大量服薬の患者さんが後を絶ちません

 

お願いだからそんなに飲みたいならラムネ菓子大量に食ってくれよ(糖尿病の人以外)と思ってしまいます

 

 

 

なんで飲みたがるのかよくわかりません

 

睡眠薬を大量に飲まれる方はまだ理解できます

 

 

たまに

 

市販の風邪薬を大量に飲んだ

 

 

みたいな人も搬送されてきます

 

風邪でも飲まなくてもいいようなものを(話がそれるのであまり書きませんが、飲んでも治らないし)、どうして風邪でもないのに大量に飲むのか

 

意味がないものを飲むのであれば、ラムネ菓子でいいのではないかと本気で僕は思っています・・・

 

 

 

さて、この風邪薬

 

実は睡眠薬を大量に飲まれるよりもたちが悪いです

 

 

よく言われるのはアセトアミノフェン中毒

 

アセトアミノフェンは一般的に副作用も少なく使いやすいとされる解熱鎮痛薬で

 

市販の風邪薬なんかにも3錠で100-200mgとか入っているのですが、7g以上(150mg/kg以上)を飲むと肝障害が起こるとされます

 

大量に飲まれると困ります

 

 

僕らは困りませんが本人が困ります

 

肝障害リスクが高い人にはNアセチルシステインを飲んでもらいます[1]

(システインがアセトアミノフェン代謝物の毒性物質と結合して解毒してくれる)

 

 

しかしこれが

 

本当にまずい!!


参照➡︎ギラギラ研修医ER 第5話「良薬口にまずし」

参照➡︎ギラギラ研修医ER 第6話「良薬口にまずし②」

参照➡︎ギラギラ研修医ER 第7話「良薬口にまずし③」

 

 

まずいんだけど、特効薬といってもいいので飲んでもらうか、鼻から胃に管を入れて無理やり流し込みます

 

 

 

というわけで、市販の風邪薬を大量に飲んだ人が搬送されたら僕らも気をつけるのですが、ちょっと最近話題になっているもう一つの要注意物質があります

 

 

それが

 

カフェイン

 

 

中毒学会雑誌の新刊の特集にもなっていました

 

 

だいたいコーヒー1杯に100mg程度含まれるカフェインですが

 

1.5g摂取すると不安や振戦などの神経症状を発症ししてきます

 

カフェインはキサンチン誘導体で、テオフィリンと同様の作用機序で中毒症状を起こします

 

 

テオフィリンはホスホジエステラーゼとアデノシン受容体を阻害します

 

ホスホジエステラーゼはcAMPの分解をし、アデノシン受容体はアデニル酸シクラーゼの活性化抑制とカテコラミン放出に関わるので、これらが阻害されるとcAMP濃度があがり、アデニル酸シクラーゼ活性化とカテコラミン放出が起こってしまいます

 

カフェイン中毒でも同様の変化がおこるので、中枢神経症状だけでなく、循環系の異常として頻脈性不整脈をおこしたり、カリウム細胞内取り込みの結果の低カリウム血症を起こしたりします

 

相乗効果で不整脈リスクが上がりますね・・・

 

 

高容量の服用では横紋筋融解から腎不全にいたったという報告もあるので、アセトアミノフェンよりもやばいと言えるかもしれません[2]

 

 

以前も風邪薬の大量服用でアセトアミノフェン中毒だと思って対応していた人の心電図で、人知れずQT延長していたことがありました

 

なかなか病院でカフェイン濃度測定ができるところはありませんし、あまり気にとめられていなかったかもしれませんが、大量服薬で受診される方がいたら、ちょっと気にしてみてほしいなと思います

 

 

あと、以前カフェイン中毒についてはEMAlliance今月の症例で扱いましたので、よければご覧下さい

 

 

症例➡︎http://www.emalliance.org/education/case/shorei66

解説➡︎http://www.emalliance.org/education/case/shorei66kaisetsu

 

 

 

[1] Kennon J. Acetylcysteine for Acetaminophen Poisoning. N Engl J Med 2008; 359:285-292

[2]Campana C, et al. Caffeine overdose resulting in severe rhabdomyolysis and acute renal failure. Am J Emerg Med. 2014 Jan;32(1):111.e3-4.

 

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