政府の行政刷新会議(議長・鳩山由紀夫首相)は5月末から、麻生政権下で編成された平成21年度予算の執行状況を見直す「行政事業レビュー(再調査)」に乗り出す。有識者らが公開の場で事業の要否を判断するいわば“過去版事業仕分け”で、前政権の無駄をあぶり出すことで、夏の参院選のアピール材料にしたい考えだ。ただ、野党からは「今さら21年度予算にケチをつけて意味があるのか。いつまでも野党気分が抜けないようだ」(自民党閣僚経験者)との批判も出ている。(比護義則、小田博士)

 今回のレビューでは、仕分け人や外部の有識者が省庁の担当課長から事業概要の説明を受けたうえで質疑。その後、外部有識者が「一部改善」「抜本的改善」「廃止」などの判定を下す。

 政府が意識しているのは昨年11月に実施した事業仕分けの“成功体験”だ。衆人環視のもとで、仕分け人たちが省庁の担当者の事業説明に次々と「NO」を突きつけていく様子は、大きな話題となった。

 支持率の急落で窮地に陥っている鳩山政権にとっては、事業仕分けは数少ない政権浮揚策とみられている。23日からは独立行政法人や公益法人を対象にした事業仕分け第2弾も予定している。

 今回のレビューも事業仕分け同様、体育館などで全面公開方式で実施。インターネットを通じた生中継も行うことで、多くの世論の関心を集めたい考えだ。

 ただ、レビューが対象とするのは、自民党政権が編成した予算の執行状況という、いわば過去の無駄。政府は、今夏に行う23年度予算案の概算要求にも反映させると説明するが、「単なる前政権の揚げ足取り」(自民党議員)に終わる可能性もある。

 さらに、レビューの中間報告を発表するのは、7月に予定される参院選の直前にあたる6月。野党からは「明らかな選挙向けパフォーマンス」(同)との指摘も出ている。

 刷新会議は8日、各省庁から行動計画の報告を受けたうえで、「規模が大きく、政策の優先度が高い」「長期的に取り組んでいるもので改善の余地がある」事業を、今回の“仕分け”の対象として選定するよう要請する。

 レビューは、内政・外交ともに袋小路に陥っている鳩山政権の窮余の策だが、野党からは「見直し自体が無駄」とのレッテルが張られそうだ。

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