クラスター | ドクター鈴木・あめぶろ研究室

クラスター

 水は水素2個と酸素1個が結合した分子構造を持つとされ、水分子はH2Oと表記される。私は長年「化学」に携わっているが、実は肉眼でこいつを見たことが無い。そういう構造をとっているとは想像はできるのであるが、H2Oが単体で存在するのではなく、いくつもの「水分子」が幾重にも折り重なって(凝集し)「クラスター(ぶどうの房)」状態になっている、と考えるのがより妥当だと思う。


 一般的に、水のクラスターには次のような特徴があるといわれている。


1) 凝集は「水分子」の水素結合、による。
2) ピコ秒単位で生成消滅を繰り返す。
と考えられるが、
3) そのクラスターを測定する手段は未確立。


 知り合いのお宅から、「クラスターを小さくし、飲むと身体にとてもよい水を作ることができる装置」を入れたから飲み比べにおいでよ、と電話があった。ははーん、アレだな?とは思った。


 スケベ心から、彼のお宅を訪問した。なかなか手の込んだ設置がしてあって、「その装置」の前後から配管が分岐していて、それぞれ蛇口が取り付けられていた。つまり、装置を通る前と通った後、の水を飲み比べることが出来る、のだ。勧められるままに、飲み比べてみた。


 以下感想2項目は、私の動物的な感覚、に起因するものであり、科学的客観的根拠のあるものではない。


・のど越し感が、確かに微妙に違う
・おいしさ、とかの感じの違いは判らない


 設置者本人は、この水を飲めば身体はどんどん丈夫になり、装置導入で「一生涯の健康」を手に入れたかのごとく喜んでいた。考え方の問題で、本人が喜んで使っている分なら、それは幸せなことなのかもしれない。私が余分なことを言ってもいけないとは考えた。だから、それ以上彼には何も言えなかった。


 東京都水道局は「その装置」の検証に関する資料 を発表している。どんなことが書いてあるのか、は私のブログには直接示さないので一度リンク をクリックして読んでみてもらいたい。この書面の存在を彼に教えなかったことは、果たして、いけないことだったのだろうか。今からでも遅くないから彼に教えてあげるべきなのだろうか。

 どうしてよいかわからない。また、頭痛の種ができてしまった。ではそういうことで。