アメリカ訪問!NIH、DMRV/HIBM研究者会議参加のご報告 | PADM (パダム)遠位型ミオパチー患者会のブログ

アメリカ訪問!NIH、DMRV/HIBM研究者会議参加のご報告

代表代行の織田友理子が報告させて頂きます。


9月下旬から10月上旬までアメリカに行ってきました。



まずは、日本から東海岸へ。


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ワシントンDCにある、アメリカ合衆国保健福祉省(United States Department of Health and Human Services, HHS)たまたま通りかかったので記念撮影。



そして、メリーランド州のNIHを訪問しました。NIHは、National Institutes of Healthで、アメリカ国立衛生研究所と訳されています。今年4月には安倍首相が日本版NIH創設を目指すと会見されておりましたが、その本家NIHです!


当時のPADMブログ→ 「安倍首相、先端医療の司令塔として「日本版NIH」創設の意向示す」テレビ放映  http://ameblo.jp/dmio-kanjyakai/entry-11515022962.html




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まさに今のアメリカが、国を挙げて、世界に先駆けて、あらゆる病気を克服するために取り組んでいる象徴とも言える機関です。敷地内は専用バスが運行されているほど広く、様々な研究機関が集まっています。



エントランスにあった模型の写真を撮ってみました。


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施設内の病院はまるでホテルのようでした。


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NIHにはHIBMグループがあります。(HIBMとは遠位型ミオパチー空胞型/DMRVです。)



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Dr. Marjan Huizing
Dr. Nuria Carrilo-Carrasco

Dr. Malicdan May Christine


1時間に渡り、自然歴調査や、新薬開発など最近の研究状況について聞かせて頂きました。


十分な予算や最先端の設備が裏付けとなっているのでしょう。NIHの研究や新薬開発は、製薬会社/企業が開発するよりもずっと患者寄りであることを力説されていました。研究費や研究設備の充実ぶりを感じました。


…が、日本では、希少疾病の研究費をそこまで潤沢に確保できませんね。。。


日本の研究者グループと密に連携を取られていたり、顔見知りの先生もいらっしゃったことから、和やかに会議は終えました。とても素敵な先生方でした。





次は、キャンパスを移動して、NIHの、National Center for Advancing Translational Sciences(NCATS:国立先進トランスレーショナル科学センター)内、Office of Rare Diseases Research(ORDR:希少疾患研究対策室) ORDR部門へ。

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Dr. Rashimi Gopal-Srivastava

Dr. David J. Eckstein

Dr. Henrietta D. Hyatt-Knorr


ORDRはNIHの中でも希少疾病に特化した部門です。希少疾病は世界中に6,000種以上存在すると言われています。その研究が進むよう具体的な対応策を講じていらっしゃいます。


PADMの活動に耳を傾けて下さり、また、日本独特の難病対策についてなど、ここでは2時間弱活発な議論が繰り広げられました。


やはり、アメリカが羨ましくなりました。日本には、厚労省内にもどこにも希少疾病部門というものが存在しないからです。患者数が極端に少ないからこそ新薬開発や研究推進、患者への情報など特殊な問題を抱えているはずです。今後の日本においても、希少疾病を取り巻く問題解決に取り組むORDRのような部門ができればいいなと思いました。そして、もっと世界の希少疾病の動向を知りたいと思いました。



NIH訪問に際しましては、日本難病疾病連絡協議会、通称JPAの国際交流部事務局長の西村由希子さんに完全にサポートして頂きました。西村さんのお陰でNIH訪問が実現できたと言っても過言ではありません。この場を借りて感謝申し上げます。





次は、飛行機で西海岸のサンフランシスコへ移動。


まずは、同病者のTaraと会いました。Taraとはスカイプで何回か話す仲でしたが、実際に会うのは初めてでした。


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アメリカの患者会の様子や福祉制度、福祉機器など話は尽きることがなく、時間がいくらあっても足りませんでした。治療法開発は世界レベルで進められておりますが、患者同士でも世界レベルで連携をとっていきたいものです。



その夜には研究者グループや製薬企業、患者団体と交流。写真は隣に座っていたUltragenyx社のJ. Ditton副社長。


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Ultragenyx社はアメリカで新薬開発を進めて下さっています。信念と情熱を持って取り組まれていました。DMRVの開発状況を聞かせて頂きました。



そして翌日は朝からいよいよ、The Third GNE myopathy (HIBM) consortium meeting に参加しました。今回は3回目の開催となります。


2回目は2010年に熊本開催されています。「世界のDMRV研究者との交流会」にて私のことを覚えて下さっていた先生もいらっしゃいました。特にこの研究の世界的中心者であるイスラエルのDr. Argovがホテルのロビーで私を見つけ、駆け寄って来て下さったのには感激してしまいました。




今回の参加者は、日本、イスラエル、アメリカ、イギリス、の研究者、製薬会社、アメリカの患者団体NDFと日本の患者団体PADMです。日本からは国立精神神経医療研究センターの西野一三先生、野口悟先生、木村円先生が参加されていました。



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研究者が最新の研究状況を発表されてます。それぞれ真剣な研究発表と議論が続いたため休憩時間はほんの少しでした。一刻も早い治療が可能となるために日頃は競争関係にある研究者たちが一堂に会し協力しあっている姿には本当に感動しました。



日本では2010年に世界に先行してDMRV新薬開発がスタートし、2012年よりRemudyというDMRVの患者レジストリが運用されています。その後現在アメリカが新薬開発を先行していますが、日本の先生方が世界の研究者と連携を取って頂けていることはなんて有難く素晴らしいことかと思いました。日本の研究者は重要な位置を占められておられることを感じ、日本人患者としてはとても誇らしかったです。



国も、立場も超えた議論は夜遅くまで続きました。希少疾病だからこそ、今後ますます世界との連携が重要ですね。



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参加者と記念撮影



日本のDMRV患者はせいぜい400名ですが、アメリカで400名、その他の国で400名だとしたら、世界合わせて1200名という話もありました。医学の進歩によってDMRVの診断がつきやすくなったら、それよりもっともっと多くなるかもしれません。



世界中の研究者の頑張りを目の当たりにして勇気づけられ励まされました。

これからもPADMは、患者としてできることに取り組んでいきたいです。


そして、現在日本では、日本版NIH構想が練られているようですが、日本版NIHにはぜひぜひ、希少疾病の研究を進めて頂ける体制構築と、ORDR創設をお願いしたいと思いました。



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お世話になった皆様、本当にありがとうございました。