息子(小4)の算数が「円と球」に」差し掛かった模様だ。先週、『コンパスを買って欲しい』と駄々をこねたので判った。
コンパスは、一般的に円を書くのに使うが、応用として「測定」、即ち長さを測る行為にも使える。例えば、ぐにゅぐにゅに折れ曲がっている線が直線に変換するとどういった長さであるのか、というのを検討するのに、コンパスは有用である。
大学の製図(図学)の講義でそのあたりを厳しくやるが、その場合はコンパスではなくて「デバイダ(コンパスの両方の足が針になっている奴)」を使うと非常に正確に作業ができる。
大学の話ではなく小4算数の話だった。
そんなわけで、近所の文房具店でコンパスを買ってあげた。針のほうの足も芯のほうの足も、途中で折れ曲がるちょっと高級な奴だ。これだと円を書くのに非常に正確に書ける。なにしろ書いている途中で「半径」が変化したりすることが少ないのだ。
もちろん普通のコンパスでも円を書くのには充分である。でもその場合は、「コンパスの正しい使い方」を知っていないと厳しい面がある。
1) 芯の付いているコンパスの足は、半径を合わせるとき以外触らない
2) 作図時には、針の付いている足に力を入れる(紙に押し込んで針が浮かないようにする)
3) コンパスを回転させるときは、頭(回転軸)以外に触れない
こんなことを守れば、百均コンパスでも結構まともに円が書ける。いや小学生だったらそれで充分かもしれない。
ま、親譲りで手先の不器用な我が家のチビには、「作図中に半径が変化」してしまうことを防ぐことを教えなければいけないので、「両足が曲がるコンパス」を与えた。力の加減具合が良くわかるからである。
でも授業に使う道具なんだから、「こんなスペックの奴を買い与えてやって欲しい」というような通知が来ていてもよさそうなものだが、女房によると連絡網でもそういうのはまわってきていないらしい。コンパスの購入はあくまでも任意、ということが判った。でもコンパス無しじゃ円は書けないので、半ば強制的にコンパスぐらい買わせても良いじゃないか、買わなかった子は授業でどんな風になるのだろうか、と老婆心が働いた。
チビの小学校の「時間割表」によると、今日月曜日には算数がある。先ほど帰宅してから「コンパスはどうだったか」とチビに聞いてみた。
泣きそうな顔をして、「あんまりコンパスを使えなかったよ」「別に買わなくても良かったみたいだ」と訴えた。
何があったのか詳しく聞いてみた。
コンパスには針があって危険なので、授業では使わない
と先生に言われたそうだ。せっかく準備していったのに。コンパス使わなければ、円の授業なんかできないではないか。
コンパスや彫刻刀はおろか、手動でハンドルの無い鉛筆削り器も「危険だから」ということで小学校では使用禁止なのだそうだ。
いや危険だったら、鉛筆どころかランドセルだってスペリオだって算盤だって危ないでしょ。どうなっているのさ・・・。
チビの同級生のパパに電話してみると、彼も、「このままじゃ『ものづくり日本』が駄目になってしまうのではないか」とため息ばかり。
ゲロ大丈夫なのか、このままで。
ということで、思い切って小学校の担任に電話してみた。
あいやさお気持ちはわかります。でも彫刻刀やコンパスで怪我をさせた場合、私は責任取りたくありませんから。そこまでおっしゃるのだったら、鈴木さん。けが人が出た場合全責任を持ってくださるのですか?コンパスの針で失明したり、彫刻刀で運動障害が残った場合、私の生涯賃金は補填してくださいね。
え゛。先生方ってそういう思考回路なの?怪我をして痛いということを小学生のうちの教えなきゃ駄目じゃないですか。だから人の痛みがわからない人間が生まれるんじゃないですか?どうやったら血が出て、どうなったら痛いのか、それを知ることは大事じゃないですか。
私はせいぜいできる限り反論してみた。
判りました。だったら先ず自分のお子さんにコンパスの針を刺し彫刻刀で傷をつけてから言ってみてください。自分の子にできないことを「学校」を隠れ蓑に教師にお押し付けないでくださいよ。私だってあなたと同じ人間ですから。
私は絶句した。小学校の教師のレベルってこの程度だったのか。
違うぞお前。そんな担任に息子を預けたくなった。でもなあ、私も「じゃあ自分の息子に」っていわれると反論できない弱い人間だったりする。困ったものだ。
いやはや、「コンパスには針があって危険」って子供たちに使わせない先生に「半径の二倍が直径」とか、「球はどんな断面も円」とか、そんなことを(黒板を使った一方通行だけの授業で)教えてもらいたくない。これは私の独りよがりなのだろうか。
読者の皆さんはどうお考えか。ではそういうことで。