける。少しだけ物理的に遠くなっただけ。いくら自分に言い聞かせてもやっぱり悲しかった。私の部屋に置いてあった荷物はそのままで、たかしだけがいない。実際には来ることが少なくなっただけなのに、どうしてこんなに悲しいのか自分でも理解できなかった。それでも毎日夜が来て朝が来た。仕事が立て込んでいたので気がまぎれて良かったかも知れない。
たかしからは毎日メールが来た。プロバイダとの契約が未だだったから私が書くメールの量に比べたらごく短いものだったけれど。
 ある日たかしのお母さんから電話があって私と会いたいとのことだった。心のどこかでこうなることは覚悟していた。新宿で待ち合わせることにした。



2005-07-15
隘路 5
テーマ たかし 第2章

 私は遅れるのが嫌だったので30分も前に約束のホテルのロビーに座っていた。持ってきた本を読もうとしたが内容はさっぱり頭に入らなくて、目だけが活字を追い頭の中では今日の話し合いのことを考えていた。
 多分別れて欲しいということなんだろう。電話をもらって中一日いろいろな可能性を考えたけれど、単なる茶飲み話でないことは確かだ。御両親はたかしがふつうのお嬢さんと幸せになってくれるものだと思っていただろうし、私が普通のお嬢さんではないのは確かだ。
 ふと宙を彷徨った目がたかしによく似た面影を捕らえた。ちらと時計を見ると約束の時間に15分も早い。早く来ておいて助かった。引きつっていようと、どう映ろうととにかく笑顔らしきものを浮かべて立ち上がり挨拶をした。


 ティールームでたかしの母親は戸惑いながら私と向かい合っていた。時には言葉につまりながら、思ったより私がちゃんとしていて安心したこと。分別があると思われること。距離が遠くなってどのような連絡をしているかなどを聞いてきた。直接別れろと言っているわけではなかった。認めないとも言わなかった。ただ少し戸惑っていると。私はそれは当然だと思うと言うほかない。たかしの母親も実の置きどころのない感じで、見ていて気の毒な様子だった。
 続いてこれからのことをどう考えているか聞かれる。たかしからもらった指輪を眺めながら少なくともあと半年ぐらいは少し物理的な距離を置いて考えたいと伝えた。そしてこれまでのこと、私自身たかしに幸せになって欲しかったから、ずっと自分は相応しくないと考えて苦しんできたことも伝えた。何もかもありのまま話すしかなかった。
たかしの母親は下を向いて聞きながらハンカチで目を拭っていた。それでも
「たかしは31になったとは言ってもまだ子供ですから、この機会にdoorさんもよく御考えになって」
と絞り出すように言った。それは言外にできれば別れてもらいたいと言っているように私には聞こえた。震えぎみの声がこんなことを言わなければならないことに苦痛を感じていることの表れだった。
「はい、でも…」
「私には何が彼にとって幸せなのか分からないんです」
自分の声があまりに細くて頼り無げに聞こえる。ほとんど泣き出しそうになりながら舌先を噛んで涙を堪えた。
「私は彼が幸せになってくれれば良いし、でもその彼に求められたら私は応えるしかないんです」
「そうね、ほんとにそうね、ごめんなさい。doorさんのお気持ちは良く分かりました。あの、失礼に聞こえた所があったらごめんなさいね。ただ、あの子の前でこんな話が出来なかったものだから」
私達は立場が違っても純粋にここに居ないたかしの幸せを願っていたと思う。私が彼をどのように愛しているか彼女も理解してくれたようだった。その意味で同じ気持ちを共有していると言う感覚があった。たかしの母親とこんなふうに心の交流ができるとは思ってもみなかった。
 別れたあと所用を済ませて部屋に戻ると、珍しく留守番電話のランプが点っていた。近ごろでは家に不在の時はすぐに携帯に電話が入るので珍しいなと思った。確認してみるとたかしの母親の声で今日の話し合いについて感謝の言葉が録音されていた。ずいぶん丁寧な方だと思いながら聞いていると最後に
「これから距離も離れることですし、どうぞ二人の人生を長い目で考えてみて下さい」
と締められていた。不思議と反感も反発も無かった。

第2章 vol 12へ

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2005-06-19
メロメロ~マカーの愚痴w
テーマ ブログ

あんまり普段から愚痴を言ったりする方じゃないんですが、書いているうちに、どんどん頭に来てしまって、この際、どんどん追記していきます。
* * *


マカーなので、しかもOS9&IEユーザーなのでメロメロやりたくても登録画面がでてこなかったんです。せっかくメロを選んでもその先に進めない…。悲しかったです。

それでもメロメロやりたくてネットカフェに行ってまで登録しました。
夜遅い時間だったので、すぐに反映されないかもとブログ画面で確認できないまま帰ってきました。
既にその段階で、お友達が温泉に入ったりしているにもかかわらず…

未だにうちのツムちゃんはブログ画面に登場しません…orz

自宅でプラグインの追加の画面を見てもプラグインの説明の所にメロは出てきません。cotanやMyClipは出てくるのに…
何がどう間違っているのか、どうしたらよいのか。
ああ分からない。

だいたいどうして未だにFIREFOXにしないかというと、何だかこの頃極端にマシンの調子が不安定でこれ以上何かをしてダメにしたくない…アメブロサファリに対応してくれないし…
周辺機器の問題でOSXに完全に切り替えられないのが多分最大のポイント。

ああああぁ…
どこから手をつけて良いかもう分からない…
ネット専用に1台買うか?
それもなぁ…

そりゃネットカフェで使えるんだから私winだって使えますよ。
でもね、いわば
左手で箸を持っているようなもの

だいたいwinはアイコンが画面左に並ぶでしょう。
それは

人間工学的に言って

インターフェイスとして


おかしいんですよ。

右利きの人が多いのだから、しかも私は右利きなのだからアイコンは右に並ぶのが 正しいはず なんです。



その辺からして

既にwinが嫌。


なんでマウスボタンが

2つあるのか

まったく

理解できな~い。



ここを読んでいらっしゃる方はほとんどの方が
こいつ何言っているの?って感じなんでしょうね…

そうです、きっと私が頭が悪いからなんでしょう。
アメーバーブログさん、
頭が悪くてもメロメロ使えるようにして下さい…

ツムちゃん早くここで見たい…ぐっすん

* * *


それにしてもOSXになるとまた全くインターフェイスが変わるから、どうせだったらリナックスと思うものの、そうなるとサポートがないから不安…
結局、ビル・ゲイツの目玉にムカつきながらWinにいつか切り替えるのだろうか…

* * *


だいたいPCを使って何をやるかが重要なので、その前にPCを使えるようにならないとイケナイというのはおかしいと言うことでMacOSが登場したわけで。
それを見てMSがWinを開発したわけで。
その思想の延長線上で、

ブログが登場したんでしょう。

重要なのはコンテンツであって、メロメロをやりたいからとわざわざネットカフェまで行ったのにそれでもこのブログ上にメロメロが出てこないと言うのはなぜ?

それは私がそそっかしいせいか、頭が悪いからか多分両方だと思うけれど、
そんなアホでも楽しめるように作られたものでしょう。
と言うことは私がアメブロ想定外に
















アホだったんだ…orz


ピャーコちゃんちの「頭の良くなる花」 ……欲しいです。

2005-06-22
ゴッゴルで沖縄から青森までオフ会
テーマ ブログ

異様に盛り上がりましたw

「ピャ-コの情熱大陸」のピャ-コちゃん が青森から
「★★★極楽特価★★★お得生活」の星さん が沖縄から
東京アクティブジャーナル「麺と汁ともやもやでゴッゴル」のマッピーさん と私が東京と、この4人でオフ会をしました。
場所は銀座の某個室レストラン。とても素敵なインテリアと、とにかく美味しいお料理の数々。幹事の星さんが近く2?才の誕生日を迎えるピャ-コちゃんにケーキを用意。
なんで東京者が手配をしないで沖縄の星さんに全部おまかせなのか良く判りませんが、全くもって見事な幹事っぷり。細やかな心遣い、心配りにお人柄を感じました。
minnna


待ち合わせ場所はマリオン前交番と言われていたのです。マリオン前と言うことは有楽町駅前交番のこと?ここはマリオンの裏手になるんだけれど…。
とにかくここでピャ-コちゃんと御対面。ブログの雰囲気そのまんま。とても楽しくてチャーミングなピャ-コちゃんとこれから2日にわたって計10時間過ごすことになります。

さて、少し遅れていらっしゃるというマッピーさんと時計台の下で無事合流。
マッピーさんは外食、とりわけラーメンばかりなので太めの方かなと勝手に想像w
体型は普通で、それでも5kg太ったとおっしゃっていたので元々は今よりスリムだったのでしょうね。マッピーさんもブログの雰囲気そのまんまな方。携帯電話3台を駆使し、複数のブログを瞬時に更新され、私からすると「神!」 技。後に私と同世代と判明。

さて、星さんから交番のところにいるんだけどと言う電話がはいったのにお姿が見えず。
よくよく話を聞いてみると数寄屋橋交番と判明。
あの~そこは多分日本で一番有名な交番ではないかと…
行ってみると一目で判る沖縄の青年がw
これでメンバーが全員揃って予約したお店に移動します。

とにかくそれぞれ全然違う分野のブロガーですがそこはそれ。全員昨年9月スタートと言う共通点が。アメブロが始まった頃はとにかくブログの数が少なくていろいろなジャンルで交流があったし、とにもかくにも、9ヶ月ブログを続けて行くというのは実は結構大変なこと。根っからのブロガーでないと続けていけません。

そんなブロガ-のオフ会に料理が運ばれて来ると

まず撮影w
なにかというと

「これはネタになる!」のセリフw
    ↑ほとんど決め台詞w

私は普段カメラを持ち歩かないのでしっかりと忘れて来ました。なので画像は各所で御覧下さい。もしくは後でパクりますw

とにかく強烈なピャーコキャラ。加えて小柄な身体にも関わらず麦焼酎「閻魔」をロックでガンガン!
沖縄の星さんとのアメブロ酒豪対決か?との憶測もあったのですが、星さんは私と同じでほとんど飲まれない。
顔色一つ変えずにガンガンな

ピャ-コちゃんはザル! <door認定w


今回のオフ会を終えて思ったことは


みなさんそれぞれのジャンル、スタイルをもちながら、なおかつ共通するものがある
それはみんなブログを愛しているということ
ブロガーというライフスタイルが出来つつある

のかなとしみじみ感じ入ったdoorでした


私のオフ会報告はこれぐらいにして
後はどなたかよろしく~
ピャ-コちゃんとのお洒落デートはまた後ほど…

2005-06-23
doorお勧め!お洒落デートコース
テーマ ブログ

selan

前々からお約束していたピャ-コちゃんとのデート。
事前にどこへ行きたい?と伺うと、とにかくオシャレなところへとのリクエスト。
不馴れな東京、限られた時間でいかにオシャレな所を堪能していただくか。

そりゃあ恋愛ブロガ-としての沽券に関わりますもの。入念に考えます。
とはいっても、メインはピャ-コちゃんとのしっとりとしたお話w
ゆっくり落ち着いてお話ができるように静かな所を…namiki
両国のホテルから総武線で信濃町駅の待ち合わせ。神宮球場の脇を抜けて絵画館前をお散歩。11時半オープンのSELANの憧れのテラス席でゆっくりとランチ。その後表参道をブラブラと抜け原宿か渋谷へ。山手線、モノレールで空港に向かう。

完璧です。

当日朝雨模様に汐留カレッサに変更かとバタバタしたのですが、晴れ女の面目で無理矢理雨を止めましたw

前日ザル状態のピャ-コちゃん、やはり少しお酒が残っていたようで外苑までの徒歩に多少の弱音w
天気が判らなかったので予約できなかったSELANのテラス席もオープン10分過ぎですから一番良いお席。パーティや打ち合わせなどで来たことはあるけれど、デートでテラス席憧れだったんです!(悲)desa-to
食前酒は我慢してもらって美味しいランチを堪能いたしました。
ピャ-コちゃんはなんやらのアラビアータ、私は鱧のぺぺロンチーノ。
あ~美味しかった。
途中人なつこい雀がテーブルに御訪問。 ピャ-コちゃんのパンを突ついたりグラスに止まったり。雀にまで協力してもらって楽しいランチの終了。その後徒歩で渋谷まで。
お別れの時、山手線のホームでいよいよ泣き出したピャ-コちゃん。
散歩の途中のお話で泣きそうになった私に「泣いちゃダメ!」って怒ったくせにw

こうしていろんなお話ができる素敵な関係になれて、ブログをやっていて本当に良かったと思います。

全国100万人のピャ-コファンの皆様、ごめんなさい!

ピャ-コちゃんはとっても素敵な女性でした!
どうもありがとうね!



2005-06-24
johnさんからのMusic Baton
テーマ ブログ
知らなかった…今Blog界で大流行なんだそうでございます。持っているジャズアルバムがかなり重複するjohnさんからMusic Baton を渡されました。わたし、ずっと音楽を聞いていない時期があって、も-最近の曲ははっきり言って付いて行けません(苦笑)
そんな私に渡されても…って感じなんですが、かえって皆さんに新鮮かもw

1.PCに入っている音楽ファイルの容量
20.4MBでした。これは多いのか少ないのか、圧縮済みのデータなので…iPodへの出し入れに使うだけ。普段聞くのはCDプレーヤーで聞きます。もちろん音楽ソフトはiTune。

2.今聞いてる曲
白鳥英美子の「彩り」 星のまたたく夜に

美しい、それはそれは美しい声、安定した表現力&歌唱力、文句無しです。
なんで持っているのか不明w 今、一番聞いています。
時々泣きそうになるのでかならず部屋で聞きますw

3・最後に買ったCD
The Doorsの「ハートに火を付けて」
始めレンタルで借りて聞いたのですがとうとう買ってしまいました。
1ヶ月くらい前です。やっぱりこれは買いたいだろうとw
名前の親近感wだけでなく、今でも古びないというか一回転しちまったオシャレなサウンドに痺れます。なんだかイカシテル!って言葉がぴったりかな~ ビバ☆60'sって感じですw

4.よく聞く曲、または思い入れのある曲5曲


1 ボヘミアンラプソディ
やっぱりクイーンです。ブログで過去2回も取り上げたほど大好きなこの曲。
ここ半年ほどのテーマソングでした。もう何百回聞いたことか

「Lonestar」 ノラ・ジョーンズ
カントリー調の曲。ボヘミアンラプソディの前にマイブームだったのがこの曲w
このアルバムはひたすら癒されます。適度にハートが揺れるのも良い感じ

Sey it  ジョン・コルトレーン
夕日に照らされて車の中で聞くのが最高!ホッとしますね、お疲れさまって感じですw
車の時はジャズが多いですね。
但し、高速をぶっ飛ばす時はやっぱりクイーンのDon't stop me nowでございます。
ついついアクセルに力がはいりますw

Love ジョン・レノン
johnさんからと言うことで大好きなジョン・レノンからはこの曲を。シンプルに愛を謳うジョン。飾らずありのまま、ただの愛の原点かなとw
だけどこのアルバム「ジョンの魂」自体は余りにも辛すぎて今はちょっと聞けない。
iPodだからこの曲だけを聞けると言うべきか…


5.Song for You レイ・チャールズ

映画 Reyの公開で、あ~久しぶりに聞きたいな~と。ハマりました!w
心をえぐられますね。最近はすっかりレイ・チャールズです。

そして
バトンは青バラ先生、 bowさん、 めいさん 、 遠藤先生、 きよぴんさん
にお渡しすることにします。
これもずいぶん廻っちゃっているんですね。もし、気が向いたらの御参加でよろしいかと存じます。
バトンよ飛んでいけ!




2005-06-25
瑠璃色の夢
テーマ  あいしてる
24
今はただ息をして
ここに存在している

瑠璃色の夢のかけらをつなぎ合わせ
蜃気楼の部屋で幻を生きる

求めて
走り回って見つけ出した
幻灯機

胸がちぎれてしまいそう
お腹がちぎれてしまいそう
こころがちぎれてしまいそう

希望なんてなければ
苦しみはしない
なんだって
甘んじて受ければたやすいものを

それでも消すことが出来ない
たったひとつの望み

瑠璃色の夢にすべてを託して
手繰りあわせながら

ひっそりと息をする

ここにいさせて
あなたと



2005-06-25
干潟 5
テーマ たかし 第2章


私は鍵を取り出した。
「どうせだったら一緒に行こうよ、俺一人で決めるのもなんだし、doorがどんなところがいいか…」
「ごめん、今日はだるいから」
「来週だともう年末で忙しくなるだろう」
「別に…たかしの良いところでイイよ」
「doorも後から住むんじゃないのかよ」
「今日は頭も痛いから!」
「わかったよ!じゃあな」
たかしは私の手から鍵を奪うようにして出かけて行った。
バタンと扉が閉まって、その音が頭に響いた。

 どうしてこんなことになるんだろう。彼は私の幸せを考えてくれている。私の幸せって何?たかしと一緒に居られればそれで幸せ?シンデレラは王子様と出会って結婚してめでたしめでたしになった。でも、これはおとぎ話じゃない。人生は続いて行くのだ。シンデレラが結婚した後、どうなったかなんて誰も気にしない。身分違いのシンデレラが宮廷で苦しんだり、虐められたりしなかったのだろうか。王子様は一生シンデレラだけを愛し続けたのだろうか。シンデレラは周りの人が何もかにもやってくれる中、暇を持て余しただろう。多忙な王子と擦れ違わなかったのだろうか。

 私はそれが分かっている。もちろん二人の努力と思いやりで幸せになれるだろう。だけど彼に引きずられるようにして、退路をすべて絶って静岡に行ってしまったら、私には彼しかなくなってしまう。彼にすべてを預けてしまったらそれは私だと言えるのだろうか。彼の言う通りもう自分の仕事なんてどうでも良い。だけど彼しか頼る人の居ない所へ行って彼にすべてを懸けるのは私ではないような気がする。彼との愛だけが私のすべてじゃない。
 たぶん彼との関係がなくなった私は確実に幸せから遠ざかるのだろう。それだって分かっている。どうしてこんなことになったんだろう。

 気が付くと電話が鳴っていた。ベッドの上でうとうととしていたようだ。
「あ、door、南向きの物件と、新築の物件、広さも条件も同じくらいなんだけど、どっちが良いと思う?」
ぼうっとした頭で一生懸命に考える。
「ん~新築はどっち向き?」
「東向きかな」
「南向きは築何年?」
「10年かな?」
「わかんないけど、南向きの方が私は良いな」
「ああそう、わかった、じゃまた」
再び眠り込む。私はいつも睡眠不足だ。昼食も食べずに夜までぐっすりと眠り込んでいた。
夢の中ではたかしと喧嘩をしている。何が原因か覚えていない。夢の中であまりに興奮して目が醒めた。身体にじっとりと寝汗をかいて、心臓は矢鱈に高鳴っていた。再び電話が鳴り出した。



2005-06-26
ブログの癒し効果
テーマ ブログ
いい女塾ゆうきゆう先生からの課題です

以前から書いて来たことですが、この「秘密の扉」は自分を解放するために書いている部分があります。恋愛と言うジャンルで書いていますが自分自信のコンプレックスや、親との関係、そういうものがどんどん出て来ますね。
 出来事を書いてその時の感情を整理して見つめなおす。ただそれだけではなく、皆さんの御意見や、共感がその助けになってくれる。
 恋愛は相手のあることですし、自分自身のプライバシーもあることですからここではリアルタイムでは書いていません。
 本来ブログのありかたとしてはかなり異端的だと思うし、それは充分理解した上でこういうスタイルを選択せざるをえませんでした。
 皆さんがハラハラして見守って下さっていても、すべて結果は出てしまった後なのです。それがある意味での私の距離の取り方なのかも知れません。詩はリアルタイムの気持ちですが、それも気持ちだけ。ストーリーの方はどんどん遅れ遅れになってしまってw皆さんをやきもきさせてごめんなさいね。

実は心理学的に、自分のできごと、そして感情を日記などに書くことは、気持ちをより良い方向に持って行くと言われています。
そして心理学者の研究によって、もっとも心を癒すのは、「事実と感情が、半々の割合でミックスされた文」ということが分かりました。


この点のみに限って考えると「秘密の扉」はかなり半々に近いのではと思っています。

事実ばかり、感情ばかりを連続して書かないように気をつけてくださいね。
文章の書き方として、単にあなたの頭の中へとどめておいてくだされば十分です。
ちなみにこれは好きな人へのメールでも同じことです。
事実だけ書いていては、相手もあなたの気持ちが分からず、少しさびしい印象を受けます。
また感情だけでは、独りよがりな文になってしまうことでしょう。


この点ではどうでしょう、自分では少し片寄っているような気がします。だから正直言って最近少ししんどいのかしらと思っています。それからタイムラグがあるので実際に書いていてその時の自分の気持ちにリアルタイムの気持ちが被って来て戸惑ったりすることも多くなって来ています。

ただこのスタイルはもう自分のモノになりつつあり、この先も崩す気には、なれないのです。
書きたいことはいろいろあるし、時間は限られるしで困ったものですが、これからもどうぞおつきあい下さいませ。


皆さんのブログはいかがでしょうか。ゆう先生の御意見、参考にされてもイイかも知れません。




2005-06-27
干潟 6
テーマ たかし 第2章

電話は母からだった。
「door、お正月どうするの、何日に来る?」
「逆に何日に行けば都合が良い?そっちの予定は?」
「3日だとみんなが集まるかも」
「じゃその日に」
 帰っておいでとは決して言われない。いつからだろう、多分結婚してから。私が帰る所はどこにもない。
 小さい時に引っ越しが多かったせいか私には常に今いる所は仮の宿、という感覚がある。こころはいつもここじゃないどこかを求めて旅人のようにさすらって、まだ見ぬどこかを求めている。自分が幸せで安心して居られる場所は、心の置きどころはいったいどこにあるのだろうか。人間は結局のところ一人だ。せっかく家庭を築いても日々努力して繋ぎ合わせて行かなければ崩れてしまう。たかしとの関係もそんな延長線上にあるような気がするのだ。彼とほんとうに幸せになれるのか、二人の関係がおかしくなったらどこにも行き場所がない。単に住まいや仕事の問題だけでなく、私は心の置き場をどこかに、固定することができない。だから自分の本拠地をここにおいて、彼との暮らしをいつかの幸せと夢見ているだけの方が気分的に楽なのかも知れなかった。なんだかんだと言いながら、いつも確定した場所でこれからを生きる覚悟が出来ないのかも知れない。要するに根無し草、どこまでも大地に根を張ることが難しいのだ。
 確かに恋は天から降ってくるのかもしれない。けれどたぶん幸せは大地を耕して肥料を与え世話をして実らせるものだ。天から落ちて来た恋と言う名の種を地面に埋めて家庭と言う幸せを育てる。途中で枯れてしまうかも知れない、雨が降らないかも知れない。そんな不安を抱えながら幸せを育てて行く。根無し草の自分にはいつかどこかでの幸せを夢見ることしか出来ないのではないだろうか。種のまま持ち運んで埋めてしまいたくない。固定したくない。多分私の人生で彼との恋愛が最後の出合いだろう。もう夢見ることは許されないのに長年の思考のくせからどうしても抜けだせない。どうすればそんな覚悟ができるの。どうしたらここで最後と思うことができるようになるの。

 9時過ぎにたかしは帰って来た。
「door大丈夫?」
「うん、病気じゃないから。食事は?残り物で良かったら用意できるけど」
「doorは喰ったの?」
「食べたくないから」
食事の用意をしているとたかしはごそごそ間取り図を引っぱりだして私に見せた。
「この物件、思ったより奇麗だった」
2DKの物件を携帯で撮って来たらしい。画像を私に見せて
「二人で住むには少し狭いかな」と言った。


参考記事: grounding / いわゆる認識の相対性


第2章 vol 11へ
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2005-06-07
トラックバックステーションにもの申す
テーマ  恋愛についてあれこれ

 男と女、どっちが得?

今回、正直言ってトラックバックステーションの出題記事を読んで少しショックでした。

一般的な恋愛図式は、女が男に尽くし、男が女をいたわるというもの。いまや逆の場合もあり、一概には言い切れませんが、カップルで男と女がそれぞれの役回りを演じ分けることによって恋愛はスムーズにいくのではないでしょうか? 

これって恋愛ですか?夫婦じゃなくて?尽くすとか尽くされるとか恋愛でそんなこと考えたこともなかったです。
 だいたい尽くされて良いなと思うんだったら尽くさなければ良いし、尽くすという行為は結局のところ自分がしたいからしているわけです。行動は感情の発露なので好きであれば相手に何かしてあげたいと思うのは当然なのでしょう。それに対して見返りを求めるというのは少し違うのではないかと。相手が負担に思うこともあるだろうし、だんだんそれが当たり前になって来て尽くしている方は次第に文句がでてくるwいたわりが足りないとか、感情が無くなっても行動は当たり前のこととして受け取られるとか。
あ~自分で書いていて耳が痛いw
いやいや、今現在はそう思っているのです。

それならばなるべく尽くさないで、たくさんいたわり合う関係が理想なのかなと最近は思ったりしています。

恋愛で男と女の役割分担なんて関係無いんじゃないかしら。むしろ力関係、惚れたもの負け、愛したもの負け、こちらの方が大きいでしょう。

ことを恋愛に限らないと男女での役割分担は厳然とあるし、個人的には正直男に生まれたかったというのはあります。やっぱりまだまだ男性社会ですから男性に有利に出来ていると断言しちゃいます。
ただライフスタイルとして女性の方が選択肢が広いような気がするのでその辺で得と感じる人が居ても不思議ではないでしょう。

もう21世紀も随分すぎているのですから、男性だからこう、女性だからこうという役割分担を示唆するのは止めましょうよ、恋愛に限らず。



2005-06-08
ずっとしってた
テーマ  あいしてる

yuuhi


そのクールな物腰の向こうに

うっすらと浮かべたほほえみの裏に

その涼やかな瞳の奥に

隠した魂の熱さを知ってる

ずっと知っていた

ずっと



2005-06-09
転音 8
テーマ たかし第2章

「なんだ、それで怒っているのか」
「そういう訳じゃないけど、何だか彼女と…ずいぶん親しそうだから」
「えっdoorそれって焼き餅?」
二人して顔を見合わせてしばらくの沈黙があった。
「そうかも」
たかしはニヤニヤと笑い始めた。
「へぇそう、珍しいこともあるもんだね」
「…しらないっ!ほら運転交代するわよ」
私は何だか照れくさく恥ずかしくなって運転席を変わった。
kousoku
 その後のドライブは多少渋滞に巻き込まれたけれどスムーズに行った。みさきちゃんとも普通に楽しく話せたし、ブログの話になると妙にたかしがそわそわするのが可笑しかった。旅先の土産話も楽しく聞くことが出来た。よく話してみると彼女だって普通の良い子で、彼女の自宅の前で車を止めたときには仲良くなれていた。けれど心の底の方にしっかりと澱のようなものは溜まり、それが私の不安を誘った。またこんな想いをすることがあるのかしら。あんな風に、我を忘れそうになるくらい嫉妬することがあるのかしら…

 たかしのアパートには寄らずに真っ直ぐに私のマンションへ向かい、玄関を入った途端にたかしにしがみつく。もう気持ちを抑えられなかった。たかしは優しく抱きしめてくれた。
「寂しかった、寂しかった、やっぱり行けば良かった」
「ほら~だから言ったじゃないか」
「うん、ごめんね。だけど、また電話するって言って全然電話してくれないんだもん」
「俺も悪かったから、ごめんな」
「もういい、帰ってきてくれたからもういい」
このまま永遠に時が止まればいいと思う時がある。この時がまさにそうだった。たかしの広い胸に抱かれて心の底からホッとする。ずっと耐えていた何かが開放されて気持ちが溶けてゆく、穏やかに寂しさが溶けていく、ゆっくりと心が解けていく。何もかもがほどけていって彼の心と結ばれてゆく。
「もう離れたくない」
たかしも頷いていた。
二人で玄関に立ったままいつまでも抱き合っていた。もう離れていたくない。ずっと一緒にいたい。

 翌日からたかしは出勤し2、3日時間の許す限り二人でなるべくゆっくりと過ごした。何をするにもたかしのすぐ隣で身体を寄せて過ごした。何も言わずに5分も10分も見つめ合って過ごすこともあった。
その日たかしは遅くなってから帰ってきた。私の顔を見てソファにどっと腰を下ろすなり
「door、転勤だ。静岡」
と半ば怒鳴るように私に伝えた。
「えっ」
「前から言われていたんだけど今日正式に決まった。年明けから」
「そんな…」
「一緒に行こう、結婚してくれるよね」
「ちょっと待ってよ、そんな…」
たかしは立って、その場に凍り付いている私をぎゅっと抱きしめた。
「一緒に行こう、俺ももう離れて暮らしたくない」




2005-06-10
転音 9
テーマ たかし第2章

私は慌ててたかしから身体を離した。
「ちょっと待って、たかし、その話は前にもしたはずよ」
「door、転勤なんだ、旅行じゃないんだ」
彼の真剣な眼差しに思わず私は首を縦に振りたくなる。
「ちょっと…、コーヒーでも淹れてくるわ」

 指輪の件以来の一連の流れが分かってきた。地方に行くとなってたかしは焦り始めたのだ。旅行の件であれほどしつこく食い下がったのも仕事と自分のどちらを優先させるか、自分を取って欲しいと言うことだったのかもしれない。
ただ、だからといって即結婚というのはいささか短絡的なような気がする。地方に行ったら、もう今の仕事は出来ないだろう。今まで何度も崩しながらもこつこつと積み上げてきたものを全部お終いにすると言うことだ。子どもの預け先に苦労しながらしがみついてきたものが全て無かったものになってしまう。
「はい、どうぞ」コーヒーの入ったマグカップをたかしの前に置く。
「ありがと」
「さっきの話なんだけど、静岡に行くって言うことはもう私仕事できないってことなんだけれど、それ、分かっている?」happa
わたしはたかしの隣にどすんと腰をおろした。
「やっぱりダメかな」
「うん」
「そんなに贅沢は出来ないけど俺の収入でやっていけると思うよ」
「そんなの分かっているって。そうじゃなくて、じゃぁ私は静岡に行きたくないから転職しろって言ったらたかし転職できる?」
「そういう問題じゃ…」
「そういう問題よ。少し考えさせて、時間を頂戴」
「だけど年明けから向こうだから、すぐにでも引っ越し先とか考えなくちゃならない」
「わかった」

 同業の男性達は妻子を抱えて既に転職しているものもだいぶいた。そろそろ自分も潮時かもしれないとも思っていた。そんな中で何とかやってきたのは私が比較的デジタルに明るかったからだ。しかしそれも出産や子育ての中、私が踏みとどまっているうちにどんどん追いつかれてしまっていた。誰にでも出来るとなると単価はどんどん下がってくる。デジタル化と言うことはそういうことだ。特別な技術はもう必要ない。個人でやっていける限界の時期だろう。私が仕事を辞めたところで誰も困らない。何だか虚しさがこみ上げてくる。

 だからといって仕事とたかしとの結婚は、全く別の問題だ。仕事を辞めて、静岡に行って毎日たかしの帰りを待って暮らすのだろうか。運良く子どもが出来ればそれでも良いかもしれない。何だか私には余り想像が付かなかった。
 それと同時に不安が頭をもたげる。
 もう一度結婚する。もう一度、同じ失敗はしないだろうか。和也の時だって結婚するときにはまさかあんな事になるなんて予想もしなかった。自分たちは幸せになれると、心から信じて結婚したのだった。それとも私の考える幸せなんて幻想に過ぎなくて、あんなもので満足すべきだったのかもしれない。だとしたらたかしと結婚することに何か意味があるのだろうか。



2005-06-10
甘やかな微笑み
テーマ  あいしてる

32-2
ふと曇らせた眉根は
何を想っているのだろう
ずっとそばにいて欲しいと
喉元までこみ上げる言葉を
どうしても口に出せない
あなたを縛ることだけは
したくないから
せめて見せてよ
あの甘やかな微笑みを

えいえんにあいしてる


お久しぶりなモモさん のリクエストwにお答えしてトラックバ~ック




2005-06-11
転音 10
テーマ たかし第2章

 たぶんハリネズミのカップルのように近づきすぎると互いに傷つき、離れすぎると寂しくなってしまうのだろう。時々そんな風に考えることがある。どちらにしても今この勢いで結婚を決めてしまうのはあまりにも早計だ。けれどたかしが静岡に行ってしまったらそうそう逢うこともできない。私が静岡に行くとしたらそれは即結婚を意味する。たかしの短所が今はまだ可愛いものとして目に映っているが、一年後にどう思うかは分からない。10年後にどう思うか分からない。今はまだ結婚を考える時期ではない。
 かといって、なかなか逢えないまま遠距離で恋愛することも我慢が出来そうにない。
籍を入れないで静岡で同棲することも考えた。けれど例えば一年後、もし別れることになったら私は仕事も恋も両方失うことになる。
 確かに彼を愛している、だけどそれだけで幸せになれると思うほど子どもじゃない。結婚はそんなに甘いものじゃない。たぶん経験や年齢を重ねて色々なことが見えすぎるのだ。どんなに愛していたとしても人の気持ちは移ろう。今のこの燃えるような想いが次第に沈静化していって、お互いの何もかもが当たり前になっていって、次第に相手に失望し不満を抱き始める。それはそれで自然な流れだ。問題はその時にどう対処するかなのだろう。

 恋は甘美なものだ。どんなに苦しくともどこか甘く、その甘さが人を酔わせる。永遠にこの気持ちが続くならどんな対価を払っても構わないとすら思う。いつまでもたかしに酔っていたい。いつまでも甘やかな夢を見ていたい。そう私は恋に恋をしているのかもしれない。
 最近以前と同様に美しいものを見て美しいとは感じるものの感動までにはなかなか至らなくなってきた。感性の鈍化とは少し違うように思う。様々な経験を重ねて、もはや初めての経験が少なくなってきたのだろう。驚く事が少なくなってきた。
 たかしとの恋愛は驚きの連続だ。自分の心の奥深くに眠っていた感情や感覚がどんどん引き出されてくる。遊園地で次から次へと乗り物に乗るように、私はその一つ一つの驚きを楽しんでいた。新しい自分を次から次へと発見していく。自分がこんなに情熱的になれるとは思っていなかった。乙女のように心を震わせているのに気が付いてあきれながらもそんな自分を可愛らしくも思った。嫉妬という感情などはそれまでの私にとって未知のものだった。
 自分の人生を半ば諦め捨てていた私はもうどこにも存在していなかった。彼との恋愛が私を変えたのだ。もう少しだけこの甘やかで新鮮な感覚に身を委ねていたかった。あと1年か2年、出来ればもっと、少しでも長く恋に酔っていたい。
 結局、冷静な判断と言うのは言い訳で、もしかしたら恋に酔っていたいだけの私の我が儘なのかもしれなかった。結婚して普通の幸せを夢見ている彼の方がよっぽど現実的で、堅実なのかもしれない。思考の迷路の中に迷い込み、時間だけが過ぎていく。もう傷つきたくない、傷つく事への恐れがいつまでも私が判断を下せない理由だった。



2005-06-11
甘やかな微笑み
テーマ  あいしてる
06
降り続く雨を見ながら
指折り数える
あと何日であなたに逢えるか

こんな風に降らないといいと思い
降ったら降ったでいいかとも思う
傘は持っていかない
晴れでも雨でも

晴れたら星を見上げ
雨なら雨を見上げ
どちらも楽し
あなたと一緒なら

* * *

昨日から入梅だそうです。雨が降っていてもブルーにはならないw
うふっ♪



2005-06-12
甘やかな微笑み
テーマ  ブログ

「いつか訪れたい世界遺産」
世界遺産 はホントにどれも訪れたくてフェズのメディナ、ペトラ遺跡、ベネティア、イスタンブール歴史地区、グレートバリアリーフ、タージマハル、イエローストーン、バルセロナのグエル公園、ハバナ旧市街、マチュピチュ遺跡…うわ~~!書ききれない!
とにかく、
インディジョーンズファンの私としてはペトラ遺跡 は外せない!
どこも心惹かれるのですがやっぱりペトラでしょう。

行ったところはエジプト、ギリシャでしょうか。
フイルムの山から引っぱり出すもエジプトが見つからなかったので
エジプトはわださん に任せてw

ギリシャのアクロポリスの丘をご鑑賞下さい

athens



麓から撮ると結構雰囲気あるでしょう、古代もこうだったんでしょうね。

訪れたのは夏。丘ですから結構登って行くんです。
麓にバックパックをおいてえっちらおっちら上っていきます。
日射しは強かったですね。
ミネラルウォーターがとにかく馬鹿高かった!!!
汗もかくから仕方が無く購入。
観光地価格というのはギリシャにもあるんだなと妙に納得。
ドラクマ貨幣がやたらでかくて重くて(今はもう無いの?)
お釣りをもらうのが嫌になっちゃってましたw
だって、大きすぎて財布が閉まらなくなるんだモンw

神殿自体は補強、補修工事で建築現場然としているのですが、
アクロポリスの丘からアテネの街並みが一望出来ます。
私たちが学校で習う西洋の歴史の原点ですもの。
とにかく歴史の上に立っているという感動で一杯になりました。

遺跡というのは昔の人とある意味交流できる場所。どんな気持ちで造ったのか、どんな人たちが集ったのか。
色々想像を脹らませながらその場にいると当時の人たちの話が聞こえてくるような気がするのです。
いつの時代でも、どんな場所でも人の気持ちは同じ。
その人達もきっと、恋に悩み、仕事に情熱を傾け、私たちと同じように人生を謳歌していたのだと思いませんか。

わださんのトラックバック企画「いつか訪れたい世界遺産」 に参加しています。




2005-06-12
通い婚の婚姻制度
テーマ  恋愛についてあれこれ

普通恋愛には終わりがあって別れたり結婚したりということになる。
それが無い恋愛というのはあるのだろうか。
片思いを延々と続けるというのも恋愛の一つの形だし
結婚しないで延々と続くというのも数は少なくても存在すると思う。
結婚相手とずっと恋愛できれば最高だ。
恋愛を成立させるには少なからず幻想の部分が必要で
生活を共にしながら幻想を続けていくのは
普通の人ではなかなか難しいと思う。
物理的、時間的、心理的に距離が無いと幻想自体が生まれないし維持できない。
人を好きになると
いつも一緒にその人といたい、もっと知りたいと思うのが通常だ。
その結果幻想が破れる。
結婚しても別れても結果として恋愛は終わってしまうのだ。
つまらないなと思う。
夫婦として家族という別の関係に移行していく、
もはやときめきもハラハラも存在はしない。
きっと多少のテクニックはあるのだろう。
始めから意識してそういう関係を築いていける人は凄いなと思う。
途中からやり直して成功した人も知っている。
けれど、何か制度自体に問題を抱えているような気がするのだ。

一年半ほど前に放送された『世界でひとつだけの旅』(テレビ東京)がとても面白かった。
旅に恋したたかのてるこ さんの出演。要するに通い婚の婚姻制度である。これを日本に広めたいとおっしゃっていたのだけれど私も同感である。
恋愛関係に陥ちてその結果子供が産まれる。子供は女の家で育てられる。子供の祖母やおじ、おばで一緒に生活をする。男の子が生きていくために必要な知識や技術はおじが教えてくれる。おじがいなければ母親のいとこに相当するような人、子供のいとこに相当する人が教えてくれる。家庭は血縁という鉄壁の関係だ。これ以上の安定はない。
もし恋愛の相手は変わっても暮らし自体は変わらない。
その結果恋愛と生活を切り離すことができるのだ。けれど面白いことに相手がころころ変わるわけではなく安定した恋愛関係が続くのである。

真剣にこの制度を日本に広めたいとひそかに思っている。




2005-06-13
転音 11
テーマ たかし第2章

 いくら考えても答えが出ない。次第に考えることから逃げていた。それでも答えを出さなければならない。もの凄いストレスだった。
 その週末もたかしはうちに来て一緒に過ごした。二人のあいだの無言の時が私にプレッシャーを与える。たかしはもう結論を出して欲しいらしかった。けれど彼がそばにいては落ち着いて考えることもできない。夕食後
「ねぇdoorこの間の話だけど」
いよいよ来た。
「静岡の件ね」
「うん」
無言の時間が過ぎていく。一人になりたい。このプレッシャーの中では何も考えられない。
「たかし、ちょっと気分転換にドライブ行ってくるわ」
「これから?一人で?」
「うん」
たかしは大きくため息を付いた。
「一人で考えたいんなら俺家に帰るけど」
「いや、ここのところ、閉じこもっていたから出かけたいの。遅くても明け方には戻るから心配だったら帰っても良いし、どっちでもいい」
「どうしてそんなに迷うんだよ」
ちらっと私を見た目にすがりつくような色があった。
「だって人生の大ごとよ、これは」
「じゃ、ここで待っている」
「先に休んでいてね」
 外にでると空気は凍り付いていて暖房で火照った頬に心地よかった。駐車場までゆっくり歩きながら見上げると美しい星空だった。暖機をしながら音楽を選ぶ。色々迷った末、ここのところずっと聞いていたノラ・ジョーンズに決めた。クリスマスの装いをした246から環八に出て第3京浜に入って、いつものドライブコースを今夜はどちら方面に抜けようか…
 当てのない一人のドライブは本当に久しぶりでなんだか開放感を感じる。開放感?なにから?たかしから?プレッシャーから?自分の人生から?

 結局行き先を決めないまま第三京浜の手前で、東名を入ってしまった。心のどこかで静岡のことを考えていたせいだろうか。頭の中を空っぽにしてどんどん走っていく。車の運転にだけ集中する。追い越し車線をかなりのスピードを出してひた走る。それが心地よかった。ずっと何かから逃れたいような気がしていた。気が付くといつの間にか秦野中井まで来てしまっていて、これはさすがにまずいだろうとインターを降りた。とは言っても夜更けの秦野中井で何が出来るわけでもなく、せっかく来たのだからと仕方が無く海岸の方へ車を走らせる。
 多分この真っ暗な空間が海なのだろう。波の音がしていた。適当なスペースに車を止めてただ、波の音を聞いていた。夜更けの海風はそれほど強くはなくて、けれどもとても寒くて耳がちぎれそうになってくる。30分ほどいただろうか。余り考えないようにしながら心を遊ばせる。
 突然切なくなってしゃがみ込んでしばらく泣いた。何が、どう切ないのか自分でも判らなかった。その涙は風に飛ばされて、けれどもまた新たにこぼれ出てくる。切ないから涙が出てくるのか、風が冷たくて涙が出てくるのか。それはたかしを愛しているから一緒にいたいのか、がっかりしたくないから結婚したくないのかの答えと似ていた。



2005-06-14
雲となり雨となる
テーマ  あいしてる
01-2 愛しい人よ
いつも私が想っていることを
どうか忘れないで
日射しの強い夏は雲となり
あなたが渇く日には
雨となろう
どんな形になるのだろうか
雲となり雨となる

Photo by: NOION



2005-06-15
干潟 2
テーマ たかし第2章

 シャワーを浴びてパジャマに着替えワインを温めた。ベッドサイドのラグの上にぺったりと座り、電気は付けずに街灯の反射の薄明かりでたかしの顔をじっと眺める。今までの思い出が蘇ってくる。公園でボートに乗ったこと、花火大会の時のこと、彼に内緒でブログに書き始めたこと、温泉に行ったときのこと、クラブに行ったときのこと二人して色んな所へ行った。これでお別れになるのだったら海外へも一緒に行けば良かった。
 一つ一つの思い出が私の胸を締め付けるようだった。滑らかな額から頬にかけて指先で軽くなぞってみる。目の辺りをしかめて寝ながら反応している。続けて三角形の鼻の頭をつついた。これ以上いたずらしたらきっと起こしてしまうだろうと思ったらとうとう涙が出てきた。声を殺してひとしきり泣いたあとベッドのたかしの隣りにそうっと身体を滑り込ませる。たかしは丸めた身体を伸ばし、夢うつつで私を抱きしめた。こんな風に一緒に寝ることがあと幾晩あるのだろうか。

たかし、たぶんあなたの子供を産んであげられない
それでも良いってきっと言ってくれるだろうけれど
それであなたは幸せになれるの?
私と別れたら当座は辛いかもしれないけれど
静岡に行って、新しい出会いがあるかもしれない
長い目で見てみればきっとその方があなたの幸せじゃないかしら
あなたが幸せでいると思えば私も幸せでいられるから
私たち別れた方が幸せになれるんじゃないのかしら

 薄明かりの中、目の前にあるたかしの寝顔を眺めていると帰り道にしてきた決心がどんどん揺らいでくる。少し髭の伸びた頬に自分の額を付けたかしに抱きつく。嫌だ、嫌だ、離れたくない、ずっと一緒にいたい。だけど…だけど…

 翌朝目が覚めるとコーヒーの薫りがしていた。
「おはよう」
「あ、doorおはよう」
「今日はいったいどうしたの」
テーブルの上にトーストとゆで卵が載っていた。ガス台の上にはコーンスープの紙パックと牛乳が置いてあり、たかしはレタスを千切っていた。06-2
「たまにはさぁ、点数稼いでおかないと」たかしは照れたように笑った。
「ゆで卵まで作るなんて頑張ったね~」
「だって、こんなの茹でるだけでしょう」
「そうだけど」
「俺だって結構出来るんだぜ」
「今日は表に出ない方が良いかもしれない」
「何で」
「雪が降りそう」
「へ?」
「吹雪になるよ」
「なんでそういうこと言うかなぁ」
「顔洗ってくるね」
言いづらくなってしまった。たかしはなんだか楽しそうだった。なんと説明したらよいのだろうか。
Photo by: NOION



2005-06-16
干潟 3
テーマ たかし第2章

こんな風に浮かれている彼に子どもは出来ないと思うだの、結婚はまだ早いだの言えるわけがなかった。洗面台の前で頭を抱えてしまう。かといって、行くつもりもないのに行くとも言えない。ぐずぐずしていると声がかかった。
「door~」
「ハイハイお待たせ、うわっ凄いね~」
「だろ」
「うん、なかなか、じゃいただきます」
トーストもコーヒーも冷えていたけれど人の作ってくれたものは美味しく感じる。ゆで卵の殻がむきづらかった。
「これ、茹でたあと、ちゃんと冷やしていないでしょう」
「え、冷やすの?」
「うん、冷やさないと殻が剥けないの」
「あぁ、ほんとだ、あはははは」
ずっとこのままでいられたらいい。この時間が永遠に止まればいいのに。
「ねぇ、昨日どこまでドライブしたの」06-2
「海まで行っちゃった」
「お台場辺り?」
「ううん、秦野中井」
「はぁ?」
「何となく、気が付いたら」
その後は二人で黙って食事を終えた。沈黙が背筋をざわつかせる。言わなきゃ。
「じゃぁこないんだね」
たかしがぽつりと言った。思わずたかしの顔を見上げる。
「あのね、半年とか一年とか待ってもらえないかしら、こんな風に急かされるようにして結婚を決めたくないの」
たかしは首を振って窓の外を見た。ふぅと大きくため息を付く。
「静岡なんて車で2、3時間の距離よ。週末私がそっちへ行くから」
「毎週なんか無理だろ」
「それは…約束できないけど…」
「離れたらダメになるとか思わないわけ?」
「ダメって?二人の関係が?」たかしが頷く。
「半年や一年でダメになるんだったらそれまででしょう」
「じゃぁ俺がそれを一年かけて証明すれば仕事辞めて静岡に来るのかよ」
「それは…そのときに考えたい」
「なぁ、それじゃぁ今だって一緒じゃないのか?」
「ねぇ、あと一年だけ考えさせてよ」
「問題を先送りしているだけだよ、doorは」
「子ども…もう無理みたい」
「無理って…」
私は答えられずにうつむいたまま両手で顔を覆った。
「…だから静岡に来いって言っているんじゃないか」
「私と別れて新しい人を見つけた方が…あなたは幸せになれるかもしれない」
何だか自分がしゃべっているような感じがしなかった。自分で言っているのに妙に細い声に聞こえる。たかしはテーブルの上に両肘を突いて頭を抱えた。
「何で分かってもらえないかなぁ」
「……」
「じゃぁ俺と別れて、ここでどうやってdoorは幸せになるんだよ。新しい男でも見つけるのかよ」



2005-06-16
I need youと言って欲しい…
テーマ 恋愛についてあれこれ

しばしば人は「なんのために生きるのか」と問う。
生命体として、例えば一匹のカエルのように生きていくことは出来ない。
それは人間が自意識を持っているからであり、
自意識は他者との関係性の中でしか生まれない。
だから人は一人では生きていけないのだ。
自分が存在するために自分を自分として認めてくれる存在が必要なのだ。
何かしらの集団の中で、
一人一人との違いを自分で認識するために
代替不可能な自分を他者に認めて欲しいと願う。

仕事における単なる会社員A、恋愛における単なる男Aではなくて
Aさんでなければならない理由が必要なのだ。
あなたでなければならない、あなたこそが必要と認めてくれる他者が必要なのだ。

実際には難しいことだと思う。ある程度の枠内に入る人間は大勢いるからだ。
それでも自意識を持った「人」は「この『自分』でなければならない位置」を模索する。
そうでなければ、自分を認識していくことができないためだ。
「自分」を認めてもらうことで、人は満足し幸せを感じるのだろう。

模索行為=努力は自分のためであるのだけれど、それは他者に認めてもらうためのものなのだ。
そのために人は生きてゆくのではないだろうか。
幸せを感じるために、生きているという実感を得るために。
あなたが必要、あなただからと言ってくれる存在との出会いが人をを幸せにするのだろう。
そうか、やっぱり私にもあなたが必要なんだ。

参考記事:なぜ人は「なんのために生きているのか」と問うのか   
       「欲望とは無垢(むく)への欲望である。」



2005-06-18
夏が来る
テーマ  あいしてる

24



いつの間にか強い日射しのなか

日々緑は深くなり

水飛沫の煌めきが

目に涼しく映る


夏が来る

もうすぐ二度目の夏が来る

いつの間にか

夏になる



2005-06-18
干潟 4
テーマ たかし第2章

「別にそんなつもりもないけど…」
たかしも私の幸せを考えてくれている。私の幸せって何だろう?
「俺と一緒にいるだけじゃ幸せになれないの?もうこんなつまんない仕事嫌だっていつも言ってるじゃないか」
「………」
「子どものことはdoorが欲しいんだったらちゃんと医者に行って相談してきなさい」
「………」
「俺はどっちでも良いから…」
「……医者には行きたくない、ダメって言われるのが怖い」
「ダメだって決まったわけでもないのに別れるなんて言われる方がよっぽど怖いよ」
「……ごめんなさい」
 ねぇたかし、なんでそんなに私に良くしてくれるの?なんでそんなに私のことを好きでいてくれるの?いつもやっぱりそこに突き当たる。どうして彼が私のことをそんなに好きでいてくれるのかどうしてもわからない。理解できない。だから怖い。静岡に行って、環境が変わって素敵な人が現れたら、ある日ごめんって言われたら、どうしたらいいかわからない。ここにいたら少なくても食べていくことは出来る。いつも逢えないのは寂しいけれど、失敗して傷つくのが怖い。医者に行って、もうダメですと言われるのが怖い。
怖い、怖い、もう傷つきたくない。何もかも曖昧にして時間に解決させようよ。
 逢う時間を少しずつ減らしてお互いの心を冷まして、そうすればあんまり傷つかずに別れられる。年の差はもう気にならないけれど、子どもを産めないんじゃいくらなんでも申し訳ないもの。
「準備もあるだろうし、仕事もあるだろうからすぐじゃなくても良い。だけど来いよ」
「ねぇ、静岡って何年ぐらいいるの?」
「知らないよ、そんなこと」
「だって、私東京から出たこと無いんだもの」
「それで?」
「静岡で朝から晩まで一人きりであなたの帰りを待って暮らせって言うの?」
「別に今の仕事じゃなくたって、向こうで何か見つければいいじゃないか」
「じゃぁ、あなただって、転勤なんて断ってこっちで何か他の仕事見つけたら?」
「それ違うじゃん」
「何で?違わないわよ」
「そんな簡単に転職しろなんてお前全然分かっていない」
「それはこっちの台詞よ」
「違うよ、俺は自分の仕事がつまらないなんて言ったことはない」
たかしは首を横に振って立ち上がった。窓辺に立って外を見る。気まずい沈黙の中、時間だけが過ぎていく。10分ほどだろうか。何だか永遠に続くかのようだった。
「door、とにかく向こうに行って住むところ見て来なきゃならないから車貸して」



第2章 vol 10へ
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2005-05-25
ごめんね
テーマ  あいしてる

ついと

後ろ向きになってあごを上げた

あなたの肩が震えてる

あなただって辛いんだ


あたりまえのこと

今更ながら気が付いた

自分のことばかりでごめんね



2004-05-26
魅力的な人--ダイヤの力
テーマ 恋愛についてあれこれ

物質的な物、経済力、実際的
経済力
 若い頃は別にお金なんて無くても十分楽しかったし物質的なこともあまり興味がありませんでした。ブランド物も宝石も欲しいとは思わなくて、使うのは飲み代、本代、旅行代金。精神的に豊かに、楽しく暮らせていけばいいじゃないって思っていました。着られないほど服があっても仕方がないし、だだっ広いところに住んでも掃除が大変。馬鹿高いレストランで食べるより自分が作った方がよっぽど美味しい。今でも基本的にはそう思っています。でも最近少し変わってきたかも。あればあったで色んな世界が広がることに気が付いたのです。いらないって思って拒否しているようでいて、実はお金が無いのに努力するのが嫌で否定していたのかもしれません。
 私だって贅沢は嫌いじゃありません。誰でもそうだと思います。贅沢をするまで行かなくてもお金で得られるものは物だけではないことにようやく気が付いたのです。様々なサービスを買うことによって自分自身がもっと豊かにも成れるし、時間すら買うことが出来る。例えばISDNでネットに繋いでいた頃に比べると光ファイバーしかも専用線(ちょっと自慢)の威力はもの凄いです。肝心のアメブロが重くて仕方がないのですが(最近改善されていますよね)w
 掃除が大変で広いところに住めないと思ったら人を雇えば良いだけの話。何も嫌いなことをいやいやするよりはその時間を有効に使えばいいのですから。バックパックも楽しいけれど、一流ホテルで最高のサービスを受けるのも快適で気分の良いものです。ガンなんかにかかると命すらお金にかえられる部分があって、それは気分の良いものではありませんが実際にはそれが現実です。
 例えば一般的に同じくらい魅力的な人が二人いて片方が年収2000万、片方が500万だったら迷わず2000万の方を選びますよね。ハイ、そこのあなた!佐々木さんの年収とたかしの年収じゃないですよw
 お金があると色んなことに積極的に挑戦できるし、出来ることの自由度も格段に上がります。何だか当たり前のことを大層に書いておりますが私、実は最近までそのことに気が付かなかったのですよ。ある意味でお金はその人の評価を測る一つの側面でもあります。特別に執着する必要はないけれど、かといって生活していくためには欠かせない重要な要素。

物との付き合い方
 自分が本当に気に入った物に囲まれて生活していくと豊かな気持ちになれます。その気持ちの潤いが人に余裕を与え、その余裕がその人の魅力になって反映されるのではないでしょうか。
 身につけている物のセンス、その人に似合っているかどうかは重要なポイントだと思います。私はアースカラーが好きですが自分に似合わないことが分かり泣く泣く捨てたことがあります。どうもハッキリした色味の物が似合うようです。その辺は専門家の人に相談してみるのも良いかと思います。
 良いものは本当に長く持つもので、今でも私の実家には祖母と曾祖母の嫁入り道具の箪笥が残っています。削り直して塗装し直せば立派に使えます。ケヤキの一枚板で出来ていて今買ったら何十万するものでしょう。曾祖母の箪笥はいくつもの思い出と歴史を刻んで100年以上経って尚使っているのですから本物って凄いなと思います。えぇ、密かに狙っているのですよw3人姉妹なので誰がババを引くかw古臭いからと捨ててしまえばただのゴミです。でも良い物は直せるし長く使えば愛着が湧いてくるもの。
 とは言っても余り高価なものはなかなか買えませんね。何も高価な物を身につけるのが良いことだとは決して思いません。その辺の兼ね合いは自分の経済力と相談です。無理をして見栄を張っても良いことは一つもありません。ブランド物のお財布に1000円札しか入っていないのでは少しアンバランスな気がします。安いものでもじっくり探せばきっと気に入る物は出てくると思うのです。

金銭や物と上手に付き合っていくことの出来る人ってやはり魅力的だと思います。私もこれからはなるべくガンガン稼いで選択の自由を手に入れたいし気に入った物に囲まれて暮らしていきたいと思っています。



2005-05-27
オーバーラップ 21
テーマ  オーバーラップ

「それに、さっき恋愛感情は持っていないって言ったけれど、好きになりそうで怖いっていったいどっちよ、それって期待しても良いって事だよね」
佐々木は私の目を真っ直ぐに見つめて言った。
私は答えられなかった。
「別にすぐって訳じゃなくても良いんだ、だけど君がもし彼との将来で迷っていることがなにかあるんだったら、その時にちょっと僕のことを思い出してもらえれば」
「佐々木さん、私は天秤に掛けるようなことはしたくないの。佐々木さんは佐々木さんで彼女と結婚すればいいじゃない。私と彼との間に入って来られないと思う」
少し感情的になってしまった。恋人への愛情を疑われたような気がしたからだ。
「そんなにムキになるようなことじゃないじゃないか、別に僕のことを好きになってくれって言っているわけじゃないんだし」
その後どういう会話をしたのか実は余りよく憶えていない。もう、何を食べたのかも憶えていない。何だか頭に血が上ってしまったのだと思う。いつの間にか食事が終わってコーヒーも飲んだはずなのに何を話したかの記憶がふっつりと途切れている。

冷たい風の吹く中駅まで送ってもらう途中
「ま、僕もこれから年末に向けて忙しくなってくるからもうそんなに連絡は出来ないと思うけど」
と言われて私は少しホッとした。
山手線に乗り込みながら何でこんな事で動揺しているのか自分で自分が変だと思った。佐々木とのやり取りは確かに楽しかったけれど私は何より恋人を大切に思っていた。こんな風な面倒ごとを抱え込みたくなかった。それよりも恋人とのトラブルをどうにかしなくては。彼とのことを迷っているから付け込まれるのだ。
 しばらく佐々木のブログは2.3日置きに更新されていた。やっぱり彼の映画評は面白かったから、更新されるとつい見に行ってしまう。私は昼間彼の所にコメントを残すことはあってももうチャットのようなやり取りはなかった。電話もかかってこなかった。そのうちにブログの更新もなくなって、いつの間にかブログもなくなってしまった。

 もう諦めて止めたものと思い、私はオーバーラップの連載を「いわゆる認識の相対性」に書き始めた。もちろん彼の本名は佐々木ではないし、彼の人物と事実をそのまま書いているわけでもない。フィクションもかなり入っている。その頃「いわゆる認識の相対性」は本書評ジャンルにあったのだ。しかし年が明けて1月12日の「オーバーラップ6」を境に書けなくなってしまった。

なぜか。
それは「秘密の扉第3章」の部分に相当するからなのですが、第3章を書くかどうかは未定です。
 
              「秘密の扉第2章 オーバーラップ」終了




2004-05-28
流血
テーマ 恋愛についてあれこれ

ある男のために5年付き合った男をあっさり捨てた
彼は私の目の前で
素手で窓ガラスを破り
自分の脚に
包丁を突き刺した

太股からドクドクと溢れてくる血が
ベッドに染みていく
タオルを当てたくらいでは止まらない
次第に顔が蒼白になってきて
「救急車を呼んで」とつぶやく声に我に返った

足の付け根を何かで縛り
遠くから聞こえてくるサイレンに逃げ出したくなる
「お願い、だから別れないで」といわれても頷けなかった
心の温度計の目盛りは
0度から
どんどん下がっていく

救急隊員がトランシーバーに向かって
「出血、中」と報告している
こんなに血が流れているのに「中」なんだ
その辺り一面血だらけだった
血の甘い香りが立ちこめる
甘い甘い血の香り

救急車に同乗して大学病院まで行く
暗い待合室で
刑事に状況を説明した
「て言うことはつまり別れ話のもつれかな」
そうか、これが別れ話のもつれってやつなんだ
初めて気がついた

病院に彼の父親が来て
「女なんていくらでもいるさ」と私の顔を見ずに言う
妙に白けた気持ちで私は心の中で頷く
私も彼の顔をまともに見られなかった
きっと能面の様だったろう
心と同じように凍りついていたはずだ



2005-05-30
転音 1
テーマ たかし第2章

彼の旅行の日が近づいてきて、たかしは忙しそうにしていた。休日も準備に追われてなかなか逢うことができなかった。彼は彼で好きにすればよいと考えていた私は何だか少し寂しくなってくる。
「今夜うちに来るでしょう」
「んー悪いけど中川達と飯喰う約束しているから、ごめんな」
「そう」
不思議なものだ。行こう行こうと誘われるときは行きたくならない。こうやって彼一人で楽しそうにやっているのを見ると自分も一緒に行きたくなる。けれど、もう今更の参加は無理だ。
変な意地を張らなければ良かったと後悔しながら、もし一緒に行くことを決めていたとしたらきっと嫌で嫌で堪らなかっただろう、とも思った。何だか少し彼との間に距離を感じてしまう。そうだ、夫との時はこうやってすれ違っていったのだ。今のうちに何とかしなければ。次は必ず一緒に行こう。ダイビングだって、ずっとライセンスを欲しかったのに機会がなかっただけだ。たかしと一緒に色んな海を潜ったらきっと楽しいに違いない。今度は必ず、行こう。素直になろう。

「いよいよだね、気を付けて行ってきてね」
「あれ?何だかずいぶん寂しそうだね」
「うん、やっぱり行けば良かったかなって」
「んだよ~だから…」
私はたかしに抱きついて言った。
「ごめん、だけどこんなに寂しくなるとは思わなかったんだもん、旅行で逢えないって言うだけじゃなくて、このところあなたがずっと忙しそうに楽しそうにやっていたから何だか寂しくなっちゃって」
「次は二人で行こうな」
「うん、みんなとでも良いけれど始めっから私の予定も聞いて」
「わかった、それじゃ行ってくる」

 たかしを送り出したあと今頃彼が何をやっているのかそればかり考えていた。仕事に追われながらもブログで遊び、生活自体は充実しているはずだったのに胸の中は空っぽだ。出かける前にたかしは2.3日置きに電話するよと言っていたが、一度お土産の確認で連絡が来ただけでそれきり何の音沙汰もなかった。



2005-05-25
ごめんね
テーマ  あいしてる
Photo by ねぇもうけんかはおわりでしょう
こっちへ来て耳元でささやいて
優しくキスしてちょうだい
楽しくお話をしましょう
だからこっちへ来て
あなたのこと
もっと知りたい
黙っていないで
もっとおしえて

Photo by: NOION



2005-05-31
転音 2
テーマ たかし第2章

 月末近くに生理が来た。おかしい。前回の生理日から23日しか経っていない。ずいぶん早いと思った。うそでしょう。まだ38になったばかりだ。認めたくない単語は脳裏に浮かべずに、うそでしょう、うそでしょうと何度も繰り返す。じわじわと不安感が沸き上がってくる。まだこれからなのにちょっと待ってよ。お願いだからちょっと待ってよ。私の身体、もう少し待って頂戴。これからなのに、これからなのに。
 認めたくなくて婦人科に行く勇気もでない。あの時「出来ちゃったら産もうかな」と言ったときに、パッと輝いたたかしの顔が忘れられない。あんな風に喜んでくれるなんて思わなかった。その後喧嘩になってしまったけれど、いつも彼が道行く子ども達に暖かな眼差しをかけていることを私は知っている。それを見るたびにいつもちくりと私の胸は痛んだ。彼とこれからどうするのかハッキリ決めなくてはならない。
 私と別れてもっと若い人と幸せになった方が良いのにといつも思っていた。心のどこかで自分はもう半分終わってしまった人間で彼はこれからの人だと思っている。男性は多少年齢が行っても若い女性と結婚すれば子供なんていつでも作れると思っていた。だから彼に対してそんなに後ろめたくはなかったけれど、正直言って私と結婚するなら子どもは出来ないかもしれない。結婚自体を具体的に考えるまでもう少し時間が欲しかったし、たかしにはどこかつかみ所のないところがあってそれが何なのか私にもよく判らなかった。だから人生のパートナーとしてどこまでやっていけるのかまだ見極めることは出来なかった。せめてもう1年しっかりと見極めてから決断したかった。

 けれどタイムリミットは容赦なく迫ってくる。体力的にも仕事をしながら子どもを育てるのは多分もう無理だろう。以前だって切迫流産で仕事先に迷惑をかけた。子どもを取るか、仕事を取るかと言われたらもちろん子どもを取る。けれど、そこからはもう二度と元のレベルの仕事は来ない。詰まらない仕事や半端な仕事からもう一度信頼を築いていかなければならない。それだって子どもが熱を出さないかいつも冷や冷やしながら睡眠時間を削ってこなしていたのだ。


 折角戻った旧姓からまた名前が変わるのもいやだった。仕事は旧姓をずっと使っていたから手続きの煩雑さやいちいちしなくてはならない説明が煩わしかった。名前が変わるというのは自分のアイデンティティが変わることだ。
 一軒の家に住んで「Kです」と電話に出ると「Gさんではないですか」と言われ「はいGです」と答えること。仕舞いには夫に結局君はKの家の人間になりたくないんだなと言われたこと。今時この人は何をこだわっているのかと考えながら、その向こうにいる彼の家族のことを考える。そんな風に思われているのかしら。慣れ親しんだ名前を使い続けることに私はこだわった。私はKさんでなくGさんだ。いくら結婚したって、私という人間が変わるわけではない。同様にたかしと結婚したら今度はFさんと呼ばれ自分の名前にこだわったら彼の家族になんと思われるだろう。
 自分がこだわりすぎているのだと言うことは百も承知の上で、それにしても彼の名字が私の名前の上につくのは妙な感じだった。口に出して言ってみると知らない人の名前のように響いた。そういう違和感をたかしに説明して理解してもらえるのかどうか自信がなかった。



2005-06-01
お勧め恋愛マニュアルブログ
テーマ  恋愛についてあれこれ

実は何となくいい女塾というのに入ってみたのですが一応課題があるみたいです。
水野愛也先生が「恋愛体育」という講座を持っておられて

● 自分のブログで1冊オススメの恋愛マニュアル本を紹介すること
という課題がでたんです。と言われてもマニュアル本って仕事関係パソコン関係の他はゲームの攻略本くらいしか買ったことが無くて恋愛マニュアル本なんて1冊たりとも読んだことがありません。だいたい恋愛って天から降ってくるように落ちてくるもので、しかも私は恋愛と恋愛の切れ目があまりないので必要も感じたことがありませんでした。意識しての駆け引きもしたことはないしその必要性も感じたことがなかったので。何となく成り行きで恋愛をしていました。
 愛也先生は学生時代に200冊の恋愛マニュアルを読破されたそうで、そんなに恋愛マニュアル本が世の中に存在するなんて思いも寄らなかったです。かといって今更書店に買いに行ってもお勧めできるような本があるかもわからないし、紹介する以上少なくとも5冊くらいの中から選ばないとイケナイとも思うのでこの課題は出来ませんね。

 ただ私のお気に入りのブログで恋愛マニュアルブログが2つほどあってどちらも30代大人の視点で大人の恋愛について書いていらっしゃって、かなりお勧めだと思っています。20代の恋愛と30代の恋愛はだいぶ違うと思います。このお二方がどのような恋愛をなさっていらっしゃるのかとても興味があり、大ファン。私が今一番お会いしてみたいブロガーさん達です。


オトコ心講座
役員秘書の恋愛指南  (山川塾 で絶賛されてます)

こちらはマニュアルではありませんがお勧めです
仕事する?恋する?



2005-06-01
怖いです…
テーマ  恋愛についてあれこれ

青バラ先生のところで紹介されていた曜日占い 。たまたまテレビを見ていたんです。なんともあやしげな雰囲気に笑ってみていました。あとでやってみようかしらって言ったって忘れちゃいますよね。えぇ、早速青バラ先生の研究室から飛んでいきました。

土曜日生まれなのは知っていたので早速今年の恋愛運を見てみると

4月15日から愛情面で苦しむことになるでしょう。浮気性なあなたは、 人の口車に乗りやすいため、トラブルを起こしてしまいそう。慢性的な恋愛 トラブルに悩まされるでしょう。
1月15日から4月15日までは、相手の考えを理解しようと努力し、 お互いを許しあうので、嵐を乗り越えることができるでしょう。
仕事運、金運のよさに比べると、愛情運では周りの人とのトラブルが続き、 そしてドロドロな最後を迎えるでしょう。あなた自身も悩み、相手も苦しみ ます。カップルは、年の初めには注意が必要。第三者が現れ、二人の愛を 壊そうとします。


>4月15日から愛情面で苦しむ

!激当たりしかも日付まで!

>そしてドロドロな最後を迎えるでしょう。あなた自身も悩み、相手も苦しみ ます。

やめて~~!

ハッキリ言って怖いです…



2005-06-02
転音 3
テーマ たかし第2章

 たかしにとって幸せとは何だろう。勝手に彼は結婚に夢を見ているような気がする。だけどそれは幻にしか過ぎないと私は思う。普通に結婚して、子どもが出来てずっと仲良くやっていく。相手を愛し、敬い、協力し合って一つの家庭を築き上げる。様々な困難を乗り越えて人生を楽しく共に過ごす。でもそれは理想だ。理想通りできればなにも問題はない。実際には3年も経てばお互いの権力党争に陥る。 
 仕事をしている君が好きだと言っていた男は平気で俺の方が稼ぐんだから家事をやるのはそっちだろうなどと言うのだ。では家事育児をやって仕事もして朝から晩まで疲れきっているのはどちらなのだろう。
 仕事の事でパートナーと時間の調整して文句を言われながら頭を下げる。時間を気にしながら家に帰り着くとキッチンに直行してお腹をすかせた夫と子供に食事を作る。外に干しっぱなしになっていた洗濯物を畳むと日付けが変わっていることすらあった。これは私だけの問題ではないと思う。もし自由に仕事ができたら、時間など気にしなくても打ち込めるなら、そもそもそんなに収入差だってないのではないだろうか。そんな事を面と向かって言う程私はバカではなかったけれど、そう言う思いはずっとあった。
 そんなぎすぎすとしたやり取りをたかしとしたくなかった。だけど子供がいなくてもイイの?それで彼は幸せ?

 12月に入ってやらなくてはならないことが山積みなのに私の心は宙に彷徨っていた。今頃彼は楽しくて私のことなんかすっかり忘れて楽しんでいるのだろう。出発前私の顔をじっと見つめているときが何度かあった。
「なに?」と聞くと
「いや別に」と素っ気ない返事。二人のこれからのことでも考えていたのだろうか。
 年の差がどうと言うことはそんなに気にならなくなってはいたけれど、いざこうして自分自身の身体のことを考えるとたかしに申し訳ない気がしてくる。私の周りには17歳女性が上というカップルが2組もいたし、どちらも仲良くやっているようだった。だからといって彼だって自分の子どもが欲しいだろうなと思う気持ちには何の関係もなかった。可能性はどんどん低くなってしまうけれど、まだダメだと決まったわけではない。だから出来ちゃった婚の方が私にはプレッシャーが少なかった。グニャグニャで首のすわらない赤ん坊を危なっかしい手つきで抱くたかしの姿が見たかった。公園で補助を取った自転車の後ろを支えながら走る彼の姿が見たかった。
 私でない人を好きになって普通に幸せを掴んだ方が彼のためなのではないかという考えはずっとあった。単に恋愛を楽しむだけではなく彼自身の将来や彼自身の幸せを考えた場合、多分その方が良いはずだった。もしかしたら私は身を引いた方が良いのかもしれない。心の奥底にそういう思いを抱えながら、どこか刹那的に現在にのめり込んでいる自分を自覚していた。二人の将来はあまりにも漠として想像がつかなかった。
 彼が目の前にいないと何だか物事を良い方に考えられない。自分自身が揺らいでくるようだった。なんだかこんな風に可能性が少なくなってくると、子どもが出来たら仕事なんてどうだって良いような気がしてきた。すぐに結婚して子どもと彼のために精一杯生きれば良いだけのことだと自分に言い聞かせる。もう名前なんてどうだって良い。ただ彼と一緒にいたい。



2005-06-03
美容院
テーマ ブログ
 今日は昼から美容院へ行って帰ってきたところ。ショートの時は月に一度は行かなくてはならなかったけれど、ロングはやはり楽で良いですね。
今は肩から5.6cmの長さ。前髪をおろしたストレート。髪に緩く癖がついているので毎回カットのみで終わりだ。
 私は美容院へ行くときになるべくお洒落な格好をして、近所であってもバッチリメイクをしていく。手抜きの格好で行くと無難な形で納められてしまうから。美容師さんも人を見ますからね。まぁ今は長いのでそんなに問題はないのですが。
 7.8年ベリーショートの時代があって、たいそう周りの評判も良かったのだけれど、また長くしたのはそろそろ白髪が出るかもしれないと思ったからだ。幸いまだまだ大丈夫。
 カラー全盛の時代に何もしていないのは私の髪が細いから。短ければ多少痛んでも構わないけれど、伸ばすのであればパーマもカラーも入れられない。消去法で選んでいったわけだけれども、そのうちにそれが私のイメージになってくる。おかしなものだ。
 実は今行っている美容院は余り気に入っていなくてとりあえず切ってもらっているという感じ。美容師さんのセンスや腕も重要だし、相性もある。ショート時代にお世話になっていたお気に入りの美容師さんはお店を移って、遠くなってしまった。行けない距離じゃないけれど、たかだか頭にそんなに時間もかけていられない。そんなわけで出来れば近所の美容院で、腕の良い人を捜索中です。



2005-06-06

テーマ  あいしてる

時折飛び込む虫に炎が揺らぐ
闇に灯るランタン
幾度も近付き羽根を焼き
それでも光を求めずにいられない

その身を焦がすと分かっているのに

その身を焦がすと分かっているのに



2005-06-04
理想のタイプ
テーマ たかし第2章

「ねえ、doorの理想のタイプってどんなの?」
「なに、いきなり」
「いいから」
「え~理想のタイプなんてないよ~」
「なんかあるでしょ」
「う~ん、やっぱり好きになったらその人がタイプだよね」
「えへ、じゃ今は俺?」
「あはは…それはともかく」
「ともかくってなんだよ」
「いいの。もし理想の人がいたとして、その人のことが好きになれなかったらしょうがないよね。理想って条件だから。自分にとっていい条件だとして好きになれるのかな?…例えば私はたかしにとっていい条件だとは思えないのよ」
「そう?」
「うん、少なくとも私はそう思ってる。だけどしょうがないじゃない好きになっちゃったんだから。違う?」
「うん」
「だから、このまま行くしかないのかな~って思っている」
「そう」
「うん、どんなに甘ったれで、優柔不断でウジウジしてても好き。いちいち細かいことを言われるのもちょっと苦手だけど、でも好き」
「ああ、そう!! 」
「大好きだから」


「じゃあさ、俺がもっとdoorのことを引っ張っていけるようになればイイの」
「え~それは無理でしょう、いや、怒らないで。そりゃそう言う気持ちだって無いとは言わないけれど、そうなったらそうなったで別の不満がでて来ると思うな」
「…」
「私って結構自分で納得が行かないとこだわっちゃうところがあるから二人で並んで歩くような関係が理想かな…だからね、そのまんまのたかしでいて」
「…」
「人間だから向上心は必要だけど、私のために変わろうとは思わないで欲しい。私に合わせて変えようとしないで。思ったことは言って欲しいし。ずっと一緒にいたいから。無理すると疲れちゃうでしょう。そのままのあなたで大好きだから」
「じゃあ甘ったれで、ウジウジしていても良いのかよ?」
「そこはちょっと…」
「どっちだよ~」
「ともかくずっと一緒にいたいってこと」
「…」
「ほらほら、どっかでかけようよ」



2005-06-04
転音 4
テーマ たかし第2章

そう思う反面、以前の二の舞はしたくないという思いもあった。ずっと一緒にいることは恋愛の日常化を意味する。それは恋愛の終焉だ。始まったばかりの恋愛を急いで終わりにしたくない。きっと私にとっては最後の恋愛なのだろうから出来る限り楽しみたい。これは私のエゴイスティックで貪欲な快楽主義者の部分だった。どんな恋愛だって終焉を迎えるのであれば、その終わりは出来るだけ引き延ばした方が良い。オーガズムを少しでも引き延ばしたいのと同じだ。
 恋愛を支える幻想は一緒に過ごす時間とともに摩滅していくのだから。結婚するにしても、その前の幸せな時間を長く過ごしたい。たかしはなんだか私のことを過大評価しているようなところがあって、いつかその幻想は破られるだろうという予感がある。出来れば結婚したくないという理由はそこだ。そうなったらきっと彼は去っていくだろうし、その時に彼の枷でいたくはない。
 整理がつかないまま、とりとめもなく思考は渦を巻き、鬱々とした気分を変えようと部屋の隅に行き棚のCDを何枚か手繰ってみる。コルトレーンのオラトゥンジコンサート が目に止まり思わず苦笑してしまう。今私の頭の中はこんな風だろう。電話が全然来ないのがとにかく辛かった。電話がないから地に足の着かないくだらないことばかり考えてしまうのだ。
 こんなことを一人で考えていても仕方がない。彼が帰ってきたらゆっくり話し合おう。私がどうしたいのかはっきり言って、彼がどうしたいのかはっきりさせよう。
 帰国の日に成田まで迎えに行くのも良いかもしれない。そうだ、車で迎えに行こう。きっと喜んでくれる、一刻も早く逢いたいのだもの。帰りの高速で旅先の話をたくさん聞いてあげよう。電話が来なくてどんなに寂しかったか話そう。

 帰国当日早めに家を出て東関道を成田へ向かう。自分でも知らず知らずのうちにスピードが出てしまう。時間はたっぷりあるのに早く彼に逢いたくて仕方がなかった。日に焼けた彼の顔を想像してみたり、おみやげに頼んでおいたバティックの柄がどんな風か想像したり、彼に会えるというだけでなんとウキウキとすることだろう。ずっとこんな気持ちでいたいものだ。車を駐車場に入れて、帰国ゲートの前で今か今かとどきどきしながら彼を待つ。なんて嬉しいことだろう。彼だったら1000人の中からでもすぐに見分けられる自信があった。
 カートを押してくるひょろ長い青年の隣に若い女の子が一緒に歩いてゲートをでてきた。楽しそうに笑いながら何かを話している。カートにはトランクが2つ載っていて一つはたかしのものだった。とっさに彼に声をかけられなくて心は凍り付いたようになり私はそのまま車に戻った。



2005-06-05
転音 5
テーマ たかし第2章

 駐車場の車に戻り窓を開け、煙草に火を付けようとする。まるで私の気持ちを見透かしたかのように上手く火が付かない。何回目かの挑戦でやっと火の付いたタバコを深く吸い込む。たった今見た光景を何度も何度も反芻している自分がいた。別に腕を組んだり、腰に手を廻していたわけでもない。多分一緒に行った仲間の一人だろう。いちいちそんなことを気にするなんてどうかしている。何でもない、何でもないと自分に言い聞かせるようにしながら、それでも彼女が彼に向けた笑顔が私の気に障っていた。こんな気持ちは初めてだ。とにかく彼が電車に乗ってしまう前にもう一度戻ってたかしと帰らなくては。私が助手席に乱暴に投げ出したバッグをひっつかんで、車を降りると携帯が鳴った。
「はい」
「あ、door?俺、今成田に着いたとこ。今日どういう予定にしているの?」
たかしだった。大きく息を吸い込んで落ち着いてしゃべろう。
「良かった。今私も成田にいるの。待ちきれなくて迎えに来ちゃった」
「うわ、ほんと?助かるよ」
「今駐車場にいるからそっちへ向かうわ」
「うん、待ってる」
あの女の子のことは言えなかった。何でもない、何でもない。脳裏にハッキリと焼き付いた名前も知らない女の子の笑顔はいつの間にかクローズアップになっていて、大丈夫だと絶えず自分に言い聞かせていないとどんどん脹らんでくるようだった。空港に再び入っていくとすぐ前に10人以上の集団があって、その中で頭を半分飛び出させているのがたかしだった。
「こんにちは、初めまして」
たかしと同年くらいの青年達や女の子達が一斉に私を振り返る。その中にさっきの女の子もいた。次にたかしの顔を真っ直ぐに見上げて
「お帰りなさい」と言った。
たかしはいつもの笑顔でにっこりと笑った。あぁ、この笑顔が見たかった。
「あぁ、あのこれ俺の彼女」たかしは私を紹介した。
「初めまして」
あちこちに向かって笑顔を振りまきながら挨拶をする。さっきの女の子にも笑顔を向けた。
「車で迎えに来てくれたんだけれど、誰か一緒に帰る?」
「俺等は別に…」
「森本さん、同じ方向だよね」
「えぇ」さっきの女の子だった。
「じゃ乗っていけば?」
「よろしいですか?」と彼女は私に聞く。内心よろしくなくてもどうぞと言わざるを得ない。
「ついでですから、喜んで」その後なんだかんだと5分以上そこにいてやっと3人で車に向かった。



2005-06-06
転音 6
テーマ たかし第2章

 荷物を積み込み運転席に私、たかしが助手席、女の子は後部座席に座った。小さくカーラジオをつけて渋滞情報に備え車を発進させた。
「やーやっぱりdoorも来た方が良かったよ。杉山の彼女が来られなくなっちゃってさ、まるまるキャンセルだったんだ」
「あら、どうして」
「ん~、妊娠したらしい」
「あら、でも残念ねって言っちゃいけないわね」
「奴が一人で出かけるのが悔しいって散々言われたらしいけど、でもアイツきたよ」
「そうね、子どもが出来たらしばらくダイビングなんて出来ないものね」
「だから俺達男3人でエキストラベッド入れて一部屋だよ、もう杉山のいびきがうるさくてうるさくてやンなっちゃったよ」
「そう、それで私が一人で一部屋頂いちゃったんですぅ」
「川本がみさきちゃんの部屋に行くって煩くてな」
「うふふ…川本さんって、面白い人ですよね」
「やーアイツはホントに良い奴なのよ、ちょっとスケベだけどな、あははは」
「うふふ…」

 信じていただけるだろうか。私は今まで嫉妬という感情を感じたことがなかった。だからこの時に感じた感情が何なのか自分で理解できないでいた。たかしが他の女の子と私の知らない、それも楽しい時間を共有していた。とにかく彼女の甘えた話し方、バックミラー越しに見える媚びを含んだ眼差し、全てに対して苛立った。多少日焼けしているもののそばかす一つなく、口元に持っていった手は骨が浮いているかのように細かった。その全てが妬ましく頭がクラクラするような感覚に襲われた。二人の会話はもはや私の耳に入らず、たかしと女の子の笑い声だけがやけにカンに障る。ムカムカとした感情に押しながされてどんどん車のスピードが上がっていた。
「door、door、ちょっとスピード出し過ぎ」
「あ、ごめんなさい」
アクセルを緩める。
「どしたの黙っちゃって」
「ごめん、ん~ちょっと今度の仕事のことを考えてた」
「んだよ、帰って来たばっかりなのにもうお仕事モードかよ」
「ごめんごめん、続きを話して」
「って、どこまで聞いてた?」
「う~ん、ごめん、全然聞いていなかった」
「たかしさんと door さんって付き合ってどれくらいですかぁ」
またまたカチンと来る。なんでFさんじゃなくてたかしさんなのだろう。今冷静に考えればたかしは友人達にもたかしと呼ばれているのだからそれは自然なことなのだろう。けれどその時の私にはそんなことを考えるゆとりも無く
(たかしさんって、なんでこの女こんな馴れ馴れしい呼び方をするのっ)
とひたすら頭に来ていた。たかしもたかしでみさきちゃんなどと呼んでいる。
もう冷静ではいられなかった。
「7月だったっけ、知り合ったの」
「うん」
たかしは指を折って数え始めた。
「半年!」
「たかしさんて素敵ですよね~、doorさんが羨ましいですぅ」
「えっ、そうお」
たかしのニヤケた声に私の忍耐心は限界を迎えた。
「たかし!次のパーキングで運転変わってくれない?」



2005-06-08
転音 7
テーマ たかし第2章

「えっ?珍しいね、俺に運転させるなんて」
「ごめん、ちょっと寝不足で今怪しくなっていたかも」
「おいおい気を付けてくれよ」
「免許持ってきている?」
「どっかにはあるから大丈夫」
 既に酒々井のパーキングエリアは過ぎてしまっていたので次の幕張までかなりある。たかしは私が寝てしまうと困ると思ったのか盛んに私に話しかけ始めた。しかし旅行の話ばかりで、そうなると彼女が話に加わってきて元の木阿弥になり、まるで地獄にいるようだった。私がムッツリしていると、
「まったくdoorのブログ中毒にも困ったもんだなぁ」とたかしが言いだす。
折角迎えに来たのにそういう言い方はないと思ったが、喧嘩になりそうだったので黙っていた。この女の子の前で言い合いを始めるわけには行かない。
「えっ?doorさんブログやって居るんですか」
今度は後部座席の女の子が言い出した。
「ええ」
「私ヤプログでやって居るんです」
「あら、そうなの」
「ええ、だから今回の旅行のこともたくさん書くつもり」
「そう、じゃ今度見せてもらうわ」
「doorさんはどこでやっているんですか?」
「私はアメブロ」
「え~アドレス教えて下さ~い」
「みさきちゃん、どうせ読んだってつまんないからいいよ」
たかしは自分のことを読まれては困ると思ったのか、声が少し慌てているような気がした。
「あら、失礼ね。私のブログは面白いわよ。でも恥ずかしいから教えられないかな」
 おかしなものだ。先程まで頭の芯が痺れるほどの怒りを感じていたはずなのにすっかり落ち着いて私はこの女の子に興味すら抱き始めた。
「教えて下さいよぉ。あ、でも私もちょっと恥ずかしいかも」
「でしょう」
「コメントとかもらうと楽しいですよね。まだトラックバックってやったことがないんですけど、doorさんやったことありますか」
「ん~、今お友達とトラバで意見交換してる。議論の練習って感じで」
「へ~凄いなぁ、読みたいなぁ。たかしさんの事も書いてあったりするんですよねぇ」
「みさきちゃ~ん、あのさ~もういいよ、読まないでよ」
先ほどの鬱陶しい気分はすっかりどこかへ吹き飛んで、今度は何だかたかしを苛めたい気分になってきた。電話をしなかった罰だ。
「私はあんまり日常のことは書かないからたかしは出てこないのよ」
「じゃぁ何を書いているんですか」
「あははは…詩とか書いているかな?だから恥ずかしいから見ないで」
「え~でもその詩にたかしさんのことが出て来るんですよね、読んでみたいですよぉ」
私はすっかり冷静に戻って幕張のパーキングに車を止めた。
「すみません、ついでにトイレに行って来て良いですか」
女の子は返事も待たずに車をでていった。
「door、絶対に言うなよ」
「うん、でも相対性は別にあなたの事書いていないし、教えたって良いんじゃない?」
教えるつもりはなかったが、たかしが本気で困っているのでからかった。
「かんべんしろよ~」
「コメント欄まで良く読まないと私がdoorだなんて分からないわよ、リンクが貼ってあるわけでもないし」
「頼むよ~」
「あーあ、電話が来なくて寂しかったなぁ」



第2章 vol 9へ
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テーマ:
2005-04-06
マイノリティーの悲哀
テーマ  ブログ

Macの動作状況がでました!OS9は完璧に対象外みたいです。
OSXのボケボケ画面があんまり好きじゃなくてOS9愛用者としては悲しいです。
しかも、IEが使えないって…orz
OSXに変更してFirefoxかNetscapeをつかえって簡単に言うけど、もの凄い手間なんだよな…
うーーんでもこのまま<br>を打ち続けるのもなぁ…つか、だんだん慣れてきた自分の適応力にも笑える。
そんでもってibookはOSXに対応しているのだろうか…
あ~調べなくちゃいけないことが山積みだ!ゆっくり時間がとれる月中以降まで<br>を打ち続ける日が続きそうです(ToT)

追記
今、日々是一場劇(Macユーザー頑張りましょう!) さんで見たらネスケ7.02がいけそうとの情報。
今ダウンロードしたんでこれから頑張ってみますが、いい加減眠いです…orz
明日にしようっと

さらに追記
こちらと、もう一つのブログの方で合計既に16件記事を書いているうちにすっかり慣れてしまいマスタ。
当分IEのまま行きます。少し状況はマシになりつつあります。
アマゾンの機能は無くなったのかと思っていました(爆)
OS9ユーザーの皆さん!ともに頑張りましょう!



2005-04-06
視線 5
テーマ たかし第2章

ゆっくりと彼が入ってきて、ため息混じりの声がつい出てしまった。これで良い、もう虚しくはない。やっと一つになれてもうこれだけで充分。私の中の彼を感じる。彼の熱と私の熱で身体の中心は燃えるようだ。熱さと、その心地よさだけで充分満足できる。しかし気持ちは満足しても身体が自然と動いてしまう。次なる快楽を求めて。静かに動く彼が私を誘っている。彼に合わせながら自分の下半身は別物になってしまったような動きを始める。彼の息使いを聞きながら次第に私の欲望も脹らんでいく。もっと気持ちよくなりたい、もっと気持ちよくして、もっともっと…
 目をつぶっている私の脳裏では何かが渦を巻いている。時々何かがはじけたり、脹らんだり回転したりしながら赤や黄色の色彩が頭の中で踊る。もっと気持ちよく、もっと気持ちよく… 既に馴染んだ身体はどう動けば良いのか知っている。変化するリズムや動きに合わせて一つ一つ階段を上るように快楽のレベルを上げていく。ああ、あともう少しだ。もう少し、もう少し…
 けれどそこでたかしは身体を離した。いきなり離されて私は不安になる。気持ちではなく、身体が不安になるのだ。またすぐに入ってくれることが分かっていても、見え始めた高みが遠ざかるのを我慢できない。心の中で焦れながら目を開けて彼の顔を見ると彼は照れたように笑った。その笑顔に釣り込まれるように私もにっこりと笑ってしまう。優しい眼差しに心が安らぐ。再び真顔になった彼が入ってくるのを感じて目をつぶって集中する。もう一度渦巻きの中に取り込まれた私は全身で彼を感じている。腕も、脚も耳も、首も胸も腰も身体の中心に向かってすべての感覚が集中して快楽を押し出していく。



2005-03-24
自分を愛する
テーマ  恋愛についてあれこれ

 自分を好きになるということはかなり難しいことだ。自分の嫌なところは自分が一番知っている。時に自己嫌悪で一杯になってもがき苦しむ時もある。けれどどこまでも深く考えるなら、人が生きて自分のために何かをしている以上、自分のことを愛していると言えるのだ。好きじゃないという方法を使って愛していたりすることもある。結構こういう人は多いようだ。
 私自身はと言えばかなり好きになりつつあると言ったところだろうか。同様に自分を大切にすることもかなり出来つつある。では一番かと問われればうーんと唸ってしまう。

 私には大切な人がたくさんいる。どうしてか大切な人のために何かすることを、自分のことより優先させてしまう傾向があるのだ。けれどそれも大切な人のために何かしている自分が好きだからにほかならない。結局は、やはり自分が一番可愛いのだ。誰かを愛することは自分を愛すること。それであるなら、もっともっと自分を好きになってみたいと思う。
参考記事
役員秘書の恋愛指南  自分を一番好きになる
origin of art   悲しみ方
いわゆる認識の相対性 自由って何だろう
いわゆる認識の相対性 勇気



2005-04-05
恋愛主義占い
テーマ たかし第2章

SAMマスター のところで面白い占いをやっていたのでトラックバック。
恋愛主義占い~合コン編
えっとー合コンってやったことが無くてでも設問に答えているうちに私の主義が決められてしまいました(爆)

恋愛保守主義

結果よりも過程を楽しむ。恋の奥義を知りつくした達人

モットー:快楽は、探している所では見つからないものだ(ジョンソン博士)
芸能人・有名人にたとえると…:デヴィ夫人、秋元康
あははは…恋の達人ですか、そうですか、うふふふ…
でもデヴィ夫人と一緒にされても…ちょっと…引くなぁ.わたしあんなおばk(ry…


恋愛保守主義者はちょっとやそっとのことで動揺したりしません。その自信がどこから来るのかは分かりませんが、人を納得させる何かを持っており、周囲の信頼は厚いでしょう。
周囲の信頼厚いかどうかはともかく、確かに何だか妙に人を納得させてしまうところがあるようです。

恋愛のツボをよく心得ている保守主義者は、決して性急に物事を進めたりはしません。世の中ではもはや無意味だと考えているような形式ばった儀式や手順といったものにも敬意を払い、それが陳腐な恋愛や刹那的な恋愛を避ける唯一の道であることをよく理解しているのです。
え~~そうなんだ。始めて知った。儀式や手順って何?って感じです、本人。まーここに全部を書いているわけじゃないんで、うふふ…

保守主義者は恋愛の快楽が結果ではなく過程にあると考えているので、相手を焦らすのもとても上手です。恋愛の快楽をより長く深く味わうことに長けている保守主義者の技術には学ぶべき点が多くあります。
恋愛の快楽は過程ですか…そのわりには性急にすっ飛ばしているような気が…。無意識のうちに出来ちゃっているって言うのもありですか?そうですか

いつも穏やかで冷静に見えるため、保守主義者がいつ恋に落ちたのかを見極めるのは難しいし、本人もあまりそれを意識していません。感情に身をまかせるような愚かな真似はしないのです。
おいおい、思いっきり感情に身を任せているような(爆)この占い当たっているのかしら?深い根っこのところでしっかりしていたりして(爆)うふふ

たとえそう見えないにせよ、保守主義者は恋愛においていつも主導権を握っています。受け身の恋愛ができないことが保守主義者の弱点とも言えますが、しかしそれは希なケースでしょう。
うふふふ…あははは…あーっはっはっはっ…<謎の高笑い

大多数の保守主義者は基本的に恋の成功者であり、その成功が自信を深めたのか、自信があるから成功したのかを問うのはナンセンスでしょう。
皆さん、この占いは大当たり!少なくとも私に関しては(爆)
あーっはっはっはっ…




2004-04-10
魅力的な人--クラブの力
テーマ 恋愛についてあれこれ
何だか今日はハウツーっぽくなっちゃいましたw
シリーズなのに統一性のない…すんません。

感性と教養
 色々なことを知っている人って話していて楽しいし魅力的だなって思いますよね。感性の豊かな人は人生を楽しめそう。人生楽しく生きている人は輝いているし魅力的だと思います。
 若いときに仕事で一流と呼ばれる方々を目の前で拝見したことがあります。そういう方々はやはり知的で魅力的です。私なりにそこからいくつか学ばせて頂きました。

感性を磨く
 生まれつきのものや、小さい頃に身につける能力が多いとは思うのですが、今からでも決して遅くはないと思います。一概に感性を磨くと言ってもどうするの?って感じですね。今、検索で調べてみましたが、あまり参考になるようなものはありませんでした。ですのでこれはあくまでも私の意見です。他にも色々なやり方があるかもしれません。
 本物を知ること。え?本物って何でしょう。

 私が断言できるのは古典です。時間の風雪に耐えてきたものは本物だと言えます。書籍、アート、音楽ともかく数をたくさんこなしてみて下さい。古典を勉強することで、自然と教養も育まれます。自分の興味のある分野でいいと思います。全てにおいてこれをやっていては一生が終わってしまうでしょうから。数をこなしていくうちに自然と、ものの善し悪しが分かってくるのではないでしょうか。イタリア人のデザインが優れているのは生活を本物の中で過ごしているからかしらと思ったことがあります。築何百年という家に住み、歴史的なアートの街並みで生活していくうちに自然と感性が磨かれていくのではと思うのです。
 もちろん自分の好みもありますね。これは良いと思うけれど、私は好きじゃないというものが出てくれば少しは分かってきたと言えるのではないでしょうか。

知的であること
 知性というのは物事を考え、理解し、判断する能力です。とにかく考える。漫然と生きていては身に付きません。何かの出来事にふとなぜだろうと思う。その延長線上で考えてみましょう。色々な経験をして行きながら、常になぜだろうと考える。たくさん本を読んで、それを自分の経験を通して再確認が出来れば身になるとでも言いましょうか。いくら本を読んで知識を増やしても、それを本当に自分のものにするには自分の経験というフィルターを通すことが重要だと思います。
 以前、Jリーガーの方とお話しさせていただいたときに、とても知的な方でびっくりした記憶があります。先入観で、何となくあまり期待していなかったのですが、運動生理学、栄養学に(その他にも色々)精通していて、しかもそれを実践されているところが見事でした。一つのことでも、真剣に突き詰めていくと、その周辺にも知識が広がっていきます。
 テレビやブログなどをいくら見ていてもこの辺は身に付かないと思います。全てとは言わないけれど質の高いものは多くないと考えています。本を読みましょう。色んな経験を積みましょう。その経験をなぜかと考える。毎日の努力が、あなたを魅力的にすると思うのです。
 若いうちは若さという魅力がありますから良いのですが年齢がいくとこの辺の差が歴然と現れてくるのではないでしょうか。
何だか今日はずいぶん生意気なことを書きましたが、そこは年の功と言うことで許してね。



2005-04-11
オーバーラップ 19
テーマ  オーバーラップ

「私ってどうもやり過ぎちゃうみたい。好きだといろいろしてあげたくなっちゃう。でもそれはお互いのために良くないのかなって」
佐々木は怪訝な顔をした。
「上手く言えないんだけど、毎日を一緒に過ごしているととっても楽しいんだけど、段々当たり前になって来ちゃって相手への感謝の気持ちとか、思いやりみたいなものが薄れて来ちゃうような気がするのよ。お互いに甘え過ぎるって言うのかな…」
「それは何となく分るかな」
前菜が運ばれて来た。微妙な話題だけにウエイターの前で何となく口籠ってしまう。
「わがままもどんどん出て来るし空気みたいな存在になって、いつの間にか相手を所有するような感じになっていってしまって」
「でもそれはある意味当たり前なんじゃないの?」
「そうかも知れないけれど、私は自分の予定を勝手に決められたりしたくないのよ」
「うん」
「自分が行くんだから当然行くでしょうみたいな決め付けされちゃうと。しかも日程の相談もなかったし」
佐々木は面白そうに笑った。
「やっぱり旅行の件でシコっているんだ」
「別に…旅行以外でもそうなのよ。結婚するともっともっとそういう面が出て来るでしょう。」
「でも子供は欲しいと」
私はそれに答えずに前菜を急いで平らげた。佐々木の顔を見ると私の顔を面白そうにずっと観ている。
「自分でも矛盾しているのは分かっているの。ずっと一緒にいたいけれどなれ合いは嫌。結婚したくないけど子供は欲しい。むちゃくちゃだわ。でもそう思ってしまうのよ。どこかで折り合いを付けないといけないんだけれど」
佐々木は相変わらず黙って私の顔を見ている。
「佐々木さんはどうなの?なんで結婚しないの?」
「なんでだろう。まだふらふらしていたいのかな。ホントに彼女で良いのか考えているんだ」
「どれくらい付き合っているの」
「4年かな」
「ちょっとそれ彼女に酷じゃない?」
「あーそうかなやっぱり。こないだ親に挨拶に来てとか言われてまずいな-って。僕プロポーズなんてしていないんだぜ」
「その年で、そんなに付き合っているってこと自体がもう同じことだと思うよ」
「趣味もそんなにあわないし、君との方が、よっぽど話があうよ」
ドキッとした。店に入ったとたんそんな予感がしていたけれど、言葉に出されるとやはり来たかと思ってしまう。
「でも、私もうそんなに映画は見ないし、ブログのやり取りも面白いと思うけれど…」
「映画以外の話だってしているじゃない」
「そうだけど」
「きみはどうなの?彼氏とどんな話をしているの?」
「確かに話題はすれ違うこともあるけれど、でもそれなりに楽しいわよ」
「でもそれなりなんだろ」
答えられないでいるうちに次の皿が運ばれて来た。




2004-04-12
恋愛期間~トラックバックステーション~
テーマ 恋愛についてあれこれ


今回のトラックバックステーションのお題は恋愛期間

長いですっ!だから少ないですっ!
結婚する前は4年付き合っていました。その前は短く散った恋が(聞かないでっ!)あって、その前が6年…だから数もこなせていないです。ほとんど切れ目無しでした(爆)下の記事で恋愛保守主義者は恋愛の達人らしいのですが、駆け引きなどあまり意識したことはありません。恋愛至上主義じゃないんで、自分の好きにやっているだけですね。今思うと気まぐれなので相手を振り回してしまうこともあったのかな。
 もう、結婚したいとも思わないので末永く恋愛を楽しみたいとは思っています。
 これからどうなるかは全く不明。相手のあることなので、もーどうなるか分かりませんね。
 結婚って、結局はダラダラと続く日常。メリもハリもよっぽど工夫して二人で創って行かなくてはならないですよね。私は楽しいことが好きだし、恋愛はその楽しいことの一つ。そろそろ先が短いので、今の恋愛を末永く楽しみたいと思っていま~す



2004-04-13
恋愛に悩む諸君!健闘を祈る!
テーマ 恋愛についてあれこれ


くまくまのあなぐらさん人を好きになる心、相反する自分の哲学 にトラックバーック

女の子は強いから優しく優しく、男の子は優しいから強く強くといって育てるという言葉を聞いたことがあります。
最近やっと分かってきたのですが、男の人ってもの凄ーーーーーーーく繊細。
ちょっとの一言で深ーーーーーく傷ついちゃうんですね。
ハイ、私はガサツです。おまけに言葉がストレートなのでダメージかなり来るみたい。
ひたすら反省しています。
私は自分が強いにも関わらず、従来の男女の既成概念を当てはめて
自分より強くあって欲しいというのはやっぱり無理があるような気がしてきた今日この頃です。
でも普段は優しくここって言うときにはやっぱり虚勢でも強くあって欲しいと思うのはダメ?
なかなか捨てきれない自分の中の既成概念…


くまくまさんはとても相手のことを考えていらして
相手の現在、相手の目標、相手の夢
それらを壊したくない。守っていてあげたい
そういうことを自分は可能にすることができるのか?


ここまで考えてくれる男の人がいるんですね。なんて優しくて暖かいんでしょう。

でも、だからって恋愛に臆病になってしまうというのはちょっと悲しいかも。
相手の気持ちなんて、いくら悩んだって結局はわからないもの。
おまけにバレンタインデー以外はどうもこういうのは男の人の役割になっているみたいでw
「ねー私と付き合って♪」って私なら軽いノリで、言っちゃいそうな感じなんですが
男の人って、ここは決めなきゃって言う意識が働くのか
「僕と付き合って下さい!!!!!!」
って、あなた!プロポーズじゃないんですからっ!そんなに力入れなくてもw
でもまぁ、自分の真剣さを伝えたいんでしょうね。
しかも渾身の力を込めて、ありったけの勇気を振り絞って言ったのに
「ごっめーん♪」
なんて言われちゃったら立つ瀬がないか…

では、お姉さまがとっておきのポイントをお教えいたしましょう。
まずまじめな声で、ちょっと改まって
「ちょっと真面目に聞いて欲しいことがあるんだ」といいます。
その時に相手の目を観察します。
目が泳いでいたら、冗談にして流しちゃって下さい。
相手の目が真剣になってひたとあなたの目を見据えてきたら大丈夫です。<おい、断言して良いのかっ!
たぶん大丈夫だと…w
ではあなたの言葉で頑張って!きっとその気持ち、伝わるはず。

恋愛に悩む諸君!健闘を祈る!

くまくまさんの記事に対するコメント欄のお姉さま方の意見が素晴らしいので、是非ご覧になって下さいね。



2005-04-14
視線 7
テーマ たかし第2章


「えっ」

どうせ私の生理周期なんて覚えちゃいないだろうと高を括っていた。

しかし、どうして男というのはこうあっさりと気持ちを切り替えられるのだろう。セックスのあとぐったりとしながら余韻を味わっていたい女の気持ちなどお構いなしだ。そうでなければ、一人で寝息を立ててしまう。生理的な構造が違うのだから仕方のないことだとは思うけれども、このムードのなさはいったい何なんだろう。
 けれど、これは言いづらいことを切り出すためのチャンスだった。
「あっは、ばれた?出来ちゃったら出来ちゃったで生もうかなって思って」
彼の目は輝き、とびきりの笑顔で私を抱き寄せる。その腕に力が入って彼の想いが伝わってくる。そしてそのまま何度も頷きながら小さな声で「ありがとう」と言った。
「分からないわよ、子供出来づらい体質みたいだし、年も年だし。でも時間が過ぎれば過ぎるほどどんどん難しくなっていくだけだし最後のチャンスかなって思って」
息苦しくなるほど抱きしめられて、続けてなんと言おうか必死に考えた。良いことと悪いことは一緒に言わなくては。
「あなたにそっくりな女の子が良いわ、凄い美人の女の子。女の子は男親に似るって言うでしょう。それに…一人で育てるなら女の子の方が…楽だし…」
「えっ、今なんて言ったの」
「女の子が良いなって」
「その後っ」
戸惑った表情の彼の目をまともに見られなくて視線を逸らす。
「もし、別れることになっても今度は手放したくないから」
「door、何馬鹿なこと言っているの。そんなことあるわけ無いじゃないか」
「もちろん、今はそのつもりよ。だけどあなたを縛りたくないの。あと5年10年経って、もっとあなたに相応しい人が現れたときに…簡単に…別れられるように」
見る見るうちにたかしの表情は変化し、言葉は半ば怒りを含んでいた。
「俺のことが信用できないわけ?俺がそんなことをするとでも」
「信用するとかしないとかじゃないの。私はもう男の人に寄りかかって生きて行くつもりはないの」
「いったい…何を言っているの?doorの言っていることは俺には理解できないよ。どうしてそんな風に考えるの」
「どうしてって」
「俺はずっとdoorと一緒にいたいよ。子供と一緒に普通に暮らせばいいじゃないか。なんだっていちいちそんな風に突っ張って考えるんだよ。俺はdoorのことが好きなんだからなんでそれじゃいけないの。なんで、ダメになったらなんて考えるの。相応しい人って誰だよ。doorは俺に相応しくないなんて、誰が言ったの。全部自分で考えて、決めつけているだけじゃないか。こっちこそ怖いよ、いつもう来ないでって言われるか冷や冷やしている。寄りかかればいいじゃないか。助け合って生きればいいじゃないか」



2005-04-15
不安
テーマ  あいしてる

suna
波の中に素足で入ると
引き波が砂をさらっていく
さらさらと少しずつ
足許があやしく不安になる
さらさらと少しずつ
ねぇほんとうに信じて良いの

いくら砂の山を作っても
満ち潮に流されてゆく
さらさらと少しずつ
波と風に流されて山は崩れて
さらさらと少しずつ
ねぇほんとうに信じて良いの

何ミリかの線に全てを託し
私の言葉を波にかえても
時計の砂は落ちてゆく
さらさらと少しずつ
見えない涙が流れてく
さらさらと少しずつ
ねぇほんとうに信じさせてよ
* * *


メールまだ来ません…何だか少しよさげな雰囲気も…
私も相当疲れていたので言葉の行き違いみたいです。必ずメールは来ます!
もうしばらくお待ち下さい。
「いわゆる体重の相対性」 の方でダイエット活動に専念してま~すw (4/24記)




2005-05-21
薫風
テーマ  あいしてる

suna
風が薫る

薔薇の香りをはこんで

木々は揺れ
空の青さが目に痛い

風はまた幼子の声もはこび
ちぎれぐもを浮かべた空に
明るく響く

緑のベッドの上で
君と戯れよう

5月のまぶしさの中で



2005-05-22
視線 8
テーマ たかし第2章

私は次第に頭に血が上ってきた。
「じゃぁ言い換えるわ。私はもう男の人に振り回されるのは嫌なの。旅行のことだってそう。行きたくもない旅行を断ったからって、なんであんなに責められなきゃいけないのか全然理解できない。あなたが私と一緒に行きたかったら始めっからまず私に話して、二人で決めたらいいでしょう」
「じゃぁ子供のことはどうなんだよ。これから二人でどうするか、話し合いもしないうちに勝手に子供を作りたいって、いったいなんなんだよ。俺の考えは?俺の子供なんだろう。どうやって育てていくか話もしないで勝手に一人で全部決めて。旅行どころじゃないよ。俺達や子供の人生までかかっているっていうのにdoorが勝手に一人で決めてイイのかよ。俺はdoorとずっと一緒にいたいよ。結婚して欲しいよ。子供と3人で仲良く暮らせばいいじゃないか。そんなの普通に当たり前のことだろ」
 とうとう結婚という言葉がでてきた。予想しながら口に出なかった言葉の重みをたかしはどれほど深く知っているというのだろう。それにしてもこんなに大事なことを全裸で話し合っているというのが妙な話だと思い私は服を身につけ始める。
「結婚はしたくないの。もう嫌なの。あなたを縛りたくないし、私も縛られたくないの。結婚ってあなたが考えているほど簡単なモノじゃない。一つの家庭としてキチンとしていくために親戚づきあいしたり、色んな責任が出てくるの。喧嘩したから出ていってなんてこともできなくなるの」
「そんなこと分かっているよ、だけど子供が出来てちゃんと責任を持って育てるとなったらやっぱり結婚しなきゃダメじゃないか。育てるとなったらdoorだって今までみたいには仕事もできなくなるし、普通に家庭を持つのが子供のためじゃないか」
そんなことは分かっていた。
「だからもし子供が出来たら結婚すると思うわよ。それはある程度仕方がないと思っている」
たかしの端正な顔がぐにゃりと歪んで斜交いに私を見下ろす。その顔はぞっとするほど冷たく見えた。
「そうか、仕方なく結婚してもらえるのか俺は、子供が出来たら」
最後の「子供が出来たら」はまるで吐き捨てるようだった。
いけない、言い過ぎてしまったことに気が付いた。どうして私はいつもこんな風な言い方しかできないのだろう。
「いや、そうじゃなくてあなたとはずっと一緒にいたいの。でも結婚してしまうとお互いに緊張関係が無くなって変に束縛し合ったりするのは嫌だなって。今だって十分楽しいし、このままの関係って良いと思わない」
「一度くらい失敗したからって俺ともダメって決めつけんなよ。分かった振りして。自分が身軽でいたからそんなことを言っているだけじゃないか」
「そんな…」



2005-05-23
オーバーラップ 14
テーマ  オーバーラップ
 テーブルの上に置かれた牡蠣は彩りよく飾られてそれは美味しそうだった。私は佐々木の言葉を無視して早速手をつける。口の中で、ニンニクの利いた牡蠣がじんわりと溶けるようだ。
「佐々木さん、これとっても美味しいわ」
「あ、そう?どれどれ」
「あのね、佐々木さん、私佐々木さんとも確かにそれなりに楽しいの」
佐々木は口を動かしていて眼で応えた。
「だけど、多分恋愛感情は持っていないと思うわ」
佐々木は表情一つ変えなかった。ごくりと牡蠣を飲み込むと
「そんなのこれからじゃないか、キスしたのだって、なんかの間違いなんだから」と、何か面白いものでも見るような顔をして図々しく言ってのけた。どうして彼はこんな表情で私のことを見るのだろうか。何だか全てを見透かされているような、私を測っているような。
「何だか二股かけるみたいなのは嫌なの」
こういうときはキッパリと言わないとダメだ。けれどどういう訳か私は佐々木の顔がまともに見られない。それにどうしたわけだろう、胸がちくっと痛んでいるのは。
「僕は気にしないよ、別に。最初っから分かっていることだもの」
「佐々木さんは良いかもしれないけれど、私は嫌だし、彼が知ったら凄く嫌な思いをするに違いないわ」

hikari


「あのさぁ、ちょっと矛盾していない?」
「なにが?」
「君は所有されたくないって言っておいて、結局自分で縛っているんだよ」
「それとこれとは話が違うんじゃない?」
「そうかなぁ、別に結婚しているわけじゃなし、自分が楽しめる人と一緒にすごすことが悪いことだとは思わないけど。それは彼のモノってこととどう違うの?」
「それはそうよ、だから今日こうしてわざわざ来ているんじゃないの」
「じゃぁ全然問題ないじゃない。何もこれから僕のうちに引きずり込んでどうこうしようって言う訳じゃない。時々逢って、楽しく話そうってだけの話でさ。そんなこともイケナイだなんて思わないだろ」
確かに佐々木の言うとおりだ。しかしそんなことが問題なのではない。
「佐々木さん、この際正直に言うけれど、私佐々木さんのことが好きになりそうで怖いの。だからなるべくお会いしない方が良いと思う」
佐々木は聞いている途中で「ほおっ」と顎をしゃくり上げた。
「なんで怖いの」
「だからそれは、彼がいるから」
「僕は後藤さんのことが好きだよ、今一番気になっている」
さすがに照れたように下を向いてフォークで皿の上のエディブルフラワーをつつきながらいった。



2005-05-24
視線 9
テーマ たかし第2章
「それに今の状態だって俺は嫌だね。ちゃんと夫婦として生活したいんだよ。周りの人に祝福されて、認めて貰ってきっと幸せになれるよ」
 こんな喧嘩の最中にこれはプロポーズなのだろうか。けれど、付き合い始めてまだ4ヶ月。そんなに早く決めてしまって良いのだろうか。たかしは良くとも、私にはこの先ずっと一緒にいられる自信はまだなかった。彼はどこか私に理解できないところがある。もちろん年齢の差があるからそれは当たり前のことなのかもしれないけれど、何十年も一緒にやっていけるという自信が無かった。それにこんなに早く結論を出すなんて余りに軽率ではないだろうか。確かに今は燃えるような気持ちがある。けれどこの先、多分落ち着いてくるだろう。その時にならないと冷静に判断なんて下せない。冷静に下した判断だって、私は過去に間違ったのだから。
「ねぇ、冷静になりましょうよ。もう少しあと一年くらい結論は待って頂戴。あなたも私も知り合ったばかりだし、一生のことなんだからこれからじっくり考えないといけないわ。好きという気持ちだけで結婚するわけには行かないのよ。もう少し付き合って、もう少し気持ちを静めてそれから冷静に判断しないと」
「じゃぁ、なんで子供を作るとかいっているわけ?訳判かんねーよ」
私は大きく息を吸って呼吸を整えた。冷静によく考えて話さないといけない。
「落ち着いて聞いて頂戴」
たかしは頷いた。
「女の人は子供を産める年齢があるのよ」
「知ってるよ、そんなこと」ao
「まだちゃんと医者に調べて貰った訳じゃないから分からないんだけれど、この間から少し生理の周期がおかしいの。もちろんただのホルモンバランスの乱れかもしれない。だけどどちらにしても年齢的に子供を産む限界の所なの」
たかしはふてくされた顔でじっとこちらを見ている。
「だからもし結婚を考えるのならもっとじっくり考えるべき。だけどそれを待ってから子供を作ったのでは間に合わないの。どうも私は子供が出来にくい体質みたいだから。出来たら出来たですぐに結婚すればいいわ。そう言う考え方っておかしいかしら」
たかしの答えはなかった。空の一点を見つめて、なんのリアクションも示さなかった。
「もちろん子供が欲しいのは私だからあなたは責任を感じなくても良いの」
「お前そう言う理屈はないだろう」
「私の優先順位ではあなたの子供が産みたい。あなたと結婚したいと今は思わない。だから子供が出来なかったらあと1年か2年くらい考えてから結論を出すわ」
「何度言われても解んねーよ、俺の子供は欲しいけど結婚したくないって言う理屈が」
「だから一年先に結論を出したあとじゃ遅いかもしれないから言っているのよ、そりゃぁ順番が逆だってことは解っているわ。でもこっちは切羽詰まっているの。結婚なんかいつでも出来るわ」
「じゃぁ寄りかかって生きていくのは嫌だって言うのはどうなったわけ?」



2005-05-25
視線 9

「それは…これから一年か二年かけて、二人でそう言う関係が出来てくれば良いんじゃない?」
「だからそう言うって関係ってどういう関係だよ?」

たかしに突っ込まれて上手く答えることが出来ない。お互い束縛し合わず、甘えすぎず、助け合える関係。でもこんな抽象的なことをイメージしてもそれは現実にどういう関係なのだろう。
「ごめんなさい、まだ上手く言えないわ」
たかしはふてくされたままそっぽを向いて
「なんだよそれ」
とつぶやいた。私は自分が相手を甘やかすから甘えてくるのだと言うことは解っていた。原因は彼ではない、自分にあるのだ。自分が彼のためにいろいろしたくなるから自分自身が疲れてしまうのだ。けれど愛するというのはそういうことではないのだろうか。好きだからその人に喜んで貰いたい。嬉しそうな顔が見たい。
 けれど初めのうち喜んでくれていた着替えのYシャツに丁寧にアイロンをかけることも自分の仕事の納期を気にしながら彼のために時間を割き、彼の好きなベシャメルソースを根気よく作ることも、もはや当たり前になってしまった。初めのうちはまめにかけてきた電話もない。
 それはもしかしたら彼にとって私もそうなのかもしれなかった。初めのうちは彼の前でブログなんてしなかった。彼と一緒にいるための時間を大切にしたかったからだ。けれど、彼が居ることが日常になってしまうと私は自分の好きなことだってやりたい。本だって読みたい。要するに距離感の問題なのだ。
 ふと前の夫とのことを思い出す。なんでも二人で楽しんでいたのに彼が私の入り込めない世界を作ったのだ。毎日2時間も3時間も友人と夜中に電話で話していた。クリスマスイブの夜さぁこれから御馳走を食べようとしたときに電話が鳴って、それから2時間半待たされたこともあった。相手にゆっくりとがっかりして行く生活、それが結婚というものだ。
 私はたかしにがっかりしたくなかった。魅力的な青年がもっと魅力的な大人の男になってゆく過程を楽しみたかった。寝ころんでナイター中継を見ながらお尻をボリボリ掻いたりする彼を見たくなかった。いつも一緒にいるというのはそう言う危険をはらんでいる。今の適度な距離感でこれ以上詰めたくはなかった。しかし、彼の子供が欲しいのもまた事実だ。好きな人の子供が欲しいというのは女の本能のようなものだ。
他の人は知らない。少なくとも私はそうだ。

腕の長い彼にピッタリのセーターを内緒で編み始めてはいたけれど気に入ってもらえるかどうかは判らない。お洒落な彼にはうっとうしいだけかもしれない。


第2章 vol 8へ
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テーマ:
2005-03-22
オーバーラップ 15
テーマ  オーバーラップ

 その日は恋人がいたので適当なところで切り上げ、翌月曜日にチャット風のコメントのやりとりは再開された。その場に書いてあった記事に次々にコメントを入れていきお互いの感想や突っ込みをどんどん入れていく。4つの記事に次から次へとコメントをしあった。 コメントの量はそれぞれ10以上になり内容はその映画のことを離れて雑談風になっていった。それは私にとってとても楽しかった。そうしながら私は彼のお気に入りブログにはなんのブログもないことが気になり始めた。

■Sさん他のブログは廻らないの?
映画のブログもたくさんあると思うよ
きっと色々交流したら楽しいよ
G (2004-11-15 20:51:27)

■知っている
でも僕は他のブログには興味がないんだ
君は恋愛映画はどんなの観た?
S(2004-11-15 20:53:57)

佐々木は私に恋人がいることを知っている。佐々木にも、恋人がいることを私は知っている。けれど、佐々木にもとても惹かれるものを感じてきていた。この感情を自分の中でどのように処理したらいいか次第に分からなくなってきた。これは恋心?いったい私、どうしちゃったんだろう。

■恋愛映画は
興味がないのよ。どんな映画にも必ず要素として入ってくるし。
Sさん私あなたのことを良いお友達だと思っているんだけれど。
G(2004-11-15 21:02:16)

■Gさん
僕、君ともっと話したいんだ。Gさんも僕に興味を持っていると思っているんだけどね。違う?
S(2004-11-15 21:07:48)

佐々木の言うとおりだった。

■Sさん
とにかく今日はこれで
G(2004-11-15 21:12:27)

 チャット状態でいるとき、私は佐々木の息使いを聞いたような気がした。モニターの向こうに佐々木の存在を実感していた。私と同じように、おそらくゾクゾクしながらキーを叩いているに違いない。1箇所にコメントをして、次にどこに佐々木がコメントをしているか各記事のコメント欄の数字を見る。そこへ行って佐々木のコメントに答える。
 いくつもの話題を二人で自在に操りながらお互いのコメントに込められたウイットに感心し切り返す。話題は多方面に及び、コメントに現れた相手の考え方に共鳴し、お互いのセンスに痺れた。それはちょうどジャズのセッションのようだった。相手の作り出したフレーズに反応し、それに対するハーモニーとともに新たな提案を込め送り出す。相手はそれに応えてまたこちらに戻してくる。まるで脳の中が痺れるようだった。私は佐々木とのやりとりにすっかり魅了されていた。


2005-03-22
赤い火
テーマ  あいしてる

この身をえぐる苦しみの元は
私の心に宿る赤い火
どれほどの涙を注いでも
決して消えることなく燃える

いっそすべて焼き尽くしてしまえ
貪欲なこの身を
尽きぬ苦しみを




2005-03-23
指輪~トラックバックステーション~
テーマ  恋愛についてあれこれ

 指輪。実はあまり好きではありません。頂いても、大事にしまってしまいます。アクセサリーならピアスをリクエストすることが多いですね。薬品を扱っていたときがあって、外して無くしてしまったらどうしようと思うと付けられませんでした。
ネックレスのペンダントトップのようにしていたときもあったのですが、これもまた無くしてしまいそう。
 何だか指輪には拘束感があるのです。贈って下さった男性に対するロイヤリティを誓わされているような。そういうものは私の心の中にあるべきもので、それを身につけるということはロイヤリティを強いられているような気がするのです。
何よりも自由を愛する身としてはお願いだから指輪を贈るのは止めて!と言いたいところです。
依って指輪のルールはありません。もちろん、ドレスアップしたときに右手、左手の薬指あるいは小指にダイヤモンドが光るときはありますが。
ネックレス、ピアスは随時募集中でございます(爆)

2005-03-24
自分を愛する
テーマ  恋愛についてあれこれ

 自分を好きになるということはかなり難しいことだ。自分の嫌なところは自分が一番知っている。時に自己嫌悪で一杯になってもがき苦しむ時もある。けれどどこまでも深く考えるなら、人が生きて自分のために何かをしている以上、自分のことを愛していると言えるのだ。好きじゃないという方法を使って愛していたりすることもある。結構こういう人は多いようだ。
 私自身はと言えばかなり好きになりつつあると言ったところだろうか。同様に自分を大切にすることもかなり出来つつある。では一番かと問われればうーんと唸ってしまう。

 私には大切な人がたくさんいる。どうしてか大切な人のために何かすることを、自分のことより優先させてしまう傾向があるのだ。けれどそれも大切な人のために何かしている自分が好きだからにほかならない。結局は、やはり自分が一番可愛いのだ。誰かを愛することは自分を愛すること。それであるなら、もっともっと自分を好きになってみたいと思う。
参考記事
役員秘書の恋愛指南  自分を一番好きになる
origin of art   悲しみ方
いわゆる認識の相対性 自由って何だろう
いわゆる認識の相対性 勇気



2005-03-24
混沌 10
テーマ たかし第2章

 最愛の父があるときふと漏らしたことがある。
「doorがオトコだったらなぁ」
三人姉妹のしっかり者の長女に対してつい出てしまった父の本音なのだろう。子どもながらに男女平等の世の中でそんなのは理不尽だし、私はオトコになんか負けないわと思った。

 社会に出て体力の要求される仕事に就いた。さすがに身体の大きさは変えられなかったがスピードと気配りで十二分にカバーした。けれど、なにかの時に出てくる女の子だから無理だという言葉に職業人としての限界を感じ続け、表面上平静に対応しながらこぼれてくる悔しさをトイレにこもって拭った。たかしに出会うまで、私は何年ものあいだ悔し涙しか流したことがなかったような気がする。
 やっとの思いで独立し営業を始めると暗に身体を要求されることもあった。笑顔であしらいながら心の中で中指を突き立て自分自身の強さと弱さを呪う。心の傷口に貼られた絆創膏は長い年月のあいだ幾重にも層をなして私の心を覆い尽くしてしまう。負けたくない、負けたくない、負けたくない。
やがて子どもが出来れば仕事すらセーブせざるを得ない。切迫流産でやむを得ずキャンセルすると次からはその仕事は来なくなる。あふれ出る母乳を絞り出しながらする割に合わない仕事、詰まらない仕事に嫌気がさしてくる。もはや心の中でしか流されない涙は私の心をいよいよ硬く変えていった。
 次第に積み重なっていく鬱積した感情は一番身近な男性である存在、パートナーに向けられた。男性の友人に対してもそれは同じだった。私は常に彼らに対して挑戦的であり続けた。それはわたし自身が彼らに対して甘えていたからなのだが、相手にとってはひたすら生意気な女でしかなかったであろう。私は自分の本心をいつも彼らから隠した。心の中では思い切り泣いて甘えたくてもどうすればそれができるのか分からなかった。自分を傷付けている存在の象徴である男性に甘えると言うことが、何だか矛盾しているような気がしたからだ。
 ひたすらに強さを装い続け、それは次第に私の身体に皮膚のようにまとわりつき、もはや脱ぐことすら難しくなってしまった。今、ここで自分自身を変えなければたかしだって去ってしまうだろう。この鎧をどうにかして剥がなければならなかった。

* * *

もはや、恋愛ジャンルで書いていて良いものなのかどうか不安になってきました。(爆)
初めはこんなことを書くつもりは全然なかったのですが…どうも秘密の扉は私のドロドロの吐き出し場のようです。皆様大変申し訳ないです。多分、そろそろこれも終わりになると思うんで…?



2005-03-24
季節よ巡れ
テーマ  あいしてる
木蓮の香りに春を感じ
そよぐ風は頬に優しい
雲はすっかり払われて
つきが私を照らし出す
胸の鼓動を抑えながら
くねる道を歩き続ける
桜のつぼみが脹らんだ
私のために季節よ巡れ


2005-03-27
オーバーラップ 16
テーマ  オーバーラップ

 私は恋人のことをとても愛してると思う。ちょっとした喧嘩なんていくらでもあることだ。恋人に対する気持ちが冷めたとかそういうこととは全く関係なく、佐々木は独立して私の中で光を放ち始めていた。なんと表現したらよいのか、特別な友人。それは恋心とは違うはずだった。だから恋人に私をしっかり捕まえていて欲しかった。佐々木とのやりとりの楽しさに気持ちが乱される。違う、違う、これは恋ではない。恋ではないはずだ。恋人との仲が微妙になってきているときに佐々木が現れたというだけのことだ。けれど、私の心の中に赤いランプが灯っていた。これ以上は危険だ。これ以上関わりにならない方が良い。
特別な男の友人に対する気持ちと恋心がどう違うのか自分でもよく分からなくなってきた。

 翌日は記事がアップされても無視した。その次の日は更新がなかった。けれど木曜日の更新で私は我慢が出来なくてまたコメントをしてしまう。

■ジェームス・ボンド役
長い間ショーン・コネリーが一番って思っていたけど、ピアース・ブロスナンも良い。ホントいい!
G(2004-11-18 20:30:48)

■どっちが好み?
僕は初めから似合うって思ってた。でも、ブロスナンこれでボンド止めちゃうんだよね。
S(2004-11-18 20:41:36)

■ブロスナン惜しいよ~!

でもショーン・コネリーがやっぱりセクシーさでナンバーワンかなw
あと、話変わるけどテイラー・オブ・パナマ、私途中までてっきり007だと思い込んでいたよ~wいったい今回のジェームス・ボンドどうしちゃったんだろうってw あの映画のオープニングは痺れる。プロの手つきって感じでw
G(2004-11-18 20:46:41)

■わかるわかる
アレは凄いよ、手の動きに全く迷いがない。ジェフリー・ラッシュの役者根性を感じる。
あとハリポタのダニエル・ラドクリフが出てたろ。

映画館の看板に007って書いてなかったとおもうけど(笑
S(2004-11-18 20:49:12)
■え、そうだった?

ごめん、子役まで覚えていないw 私はジェイミー・リー・カーチスも好きだから、目がいかなかったのかな?
彼女が着ていたスーツが、いかにも仕立屋の女房のスーツって感じのカッチリとした仕立てで、かっこよかったわー

テイラー・オブ・パナマはビデオで見たのよ
G(2004-11-18 20:53:03)

■え、そうだった?2
ごめん、スーツまで見ていないwそういう見方もあるのか面白いな。
一応言っておくと今日はダイ・アナザー・デイの記事を書いたつもりなんだけど。
S(2004-11-18 20:55:44)

もう一つ「アイ,ロボット」の記事のコメント欄では好きなSF作家は誰かという話になって、モニターの上でひたすら盛り上がりながら佐々木とはこれ以上気持ちが大きくなる前にやめなくてはと理性が働く。だけど、何で?
結婚しているわけじゃなし、仮に彼と付き合うとしたって、恋人との関係のように私は引け目を感じなくて済むし、通じない話にイライラさせられることもない。何で彼ではいけないの?恋人に対する燃えるような想いは無くても、充分楽しい。恋人とはずっと一緒にいたいのに、最近はここへ来ても疲れ切っている彼を見守ることしかできない。
 気が付くと、恋人と佐々木を両天秤に掛けていた。果たしてどちらを選んだらいいのか。私はそれに気が付いて自己嫌悪の泥沼に身を沈めた。自分はひたすら醜かった。



2004-03-27
優しい視点
テーマ 恋愛についてあれこれ

 先日仲の良いブロガーさんからメールを頂きました。
最近、お元気そうに感じる…
以前よりもコメントに対するレスが柔らかくなったような

(無断引用ごめんねw)
 拝読してびっくりしてしまいました。自分としては変えていないつもりでも、ずっと見守って下さる方にはちゃんと伝わってしまうんですね。とても嬉しく思いました。
 多分アメブロを始めてから今が一番良い精神状態かもしれません。「秘密の扉」は私の解放作業そのものですから色々なものからどんどん解放されていっています。ネットを離れた自分も周りもずいぶん変わりました。

 私は比較的決断が早いほうです。やりたいこともたくさんあるので、悩む時間がもったいないのです。レストランのメニューは見て一瞬で決めます。買い物も何点か見たあとで即決できます。
 なにーぃ?こんなに毎日グシグシ考えているdoorの発言とは思えないって?
 私が悩むのは恋愛に関することだから。人は変わる。成長する。だから見極めが難しい。
私は自分をより良くするために毎日努力していたいと思います。ましてや他の方も努力されます。現時点のある人を評価するのはとても簡単なのです。けれど時間が経つとその人も変化していきます。あの人はこう言ったからもうダメだなんて決めつけてしまうのはとても悲しいことだと思います。ま、時にはスパッと切り捨てるときもありますが、これはよっぽど(苦笑)えぇ、色んな人がいますから…

 自分をあきらめてしまいそうになる一瞬は誰にでもあります。けれど私はいつも前に進みたいと考えていますし皆さんもそうだと思います。その無限の可能性を見守っていきたい、信じていきたいとこの頃思うのです。
人は成長する、自分も成長する

心の癒し「どんな人にも優しい視点を持てる方法」 トラックバックさせていただきました。



2005-03-28
視線 1
テーマ たかし第2章

9時半過ぎチャイムが鳴ってたかしが部屋にやってきた。
 あれ以来彼からは何の連絡もなかった。私は金曜日の夕方に彼の携帯にメールを入れた。「今日は来るの?連絡を頂戴」けれど返事はなかった。私は一人で簡単に食事を終えコーヒーを飲んでいた。今日何を書こうかとブログのことを考えて、G4の電源を入れたばかりだった。
 「あら、いらっしゃい」と言うとたかしは何も言わずにいきなりキスをした。抱き寄せられて彼の舌が私の唇の中に入り私は戸惑う。初っぱなから飛ばしているなと思った。そう思いながらもねっとりと動く舌を味わい彼に応えていく。私は唇の端を舐められるのが好きだ。激しいキスで口の周りはぐしゃぐしゃになってしまう。無理矢理顔を背けて私が一度唇を離すと、今度は耳をなぶり始めた。首筋にたかしの息がかかる。こうなるともう私は立っているのもやっとだ。
 思わずのけぞった胸をたかしの大きな手が伸びて柔らかく掴む。親指で乳首の位置を確認している。たかしのコートにしがみついて身体を支える。
「ねぇちょっと、こんなところで…」
ようやく自由になった唇は塞がれてしまい、再び激しいキスが始まる。胸元の手は私のワークシャツのボタンを一つ一つ外していた。何とか体勢を立て直してたかしのコートを引きずるように脱がせた。ワークシャツはすっかり脱がされ、キャミソールのひもも下げられブラジャーもどこかへすっ飛んでいってしまった。縺れるようによろよろとベッドに向かって歩きながら、たかしは蛍光灯のスイッチを切った。薄明かりの中たかしに、話しかける。
「シャワーは?」
たかしは黙ったまま背広を脱いでネクタイを外していた。



2005-03-30
視線 2
テーマ たかし第2章

 ベッドの上に座って立っているたかしの顔を見つめる。こんな風に上から見下ろされる時、いつもどういうわけか彼の目が冷たく感じる。端正な顔だけに余計冷酷な印象を受ける。目の底に金属のように冷たいものを感じるのだ。それが私の心をざわつかせる。
「この間はごめんね、言い過ぎたわ」
「いや、俺も悪かった」
「私今日まだお風呂に入っていないんだけど」
「んー」
ベッドの上に横たえられ、たかしに抱きすくめられて私も何だかどうでも良いように思った。外から来たばかりのたかしの手がまだ冷たくて素肌にヒンヤリとする。そのくせ、少し髭が伸びかけてざらつく頬が熱かった。胸元に移った彼の頭をそっと抱きしめながら私は頭の向こうで子供の件をどう話そうか考えていた。彼の髪を手で梳き、耳を摘み頬を撫で髪の生え際をなぞる。
「ンとー今日は大丈夫な日だったっけ」
私は黙って頷く。
たかしはにっこり笑って丁寧に作業を続け始めた。
先程と違い、私を見上げるたかしの視線は潤んで可愛らしい。このまま時が止まってしまえばいいのにといつも感じる。これから楽しいことが始まるという時が実は一番楽しいのだ。その最中はひたすら感覚に身をゆだねる。感覚に集中してひたすらもっと気持ちよくなりたいと願うだけだ。やがて私の脚の間に彼の指が届いて思わず声が出てしまう。



2004-04-01
運命~赤い糸なんて信じない~
テーマ 恋愛についてあれこれ

 いつも好きな人には赤い糸を信じてしまいたい。けれど、そんなのおとぎ話。2本も3本も繋がったり途切れてしまったり絡んだりしてややこしいじゃない?
 私は大切な人との出会いはいつも運命だと思っています。どうしてこちらとあちらがほぼ同時に好き合うのか説明なんて付かないでしょう。
けれど運命の出会いをどう育てていくかって言うのは私たちの意志にかかっていると思います。最近は物理学者まで多元的宇宙論(SFで言うところのパラレルワールドね)に賛同する方が増えているらしくて、その選択肢の中で無限の可能性があるわけだけれども自分というこの続いていく意識は一つしか認識できないわけです。
 あの時こうしていたら、もしこうだったら、なんて私たちは考えがちだけれど、取り返しのないことを悔やんでも詮無いこと。今いるこの場を、そして未来をどう創っていくかというのはすべて私たちの意志にかかっていると思っています。
 以前サイババで有名な青山先生とお話しさせていただく機会があって、その時にもこの話題がでました。先生はアガスティアの葉(個人への予言書みたいなもの?)でご自分の運命を死ぬ日までご存じだそうです。
「運命が分かってしまうと努力するのが虚しくなってしまいませんか」
「例えば本が出版され売れるということが予め分かっていても、実際に書く努力はしなければ本は出ないし、書く以上はキチンとしたものを書かなければならない。そういう意味での努力はどちらにしてもしなくてはならないんですよ」
 私たちには運命がどう転ぶかなんて予測できません。けれど、日々の生活の中で目標に向かって生きていくことが運命を切り開いていくことだと思うのです。 運命の出会いをあなたの運命にするのは自分の意志にかかっているとは思いませんか?



2005-04-01
視線 3
テーマ たかし第2章

 ふと開けた目がたかしの視線とぶつかる。私の反応を確かめているのだ。どこをどうすれば私が感じるのか目をやや細めて冷静に見ている。その視線そのものに犯されているような気がして私はたじろぐ。たじろぎながら目と身体の両方で犯されながら、それを歓んで受け入れ求めてしまう自分がいる。
 私はセックスが終わった後いつも男性を気の毒に思っていた。どうあっても男性は女性ほど感じていないように見える。全身が痺れるような快感、ひたすら登りつめてはじけ飛び虚空を舞うような絶頂感を男性は想像もできないに違いない。感じ始めると身体中の触覚が別物になったように変化してひたすら切なく中心に向かって収束し、拡散する。その例えようもない陶酔を知らずにセックスをするなんて気の毒としか言いようがない。にもかかわらずあれほど熱心にセックスを求めるのはやはり本能のなせる技なのだろうか。
 けれど私はもはや気の毒に思ったりしない。セックスの快楽は出産の苦痛と引き合うべきものだからだ。二ヶ月も吐き気と戦い続けるつわりの期間。おなかが大きくなりバランスの悪くなった身体を支えるために引き起こされる腰痛。何をするにもだるくなり、重い体を引きずって動く不自由さ。出産に備えてミチミチと音を立てながら開いていく恥骨の痛み。やがて波状に襲ってくる腹部の収斂と鈍い苦しみ。逃れようもなく続く苦痛の果てに、やがて身体がどうなっても良いと思われるほどの痛みを経て、最後の力を振り絞って自らを引き裂き生命を生み出す。もちろん子供が産まれる喜びというのはあるが、これほどの苦痛と引き合うべき快楽があって当然ではないだろうか。
 だから私はひたすら快楽に対して貪欲だ。時に自らの命と引き替えにするのだもの。どんな快楽があったとしてもそれは正当に受けるべきものではないだろうか。
 もちろんそんなことは決して口にしない。たかしの指の感触と鎖骨を這い回る舌が、この瞬間の私の全てだ。私の身体がどんどん熱くなっていく。



2004-04-01
表現として自らを晒すこと
テーマ ブログ

人気ブログ今年ゼッタイ結婚します~ひろこ28歳の日記~ を時々拝見している。
 ダイエットのために砂肝を常食され、ヨガを愛しダイエットに成功(見ならおうっと)しょっちゅう食べ物を腐らせてしまう綺麗なお嬢さんだ。非常にリアルに等身大を表現されるのでつい面白く読んでしまう。 そのひろこさんが今夜11:00~10分間生まれたままの姿を晒すそうだ。エイプリルフールなので本当かどうか分からない。自分の殻をうち破るきっかけにするそうだ。コメント欄では止めるようにとの意見が多数を占めているが私は好きにすればいいと思うのだ。
 私はこの「秘密の扉」で自分の内面を晒してきた。書くことで自らを振り返り前向きに生きていくために始めた。ひろこさんと似たようなものだ。

 昨日一昨日と36時間アメブロの休止中メンテ画面を見つめながら私はふと自分がどこかへ行ってしまったような、そんな不思議な気持ちになった。ネット上での私の人格はハッキリとここにあり皆この画面を私だと思っている。自分すらそう思ってしまうほどなのだ。
 その私がセックスを描くのは人前でそうするのと同じようなもので、しかも半年間の間に見知らぬ誰かは友人になっていた。だから第2章では詩でさえもあまりエロティックではない。けれどもここのところあまりにも自分の内面に入りすぎて、ここまで書いたらもう何を書いても一緒という気持ちになってきた。書いてみるとこれはこれで楽しくすらあって、そんな自分に変態さんの芽を発見したりもする。けれど生々しく自分だという感じもするのだ。
 ブログの面白さはリアル感とライブ感であると私は考えている。だから、その表現に必要なのであれば、おやりになればいいと思うのだ。自分を表現することはどのような形でも良いと思う。自らを見失わないために表現するのだし、その責任とリスクは十二分にご承知のはずなのだから。

何だかひろこさんに騙されたっぽいです。
それじゃぁ私一人馬鹿みたいじゃないですかっ!



2005-04-01
視線 3
テーマ たかし第2章
 オネガイダカラハヤク…私は元々気が短いせいかセックスの時につい焦れてしまう。けれどいつだって答えは口の端に浮かぶ笑みだけで彼の思うタイミングでしか与えてはもらえない。多分時間にしてみればそんなに長い間ではないのだろうが私は彼に弄ばれてでもいるかのような錯覚に陥る。たかしの濡れた指は乳房に戻り私は泣き出したいような気持ちになってしまう。
「ねぇ、お願い…」
 口に出した途端くるりと彼に体を廻され背中から抱きすくめられてお尻に当たる彼の感触は熱を放っていた。その熱さに私は夢中になる。もうすぐだ。きっともうすぐ。けれど、この程度では到底許してもらえないだろう。期待と悔しさが入り交じった私はひたすら焦れるより他はない。
「ねぇ、お願い」
言っても無駄だと分かっていて、どうして訴えてしまうのだろう。声はもう絞り出すような調子に変わっている。
「まだだよ」
 背後から耳元で囁かれて糸を引き千切るような焦燥感と両手で宙を掴むもどかしさが切なかった。息のかかる首筋や絡み合う脚までこんなに感じているのに、全身から感覚がさざ波のように沸き立って、中心をめがけて寄せていくのにその中心は今だ空っぽのままだ。
 オ願イハヤク、ハヤクコノ虚シサヲウメテ、ハヤクハヤク
 身体中を愛撫するたかしの手に抗うことも出来ずに弄ばれて私はもがきながら心の中で叫んでいる。
 オ願イダカラ、ハヤクキテ。オネガイ、オネガイ、欲シイノ、ハヤクオネガイ…心の中の叫びはきっと全部彼に聞こえているに違いない。私ははしたない気がしてなるべく口にしないようにしていても、全て彼には見透かされているようだ。
ナンデ?ワタシコンナニ濡レテイルジャナイ、コンナニアナタヲ欲ガッテイルジャナイ



2005-04-03
春の宵
テーマ  あいしてる

月
ヘッドライトの光を浴びて
芽吹き始めた木々に問う
なぜこんなにも胸が痛いの

夜風に髪をなぶられながら
雲間に覗く月に聞く
なぜこんなにも胸が痛いの

ぱらつき始めた雨に濡れ
揺れる川面に明日を見る
なぜこんなにも胸が熱いの

* * *

気持ちの良い夜です、お散歩に出かけませんか



2004-04-03
魅力的な人
テーマ 恋愛についてあれこれ

先日SAMマスターに「私が知るアメブロガーいい女ランキング1位」と褒められてしまったdoorです。そのわりには読者にもなっていただいておりませんwのでお上手ということで(爆)
 イイ人というと友人のニュアンスがあって、イイ男、イイ女だと魅力的な感じですね。じゃ魅力ある人ってどんな人だろう。何回かに分けて書いてみたいと思います。このことについては相対性の頃からずっと考えていたのですが思うようにまとまらない。ところが今日待ち時間にi-Podでソリティアをやっていて閃きました。もしかしたらトランプのスートみたいなものかもしれない。

スペード 意志、勇気、行動力、
ハート  受容力、優しさ、感情
ダイヤ  経済力、実際的
クラブ  理想 教養 知性

こんな所でしょうか。またあとで書き足すかもしれません。
男性と女性で多少変わってくるのかもしれませんが、これら全てをある程度持った人がいたとしたらその人は魅力的な人物だと言えそうです。そして、もう一つ重要なポイントがあるのですがそれについては最後に書くことにしたいと思います。
今回は大好きな柳沢先生のブログ にトラックバックさせていただいてます。

スペードの力
これはどちらかというと男性的な側面と言えそうですが、もちろん女性にも必要です。
あるべき理想と、現実の間を繋ぐのはひとえに意志にかかっています。
>大人と子供を分ける基準は年齢ではなく、『意志の強さ』、『心の強さ』、『欲望をどれだけコントロールできるか』
女性は強い意志を持った男性には魅力を感じますよね。はい、かなり弱いです。今の時代ですと、女性もかなり意志的な方が好まれるのではないでしょうか。男性に選ばれるだけの人生なんて詰まらないと思いませんか。私は意志的な女性に魅力を感じるのですが、皆さんはいかがでしょう。

困難な現実に立ち向かうには勇気が必要です。
高い山を目の前にしたときにやっぱり止めようって思ってしまいますね。人間やっぱり楽して生きたい。そりゃそうですね、つい怯んでしまう。でもダメで元々じゃないですか。虎穴に入らずんば虎児を得ず。
さて、あなたはどうしていますか?
チャンスや、時間を無駄にしないだけの行動力も必要だと思います。
決断力、集中力も関わってくるかもしれません。実際にやってみなければどうにもならないのですから全力投球で実行しましょう。バリバリと行動できる男性って素敵ですよね。もちろん現代の女性も。チャンスの神様は前髪しかないそうです。一生って、長いようで短い。過ぎ去ってから追いかけても無駄ですから。

次回はハートの力



2004-04-04
魅力的な人--ハートの力
テーマ 恋愛についてあれこれ

魅力的な人のコメント欄でアメブロガーいい女ランキング2位wのbowさん が書いて居られましたがさすが2位!<生意気失礼!w
おっしゃるとおりトランプは元々タロットカードの小アルカナカードが前身です。
じゃ、タロットカードってどこが起源なの?どういう思想から出来たの?
古代エジプト、古代インド諸説あるようですが真偽のほどはわかりません。陰陽思想とか、五行思想とかそういったものに準ずるものとして私も捉えています。

スペードは剣、
向かっていく力とでも表現しましょうか。元々は武士や規則階級を表したもののようです。
ハートは杯、 
受け入れる力。元々は聖職者を表しています。
ダイヤはコイン 
物質的な力。元々は商人。冒険や、財力を表しています。
クラブは棒  
教養や知性は実は聖職者のものですがダイヤに対応させるために、ここでは意味を勝手に(爆)変えました。元々は農民階級のことで継続性や努力を意味します。

私もbowさんと同じように両性具有的なひとって魅力的だと思います。
現代は封建時代ではありません。一人一人が自立して支え合っていく。色々な側面を備える人は魅力的で飽きないと思います。そこには男性女性の別はないと思っています。
男性的な女性も、女性的な女性もそのバランスは人それぞれ、それは個性というものだと思います。ただ、この各要素を表面に出すか、いざというときだけに出すのかということもありますし、どちらにしても自分に欠けている面を自覚してイイ男、イイ女を目指していきたいなと思うのです。
さて今日は

ハートの力

これは女性的な側面と言えそうですがもちろん男性にも求められる力です。

物事や、誰かをありのまま認め受け入れることの出来る受容力は愛です。
存在そのものを愛おしむことはとても難しいことです。なんにでも誰にでも欠点はあります。自分にとって都合のいいことばかりを備えているわけではありません。それを受け入れてなお存在を愛することの出来る受容力。広く、柔らかい心が必要です。そしてそれは愛そのものだと私は思うのです。

優しく思いやりのある人には癒されます。現代では皆病んでいます。
ネット上では匿名のやり取りが多く、出入りも頻繁です。アメブロ以前からそうでしたが、特にここに来て、現実世界で会うこともない人たちとの交流がこんなに思いやりに満ちたものとは思いませんでした。辛いときのホンの一言にどれくらい励まされたかしれません。相手のバックグラウンドもよく判らない中、年齢も性別も様々な人たちの中でこれほど暖かな気持ちになれるというのは素晴らしいことだと思います。もちろん、自分には直接関係ないからそういえるのかもしれません。しかしそれでも、伝わるものはあるのです。それを信じて、私は半年間ここでやってきたような気がします。ただ残念なことにそういう人ばかりではなく私もずいぶん怖い想いをさせられました。そんな人もいつか色々なやり取りの中で癒されていくと良いなと思います。
話がそれましたが、もちろん現実世界でもそれは同じことです。人を思いやる気持ちを素直に示せる。恥ずかしがらないで自然に出来る人って魅力的だと思います。



2005-04-05
オーバーラップ 14
テーマ  オーバーラップ
 翌日も同じように楽しみ私はいよいよ深みにはまっていくようだった。翌土日は更新が無く、月曜日も火曜日もなぜか更新はなかった。彼に何かあったのだろうか。一本電話をかければ済む話だったがそんなに楽しみにしていると思われるのもしゃくな感じがしていたし、佐々木が飽きて止めるのならそれで良いとも考えた。だって私には恋人がいるんだもの。彼を愛しているんだもの。
 けれど冷静になろうとしても、佐々木が更新する時間になるとそわそわとしてしまう自分がいた。いったい彼はどうしたのだろう。コメント欄の最後に書き込む。

■お風邪ですか?
お大事になさって下さいね。
G(2004-11-23 22:29:54)

 水曜の昼過ぎに佐々木から電話があった。
「後藤さん?佐々木です」
「あぁ、佐々木さん、こんにちは、更新がないので、風邪かと思って心配していたんです」
「んー、ちょっといろいろあってさ」
「どうしたんですか」
「うん、電話じゃ話難いな、夕方ちょっと出てこない?」
「それは構いませんけれど」
「ホントは僕がそっちの方にいければ良いんだけど、会社を出るのが7時くらいになっちゃうと思うんだ」
「それ、もう夕方じゃないですよね」
「あはは、そうだね、場所はうーん…」
会社の近くでは都合が悪いのかもしれないと私は思った。
「じゃ、佐々木さんのうちの方まで行きますよ、うちからだと、神田も駒込も変わりませんから」
「じゃぁ悪いけれど駒込駅の上の口、六義園の方の改札口で待ち合わせは?時間は…7時40分くらいかな」
「分かりました、六義園の方の出口ですね」
「悪いね、わざわざ」
「いえ、このところずっと出かけていなかったし」
「それじゃ」
電話を切った後、電話では話せないいろいろあったことってなんだろうと想像した。けれど心当たりは何もなかったし、私は買ったばかりのコートに合わせる服を考え始めた。
 
 さすがに11月も下旬になると風は冷たかった。大きな通りに面した駒込駅で佐々木を待ちながら道行く人を眺める。襟を立てて足早に通り過ぎる人。塾帰りらしい小学生。大きな荷物を抱えた学生。それぞれの人たちの生活がその足取りに伺える。
「よう、悪いね、こんな所まで来て貰って」
「いえ、お元気そうで良かったです」
「んじゃ、飯でも喰いに行きましょう」
佐々木は先に立って歩き始めた。半歩遅れて私も続く。佐々木の家の方の出口とは違ったので方向感覚がつかめなかった。駅の表示板によるとの六義園方向に向かっているようだ。
「ブログっていうのも結構楽しいね」
「佐々木さん、もっと他の人の所へ行って、交流すればもっともっと楽しいですよ」
実際、更新のない間に検索から来たらしいトラックバックが2個ほど付いていた。
「うん、もうちょっと記事が増えたらね」
「トラックバックが2個付いていましたよ。コメント欄にはさすがに書きこめなかったみたい」
コメント欄はGとSが交互に大量に書き込んでいるのだ。誰だって、躊躇するだろう。

第2章 vol 7へ


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2004-03-12
永遠に片思い
テーマ ブログ

 先日「混沌」で母のことを書いたら想いが溢れてきて困った。あんな事を書くつもりではなかったのだけれど、どうにも止まらずに書いてしまった。
 そして全然書き足りない。少し書いてみようと思う。
 父も母も私の両親は末っ子同士だったということもあるのだろう。けれど、私は小さい頃からしっかりしていることを無言のうちに強要されていたような気がする。母が店をやっていたので末の妹の面倒はかなり見たとおもう。 
 以前遊び半分で退行催眠というのを一度受けた。その時に、一番悲しかったことはと聞かれて、心理的なブロックのせいかすぐに出てこなかった。次に楽しかった思い出というのを聞かれて、思い出した出来事があった。
 多分、夕食の前後食卓で楽しく過ごしていた。母はやけに嬉しそうで、何だかウキウキした空気だった。そこまでは何気なく楽しい家族の光景。
「今度赤ちゃんが産まれるからね」
母の言葉に催眠状態で思いだしている私の目から涙がこぼれた。嫌だったのだ。
(またお姉ちゃんになるのか…、もうこれ以上お姉ちゃんになるのは嫌だ)
それが小学2年生だった私の素直な気持ちだった。
 新しく生まれてくる存在を素直に喜べなかったのだ。多分その記憶はブロックされ、私の胸の奥底にしまわれていたに違いない。自分でも気が咎めたのだろう。けれど、ハッキリとこの記憶が示している。お姉ちゃんであることは私には嫌なことだった。後ほど、義妹が出来たときにもこの想いが出てきた。
「お義姉さん、どうぞよろしく」と普通の挨拶に
「こちらこそどうぞよろしく」と返しながら、心の底でまた妹が出来たのかと暗澹たる気持ちになった。
兄、姉である人たちは多分多かれ少なかれこのような想いを抱いているだろう。
 私は母に甘えた記憶がほとんど無い。遊んで貰った記憶もない。いつものろまで愚図と罵られて育った。ただやさしく抱きしめて欲しかった。けれど傍に寄るといつも拒絶され煩がられた。
 今考えると若かった母に3人の子どもを育てるのは大変で、余裕がなかったのだろう。けれど今でも誰かに丸ごと甘えたいという気持ちが残っている。人間として私の母はとても素晴らしい人だと心から尊敬できるのだが、良き母であるかといえばそうではないと思う。そしてこれからもきっと満たされぬ思い。永遠に片思い、私の母へのラブレター。



2005-03-12
混沌 4
テーマ たかし第2章

 何時になるか判らなかったけれどたかしの好きな餃子を作る事にした。一つ一つ皮に具を詰めながら二人の関係を考えていた。

 恋愛初期の熱狂が少し冷めて適度な距離感で一緒に過ごす。私にとってはちょうどいい感じだった。ずっとこのままの状態が続けばいい。ただ、時折無性に感じる孤独感があった。絶望的な孤独感と言っていいと思う。私の感じる孤独感は一人でいるときに感じる寂しいというものとは少し違う。相手と繋がっているときに感じる孤独感だ。どんなに熱狂してもどこか頭の隅で冷めている自分がいる。しょせん別の人間、究極的には分かり合えないといった絶望だろうか。諦めであるかもしれない。
 むしろ一人で寂しさを抱きしめて生きている時の方が絶望しない、一人だから。けれど他に誰か居て、いくら強く結びついても究極的には一つにはなりきれないと判ったときに絶望する。
 自分と相手が渾然一体となって、もはやどちらがどちらか判らないほど解け合ってしまいたいという幻想はいつから私の中に芽生えたのだろうか。愛する人と一つになりたいと望めば望むほど闇はより深く、孤独感がつのるのだ。初めの頃はそれが忘れられるほどに熱狂していた。しかし相手のことを知れば知るほど違いが明白になり、諦めとともに孤独感を感じるのだ。解け合って自分が無くなるなんてそんなことはありえない。そういくら自分に言い聞かせても幻想は消えることがなかった。
 たかしは優しい。私のことも大切にしてくれる。私を明るい気持ちにさせて、二人で冗談を言い合って笑って。私の書棚から何冊か持ち帰って通勤の途中で読んで感想を言ってくれさえする。若く、美しくこれ以上何も望むことはないはずなのに何かが足りない。そう彼に足りないんじゃない。きっと私が貪欲すぎるのだ。いつの間にか生まれた自分の幻想に取り込まれているのだろう。そこまで分かっていながらもいつまでも消えることのないその幻想を、自分の限りない貪欲さを私は絶望していた。

インターホンの音にふと我に返るとと、餃子はとっくに詰め終わり、しんと静まり返った部屋のテーブルに座り唇をかんでいた。急いでドアを開ける。
「いらっしゃい」
以前はただいまと言っていたたかしは私に、
「ここはあなたのうちじゃないんだからただいまじゃないのよ、こんばんわと言って来なくちゃ」と言われてから黙って入ってくるようになった。こんばんわとか、こんにちはは決して言わなかった。「やぁ」だの「来たよ~」と言いながら入ってくる。
 その夜は少し疲れたような顔で、それでも無理に笑って私の挨拶に軽く頷いただけだった。
「飯ある?」
「うん、餃子を作っておいたわよ」
「わっ、嬉しいなぁ」
私は餃子を焼き、たかしは着替えをしてテーブルに着く。
「話って何」
「んー、まず飯喰ってからゆっくり話そうや」
そう言いながら、たかしは通勤途中に立ったまま居眠りしてしまったことを話し始めた。
「足がさー、カクッてなるんだよねー。ははは…なるでしょ?そんでハッて目が覚めてその時に前の席の人と目が合っちゃってさー、あれ恥ずかしいよなー」
「ふふふ」
「恥ずかしいなと思ってもまた寝ちゃうわけ、でさ、またカクッて。あははは…でさ、でさ、今度は前の席の人の膝に思いっきりぶつかっちゃってさー」




2004-03-13
日刊door
テーマ ブログ

おんな道 さんからトラックバックさせていただいてます。

日刊あなた
こちらで、作ってもらいました!

も~う、ちょっとやってみたら傑作!
なんで私はよりによってこんな記事…なんだろうね


日刊door
3/13 (日)

door、熱愛発覚!!
今日、某焼肉店において、doorのアツアツデートっぷりがスクープされた。お相手はフリーターのAさん。2人はお互いにお互いの肉を焼き、焼いては食べ、焼いては食べて、こげてしまった肉は、「これ炭じゃん」などと2人ででひとはしゃぎした後、鉄板の隙間に押し込んでは「証拠隠滅」と言っては、またはしゃいでいたという。乾杯する時も、お互いの腕を交差させ、決まって一気のみだったようだ。また、デートに気付いたファンが、「一緒に写真撮ってくれませんか?」とたずねたところ、即座にドロップキックをお見舞いするなど、愛する人の為にはいつでも戦う姿勢を見せた。それを見たAさんは、涙が止まらなかったという。かねてから恋多き人として有名なdoorであるが、ここはひとつゴールインしてもらいたいところだ。ちなみに、今回突撃取材を試みた記者は、現在意識不明である。
今更発覚も何もないと思うんですが(爆)たかしくんフリーターだし(笑)恋多き人として有名?
ドロップキック~~!
まだ私出来るのかなぁ…

でも、愛する人のためにいつでも私は戦いますよ、
ええ!最強ですからっ!
<やる気満々腕まくり!


doorの色気徹底研究
今年度の「恋人にしたい人」部門においてもぶっちぎりの一位を獲得したdoor。イチローの7年連続首位打者など問題にならない15年連続での受賞である。わんぱく小僧から、おじいちゃん、ED患者までの票を幅広く獲得しており、まさにぶっちぎり!そのデビューからまったく変わっていないというプロポーションは、見事!の一言。その秘訣を聞いてみた。「三角食べをすることが大事だと思います。」インタビューの間も、ご飯、味噌汁、牛乳と三角食べは怠っていなかった。誰かdoorの16年連続受賞を崩せる人はいないのか!?
わーい!
「恋人にしたい人」15年ぶっちぎり受賞ー!
いつ、なにデビューしたか知らないけれど(汗)
プロポーション……うーん、まーそーゆーことにしておきましょう(滝汗)
三角食べ!懐かしいっ!確かに牛乳は大好きです(笑)



doorのサポートセンター
doorの「パソコンなんでもサポートセンター」が開局した。熱血指導には定評があるdoor。相手がまだ何も話さないうちから、「元気ですかー!!だぁぁぁーー!!!」などの奇声を発し、さらには「疲れたからちょっと休憩」といって、勝手に保留にしてしまう事もしばしば。6秒10円の情報料を支払わなければならない相談者からすればヒヤヒヤものだ。自分のわからない質問がくると、「大丈夫。やればできる子だよ。昔からそうだったじゃないか。信じてるよ。それじゃ、また。」と、勝手に電話を切ってしまう一幕もあった。パソコンに関する相談は、是非doorまで。受け付け時間doorによると、「ノリで」とのこと。
はい!私確かに熱血です!
何だかいちいち私の言いそうな台詞です。
えーとMACなら多少は…いや、もう無理ぽ!
もー最近全然っわっかんない!




2005-03-14
混沌 5
テーマ たかし第2章

「謝ったんでしょう」
「うん、でももう俺も笑うしかないよなー」
「疲れているのよ、今度の土曜日はうちでゆっくり寝た方が良いわ」
「んー、でも旅行の件で杉山達に会わないと…」
「そう…」
胸の辺りがキュッとなって、彼と一緒に行きたい気持ちと行きたくない気持ちが私の中で交錯した。今ならまだ間に合うのだ。
「ねぇ、旅行どうしてもダメなの?、3日か4日どうにでもなるだろう」
「その話はもう終わったはずじゃなかった?」
「でも、仕事の日程が変わることだってあるだろう」
「行きたい気持ちはあるから行けるようだったらいくわ、話ってそれ?」
「いや、それもあるけど…ねぇ、door。doorは俺のことどう思っているの?」
「どうって…」
もはや餃子を食べていた箸はすっかり止まり、私たちは茶碗と箸を持ちながら見つめ合っていた。
「好きよ」
何だか全然ロマンティックじゃない状況でその言葉を言うのは気が引けた。だから少し怒ったような変な口調になってしまった。思い出して焼きかけの餃子の湯を切りに席を立つ。すっかり食欲は無くなり、テーブルに戻らずにガスレンジの前で焼き上がる餃子を見ていた。
 たかしは私とのことを真剣に考えているようだ。私だって真剣だ。決して遊びのつもりじゃない。だけどこれからのことはまだ考えられない。私と一緒になることが彼にとって幸せなのかどうか、よく考えてみなくてはならない。そしてそれが私にとって幸せなのかどうかも。たかし、もう少し時間を頂戴。考える時間を。
 無情にも餃子はちょうど良くカリッと焼きあがり、私は皿に移してテーブルに運んだ。きつね色に焼けた餃子の底はそれは美味しそうだった。
「doorの餃子は旨いよなー」
「美味しいよね、私外で餃子食べる気しないもん」
「うん、この間餃子専門店で喰ったのよ。まぁそれなりに旨かったけど、でも俺はdoorの餃子の方が旨いと思うな」
「そう?何だか今日は持ち上げてくれるわね」
「いや、マジで旨いもん。売り物になるよこれ」
「ありがとう、そう言って貰うと作り甲斐があるわ。あ、今日のはニンニク入れてないからね」
「入ってたって喰うよ、俺は」
食欲は失せたまま、それでも何とか食べ終えて私は箸を置いた。たかしの大きな手がまだ箸を使っている。その手が妙に行儀良く、いつも綺麗に指が並んでいるのがなぜか不思議な気がしていた。
「コーヒーで良い?」
「うん」



2005-03-15
うっふん♪ホワイトデー♪
テーマ たかし第2章

日曜日既に…うふっ♪
頂いちゃいました~~!
iPod mini
首から下げられるシリコンケース付きっ!
ホントはshuffleが欲しかったんだけど、どう考えても私では壊しそう…
首から下げられるサイズって言うのが良いです。
既に愛用中♪
どうもありがとう!
ア・イ・シ・テ・ル♪



2005-03-15
くちづけ
テーマ  あいしてる

蝶が花を求めるのか
花が蝶を誘うのか
唇と唇
舌と舌
もつれあいからみあいむさぼりあうその刹那
闇をたたえる瞳を閉じて
より熱く切なく
次なる快楽に向かう
どこまでも深く
生命を燃やして
どこまでも甘く
永遠をあじわえ



2005-03-17
混沌 6
テーマ たかし第2章

コーヒーを淹れながら煙草に火を付けて換気扇を回す。
たかしを幸せにして上げたい。彼の幸せってなんだろうか。彼は結婚を考えているのだろうか。私は今のままの生活がよい。けれど5年先10年先、20年先、多分人生は続いて行くのだ。
食事を終えたたかしが、私の隣に来てタバコを吸い始めた。
「ねぇdoor、来年の今頃俺達どうしているのかな」
たかしに言われてドキッとする。
「先のことなんか分からないわ」
二人でキッチンに立って、タバコを吸いながら将来のことを話し合っているのが妙だった。
「だけどさ、いちおう方向性を決めないと進んでいかないだろ」
まどろっこしい言い方だった。これではなんと答えて良いのか分からない。
「話ってそのこと?」
「んー」
向かい合ってたかしの胸に頭を保たせかける。
「もう少し今のままじゃダメ?今はまだ何も考えられないの」
「うん」
たかしは片手で私を引き寄せた。
「doorのこと大切に思っている」
頷いた。抱き寄せられて何だか泣きたくなってくる。ここのところずっと何かが胸に溜まっていた。それがなんなのか自分でも分からない、何か哀しい感情。
「わたしだってたかしのこと大切に思っているよ」
こんどはたかしが頷いた気配がした。
「たかしの幸せって何?」
そして私の幸せってなんだろう。今は幸せ。こうしてここに二人でいる。過去を断ち切り、現在に生きている。けれど未来はまだ見えない。この胸に溜まっている感情はなんだろう。
「俺は…いつも笑っていられたら幸せだな」
「うん、わたしも… だけど、どうしたら笑っていられるのかな」
「俺とここにいて幸せじゃぁないの」
「幸せだけどさ、何だかここのところ胸の奥が痛い、なんでかわからないけれど」
「自分でも判らないの?」
「うん」
「あのさー、どうにか都合付けて、一緒に旅行に行こうよ」
ちょっとムッとしてたかしの身体から身を引く。
「ねぇ、またその話?ちょっとしつこいわよ。いい加減にしてくれない?」

* * *

今日も重し!!
コメントいれても反映されるまでに10分以上…
更新しようとしてもログインできない…
やっとログインして記事を書いても、記事のURLがわからないからいつまでたってもリンクも張れない、pingは飛ばない
うーん、早寝して朝の更新にしようかな……orz
何だか朝っぱらからこういう記事をアップするの気が引けるのですが…w



2005-03-17
混沌 7
テーマ たかし第2章

たかしの顔をにらみつけると、たかしは口をへの字にしていた。
「たまには気分転換も必要だって言っているんだよ、俺は」
「だって、二人で行くんならともかく他の人と一緒に行って、結局ゆっくりも出来なくてあなたはダイビングばかりして、私は何をしていればいいの?知らない女の子とおしゃべりして過ごすの?そんなの行く意味無いわよ。行くんならちゃんと二人で相談して計画を立てて行けばいいじゃない。勝手に日にちを決めて一緒にって言われてもこっちの都合だってあるのよ、それにこの間温泉に行ったばかりだし」
「俺の友達にも紹介したりしたいんだよ。doorは閉じこもってばかりじゃないか」
「何もいきなり一緒に旅行に行かなくても良いじゃない、周りはみんな知らない人だらけの中で、なんでずっと一緒に過ごさなくちゃいけないの」
「だからこの間の夜に誘ったときに来れば良かったんだよ」
「夜の9時過ぎに電話してきたって、お風呂にも入っちゃった後で出られるわけ無いじゃない。何考えているの」たかしはすっかり怒った顔をしてしばらく私の顔を睨んでいた。
「全くかわいげのない女だ」
ぼそっとつぶやくとくるりと向こうを向いてさっさと帰り支度を始めた。
 かわいげのない女とは、今まで散々言われ慣れてきた言葉だったけれども、たかしに言われたのは初めてだった。いくら言われ慣れていたって、ショックはそれなりにある。けれど、私はここで負けたくないと思ってしまう。だからこそかわいげがないのだ。そんなことは判っている、判っていても言わずにいられない。
「あなたの思いつきにいちいち付き合っている暇はないのよ、やりたいことはいくらでもあるんだから」
「ブログだかなんだか知らないけど、それって引きこもりとどう違うの?俺が居たってやっているじゃないか。いいかげんにしろよ」
たかしは玄関で靴を履きながら言った。
「ちゃんと仕事だってしているし、あなたと一緒に出かけたりするじゃない。なんで無理をしてまであなたの友達に合わせなきゃいけないの?全然理解できないわよ!」
大きな音を立ててドアが閉まった。たかしは出ていった。正直なところかなり頭に来ていた。言い過ぎだと言うことも判っていた。かわいげのない女で結構、いつもそう思っていた。だけど…
 のろのろとキッチンに向かうと3杯分のコーヒーがポットの中で待っていた。泣き出したいような気持ちでそれをマグカップに入れ、デスクに向かいG4の電源を入れる。さぁ、今夜もブログタイムだ。
頬杖を付いてモニターを見つめる。
ポタンとキーボードに涙が落ちた。じゃぁ、いったい私のどこが悪いの?



2004-03-18
How High the Moon
テーマ ブログ

毎日恋愛のことばかり書いているのが嫌になったので(笑)トラックバックステーションのテーマを見たらアートのジャンルがジャズだった。ちょうどエラ・フィッツジェラルドのHow High the Moonを聞いていたのでその記事を書こうかなと考えた。けれど、私にとってHow High the Moonは椅子の名前、Begin the Beginもmiss Blancheも? 10年以上も前に亡くなった世界的なインテリアデザイナー倉俣史朗氏の作品だ.
幸運なことに私はその作品に触れたことのある一人である。
 倉俣氏の作品はそのどれもが浮遊感覚とでも言おうか、重力からの解放とでも言おうか、そんな印象がある。
 それは家具デザインのみならず商業空間デザインにおいてもそうであった。重量を感じさせない色使い、素材、そのための様々な素材の開発。
 宙に浮くがごときの浮遊感と、にもかかわらず圧倒的な存在感を持つデザイン。
 倉俣史朗氏の作品はそのほとんどが量産されることのないものなので一般の人にはあまり有名ではなかったように思う。(もちろんインテリアデザイン界では別格)商空間デザインはお店の事情ですぐに変わったり、無くなったりしてしまう。だから氏の作品の多くはもはや写真で見ることぐらいしかできない。けれど私はその空間に身を置いたときの緊張感と、高揚感を今でもありありと思い出すことが出来る。これはかなり幸せなことだ。
 その束の間の夢のような独特の世界を知っていただきたいなと思って拙い記事にしてみました。
 今、調べてみたらHow High the Moonが66万円!
頑張れば買える値段だけれどこのソファに合う空間が…
あ、すみません、これに座っちゃイケナイか

埼玉県立近代美術館企画展椅子のデザイン~3/27まで



2005-03-18
女王様の仰せのままに
テーマ  あいしてる

これは現実?
これはまぼろし?
もはや境はわからない
現実がはみ出し
まぼろしは溢れる
曖昧な揺れがあなたを襲い
抗えないうねりが私を取り込む

目を上げて空を仰いでも
見えるのは私の想いだけ
どこへいくのも風まかせ
どこへ行こうと構わない
ボヘミアンの歌が聞こえる
すべては女王様の仰せのままに

* * *

クイーンのボヘミアンラプソディへのオマージュです。
私ホント好きだなこの曲(苦笑)



2005-03-19
混沌 8
テーマ たかし第2章

 だって二人の間に他の誰かなんて必要ないじゃない。別にたかしの友達を避けているわけではない。機会がなかっただけだ。確かに15も年下の女の子達と水着で並ぶのは抵抗がある。その上相手に会わせて話題を振ったり、当たり障りのない話を続けるのは苦痛だった。
 自分の頭の中がたかしのことで占められているのもなんだか自分としては妙な感じだった。仕事中のちょっとした合間、買い物に行く途中の道、気がつくと彼のことを考えている。それはそれで甘やかで楽しいのだけれど、こんな風に彼と上手く行かない時は傷跡のかさぶたをわざわざ剥がすような感じでいつまでもグジグジ考える自分にいい加減嫌気がさしていた。
 私は気分転換が下手だ。こんな風に不安だったり嫌な気分でずっと過ごすのは堪らない。その意味でも一切恋愛に触れないと決めた自分のブログは書いていてとても楽しかった。生活のことに触れると自然と恋愛のことに触れてしまうので、自分の生活のこともそんなに書かなかったにもかかわらず書きたいことは山のようにあった。
 ブログを通じた人との交流も楽しかった。確かに文字だけの触れ合いかも知れない。けれどそこには確実に人間関係が成立していた。人間の根幹をなす精神はブログ上に自然と表れて来る。毎日の記事やコメント欄で、年令や社会的立場といった属性を越えて見えてくるものがあるのだ。それはそのままその人の本質に近いものだ。ネット上には素晴らしい人たちがどれだけ存在していることだろう。そうやって出会ったブロガーさんたちとの交流を私は愛していた。その世界でたかしからある意味自由になっていたのだ。それは私にとって大切な時間だった。昼間一人で仕事をしていると人恋しくなってくるときがある。そんなときに他の人の息づかいをブログで感じるのはホッとする一時だった。
 文字だけのやりとりだから深い話も照れずに出来た。私にとって、仲の良いブロガーさんは現実世界の友人と何ら変わりなかったのだ。実際もう私たちの年代では皆結婚して子どもが居たり仕事に忙しかったりで電話すら気軽にはかけられない。ともするとメールだけのやりとりとなってしまう。ブログ上の友人の方が、毎日の交流がある分だけ自分に近い存在だった。

 たかしとはここのところ小さな喧嘩が多かった。お互い少しずつ本音の部分がでてきて以前よりも自分を主張するようになってきていた。それは当たり前のことなのだ。分かってはいてもあんな言葉が彼から出てくるとは思わなかった。しかし、自分自身が問題を抱えていることも十分承知していた。過去の様々な出来事から男性に対するコンプレックスがあったのだ。女のくせに、女だから、これに引き続く様々な言葉が私を傷つけていた。被差別感のようなものだろうか。男性の友人も多かったし、男性の多い職場だったし、社会的に自分が女であることを受け入れてはいたものの男性に負けたくないという意識は常にあった。だから身近な男性、特にパートナーに対しては元々かなり手厳しかったのだ。

* * *

もう脱線しまくりです。でもね、これ書かないと話が進んでいかないの。申し訳ないです。



2005-03-20
オーバーラップ 14
テーマ  オーバーラップ

 トラックバックが付くと私は必ず確認しに行く。新しくできた映画評のブログで私の記事には関係がなかったが佐々木だとピンと来た。一番上の記事にコメントを入れる。
■ 初めまして
もしかして私の知っているSさん?
G (2004-11-12 12:47:57)

夜になって確認するとコメントレスが付いていた。

■>Gさん
もしかして僕の知っているGさん?
はは、作っちゃったよ-
コメント入れるなっていうからトラックバックにしたんだ。
どう、面白いでしょう。読者になってよ(笑
S (2004-11-12 21:12:24)

 早速読者登録をした。読者登録をしながら佐々木の真意を考えていた。いったいこの人はどういうつもりなんだろう。ここまでやるのは単なる友人を越えた好意ではないだろうか。
 恋人は私のブログに無関心だった。彼にとってみればブログは自分から私との時間を奪う存在だったのだ。もちろん、秘密の扉を彼に黙って書いていたという経緯もある。だから私の方にも彼に対してある種の引け目があった。しかし今度のブログには彼のことは書いていなかった。ブログの中には私の友人達がたくさん存在した。そして佐々木は私の世界とも言えるその中に飛び込んで来た。そんな佐々木をなんだかいじらしく感じたのだ。
 佐々木の記事は以前話題に出た映画について評論していた。私はコメントをした。そして、コメントレスもついていつの間にかチャットのようになった。


■ タランティーノは好きだけれど、
あの血がドバって出てくるのが正直しんどい。
マンガチックで楽しいし、たくさんの映画の引用がたまらないです。
私でさえ、あれはあの映画だっておもうんだからSさんはもっと楽しめるでしょう。
私が好きなのはジャッキー・ブラウン
タランティーノの中では流血少ないしw
だからキル・ビルは大爆笑だったけれどそれだけ
すっごく面白いとは思うんだけれど
なんというかパロディっぽさが…しつこいかな
うーん何度もみたいとはあんまり思わないな
G (2004-11-12 22:17:37)

■なんでー
あのしつこいパロディが良いんじゃないか
なんども見るといろんな引用にもっともっと気がつくよ
あーもどかしい、君の隣で解説しながら観たいなー
量があり過ぎてブログの記事じゃ書き切れないよー
S (2004-11-13 20:41:07)


■たしかにw
あの量は書き切れないwそれと突っ込みどころ満載<
あの映画はビデオで何人かで
突っ込みながら見たい映画だよね。
G (2004-11-13 21:02:48)

■だろ
僕は電気を消して青いバックからの透過ライトになったときにとにかく痺れちゃったよ(笑
そうだ、フォー・ルームスは見た?
S (2004-11-13 21:10:25)

■観た観た!
とにかくティム・ロスが最高!あと、ロバート・ロドリゲス&アントニオ・バンデラスコンビが大好きなのよ私は。デスぺラードとか。なんだっけ、レジェンド・オブ・メキシコとか。ジョニー・デップと目移りしちゃうわね。
G (2004-11-13 21:15:22)

■じゃー
スパイキッズもみた?僕あれも結構好きなんだよ
S (2004-11-13 21:17:45)

■いや
バンデラスファンだけどスパイキッズまでは観てないよ~
G (2004-11-13 21:20:36)

■じゃあさ
明日はレジェンド・オブ・メキシコ書くよ
楽しみにしててね。
バンデラスファン?濃い人が好きなの?
S (2004-11-13 21:24:16)




2004-03-21
ブログはやめられない!アメブロ半年記念
テーマ ブログ

アメブロ6ヶ月記念~負の連鎖を断ち切ろう にトラックバックです

アメブロは9/17に始めました。途中、20日間ほどアメブロを休み(余所で書いてた)「いわゆる認識の相対性」をやってまた「秘密の扉」へ復帰です。昨年の2月にエキブロでブログを始めました。
サイト関係の友人との交流が主でした。8月から、ブログ1本になってそれから本格的にブロガー同士の交流が始まりました。
おちゃらけブログだったので、人に言えない恋愛のことが書きたくなってアメブロに来ました。
どうやら自分自身を振り返ってみる時期に当たっていたようで、半年間自分を掘り下げています。
「秘密の扉」は自分自身を振り返っているので、書いていて決して楽しいばかりではありません。自分の中のドロドロを、人様に読ませられるくらいに、消化して整理する。(出来てる?)それに共感して貰ったり、アドバイスを頂くことで、何か癒されていっているように思うのです。

楽しかったのは「いわゆる認識の相対性」です。毎日今日は何を書いてみんなをびっくりさせようか考えていました<違う!
いやでもホントに、あそこは楽しかったのよ、うん。

ただ、私も年度末、初めは極端に忙しく最近巡回も思うように出来ません。
特に秘密の扉の第2章は記事が長いので、やはり時間がかかります。
記事の書き方で悩むときは、やはり巡回できません。
まぁ、どちらかというと私は書きっぱなし系wなんで、そう言うスタイルでも良いかなって思います。

サムさんが書かれているように半年間ずっと一緒にやってきた方々が疲れてきている人が多く、寂しいのは確かです。疲れたらお休みして下さい。でもなるべくなら、週1でも良いから続けて欲しいというのが私の勝手な願いです。
ランキングがあるとどうしても引きずられてマイペースでは出来ないですよね。
その辺は今後の課題だと思います。ブログをせっかく始めても、ランキングにとらわれて半年も続かなかったというのは本末転倒だと思うのです。
せっかく始めたのだから負担にならない程度に楽しくやりましょうよ。

最近読み始められた方もどんどん遠慮なくコメント下さい。
まーコメントしずらい記事が多いんだけどさっ
記事は暗いですが、私は暗い人間ではありませんからっw

私は書かずにいられないので多分1年先も書いていると思います。
「秘密の扉」かどうかは別にして
皆さんとお別れするのはとても寂しいの。
ここをお読みになっていらっしゃる皆さん、細く長く続けましょう。
だってせっかく出逢えたのだから。

ちょっと今日はまとまらない記事でごめんなさい…
えぇ、酔ってまーーーす!
酔っぱらいついでに9.10月にアメブロ始めた読者の方の所に
トラックバックさせていただきました!

みんなー
楽しく続けようねー!!




2005-03-21
混沌 9
テーマ たかし第2章

 年下のたかしにはかなり点を甘くしていたつもりだった。けれどもやはりふとした拍子に出てしまう。私のパートナーであるなら私より強くあって欲しい。そうでなければ可愛気がないなんて口にしないで。私より強くあれば、私のことが可愛く思えてくるはずじゃないの。
 一歩引いて考えてみれば男女の間は勝ち負けじゃないし、ましてやパートナーであれば支え合って生きていかなければならないのだから表面上だけでも適当におだてて、適当に負けて心の中で舌を出していればいいのだ。ましてやたかしは年下なのだから、建てて、持ち上げて、甘えさせてやればきっとコントロールできるのだろう。でも私にはそれは何だか相手をバカにしているように思えるのだ。人が人をコントロールするなんて失礼な話ではないか。
 友人に電話をかけてことのあらましを伝えた。
「だけどね、やっぱり彼に可愛いって思って欲しいの。好きでいて欲しいから。でもそうなるためには、今の私じゃダメだと思うのよ。だから私が変わらなきゃいけないんだと思うの」
「doorはさ、どういう人が理想なの?どういう人になりたいの?」
「うーん、強い人」
友人は吹き出した。
「強い人は可愛くないでしょう。今でも充分強いのにそれ以上強くなってどうするの。それにね、普通女の人は優しい人になりたいって言うもんだよ」
「でも、私は強がっているだけ。傷ついても傷付いてないよって振りして自分を守っているだけ。ホントは弱いし。男の人って可愛くないと好きになってくれないのかな」
「うーん」
「それに私って相当優しいと思うんだけど」
「うん、知っている」
「これ以上優しくなんかなれないよ」
「うん、優しさの表現方法がね、他人とちょっと違うんだよね」
「そうぉ?だって、良し良しってするばかりが優しさじゃないでしょう」
「もちろんそうなんだけど」
「じゃあどうしたらいいの?」
「喧嘩して感情的になっているときに言ってもきっと分からないと思う、もう少し自分で考えてみたら?」
「……分かった、……どうもありがとう」
電話を置いて相手と対等でありながら好きになって貰うにはどうしたらよいのか考えた。けれど答えはでなかった。一つだけハッキリしたことは自分の中の男性に対するコンプレックスをどうにかしなければならないと言うことだ。


第2章 vol 6へ
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テーマ:
2005-02-25
スチールケースから取り出して
テーマ  あいしてる

何だかすれ違っているような気がするのは
わたしだけ?
お互いの気持ちが見えないと思っているのは
わたしだけ?

ただひとこと
やさしい言葉がほしい
そのままでいいよって
言ってほしい
ふるえているわたしを
抱きとめてほしい

若葉のように柔らかく
オパールのように繊細な
あなたのこころがみえない
スチールケースから取り出して

* * *

ごめんなさーい!
きょう仕事で一日外にいたら風邪がものすごく悪化してまーす。

せっかく下にコメントたくさん頂いたのに、レスできなくてごめんなさい!
明日はまともに更新できるように今日は早く寝ま~す。



2005-02-26
混沌 1
テーマ たかし第2章

 こども。もしかしたらあんまり好きじゃないかも知れない。けれど私にとっては愛する人への最高で最大のプレゼントだった。子供は欲しくないと言っていた和也が、どんなにひろのことを溺愛していることか。ひろが生まれた時、私達がどんなに幸せだったか。
 たかしに可愛い子供を産んであげたかった。いや、彼のためじゃなく、自分のために子どもが欲しい。たかしによく似た子供を見たかった。もう絶対手放したりしないでずっと一緒に暮らすのだ。お乳を飲んで、どんどん大きくなって、笑ったり泣いたり、怒ったりしながら育てていく毎日は楽しそうだった。
 もう少し時間が経って彼とどうなるか結論が出てから考えなくてはならないはずなのだが、私の中で黄色いランプが点滅していた。
時間がない。ただ一度の生理不順で慌てることはないはずだけれど、ずっと以前かかった漢方医に言われた言葉が私の耳に残っていた。
「あなたみたいなタイプは閉経が早いから、今のうちにカルシウムを十分にとって骨密度を上げておいて下さい」
それを聞いた時は毎月のうっとうしさが早く無くなるなんて、なんとラッキーな事だろうと思った。以前、鬱をやったときに心療内科の医師から月経のないことを指摘されて
「認めたくないかもしれないけれど、もうあなたの年齢で閉経が来てもちっともおかしくありませんよ」と言われた。
「更年期障害から来る鬱かもしれません」その時は授乳中だったから無くて当然だと思っていた。もちろん授乳を止めた途端生理は戻ってきたのだが、もう自分がそういう年齢になりつつあるといううっすらとした恐怖がある。
 それはそれで受け入れるべきものなのだが、たかしの存在がその恐怖を大きくしはじめていた。女じゃなくなったらどうしよう、彼はそんな私をどう思うのだろう。
 今だったらまだ子どもを産める、でも2年後に子供が産めるかどうかは分らなかった。ただでさえ高齢出産はリスクが高いのだ。作るのだったら早く作らなければ。
 いったい何と言えばよいのか、あなたの子どもが欲しい、今すぐ作り始めよう。でもそれと結婚は別ね、なんて。ちゃんとプロポーズされているわけでもないのに。

 久しぶりに実家に返る。妹たちと母を車に乗せて父の入院している病院へと向かう。ずいぶんと久しぶりに元々の家族だけが集まった感じだ。下の妹は、去年離婚した。8年間不倫関係を続けた相手と結婚して一年で別れた。上の妹は、私よりも早く結婚して高校生を頭に3人の子どもがいる。お正月ともなると、一時はもうわさわさと茶の間に入りきらず、ふすまを開け放して一続きにしても手狭な感じだった。
 父は笑うと手術の傷口が痛むようだったけれど、元気にしていた。病院の簡単なティールームで話す。私はなんだか父と話しづらくてティールームから外に出た。外から父を眺めて、やはり小さくなったなと思う。もう若かった頃の自慢の父ではない。すっかり年老いてしまった。子どもを一人で育てるのは無理がある。実家で、両親に見て貰いながら育てることを漠然と考えていた。厳格な父にそんな考え方が受け入れてもらえるだろうか。
ドンと身体を預けたコナラから頭のてっぺんにどんぐりが落ちてきた。人生って、なかなか思い通りには行かないものだ。



2004-02-26
恋愛と幻想
テーマ 恋愛についてあれこれ

すっかり夢中、ルチルクォーツの魂をいちごの心で包んでる。
いちごポケットさん「幻滅 = 幻想論」 「タニンゴト」 にトラックバックです。

 恋愛って言うのは幻想の部分が少なからずあると思う。自分が良いなと思った異性にある種自分の理想を投影するような。相手だって生身で生きているのに、時々人はそれを忘れる。恋心を募らせる過程でいつの間にか見えなくなってしまう。
 恋愛中は、相手に自分の嫌な面を見て欲しくない。だからそこは隠す。自分の部屋ではくたびれたフリースの上下で過ごしていてもデートの時は決めていく。
 ネット上でもそうかも知れない。顔も洗わないでキーボードを叩き、恋愛を語る。けれど、モニターの向こうにはそれは見えない。そこにいるのは読み手の幻想に支えられた私。それがどういう像かは私には見えない。
 以前「秘密の扉」を閉める前後の読者登録のメッセージでかなり凄い幻想があった。それによると私は凄い色っぽい美人で淫乱かつ賢い完璧な女性らしい。
 今、ノートパソコンのキーを打っている私はベッドの上に寝転んだまま。髪をゴムでひと括りにしてゴホゴホ咳をしながらお腹が空いたから何を食べようかなー、面倒臭いから、ご飯に納豆でいいやって考えている。ネギを刻むのもかったるい。さすがに、朝一番に記事をアップした後、洗面はしたものの、どうにも節々が痛くてうつらうつらしている。
 そうしながらも、時折目がさめると気になるブロガーの記事だけはしっかりロムしに行く立派なブログ中毒だ。
 それが等身大の私。本当はもっと書きたいところだが、あまり書くのも恥ずかしいので止めておく。
 恋愛と結婚は違う、というのはそんな部分も丸ごと受け止めなければならないというところ。日常を共に過ごすと嫌なところがどんどん目についてくる。そしてひとは静かに絶望してゆくのだ。理想などどこにもないことを知って。
「 本当に好きな人とは、結婚しないで、恋人のままでいたい 」
といういちごちゃんの王子様の言葉はある意味真理をついている。
パートタイムならお互いぼろを出さずにすむから。お互い相手に幻想を見せながら生きてゆけるから。



2004-03-01
夢見る女の子の気持ち
テーマ 恋愛についてあれこれ

 もうすぐ桃の節句。女の子のお祭りです。先日友人達とささやかにお祝いしました。とは言っても実は恒例の飲み会。ちらし寿司を作って一緒に食べただけなんですけれど。甘酒の代わりにビール。友人のお土産で桃の一枝。テーブルの上には小さな小さなお内裏様とお雛様。ささやかなものです。
 小さな頃、飾られた雛壇からお雛様をそっと外し、並べて遊んではよく叱られた思い出があります。普段遊んでいるリカちゃん人形とは全く違う雰囲気と夢がそこにはありました。自分もいつかこんな風に結婚したりするんだろうか。気品のあるお雛様とお内裏様の顔を見ながらまだ見たことのない伴侶を想像したものです。何しろ恋したことのない小さな女の子が考えることですから具体的な顔すら想像もつかないし、やっぱり私はウエディングドレスが着たいなと思ってみたり。けれど幼いながらもいつか出会うその人に対する気持ちは、それは甘やかなものでした。
 現実の結婚は色々なことが起こっておとぎ話のようにめでたしめでたしではなかなか済まないものです。それは充分わかった上で、それでもなお小さなお雛様を飾ってしまうのは自分の中の夢見る女の子の気持ちがいくらか残っているからなんでしょうか。単なる感傷に過ぎないけれど、そんな自分の気持ちを大切にしても良いなと思うのです。



2005-03-02
オーバーラップ 11
テーマ  オーバーラップ

佐々木は抱きかかえるような仕草をした。顔から火が出る思いだった。
「イヤ、結構自分で歩いていたよ。だけど危なっかしくてさ」
「どうもすみません」
「寝かせるときにこうやって抱きかかえるようになってその時に…」
佐々木の顔をまともに見られなかった。
「僕もこれで結構我慢したんだよ」
言葉が返せなかった。両手の平で顔を覆って頷くのが精一杯だった。
「酔っぱらって、彼氏と勘違いしたんじゃない?よくあることだよ」
「良くあることじゃ済まないです。今度から気を付けます」
「僕に言われてもなぁ、僕はさぁ…うん、ラッキー♪って思った。ははは…」
つられてつい笑ってしまう。
「ねぇ、また一緒に映画観ようよ。友達ってことでさぁ」
男友達は何人かいる。とは言ってもみんな落ち着いてしまったり、仕事が忙しかったりで仕事上の付き合いをしている友人がメインだ。せいぜい打ち合わせの帰りにビール一杯で近況を話すくらい。あとは情報のやりとりで電話をたまにする程度の友人だ。私が家庭を持った段階で、もうそんなには友達づきあいもできなくなったというのもある。年に2.3回あってこんな風に話をするならそれはそれで楽しいではないか。相手だって彼女が居るのだしなんの問題もなかった。
「えぇ、喜んで。でもそんなに時間もとれないんで、これって言う映画の時にして下さいね」
「なんだつまんないなぁ、ま、でもそうだよね。僕の彼女に君と会ってるなんて知られたら大騒ぎになりそうだしさ」
「うん、泊まったなんて知られたら私も大変!」
「だよなー、じゃぁ、昔の映画友達に再会したってことにしよう」
「既に、私は彼にそう話しちゃった。男性って言ってないけど」
「ははは…でもさぁ、別にそういう友達が居たって良いよねぇ」
「うーん、彼が焼き餅焼くかどうか分からないけれど、事実を知ったらいい気持ちはしないでしょう。やっぱり気を使うって言うか、思いやりって言うか」
「僕の方は、ばれたら殺されるかも」
「まさか」
「じゃ、後藤さんの彼氏がうちに女の子連れ込んで一晩明かしたなんて知ったらどう思う?」
「えぇっ?そうくるか…でも、殺しはしませんよ。まぁ、でもやっぱりイヤですね」
一生懸命恋人が他の女の子を泊めて、キスされている図を想像してみる。
「じゃぁ、あの日のことはもう忘れて!無かったことにして下さい」
「了解」
店を出て、地下鉄の駅までの道すがら住まいがどこだとか、どんな仕事をしているかなどと話して別れた。別れ際くるりと身を翻してにっこり笑った佐々木の顔が印象的だった。



2005-03-02

テーマ  あいしてる


みぞれ混じりの雨粒を
睫毛に留めて
霧とともに吐かれるその言葉を
聞きたくはなかった
あなたの声だけを
この胸にとめて
言葉にはなんの意味もなく
ただ響きだけを
こころに留めて



2005-03-03
混沌 2
テーマ たかし第2章

 病院から母と妹達を車に乗せ実家に向かう。妹が入れてくれたお茶が美味しかった。郊外の実家は特別浄水器も使っていないのに水の味がいい。
 さてまず母の反応を見てみなくては。母がOKなら7割大丈夫だ。
「やっぱりこっちの方が落ち着くね。私もこっちに戻ってこようかな」
「え~doorまで戻ってくるの?」
母はうんざりしたような顔をした。
「だめ?」
「益美が戻って来ただけでこっちは引っ掻き回されているのに…仕事上手くいっていないの?」
「仕事は食べていくだけはなんとか…」
「じゃ、自分でやってくれない?もう静かに生活したいのよ」
「仕事をしながら子供を一人で育てていくのは無理なのよ」
 鬱状態の時でさえ手伝いに来てくれなかった母だ。パートながら未だに仕事を続けているから仕方がないのかも知れない。どういう訳か親戚一同のトラブルの後始末は結局全部母がやっている。誰もやりたがらない雑務や、事務手続き、各種手配を黙々とこなす。そういう意味では非常に頼りになる人物だ。
 けれど私達姉妹には甘えを許さないようなところがあって、その辺がとてもドライだ。私達は私達で自分でやるからあなた方も自分でやりなさい、といった姿勢なのだ。娘が3人だから、私達に余計な負担をかけさせたくない、そこが母という人間の優しさなのだろう。既に60を越えた母の身体では無理が効かない。私達姉妹の誰かに余計にしたら他の姉妹にもしなくてはならない。そうでないと不公平になるから、そんなつもりなのだろう。けれど、事情はそれぞれ違う。
 あの時たった一日か2日手伝いに来てくれていたらどんなに救われた気持ちになっただろうか。片道1時間少しの距離を理由にされて恨めしかった。夫に無視され、母に突き放され所詮人間はひとりなのだと思い知った。たった一人で生きてゆかねばならない。あの時の孤独感は例える言葉がない。10年以上ともに過ごした夫と実の母は彼らなりのやり方で確かに私を愛していたのだろう。けれどそれは私が求めていたものとは全く異なる種類だったのだ。そう、今さら実家の世話になろうと考えた自分が浅はかだった。
「え、ひろを引き取るの?」
母の顔がパッと輝く。可愛い盛りに別れたひろに会いたいのだろう。
「そうじゃないけど、もう今さら引き取ってもあのコが混乱するだけよ」
「じゃいったいどういうこと」
さっきまで輝いていた顔が歪んでいた。私の目をジッと見ている。
「まさか」
「妊娠なんてしていないわよ、でも……もう一人子どもが欲しいと思ったら今しかないのよ」
「だってあなた…」
「好きな人くらいいるわ。でももう結婚はしたくないの。紙切れ一枚に縛られたくないの」
「何を言っているのかわからない」
「分からなくても構わないわ、もう私は私でやるから」
「もう…これ以上心配かけないでよ…」
母は頬杖をついてうなだれた。



2004-03-04
恋愛と幻想2
テーマ 恋愛についてあれこれ

「こういうのって、あなたなら分かってくれるでしょ」
相手に好感を抱いて親しくなっていく過程で、共感と言うことが重要になってきます。例えば、同じことに興味があったり好きな音楽が一緒だったり、同じ様な考え方をしたり。それを繰り返していくうちにこの人なら自分のすべてを分かってくれると思いこんでしまう。自分を丸ごと受け止めて、受け入れてくれると思うのです。人間って、結局の所自分のことを一番大切に思っている。自分を愛しているわけです。ですから自分に似ている人に惹かれるのだと思います。
 長く夫婦をやっていると顔が似てくるなどと言う話を聞きますが、私に言わせると元々似た顔の人が結婚するわけで、加齢によって変化した結果、特徴が曖昧になり結果として若い頃より似て見えると言った方が良いように思います。よく、年賀状などで夫婦と赤ちゃんの写真を見ると特にそう思います。おかあさんに似ていると思った特徴は実は父親のものだったり。

 けれど別の人間なのです。いくら好きな食べ物が一緒でも、嫌いな食べ物まで一緒かどうかは分からないように。しかも通常は異性であって、性が違えば行動も違うし感覚も違う。この辺りで喧嘩や失望が起こってくるわけです。相手に抱いていた幻想が砕かれる瞬間です。
「分かってくれると思っていたのに」
「私がそういうの嫌いだって知っているでしょ」
「なんで女って身勝手なんだ」
ここでコミュニケーションが重要になってくると思うのです。恋愛を持続したいと思えば相手と自分の違いを認識し、その違いをどのように受け止めるか。さらにはそれが楽しめるかどうか。あまりにも違いが大きければ、失望感となってくるでしょうし、許容範囲内であれば、そういうのも面白いなと楽しめると思うのです。
 相手のことをよく知ることから恋愛は始まると思うし、些細な喧嘩を繰り返して相手の個性を認め合っていけると思うのです。同じ人間が二人で見つめ合っていても楽しくないと思います。時には共感しながら、時には差を楽しみながら同じ時間を共有していくというのが素敵な恋愛かなって思ったりするのです。



2005-03-05
雪の夜
テーマ  あいしてる
こんなに寒い雪の夜
あなたは何をしているの
そこは寒くないの
暖かいと良いな

あぁわたしは知ってる
あなたはいつも温かい
どんなに寒いときも
あなたの傍は温かい

あなたのいない部屋は冷たく
灯油も切れてしまった
足が冷たくて眠れない
風邪を引いて熱もあるのに
足が冷たくて眠れない

あなたがいないから
あなたが暖めてくれないから
あなたがそばにいてくれないから

* * *

先日の雪の日に作りました。
お蔵入りかなと思ったら折良くまた雪が降ったので…
ここのところ仕事が忙しくてなかなか巡回できなくてごめんなさい。ちょっと疲れ気味のこともあって、ブログテンション下がっておりました。昨日たっぷりエネルギーを補給してきたので(謎)またガンガン?書きま~す。



2005-03-05
オーバーラップ 12
テーマ  オーバーラップ

 家に戻って来てゆっくりとコーヒーを飲みながらいつの間にか佐々木との会話を思い出していた。自分でそれに気がついて少しびっくりする。以前であれば、こんな時は恋人の事をぼんやりと考えていた。いや、さっき会った人の事を考えるのは当然のことだ。けれど、恋人との予定をキャンセルしたのに佐々木と一緒に過ごしたというのはどういうわけだろう。それは…聞かなければならないことがあったから。どうも本格的にキスもしたらしい。自分の記憶の無いことは確かめようもないが話に不自然なこともなかった。
 このところ恋人とすれ違うことが多くて少し距離を取るようになっていた。彼の仕事も忙しかったから寂しさも感じていた。そんな時に彼とであったのだ。佐々木との会話は疲れなかったし、それでいて刺激的だった。髪が乱れたのを「花形満みたい」と冷やかして、「誰それ」と聞き返されることもなかった。学生時代の友人と同じように恋愛感情抜きで自然に話せる気楽な関係だ。あるいは元の夫との関係に似ているかも知れない。何年もずっと一緒にいるような懐かしさと気安さ。そう言えば、体型も夫に似ているかも知れない。がっしりしていて手足の短いキユーピー人形のようだと言って笑った、ぬいぐるみの熊のような雰囲気。もう忘れたと思っていたのに、やはりまだこだわっているのだろうか。佐々木に対して恋愛感情は抜きなんだろうか…

2、3日してまた佐々木から電話が来た。
「もし良かったら来週の平日でもまた観に行きませんか」
「来週はちょっと…」
「そうか残念だな」
「佐々木さんの彼女と観にいらっしゃればいいのに」
「ん…まーそうなんだけど、じゃ一人で行くよ。ところでこの間の話なんだけど…」 
佐々木は電話で次に私がビデオで見るべき映画について延々と話し始めた。また面白い話なのでなんだか電話を切れなくなってしまう。
呼び鈴がなって恋人が家に来た。
「電話中?」とでも聞くように両まゆげを上げて目顔で私にあいさつする。
佐々木の話はまだ終わりそうにない。
手で合図して食事が済んだかどうか聞くとどうやら食べて来た様子なのでお湯を湧かし、お茶を入れる。その間ずっと佐々木は喋っていた。ようやく話の切れ目を見つけて
「あの、私食事したいのでそろそろ…」
「あーまだだったの?じゃあ来週あたりまた電話するから」
いえ、もうと言いかけて恋人の前であることを思い出して言葉を飲み込む。
「ええ、また」
通話機の「切る」ボタンを押すと恋人が話し掛けて来た。
「ずいぶん長い電話だったねー」
「うん友達」
「何の話?」
「この間試写会で久しぶりにあったコ」
「なんて名前?」
とっさのことで名前が出てこない。気持ちが焦ってしまう。
「由佳里どうしたの」

キスしたんですか」
「覚えてないの~?そうか、覚えてないか、ははは…残念だな。まいっか」
「いえ、良くないです。どうしてそうなっちゃったのか教えてもらえませんか」
「うん、じゃあ逢った時に話すよ、今まだ会社だから」
「分りました。‥ではまた」
なんだか恋人に悪い気がして逢わずに済まそうかと思ったのだけれどそうも行かないみたいだ。友達として考えたいのだがキスの件がどうしても引っ掛かってしまう。やっぱり逢わなくてはなるまい。また電話がかかってくるのだろうか。



2004-03-07

テーマ 恋愛についてあれこれ

 昨日の昼間、ふとうたた寝をしてしまった。大切な人と南の島にいる夢。ある約束をして待ち合わせをした扉の前で片手を上げてにっこりと笑いながら私を待ってくれていた。そこで目が覚めてしまった。惜しい。かなり素敵な展開になりそうだったので、もう一度見ようと思ったがどうやっても無理だった。

 たまに予知的な夢をみる。男性との出会いの前後に見るのだ。そしてその夢はかなり強烈な印象を持って目が覚める。
ちょっと良いなと思っていただけの同級生と手を繋いで楽しく笑いながら走る夢。
本気で好きでもなかった彼にそっくりな男の子がランドセルを背負って私におかあさんと呼びかける夢。
 それぞれ音や、感触や、周りの光景まで具体的で夢とは思えないほどリアルなのだ。そして今まではいつもかなり現実化していた。今回の夢もその類なのだろうか。
 神様私は少し怖いのです。傷つくのが怖い。初めから求めなければ傷つくこともないからあきらめてしまいたい。ずっとそう思っていた。この夢はあなたの後押しですか?



2005-03-07
混沌 3
テーマ たかし第2章

上の妹と実家を出たところで携帯が鳴る。たかしだった。
「door、俺だけど」
「うん、何やっているの」
「俺も今実家にいるんだ。今日は遅くなりそうだから、もしかしたらこっちに泊まっていくかも知れない」
「あらま、私、家出て来ちゃったわ。じゃ、どうするか分らないけれどそのつもりでいるわ」
「悪いね」
「全然、お母さんの手料理の方が美味しいんじゃない」
「はははっ、じゃ」
通話を切って車のエンジンをかける。
「お姉ちゃん、さっきの話だけど、今の電話の人?」
「うん」
「もし産むんだったら、うちの近所に引っ越しておいでよ」
鼻の奥がツンとなって言葉が出なかった。車は坂道を降りていく最中だ。左にハンドルを切って停車させる。涙が溢れて来た。
「ありがとう」
実は家を出る前に下の妹の益美からも同じような申し出があった。
「暫くして私が落ち着いたら会社の家族寮にでも一緒に入る?」
二人の妹の気持ちがとても有り難かった。詳しく話さなくても私を信じて応援してくれている、そのことがどんなに心強かったことか。
「まだね、向こうにも何も話していないし、子供なんかいらないって言われるかも知れないし、どうしても結婚するって言うかも知れないし、ちゃんと私も決めたわけじゃないのよ、だいたい子供ができるかどうかも分らないし」
「相手若いんだよね」
「31」
「最近年下は流行りらしいね」
「バカね、これから先どうなるか分らないし、ひろともあんなことになっちゃったし手許でひとり欲しいって言うのはあるんだよね。だけど、やっぱり仕事しながら一人っきりで育てるのは無理だわ」
「結婚しても今度は上手く行くかもよ」
妹の話に相づちもうたずに、たかしの顔を思い浮かべた。ずっと一緒にやっていけるのだろうか。
 多分もうこの先恋愛なんてすることはないだろうな。あったとしても、ずいぶんおばあちゃんになって…たかしと別れたらずっと一人っきりで暮らして行くんだろうな、きっと。それは少し寂しいかもしれない。けれど、子どもと二人だけの生活が幸せなのかどうかも分からなくなってきた。私はそれで良いとして子どもはやはり寂しいだろう。
「どうしてうちにはお父さんがいないの」と聞かれたりして。こんな考えはやっぱり不自然で独りよがりなのかもしれない。


水曜の夕方たかしから電話が来た。
「今日の夜遅くなっても待っていてくれる?話があるんだ」



2004-03-04
社内三角W不倫
テーマ 恋愛についてあれこれ

 普通の会社勤めが1年くらいしかないからなぁ。
でも、思い出してみるといろいろありましたね。
ある意味出会いの場でもあると思うので否定はしませんが、社内恋愛をするのだったら周囲にばれないようにやって欲しいと思います。
でもこれは日本の会社では結構難しいんじゃないでしょうか。
 女の子の口から必ず漏れる。
一人知ったら3日で女性社員全員知っているという結果に…
ありがちと言うより必然でしょうw 
話さなくても会社帰りにデート。絶対誰かに見つかりますよ。
私には社内恋愛の経験がないけれど、公私の別がキチンと付けられないと社会人としてはどうでしょうね。
 一人の女の子を何人かで狙っていて破れた上司が勝者の部下の査定を辛くしたなんて話も聞いたことがあります。こうなると人格が疑われますよね。
 最終的に結婚まで持ち込めればいいでしょうが、
別れたりすると気まずいでしょうし、周囲も気を使いますよね。
会社の雰囲気にも依るのでしょうが。

 不倫もありましたね。
男性社員の奥さんも同じ会社で働いているという、
かーーなーーりスリリングな状況…
ていうか、余りにお手軽過ぎな感じで呆れ果てます.
男性社員どこか他で、女の人を見つけられないのでしょうか。
当時小娘だった私でもそう思いました。
本人達は出会ってしまったのがここだから…とその世界に入ってしまっているし。
今考えるとどう考えてもとんでもないw
理性ってそこまですっ飛んでしまうものなのでしょうか。
見届ける前に残念ながら私が辞めてしまったので。
女性社員の方とは、その後何度か連絡を取っていたんですが、
結局ご主人にばれて会社も辞めて別れたとか。
相手の奥さんにばれたかどうかは怖くて聞けなかったです。
そういえば今更ながら、気になるなぁ



2005-03-09
小舟
テーマ  あいしてる

闇の中漂いし一艘の小舟
我が手に在るはただ、一本の櫂のみ
雲は厚く星は見えず行く先を失う
波に流されし我何処に行かばや
闇はあまねく深くただひたすら怯え
船上で叫べども答えはあらじ
聞こゆるはいたずらな波の音のみ
一艘の小舟よ、何処にかゆかん
聞こゆるはただ、波の音のみ


* * *

詩は音読していただけると嬉しい
「秘密の扉」は基本的に過去のことを書いておりますが、今現在ちょっとこんな感じになっちゃっております。
おーい大丈夫かーな感じでしょう(苦笑)
まぁ人生も恋愛もいろいろあるから面白いってことで。



2005-03-11
オーバーラップ 13
テーマ  オーバーラップ

「さ、咲子ちゃん。名字なんて言ったかなぁ、咲ちゃんて呼んでいたんだよね」
「ふうん」

 佐々木からの電話は翌週も二度あった。昼休みにかけてくるようだった。映画を観るのを断ると勝手に次はこのビデオを見なさいと指定して、感想を求めてくるのだ。とにかく彼との会話は刺激的で楽しかった。同じ時代を過ごしてきた者同士の共感。懐かしいサブカルチャーの話題。女友達との間にはない話題の守備範囲の広さ。
 ただ私は戸惑っていた。佐々木の気持ちは、純粋な友情というのとは少し違うような気がしていたからだ。それはキスの件もあったけれど、彼は付き合っている女の子がいるのに友人の範囲を超えそうな頻度で連絡してくる。いったいどういうつもりなのだろう。自分の佐々木に対する気持ちもよく分からなかった。そしてこのままでは私自身恋人への気持ちが揺らぎそうな予感がしてきたのだ。ハッキリ断らないとどうなってしまうか分からない。
「佐々木さん、私映画も好きだけど、今ブログをやっていてそっちの方が楽しいし、結構時間もとられちゃうのよ。仕事だってあるし、だからそんなにビデオを見る時間もないの」
「ブログ?あぁ最近流行っているらしいね。君そんなのやっていたの?読みたいな」
「いや、恥ずかしいから勘弁して下さい」
「なんで、いいじゃない。面白そうだなって思っていたんだ。色々教えてよ、僕も昔映画のHP持っていたんだよね。掲示板荒らされちゃって、イヤになっちゃってやめたんだけど」
「あぁ、分かる、佐々木さんならそういうのやっていそう」
「きっと僕の悪口が書いてあるんでしょう」
「そんなの書いていないです。詩とか、書評とかそういうのだから恥ずかしくて」
「えっ、君が書く詩ってどんなのかな、読んでみたいな。隠すところを見るときっとエッチなやつだ」
「ねぇ、本当に怒りますよ」
「君が隠すからだよ、世の中の人が読んでいるのに僕が読んでなぜ悪いの」
答えられなかった。
「じゃ、教えますけど、恥ずかしいからコメントとか入れないで下さいね」
「了解、了解。コメントってよく分からないけど」
「絶対ですよ。検索エンジンで、『いわゆる認識の相対性』で検索をかけるとヒットするから」
「えっ、なに?いわゆる…からがタイトルなの?」
「そう。『いわゆる認識の相対性』」
「ちょっとー、そのタイトルかっこよすぎだな」
「ふふん、センスいいでしょう」
「じゃ、読んだらまた電話するから」
 電話が切れた後でしまったと思った。そう、彼にはいつもこんな風に乗せられてしまう。断るつもりの話をしていたはずなのに気が付くと、私のプライベートにさらに踏み入っていた。
 始めたばかりの『いわゆる認識の相対性』には、未だ大した記事はなかった。私がdoorであることも明記していなかった。あの程度なら大丈夫。

 翌週佐々木からは電話は来なかった。そして、一週間後1件のトラックバックが付いた。
(この件に関して『いわゆる認識の相対性』を捜しても、痕跡はありませんのでご了承下さい)



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2004-02-18
恋キャラ診断?
テーマ 恋愛についてあれこれ



あ~すいません、まだ今ひとつ風邪が治りきっていないdoorです。
全然ものが考えられないし、アメブロ重くてコメントもできないわ、更新できないわ、ちょっと機嫌が悪いです。
まぁいつまでも怒っていても仕方がないので試しに更新してみます。

実にけなげで可愛い女の子、だけどダメンズにいかれてしまった
不幸な女るるすけさんの
「らぶげっちゅ。」
恋キャラ診断 
にトラックバックです。

■診断結果■
【深い愛の海にすむ深海魚】
  …命かけます!


あぁ、予想どおりの展開…な~んにも面白くないです。
しかも、ファッションや髪型も似ているしw

友達に持つと最高です。義理がたく、愛にあふれ、人のために尽くす広い心を持ったタイプです。
だけどその友情が愛情に変わり、ひとりの人にそそがれると、重いんです! ヘビーなんです! マジなんです、目が濡れてる子犬のようなんです。


おめめがウルウルしているみたいですね。重くてうっとうしいらしいです。恋愛って、そこまでしないと面白くないじゃん<私だけ?
・・・みたいですね・・・orz
愛でぃすかー、もう溢れちゃってますからね~。
一人の人に集中したら自分でもうっとうしいと思いますもん。
だけど大好きなんだよ~~!
この気持ちを相手に持っていかずにどこへ持っていく?
え?配るか?ティッシュみたく、駅前で。

まさに 雨にも負けず主人の帰りを待つ忠犬ハチ公のようなこのタイプ。人を好きになる思いこみが強いので、自分でも制御できない勢いでアプローチします。しかも静かに…。

ええ、全然制御できてません。
しかも制御する気も全くなし!
常に暴走。

よく考えたら自分が男でも引くなぁ。うーん
でもさー常にドーーーーっていくのが私流なんだ。

好きな人の趣味や嗜好、口にした言葉までも完全に記憶し、少しでもその人の役に立つように努力します。「男は他にいくらでもいる」って思えないんです。舵の壊れた愛の難破船です。

>舵の壊れた愛の難破船…
個人的には難破船と言うより暴走船じゃないかと…
だけど好きなんだよ~~!
好きだからなんでもしたいんだ!
それのどこが悪いんだよ~ぅ!
なんだかこの占いの人嫌い。うるさい!

結論 
私はこのまま
怒濤の愛に生きます!


やってみたい方はこちら恋キャラ診断 まで

なんなんだよ、この乱暴なエントリー… 
まぁいいや、そういう日もあるって事で。
やっぱりちょっと怒っているみたいです。ごめんなさい。



2005-02-14
行き違い 7
テーマ たかし第2章

とても惨めな気持ちになって家に帰りついた。部屋の中どこもかしこも彼との思い出が一杯だ。いつか彼が去る日が来るのだろう。きっと涙もでないに違いない。見えない涙が胃の辺りまで降りて来ていつまでも流れ続けるのだ。彼が自分の着替えを持ち去ってCDを持ち去って、後には一人で寝るには広すぎるベッドと洗面所の歯ブラシと剃刀が残るのだ。
好きになり過ぎてしまった。愛し過ぎてしまった。驚いた時に丸く見開かれる目、たばこに火を着ける時の仕種、柔らかな低い声、大きく美しい手の感触。私を気づかう優しさや、いつも楽し気な態度。一つ一つが余りにも美しく愛おしかった。怒って文句を言う時の口調さえ可愛かった。もうどうしようもなく気持ちが溢れて来てしまう。私がこんな気持ちでいるなんて彼は思いもよらないだろう。ただ彼といる、その瞬間を永遠に残しておきたかった。他には誰もいらない、二人だけでずっと居たかった。
けれど、彼がいざこの部屋で過ごすと文句ばかり言ってしまう。今日だって一人で考えたくて彼を返してしまった。全く素直じゃない自分に本当に嫌気がさした。とにかく行くか行かないかを決めなくては。どうしたものだろうか。

 シャワーを浴びようとバスルームに入りピアスを外す。明日は今日買って来たピアスをつけよう。そういえば結局指輪はなんだったんだろうか。クリスマスプレゼントはまだ2ヶ月近くも先だけれど、彼の事だからついでに聞いておきたかっただけかも知れない。指輪はあまり好きではなくて以前も結婚指輪さえしていなかった。たかしからプレゼントされたらやっぱり付けなくてはならないのかしら。付けたり外したりが面倒だから、無くさないように貰ったらチェーンを通してネックレスのペンダントトップのようにしてしまおう。身体を洗って、鏡の前に立つと疲れた顔の女が立っていた。やっぱりこんなんじゃ旅行は諦めた方が良いな。ひじとひざにクリームを摺り込みながらウジウジと考えるのはやめにしてベッドで本でも読むことにした。なにか楽しい本を…ドロシー・ギルマンの「おばちゃまは香港スパイ」を取り出して、雑然とした香港の風景を思い浮かべながら彼と二人きりで行きたいなと考えていた。

文化の日、たかしと出かける約束をしていたが生理になってしまったので、家で過ごすことにした。たかしは一人できっと掃除や、洗濯をしているのだろう。
それにしても子供を産んだのに、なんでこんなに生理の時にきついのか。最近生理の周期がおかしくて避妊にヒヤヒヤする。7月に子宮癌検診をしてもらった時には異常なしとの事だった。結婚はする気はなかったがなんだか彼の子供が欲しくなってきた。一人だったら女一人でもなんとか育てられるかも知れない。もともと妊娠しにくい体質だし、もう避妊も面倒なのでしないことにしようか。もし子供が出来たら産んでしまおう、彼に似た子供だったらどんなに可愛いだろう。彼が去った後でも彼のかけらが、彼よりも愛おしい存在が残る。もう出産もギリギリの年令だ。作るなら今しかない、決めるなら今しかない。でもそうなったら彼はなんと言うのだろう。一度きちんと話し合った方が良いのは分っていた。けれど面と向かってあなたと結婚する気はないけれど、子供が出来たら産むなんて…やっぱり言えないよね。
 付き合い初めの頃にたかしは
「俺ももう30過ぎだからいい加減な付き合いはしたくないんだよね」
と言っていた。それは結婚を前提としての発言なのだろうか。私はいつでもこんな風にぐだぐだ考えてしまう。悪いくせだ。
電話がなった。
「はい、doorです」
「佐々木ですが、今日なんか予定ありますか」
「ちょっと、今日は家でゆっくりしようかと思っていたんですが」
「もしよかったら一緒に映画でもみませんか」



2005-02-19
エジプトのわださんからチョコレート頂きました!
テーマ ブログ


 ずっと読んで頂いているわださん。わださんの「昔エジプトに住んでた頃」 はアメブロでは有名ですよね。
 更新されると早速飛んでいきます。ファンです!
しかし、わださんにはもう一つの顔があって、アファリエイトでは超有名なお方。その和田さんのメインブログがWADA-blog
先日の更新で、チョコレートプレゼントという企画がありまして、図々しくも応募してしまいました。
はい、昨日(18日)届きました!
ちょっと外せない用事があったのでお礼が遅くなってしまって申し訳ありません。
コーヒーもチョコレートも大変美味しく頂きました~!
せっかくだから記念に写真を撮って…
見て下さい、実家から持ってきた40年もののエジプト壁画柄のコーヒーカップを引っぱり出しました!
とここまで記事を書いて…
いけない!わださんのアファリエイトの本も一緒に撮影しようと思ったのに!もうチョコレートないし…orz
わださんごめん。一応アマゾン載っけておきます。

著者: 和田 亜希子
タイトル: ホームページが楽しくなる!アフィリエイト徹底活用術


実は私、バレンタインチョコを頂くのは4人目。
幼稚園の時は髪の毛短かったから男の子に間違えられたのかな?
中学の時に後輩2人に貰った。共学だったのに…なぜ?
で、わださんで4人目!
愛がこもっていて、ひたすらハッピーだったのでした!
男性の気持ちがちょびっと分かったかな?

わださん、どうもありがとうございました!



2004-02-19
感情で判断すること
テーマ 恋愛についてあれこれ

よく女性は感情的な生き物って言われちゃいますよね。女の人は月経周期などで、ホルモンのバランスが元々不安定だし、好き嫌いで物事を決めちゃう。
確かに自分でもイヤになってしまうこと、多いです。
でもそれって、本当にイケナイ事なのかしら?
論理的に考えられる(男の)人って、賢そうに見えるし納得もさせられやすい。でも、何か割り切れない思いが残る。そんな事ってありませんか?
どうも、脳の仕組みに原因があるらしいです。

女の人って、男性に比べて色んな事によく気が付くって言われますよね。捜し物が得意だったり、些細な変化に敏感だったり。実はこれ、物事を認知する能力が男性に比べて格段に高いせいらしいです。加えて、並行処理もできる。
私は友人から電話がかかってくると、家事を始めます。洗濯機を回して、料理をしながら、テレビニュースをチェックし、話を続けます。こういうの、女の人なら皆さんされてますでしょう。
これ、男性は難しいらしいです。(笑)
誰かと話をしても内容以外の、口調、表情、ちょっとした間合いから、色々判断できますね。

さて、こうやって集めた情報をまとめて判断するのは大変です。
男性が3の情報を処理すればいいのに対し、女性は6、あるいは10の情報を整理しなくてはならないのですから。だから効率的に結論を出すために言語化しないで処理します。
その結果が感情です。感情は人間が物事を進める大きな原動力の一つですから。

男性は
認知→整理(論理)→結論→判断→感情 と処理されるのに対し
女性は
認知→→→ブラックボックス?→→感情 と処理されます。

言語化しないので一見論理が無く、説明が付かないように見えますが、そろばんの暗算が得意な人と一緒で実に効率的に処理しているみたいです。
ただしご注意!
感情的になることと感情で判断することは全く別のこと!
自分の感情はクールに見つめてね!


だから、女性の皆さん!
堂々と好き嫌いで物事決めちゃって良いみたいですよ(笑)
屁理屈こねている男は鼻で笑ってやりましょう



2005-02-19
オーバーラップ 7
テーマ  オーバーラップ

 たまには電車もいいものだ。なにより時間が読める。取引先での短い打ち合わせが済むと昼過ぎの神田に十分間に合いそうだった。なにか菓子折りでも持って行こうかと思い当たる。甘いものを好みそうには見えないけれど、彼が食べなくても会社で分けるにはお菓子が良いに違いない。ターミナル駅で菓子折りを買い、神田へ向かった。
 神田駅の南口で電話をかける。
「ハイ佐々木です」
「後藤です。御迷惑ばかりですみません、今神田駅の南口にいます」
「南口?ちょうど良かった、すぐに行きます」
神田で降りるなんて初めてではないだろうか。つい珍しくてきょろきょろしてしまう。3分程で彼がやってきた。さすがに今朝見た時とは違い颯爽としている。当たり前だ。
「ほんとに御迷惑ばかりおかけして申し訳ありません」
彼はにっこりと笑った。目が無くなって、白い歯が光った。
「気にしなくていいよ、僕も面白かったからさ。これね」
彼に携帯電話とティッシュに包んだお金を渡される。
「ねえ、あのほんとにこのお金は…それからこれ、もしお好きじゃなかったら会社で皆さんに分けて下さい」
菓子折りとティッシュを彼の胸にを押し付ける。
「お金は受け取らないよ。僕にも役得があったからね」
「役得?」
「ねえ、もし良かったらたまに映画の話でもしない?君の暇な時で良いからさ、こっちだけ受け取るよ。携帯の番号は見ちゃったからね、連絡するよ」
ティッシュの包みは受け取ってもらえなかった。
「じゃぁ今度は飲んでも潰れないようにしますね」
「あはは、じゃ、時間だから」
彼は後ろを向いて片手を上げた。
「お世話になりました」
「君、キス上手いね」
 そのまま彼はすたすたと歩いて行ってしまった。ええっ!なにがあったのだろう。頭から血の気が引いた。
 引いた血の気はすぐに戻ってきた。カッと顔が熱くなり耳まで熱くなった。



2005-02-20
行き違い 8
テーマ たかし第2章

次の金曜日、たかしは遅くにうちに来た。何だか酷く疲れているようなので寝る前に背中や肩を揉んで上げる。
「なぁdoor」
「ん?」
「ずっとこうして居たいな」
「気持ちいい?」
「うん、……そうじゃなくて…」
「ん?もうここはいいの?」
「そうじゃなくて、……俺たちのこと」
指輪のことと併せてピンときたけれど、心の準備ができていないし、どういう風に私の気持ちを伝えたらいいか、まだわたしの考えがまとまっていなかった。話をそらすしかない。
「……旅行のことだけど、やっぱり仕事ずらせないみたい」
「なんで」
「なんでって言われても…いくらレギュラーの仕事だからって、そんなにずらせないし」
「頼むよ~doorが行かないんじゃつまらないじゃないか」
「そんなこと言われても、私の仕事は何日から何日お休み下さいって言えるような仕事じゃないの」
「分かっているよ」
「断ったら次から仕事が廻ってこなくなっちゃうの」
「何度も聞いているよ、事前に早く済ませればいいじゃないか」
「発注先の都合もあるんだから、そんなに無理は言えないのよ」
長い付き合いのその仕事は本当はずいぶん無理が利いた。単発の仕事のために何度もスケジュールをずらして貰っていた。けれどそれはたかしには言っていなかった。
「ねぇたかし、悪いけどその日程では無理なのよ」
「じゃぁdoorだけ、途中で参加するか、途中で帰るかすれば…」
「多分その頃になるって言われている別の仕事もあるのよ、面白そうだから、それはやってみたいの」
たかしはすっと立ち上がってベッドに向かった。ムスッと黙って私を見ている。
「私だって行きたいわよ」
本当に行きたかった。彼と二人ならば。一緒に行く女の子たちと並べばきっと彼をがっかりさせてしまうだろう。私も知らない人たちの中で神経を使うのはイヤだった。どうせ、旅行に行くならのんびりしたい。彼と二人でゆっくりとした楽しい時間を過ごしたい。たかしは黙ってベッドに潜り込んで背中を向けてしまった。
「ねぇ、今度どこかに二人で行きましょうよ」
声は部屋の中で虚しく響いた。どうしてこう行き違ってしまうのだろう。お互いにこんなに好きなのに。



2004-02-21
縁、運命、前世?
テーマ 恋愛についてあれこれ

「失恋から立ち直る」生まれ変わりを信じる にトラックバックです。
運命とか、縁とか色々な言い方があるなかに前世と言う言葉がありますね。
私はきっとそういう事ってあるんだろうなって思っています。
トラックバック先の「失恋から立ち直る」 の柳沢先生にならって、前世がある、無しの不毛な議論はしたくありません。何も証明できないから。違和感を感じた方は、今回はスルーして下さいね。

以前、ある国で大地震が起こってその映像が流れたときに突然ボロボロと涙が出てきたことがあります。
その国に知り合いが居るわけで無し、全然行ったこともないマイナーな国なのに止めどなく涙が出てくるのです。
もちろん他の国でも、日本の地震でもそのような経験はありません。説明不能でした。
そんなことからひょっとして前世でそこの国の人だったのかしら?って考えたりしたんです。

人と人が繋がるって、本当に不思議なこと。
どうしてこういう人と出会うんだろうって一度くらい皆さん思ったことはありますでしょう。
私は女友達はそう言う人かなり多いですね。一緒に過ごした時間は少なくてもお互いに理解し合える。
一度距離的に離れても、必ずまた逢える。心から信頼できる。
長い時間を一緒に過ごした友達も居ます。それなりに深い話もできるくらいの信頼関係もある。
けれど運命的な友達とはやっぱり少し違うのです。

以前ちょっとニューエイジにはまってたことがあってそこではソウルメイトとかツインソウルなんて言う言葉がありました。
私は異性に思いいれが激しいところがあるので相手がツインソウルだなんて間違っても思わないようにしようと思っています。
けれど今、やっぱり彼とは生まれる前からの色々な縁があったのだろうなとは感じています。
それがどういう縁なのか今はまだ見えていないけれど。
単に楽しいだけではない大人の恋愛は、苦しいからこそ燃えると言う人もいるかもしれません。もしかしたらそうかもしれない。
けれど偶然を越えた説明できない様々な事柄が何かの縁を象徴しているような気がするのです。
前世とかカルマとか言う考え方からすると、私たちは今置かれている状況から何かを学びあうために出会ったわけですから、たとえお互いに傷つけあっても、二人でそこから何かを学べればいいと思うのです。

恋愛は書類上全く意味のない、なんの保証もない細い関係です。
もしかしたらこれから別れることになるのかもしれない、延々と付き合っていくのかもしれない。
別れなら別れの中から何かが学べる。
付き合って行くなら辛い思いも選択もあると思う。けれどそこからもきっと学べる。
どちらにしても二人の関係でこれから何かがきっと得られると私は思っているのです。

皆さんはこんな風に感じられた相手っていませんか?

photo:秋桜さん



2005-02-21
オーバーラップ 8
テーマ  オーバーラップ
彼からの電話は4、5日後にあった。
「えー、佐々木です、どうも」
「ああ、こんばんわ。先日はほんとにお世話になりました」
恋人がうちにいた。
「ちょっとお勧めかなっていう映画があるんですが一緒に行きませんか。日曜の午前中なんてどうかな」
「その日はちょっと…」
恋人の視線の行方を見やりながら背中を向ける。
「後ほどこちらから御連絡を差し上げてよろしいでしょうか、ちょっとその辺りのスケジュールが今分からないので、明日にでもまたお電話いたします」
「なんだかそばに誰かいそうだね。6時過ぎに電話してくれると助かる」
 心臓がドキドキいった。きっぱりと断りたかったのだけれど、仕事の電話だと恋人に思わせておかないと全部説明しなくてはならない。本当にキスしたのかどうかも確認したかった。そして自分でもびっくりしたことに、もう一度逢って話をしてみたいと思ったのだ。

 愛している、恋人のことはこれ以上なく愛している。別にそんな気持ちじゃない、この間迷惑をかけたし、結局お金もうけ取ってはもらえなかったのだから彼と一緒に映画を見て、少しおしゃべりをして。やましいことはなにもないけれど、やっぱり恋人には言えない。
 キッチンに立って、洗い物をしながらなぜかドキドキしている心臓を鎮める。やっぱり後ろめたいのだ。彼に内緒の事が出来てしまった。別に嘘をついているわけじゃない。ふと口の中が苦いような気がした。
 だって彼は恋人とは話せないような話ができる。ふと元の夫の事を思い出した。あの人とも、よくあんな話をしたな。でも今はそんなに映画だって見ないし、恋人に取り立てて不満だってない。私はいったいなにをやっているのだろう。けれど、彼は恋人にはないなにかを持っている。別に、もう一度逢ったって、いけないことじゃないし。キス…!本当にキスしたのだろうか。それ以上の事はなかったとは思うけれど、上手いねって、どんなキスをしたんだろう。参ったな…

翌日夕方に彼の携帯に電話をする。
「あ、後藤です」
「あ、どーもなんだか昨日まずいみたいだったから」
「ずいぶん察しが良いですね」
「ははは、いろいろ修羅場を踏んでるわけよ」
吹き出してしまった。人の良さそうな彼の顔からは想像がつかない。
「日曜は都合が悪いの?」
「あの、付き合っている人がいるんで金曜の夜から月曜の朝までは一緒に過ごすんです」
「別に僕は平日でもいいけどね」
「今週は忙しくて…」
「じゃいいや、一人で見るよ、また良いのがあったら誘うから」
「ええ、あの、キスって、私佐々木さんとキスしたんですか」
「覚えてないの~?そうか、覚えてないか、ははは…残念だな。まいっか」
「いえ、良くないです。どうしてそうなっちゃったのか教えてもらえませんか」
「うん、じゃあ逢った時に話すよ、今まだ会社だから」
「分りました。‥ではまた」
なんだか恋人に悪い気がして逢わずに済まそうかと思ったのだけれどそうも行かないみたいだ。友達として考えたいのだがキスの件がどうしても引っ掛かってしまう。やっぱり逢わなくてはなるまい。また電話がかかってくるのだろうか。



2005-02-22
みていてあげる
テーマ  あいしてる

あなたのあたまを腕にのせて
ラグビーボールのように抱えて
額にキスして
鼻にキスして
目にキスして
頬にキスして
唇にキスして
顎にキスして

あなたの髪を
くしゃくしゃに乱してあげる
顔中にキスしてあげる

あなたが寝るまで
見ていてあげる



2005-02-22
行き違い 9
テーマ たかし第2章

 翌日は簡単な手術をした父の見舞いに行くことになっていた。久しぶりに帰る実家。少し敷居が高いような気がしていたが、父も家には居ないことだし妹たちも集まるので楽しみだった。
たかしと朝食を食べながら父の話をしていると彼は突然
「あのさー、俺も一緒に見舞いに行こうかな」
と言いだした。
「えー止めてよ!」
「なんで?」
「だって、たかしがいきなり来てどうするの?すぐ下の妹にしか、たかしのことは話していないんだよ。いきなり来たらみんな困るよ」
「そうか…そうだよな」
「それに…」
その後の言葉をなんと続けて良いのか分からなかった。彼が私たちの将来のことを考える気持ちは伝わってきていたけれど、私の中では彼とどうしたいのかハッキリしていなかったのだ。
 恋愛と結婚は別物だ。共に生活していくことの困難さを私はよく知っている。そして彼との将来を考えるほど、まだ私の中では彼に対する気持ちが固まっていなかった。まだ付き合い始めて3ヶ月、やもすると昨晩のようにすれ違ってしまうのに、そんなことを考える気にもなれなかったのだ。
 彼に対する自分の引け目のようなものは、つきあい始めの頃に比べると格段に少なくなっていたけれど、いざそこに他の人との関係が入ってきただけでまた逆戻りしてしまう。そんな状態で、将来のことなど考えようもないではないか。
「…door…それに…何?」
「ん…別に」
「何、ハッキリ言ってよ」
たかしの顔が戸惑っていた。明らかに私の気持ちを測っている。
「それに…たまには実家でのんびりしてきたいじゃない」
彼の目が、一瞬泳いだのを私は見逃さなかった。本気なのだろうか、この人は軽率すぎないだろうか。自分の将来のことをそんなに簡単に決めてしまって良いのだろうか。
「そっかー、そうだよな。じゃぁ俺今日何しようかなぁ」
たかしは長い腕を伸ばして、椅子の上で反っくり返った。
「たまにはここでのんびり過ごしても良いし、たかしも実家でのんびりしてきたら」
「え、俺が?実家かー、ずいぶん行ってないなー」

 わたし自身は彼が相手であろうか無かろうが、もう結婚するつもりはなかった。将来の自分がどう暮らしていくのか、今は全く見えなかった。それに対する漠然とした不安がある中で、一方で彼の子どもが欲しいと感じ、一方で男に引っかき回される生活に戻ることに抵抗も感じていたのだ。宙ぶらりんで中途半端な状態。時間が解決してくれるに違いない。もう少し待って、たかし。もう少し、私に時間を頂戴。



2005-02-22
ただこのまま
テーマ  あいしてる

お願いずっと
ずっとこのまま
ただこのまま
時が止まれば
春も夏もいらない
ただこのまま、あなたと
朝も昼もいらない
ずっとこのまま、あなたと
ただこのまま
あなたと

ただこのまま
あなたと



2005-02-23
オーバーラップ 9
テーマ  オーバーラップ

 何だか気楽で憎めない人。恋人とは全く違ったタイプだけれど話していて刺激的だし、そのくせ気を使わなくていい。ある意味恋人とは対照的な人だ。上手く言えないが、恋人と私の間には、ある種の緊張関係がある。意識して理解し合おうとしないとどんどんすれ違っていくような何か。
 その緊張感は恋愛を持続させていくのに必要なんだと思う。けれども生来ぐうたらな私には少々疲れるものでもあった。彼に嫌われないように、彼が気分よく過ごせるように私なりに気を配っていたつもりだ。それが、最近空回り気味で…
 佐々木さんにはうんと迷惑をかけたから常識としての気は使ったけれど、それ以上の気は使わなかった。
 そうか、別に好きになって貰わなくても良いから気を使わなくても良いんだ。じゃぁ、恋人とは無理しているってこと?どこかで不釣り合いだと感じているからそれを補うために気を配ったり、尽くしたりして自分を好きでいて欲しいと思うのだろうか。もしかしたらそうかもしれない。だから無理をして疲れてイライラと彼に当たってしまうのかもしれない。
 恋人のことを好きと言う気持ちが、やはり膨らみすぎているのだろう。自分自身がその気持ちと行動に疲れてしまうほどに。

 佐々木さんとのキスのことは酔っていたときの記憶がないのでどうしようもなかった。上手いねと言われるからにはそれなりのキスだったんだろう。けれどそれは本当なのだろうか。いくら酔っていても私が初対面の人とそんなことをするなんて信じられない。
 私に彼を意識させるための策略とは考えられないだろうか。彼も恋人がいるのだからそんな必要はないはずなのだけれど、男の心理としては、納得のいかないことではない。別れ際にあんなことをいうなんて私の気を引こうとしているのか。
 いったいどういうつもりなのだろう。彼からの連絡を待つしかなかった。そう、私は彼の連絡を待っていたのだ。

第2章 vol 4 へ
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