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※テレビ版の「のだめカンタービレ」の続きを勝手に書いてみました。
(所謂二次小説で、本物とは一切関係ありません。
「その1」から読みたい方はこちら↓
http://d.hatena.ne.jp/dogmanX/20080310
)
☆
ジリリリリリリッ!
「お!おおなんてことだ、この大事な時に電話なんて」
「ビエラ先生!早く電話を。この子に悪い影響が出かねません!『催眠術は静かなところで掛けるように』って書いてありました」
「ああ、そりゃそうだろう。催眠術というものはそういうものだ。テレビでやってる奴だって催眠術師が催眠術を掛ける時はスタジオがシーントするもんなあ」
「そんな解説はいいですから早く電話の呼び鈴を止めて下さい!」
「あ!ああ分かったマルチナ」
もしもし、というビエラ先生の声がして、、それからビエラ先生は電話の向こうの声に少し困惑してる様子だった。何度か切ろうとしたののに相手がそれを許したくれなかったらしい。仕方なしに、といった様子でこちらに向き直り、小声で話し掛けてきたんだ。
「おい、千秋。君に電話だ」
言われて親父は、眠っているオレに向かって懐中時計を振っているマルチナと顔を見合わせた。マルチナが唇の前に人差し指を立てると大きく頷いた。そして一層小声で
「なんですか?」
とビエラ先生に問い返したんだ。
「アンナだそうだ」
「は?」
「アンナ!ア・ン・ナ」
「アンナ?誰です?」
「たしかアンナは君がフランスで住んでる家の管理人では無かったかね?」
「ああ、あああのアンナか!」
「そうそうあのアンナだよ」
「でもなんであのアンナがマエストロ・ビエラの家に電話を」
「知らん。ただアンナは君を出せと言っている」
「ちょっとうるさいですよ二人とも!そんなに『アンナ』、『アンナ』って叫ばないで。この子が変にアンナことを記憶してしまうかもしれませんよ!きゃあ!今この子ったら私に向かって『アンナ』って。二人が何べんも叫ぶから魘(うな)されてしまったのよ!大丈夫かしら?まさか私をアンナと勘違いしたんじゃ、、、」
え?!まさか、、、オレがアンナとマルチナを勘違いしてたのはこんなベタな展開だったのか!?ベタといえばマルチナが寝ているオレの顔の前で振っている懐中時計。あれには見覚えがある。
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