同潤会・本1:Design of Dojunkai | 同潤会記憶アパートメント/いしまるあきこ

同潤会・本1:Design of Dojunkai

同潤会アパートを“本”から知る!

現在、私、同潤会記憶アパートメント主宰のいしまるあきこが
所有している同潤会関連本をご紹介していく「同潤会・本」

第1弾は・・・同潤会青山アパートメントの写真集としても親しまれている
Design of Doujunkai―甦る都市の生活と記憶 同潤会アパートメント写真集

$同潤会記憶アパートメント/いしまるあきこ-Desin of Dojunkai 表紙


■みる事ができる同潤会
青山、清砂、上野下、大塚女子、三ノ輪、鴬谷、虎ノ門

■おすすめしたい方
同潤会の雰囲気をざっくり知りたい方、パーツが気になる方、デザイン等の何かアイディアを得たい方

■お気に入り度
★★★☆☆



同潤会青山アパートメントをメインに、7つのアパートメントの写真が満載です。もちろん全ては網羅してないです。とっつきやすい写真集かと思います。発行が建築資料研究所ということもあってか、わりと、パーツ好きな感じが全体的に漂っています。青山アパートに関しては、各項目にわかれて、パーツ写真も多くあるのです。

私自身はあまりパーツにこだわってアパートをみていなかったこともあり、この写真集にピンとこなかったため、出版当初は本屋で見かけても購入しませんでした。時間がたち、あらためて、同潤会を扱う本を収集しようと考え、まず最初に購入したのがこちらの本でした。気になっていたんですが、青山以外の同潤会アパートのことも知ろうと思った時に、そのアパートの特徴的な姿であったり、代表的な姿というものがのっていたのは勉強になりました。


青山アパートのコーナーは下記のようになってます。


5ページ~28ページ「青山アパート」

アパートで営業していた頃のお店の姿たちが・・・雑貨屋・ファーマーズテーブルさん(3号館3階)や美容室・pas de douxさん?や、わたしたちが大変お世話になった駄菓子屋のちギャラリーとなった夢どうりさん(3号館2階)や、建築事務所・アド菅野さん(6号館2階)がいきいきとアパートの中で存在する姿が写っています。


29ページ~34ページ「青山アパート/Outward&Facade 外観」

普段みていたであろう、表参道の歩道沿いからアパートをみた風景、1号館、2号館、3号館、4号館が写っています。(5号館~10号館はありません。)空にむかってのびる階段室も1号館~4号館の左右の2本ずつ写っています。


35ページ~38ページ「青山アパート/Entrance 玄関」

アパートの階段室への地上にある入口をクローズアップ。長い年月のうちに、個性的な入口に変化していました。お店が入っていたりすると、カラーリングされていたりよくしていたようです。


39ページ~46ページ「青山アパート/Door 扉」

住戸への扉がクローズアップ!オリジナルの形は、上に4枚のガラスがはまっているものですが、それらの面影を残すものもあれば、全く別のガラス戸に変わっていたり。ひとつ、1階の裏側にあった、勝手口の扉も写っています。ドアノブだったり、蝶番、扉がしまらないようにするチェーンなど。少しずつ、パーツ系に写真が変わっていきます。


47ページ~54ページ「青山アパート/Stairs 階段」

10号館の階段が、どーんとあり、階段についていた親柱や階段室にあった避難はしごなど。


55ページ~63ページ「青山アパート/Window 窓」

だいたいが外からの窓の姿、窓枠の姿などが写っています。店舗で改築されたガラスの出窓なども。


ちなみに、住戸のオリジナルの扉は、現在白根記念渋谷区郷土博物館・文学館にほそぼそと展示されています。オリジナルの親柱は、白根博物館にもありますが、同潤会青山アパートの跡地に建った表参道ヒルズの“同潤館”にもあります。機会があれば、ぜひ、見に行ってみてください。



他のアパートに関しては、パーツごとにページがわかれることもなく、もろもろまざっています。行ったことがないアパートの姿は、この写真集を通していろいろと知る事ができたなあと思っています。この写真集を、アパートをよく知っている方と共にみると話題がつきませんでした。