STEELERやFACT同様、EARTHSHAKER RECORDS所属のバンド。
BRAINFEVER
82年結成、ケルン出身の4人組。
ベルギーの最大手インディーズレーベルのMAUSOLEUM RECORDSと密接な関係があったEARTHSHAKER、他のバンド同様このBRAINFEVERももちろんMAUSOLEUMからも出ていて、日本にはMAUSOLEUM盤のほうが多く入ってきてたみたいだからMAUSOLEUM所属のバンドと認識されているかもしれない。持っているのもMAUSOLEUM盤で、ちゃんとEARTHSHAKERのロゴも入っている。
プロデュースにアレックス・トゥボーヴィル、エンジニアにラルフ・ヒューベルトといつものEARTHSHAKERコンビの名がある。彼らは80年代初期のドイツメタルの発展に尽力した影の功労者。ラルフは自らのバンド、MEKONG DELTAもやっていた。
84年の1st。
CAPTURE THE NIGHT
日本では紹介されていないから(日本盤が出ていないから)一般的には無名だが、少々マイナーどころまで掘り下げたマニアックなメタル好き、特にヨーロピアンマイナーメタル好きなら必聴の名盤。
1曲目の "Into The Sky" でガツンとくる。残念ながら音質は良くないが、メタルのセオリーである「一曲目は速い曲」を忠実に守り一気に聴き手を引き込むことに成功している。
激しいだけではない、それを上回るしっかりしたメロディが更なる興奮を呼ぶ。メロディへのこだわりはあるが、Voが男っぽい荒々しい声してるから甘さは感じない。
ちょっと極端な例え方だけど、ACCEPT型の鋼鉄メタルからHELLOWEEN型のメロスピに移行していくジャーマンメタル、その中間にあるようなバンドと言えるかもしれない。
このクラスとしてはどの曲も良く演奏力も問題なく、総合的なレベルは高い。音質が良くないのはしょうがない、マイナーレーベルだから。でかい音で聴けば十分楽しめる。メタル特有の暴れ出したくなる感覚を味わえるはず。
ジャケもへたくそな絵ながら雰囲気があって良い。
86年の2nd。メンバーは変わらず。プロデュースとエンジニアを務めるEARTHSHAKERの2人も変わっていない。にも拘らずこのアルバムはBELLAPHON RECORDSから出ている。ということはこのころすでにEARTHSHAKERは消滅していたのかな。ラルフはスラッシュメタル系に特化したAAARRG RECORDSを確かこの時期に立ち上げていたから。アレックスは新たにSHARK RECORDSを興している。
FACE TO FACE
1stと同路線。そして1stと同様に1曲目が疾走曲で始まる。いきなり叩き付けるようなパワーメタルが炸裂、カッコ良すぎるリフで幕を開ける名曲 "Black Jack" は1stが気に入った者なら間違いなく納得のオープニング、攻撃的であってもメロディへのこだわりもやはり強く、スピードやメタルの破壊力のみでごまかさず、しっかりと耳を惹くフックがあって曲の良さを実感出来る。
彼らはまだパワー/スピード/スラッシュメタルの区別が明確でなかったころに出たスラッシュメタル初期のオムニバス「SPEED KILLS II」にも収録されていたことがあるほど攻撃的な面もあるのだが、1stにせよ2ndにせよアルバム単位で聴くと決して正統派メタルの範疇から逸脱していない。古いタイプのJUDASやMAIDEN、そしてACCEPTなどの影響が各所に見える伝統的なメタルで、メロディや曲の良さにこだわり安易にスラッシュメタルな攻撃力のみの方向へ向いていないことが、逆にそれが我らのような時代に生きた古参のメタル者を喜ばせるだろう。1stと並んで80年代ヨーロピアンマイナーメタル好きは必聴。
88年、ここでNOISEと並ぶドイツの大手インディーズであったSPV/STEAMHAMMERと契約、4曲入りのミニアルバムを発表する。
YOU
変なジャケ。でも内容は良くBRAINFEVER本来の持ち味はそのままに、全てをワンランク上げたような印象。曲の出来、音質において1st、2ndの比ではない。
Keyが正式メンバーとして加わって全体的にKeyがフィーチュアされるようになった。さらにVoとDrが交代している。荒っぽい歌い方をするVoだからそんなに違和感はない。
三たびオープニングは疾走曲。その "You" も破壊力とメロディの融合が見事な強力曲だが、4曲目の "Hoist Up The Sails"、激しさの中に切ないメロディが舞う必殺曲で燃える。TANKに通じる男の哀愁のようなものを感じる。
ここはやはりフルアルバムを出すべきだったと思う。せっかくSTEAMHAMMERからの発売だったのにEPだったせいで日本では完全にスルーされてしまった。このクオリティでフルアルバムであったなら日本でも発売されて、彼らの知名度ももう少し上がっていたと思うのだが。。日本でも十分注目されそうな音楽をやっているし、STEAMHAMMER所属のバンドはテイチクのメタルマニアレーベルがちゃんと発売していたから。でも4曲ではな、日本発売はないな。
そしてバンドは消滅。一般的には無名ながらマニアには決して忘れられない名バンド、BRAINFEVERは姿を消した。
正統派ジャーマンメタルバンドとして確実な足跡を残して。
日本における彼らの地位、SCORPIONSは別格として、ACCEPT、HELLOWEEN、そしてRAGEやGRAVE DIGGER、RUNNING WILDやSINNERの下、WARLOCKなんかよりもまだ下だなぁ、でもせめてRAILWAYやWARRANT、TRANCEぐらいとは同格に考えてあげてほしい。
"Into The Sky"
"Black Jack"
"You"
"Hoist Up The Sails"
Capture the Night/Brainfever
¥1,384
Amazon.co.jp
Face to Face/Brain Fever
¥2,120
Amazon.co.jp
BRAINFEVER
82年結成、ケルン出身の4人組。
ベルギーの最大手インディーズレーベルのMAUSOLEUM RECORDSと密接な関係があったEARTHSHAKER、他のバンド同様このBRAINFEVERももちろんMAUSOLEUMからも出ていて、日本にはMAUSOLEUM盤のほうが多く入ってきてたみたいだからMAUSOLEUM所属のバンドと認識されているかもしれない。持っているのもMAUSOLEUM盤で、ちゃんとEARTHSHAKERのロゴも入っている。
プロデュースにアレックス・トゥボーヴィル、エンジニアにラルフ・ヒューベルトといつものEARTHSHAKERコンビの名がある。彼らは80年代初期のドイツメタルの発展に尽力した影の功労者。ラルフは自らのバンド、MEKONG DELTAもやっていた。
84年の1st。
CAPTURE THE NIGHT
日本では紹介されていないから(日本盤が出ていないから)一般的には無名だが、少々マイナーどころまで掘り下げたマニアックなメタル好き、特にヨーロピアンマイナーメタル好きなら必聴の名盤。
1曲目の "Into The Sky" でガツンとくる。残念ながら音質は良くないが、メタルのセオリーである「一曲目は速い曲」を忠実に守り一気に聴き手を引き込むことに成功している。
激しいだけではない、それを上回るしっかりしたメロディが更なる興奮を呼ぶ。メロディへのこだわりはあるが、Voが男っぽい荒々しい声してるから甘さは感じない。
ちょっと極端な例え方だけど、ACCEPT型の鋼鉄メタルからHELLOWEEN型のメロスピに移行していくジャーマンメタル、その中間にあるようなバンドと言えるかもしれない。
このクラスとしてはどの曲も良く演奏力も問題なく、総合的なレベルは高い。音質が良くないのはしょうがない、マイナーレーベルだから。でかい音で聴けば十分楽しめる。メタル特有の暴れ出したくなる感覚を味わえるはず。
ジャケもへたくそな絵ながら雰囲気があって良い。
86年の2nd。メンバーは変わらず。プロデュースとエンジニアを務めるEARTHSHAKERの2人も変わっていない。にも拘らずこのアルバムはBELLAPHON RECORDSから出ている。ということはこのころすでにEARTHSHAKERは消滅していたのかな。ラルフはスラッシュメタル系に特化したAAARRG RECORDSを確かこの時期に立ち上げていたから。アレックスは新たにSHARK RECORDSを興している。
FACE TO FACE
1stと同路線。そして1stと同様に1曲目が疾走曲で始まる。いきなり叩き付けるようなパワーメタルが炸裂、カッコ良すぎるリフで幕を開ける名曲 "Black Jack" は1stが気に入った者なら間違いなく納得のオープニング、攻撃的であってもメロディへのこだわりもやはり強く、スピードやメタルの破壊力のみでごまかさず、しっかりと耳を惹くフックがあって曲の良さを実感出来る。
彼らはまだパワー/スピード/スラッシュメタルの区別が明確でなかったころに出たスラッシュメタル初期のオムニバス「SPEED KILLS II」にも収録されていたことがあるほど攻撃的な面もあるのだが、1stにせよ2ndにせよアルバム単位で聴くと決して正統派メタルの範疇から逸脱していない。古いタイプのJUDASやMAIDEN、そしてACCEPTなどの影響が各所に見える伝統的なメタルで、メロディや曲の良さにこだわり安易にスラッシュメタルな攻撃力のみの方向へ向いていないことが、逆にそれが我らのような時代に生きた古参のメタル者を喜ばせるだろう。1stと並んで80年代ヨーロピアンマイナーメタル好きは必聴。
88年、ここでNOISEと並ぶドイツの大手インディーズであったSPV/STEAMHAMMERと契約、4曲入りのミニアルバムを発表する。
YOU
変なジャケ。でも内容は良くBRAINFEVER本来の持ち味はそのままに、全てをワンランク上げたような印象。曲の出来、音質において1st、2ndの比ではない。
Keyが正式メンバーとして加わって全体的にKeyがフィーチュアされるようになった。さらにVoとDrが交代している。荒っぽい歌い方をするVoだからそんなに違和感はない。
三たびオープニングは疾走曲。その "You" も破壊力とメロディの融合が見事な強力曲だが、4曲目の "Hoist Up The Sails"、激しさの中に切ないメロディが舞う必殺曲で燃える。TANKに通じる男の哀愁のようなものを感じる。
ここはやはりフルアルバムを出すべきだったと思う。せっかくSTEAMHAMMERからの発売だったのにEPだったせいで日本では完全にスルーされてしまった。このクオリティでフルアルバムであったなら日本でも発売されて、彼らの知名度ももう少し上がっていたと思うのだが。。日本でも十分注目されそうな音楽をやっているし、STEAMHAMMER所属のバンドはテイチクのメタルマニアレーベルがちゃんと発売していたから。でも4曲ではな、日本発売はないな。
そしてバンドは消滅。一般的には無名ながらマニアには決して忘れられない名バンド、BRAINFEVERは姿を消した。
正統派ジャーマンメタルバンドとして確実な足跡を残して。
日本における彼らの地位、SCORPIONSは別格として、ACCEPT、HELLOWEEN、そしてRAGEやGRAVE DIGGER、RUNNING WILDやSINNERの下、WARLOCKなんかよりもまだ下だなぁ、でもせめてRAILWAYやWARRANT、TRANCEぐらいとは同格に考えてあげてほしい。
"Into The Sky"
"Black Jack"
"You"
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