RED VALENTINO 2016 SS !!! | ダイコ★ブログ

RED VALENTINO 2016 SS !!!

 

 

 

 はい。今日はRED VELNTINO(レッド ヴァレンティノ)の2016 SS のリポートをお伝えしましょう。

 

 

 プレゼンテーションの当日、表参道のブティックの2Fのサロンには真っ白な空間が用意され、その中に今季の甘くシャーベットのようなドレス達が飾られるという実にロマンティックな演出でございました。。。。。

 

 

 あれ?一人うさん臭いおっさんがおります。。。。。。失礼しました!!!!この日たまたまこんなホワイトのグレーの出で立ちでお邪魔しちゃいまして、仕込んで来たのか!と突っ込まれましたが、只の神様の悪戯です。。。。

 

 

 私が抱えている柔らかいカーフスキンのトートバッグは今季の新作で、『ペッティロッソ インタルシオ』というアイテムです。ヨーロッパ コマドリの羽根を広げる可愛らしい姿とブランドのロゴが施されていますが、これ実はインターシャのテクニックが使われています。。。。

 

 ステッチを一切使用していないので、こうやってボディに触れても引っかかり等不快な要素が一切なく、こういう機能的なアイテムにもアトリエの最高のテクニックが感じられます。

 

 あっ、、、、おっさんの太い二の腕で可愛いコマドリちゃんが全く見えませんねぇ。。。。是非、WEB等でチェックして下さいまし!!!!


 

  2016 SS COLLECTION、マリア・グラツィア・キウリとピエール・パオロ・ピッチョーリは、レッド ヴァレンティノを愛する世界中の少女達にとびきり甘くロマンティックなテーマを用意しました。

 

 それは2006年のアメリカ映画、Sofia Coppola(ソフィア・コッポラ)監督、Kirsten Caroline Dunst(キルステン・ダンスト)が主演を務め、世界中の乙女達のバイブルとなった『Marie-Antoinette(マリー・アントワネット)』。。。。

 

 世界一有名な王女の物語を、ドラジェのような柔らかいカラーで作られた映像や、ラデュレのスイーツやクリスチャン ルブタンのシューズで彩ったソフィア・コッポラは、これまでのアントワネット像をフレッシュで人間らしいものに変え、時代を越えた共感すら覚えた方も多かったのではないでしょうかぁ???

 

 

 まずここで、マリー・アントワネットについてのトリビアを少々お話ししましょうか。。。。。。。。まぁ、彼女についてはギロチン処刑で亡くなってから220年以上も経つのに、今だにファンが多く皆様相当ご存知の事と思いますので、ここでは敢えて視点を変えて、オーストリア皇女として生まれた彼女がフランスに持ち込み、現在ではフランスを代表するものとなったカルチャーについて少しお話ししてみましょう。。。。

 

 まず、入浴。。。元々フランスにはバスタブに浸かるという習慣が無かったのですが、オーストリアにはその習慣があり、母親マリア・テレジアから受け継ぎフランスでも日常的に行っていました。入浴の文化が宮廷に広まった事で香水も変化します。それまでムスク等強い香りで体臭を消さなければいけなかったのですが、バラやスミレ等優しい香りが大流行し、アントワネットも愛用していたそうです。

 

 続いてはフランスを代表するクロワッサン。。。これはアントワネットのお嫁入りの際当時ヨーロッパで評判の高かったベルギーのパン職人も同行し、デニッシュ・ペイストリーの生地で焼いたのが最初だと言われています。

 

 そして、クープグラス。。。。シャンパンタワー等で見た事ある方もいらっしゃるかと思いますが、丸みを帯びた横広がりのシャンパングラスです。縦長のフルート型に比べて空気に触れる面が多いので気化しやすく、乾杯等の短時間の際に使われる華やかなグラスでございますが、、、、こちら、アントワネットの左胸の形から生まれたとも言われています。。。。

 

 

 

 嗚呼!こういう話が一番楽しい!!!!ですが、本題へ戻りますよ!ロココの最も華やかかりし頃の、アントワネットや宮廷貴族達のローブ・ア・ラ・フランセーズのディテールは、いつもはお転婆で気まぐれなレッド バレンティノ ガール達の装いを優しくエレガントに変えます。

 

 カラーパレットはニュアスのある様々なホワイトから始まり、陶磁器に描かれるような優しいピンクやブルー。ラベンダーやスペアミント等実に美味しそうなパレットを中心に、ベージュやオペラピンク、シックなブラックまでもが用意されています。

 

 高めのウエストからフレアーやギャザーでスカートを拡げたスカートは、時にはミニ、時にはロングとなり、透け感のある繊細なトップスとドレスへとドッキングされます。またこのロマンティックなシルエットをシャツやスカート、時にはニットを取入れてアレンジさせているのも特徴的です。

 

 

 こちらの画像のように、こんなにもロマンティックな世界でございます。。。。。

 

 左のボディが着ているドレスは柔らかいメッシュを使用したドレスで、スカートのディテールにピンタックと部分的にボーダー状に施したポンジーのブラックのリボンをあしらいジオメトリックな印象です。

 

 そして胸元等に施されたスミレのアクセント。。。伝統的なフランス刺繍からインスパイヤされた今季のエンブロイダリーは実に美しく、手仕事好きの方々にも今季はオススメでございますねぇ。。。

 

 ラックにかかった右のドレスはアイボリーの繊細なレースで仕上げたミニドレスで、やはりスミレの刺繍のシャツカラーがアクセントになっていて、その横はブラックベースにスミレのプリントをあしらったシフォンのドレスでございます。。。。

 

 

 もぉ=!!!!爆発的にスイートでございます!!!!!

 

 

 

 こちらはアントワネットの気分をリアルなスタイルで楽しんだルックでございまして、温かみのあるベージュがなんとも素敵ですね。。。

 

 右はリブニットのトップスにベージュピンクのチュールのスカートのドレスでございまして、左はギャバジンを使ったオーバーシルエット気味のダブルブレストのトレンチコートでございます。

 

 アクセントになってるロマンティックなフラワーモチーフのエンブロダリーは、糸や小さな生地を駆使して立体的なモチーフになっていて実に美しく、さりげなくお姫様気分を味わえるアイテムになっていましたねぇ。。。

 

 

 フランス王室御用達の陶磁器メーカー、セーブルの美しいロイヤルブルーにホワイトを混ぜて作ったような優しいトーンのブルーも夏に涼やかな印象でしたね。

 

 右のドレスは18世紀のフランスで誕生したToile de Jouy(トワル・ド・ジョイ)のプリントを施したコットンボイルをベースに、マクラメのレースをトリミングするように飾ったミニドレスです。ボディーのサイドにはアイスブルーのグログランテープをあしらい、リラックスムードで楽しめるロココスタイルの提案でございます。

 

 左はアンティークのナイティーのようなセットアップでございまして、ストライプのコットンジャカードを使用したノースリーブのブラウスとスカートのセットアップ。。。ブラウスのフロントにはバイアスでカットオフしたフリルをあしらい、ヘムはブラックのグログランテープのドローストリングになっています。

 

 今季、リボンのディテールはベルサイユ宮殿やプチ・トリアノンに私達を誘ってくれるようです。。。。ロココの時代には高価なリボンは貴族達のステイタスの証でもあり、女子のみならず男子もこぞって装いに取り入れたそうですよ。。。

 

 

 ドレスが中心だった今回のコレクションの中で少し違う趣を見せたこちらのニットのルックは、大人女子でもトライ出来そうなアントワネットスタイルとして注目でしたね。

 

 トップスのノースリーブのニットはコンパクトなウエスト丈で、フロントにはジャカードとルレックスの糸の刺繍で立体的に表現したスミレのモチーフが大胆に施されています。

 

 スカートはスミレのプリントを施したシルククレポンのスカートの上に、ポワンデスプリをあしらったシルクチュールを一枚重ねたデザインで、ウエストベルトはグログランリボンで仕上げてありましたねぇぇぇ。。。

 

 

 ねぇ?一貫して、どっぷりとロマンティックでございましょう?????www

 

 芸術史上、ロココは18世紀のルイ15世の時代から孫であるルイ16世が在位していた時に勃発した1789年のフランス革命までを指します。ロココの以前、『太陽王』と呼ばれたルイ14世の時代に流行したバロックというスタイルは、『朕(ちん)は国家なり』と王の権威を威圧的に表現する芸術表現で、絶対王政がゆえの権威的で直接的なスタイル。。。。それに対してロココの時代には『朕(ちん)は国家の下僕なり』という啓蒙思想に基づき、その表現も間接的で柔和になります。

 

 私達はその柔らかい色使いやスイートな表現を単純にカワイイ!と思ってしまいますが、実はもの凄く他者の目を意識し、真実を柔和にボカした表現から生まれた文化でございまして、フランス革命に近づくにつれて『曲がった真珠=悪趣味』という意味を持つバロック以上に悪趣味な文化が水面下で横行します。

 

 今となってはフランスを代表し世界中の女子達が憧れる表現の一つですが、そういう時代背景が会った事を覚えておいて下さいませ。

 

 こちらのスペアミント カラーのドレスも実に可愛かったですねぇ。。。ブラウスとスカートに分かれているように見えますが一体型のドレスでございまして、ストレッチ シルク モスリンとチュールで仕上げてあります。

 

 なによりも素晴らしいのは胸元のチュールの部分に、まるでモザイクのように小さなビーズで施した唐草模様のエンブロイダリーでございます!!!!これは、ほんと綺麗でしたねぇぇぇ。。。

 

 当時の宮廷で流行った扇の形のクラッチバッグをコーディネイトしているのも、ホント、芸が細かいです!!!!

 

 

 今季は様々なレースを取り入れて、繊細なランジェリーのようなムードのアイテムも沢山登場していましたねぇ。。。

 

 右はイギリス刺繍を施したコットンポプリンのミニドレスです。深いVの胸元やさりげなく手首を覗くかせる七分袖が、若々しいセンシュアルさを表現しています。

 

 左は牧歌的なムードのレースのニットドレスで、フランスの伝統的なクロシェ編みを取り入れ、ウエストにはやはりアクセントでブラックのグログランリボンをあしらっていましたねぇ。。。

 

 

 今回コレクションの中にはこれまでご紹介した柔らかいムードとはまるで逆の、シャープなコレクションも数点ございましたよ。

 

 宮廷の貴婦人達が身につけたコルセットにインスパイアされたこちらは、レースアップのディテールとボディピッタリと貼り付くフォルムが実に美しかったですね。。。

 

 左は鮮やかなフューシャピンクの薄手のシルクツイルでボディーを仕立て、サイドにあえて皺を寄せたブラックのフロワセテープをあしらっています。

 

 右はフェティッシュなブラック1トーンが素敵なドレスです。コルセットの部分はレザーを使用していて、サイドにはリボンのレースアップが施されています。ブラックのスカートの上にポアンデスプリのチュールを一枚重ねて、少しだけ優しく仕上げているのも素敵でしたね。

 

 

 今季のシューズの中で気になったのはやはりロココの時代に大流行したミュールをイメージさせるこちらのバックストラップのシューズでございますね。個性的なトップのボウもモチーフと、美しいアーモンドトウのフォルムはテーンエイジャーだけに履かせておくのはもったいない程エレガントでございましたね。

 

 

 はい、元々学研少年の私、気になる事はすぐグーグルという事で、ミュールの歴史を少し調べてみました。これ、以外と奥が深い!!!

 

 起源はかなり昔の古代ローマ時代まで遡っちゃいます。ミュール(スリッパ)は元々ローマ各地に存在しておりまして、一部の身分の高い人のみ赤いスリッパを履く事が許されていました。これを『mulleus calceus』と呼びcalceusとは靴を意味し、mulleusとは日本で言う所の魚のカサゴの事。。。つまり直訳すると『カサゴ靴』という意味で、その艶やかな赤い色に由来しています。。。。。つまり、ミュール=カサゴって事。。。。

 

 踵がオープンになっているこの靴はすぐに脱げるという事で基本的に室内履きで、ベッドルーム等のプライベートな空間で着用する事からエロティックな意味が込められち行きます。なので一部の娼婦等は夜間に屋外でも着用にそたりしますが、基本的には男女を問わず今で言うスリッパとして使われ、このままロココの時代まで長い歴史を辿ります。

 

 17世紀後半になると一部の貴族階級の女性達の間に、カジュアルファッションが流行し、今で言うパジャマルック(もちろん今のスタイルとはまるで違います)のように室内着をアウターとして楽しむスタイルが登場します。トータルコーディネトの発想からかトレンドに合わせてミュールにもスポットライトが当たり、上質のレザーやシルク、リボンやレースが飾られて、よやくベッドルームの重い扉を開けることになります。

 

 公衆の面前でミュールを初めて履いたのはドロン伯爵夫人でございます。若い頃からかなり貞操観念がイージーな彼女は、1694年60歳の時に教会のミサにミュールを履いて行きます。本来貴族は跪いて祈りを捧げる際に小さなクッションを使って膝立ちの姿勢を取りますが、彼女は敢えての横座り。。。。スカートの裾からは赤いミュールとグリーンのストッキングの踵が露になったとか。。。。。

 

 18世紀になると貴族の間では一般的になり肖像画でも頻繁に描かれますが、この当時の貴族達の性生活はかなり乱れていたらしく常にエロティックなイメージが付きまといます。

 

 現在もミュールにはどこかセンシュアルなイメージが付きまとうのは、元々は部屋履きであり、あまり人様の前に晒す物では無かったというこの靴の歴史に裏付けされているんですね。。。

 

 今では全く関係のない話となってしまいましたが、きちんとしたビジネス会議やフォーマルな席に呼ばれる際は少し頭に入れておいて下さいまし。。。。wwww

 

 

 はい。ウエアのロマンティックなムードをそのまま反映した今季のアクセサリーもやはりスイートなアイテムが気になりましたね。。。。ここまでフェミニンなアイテムはなかなか登場しないので、パーティー用に一つ入手しておくのも宜しいかと思われます。

 

 カーフスキンに型押しでスミレのモチーフを描いた物やウエアと同じ繊細なモザイク刺繍を施した物、ラインストーンのバックルを飾ったりと可憐なデコレーションが注目で、特にロココの時代男女問わず大流行した『Ventaglio(ヴァンタリオ=扇子)』のフォルムのクラッチは可愛かったですねぇ~。。。。

 

 さて、扇子についてですが。。。。。。あっ、また長くなりそうなので、次回にしますねぇぇぇぇ。。。。。wwww

 

 

 

 

 

 フランス由来のロココの世界を現代的に再解釈したレッド ヴァレンティノの今回、スポーティーになってしまった昨今のトレンドに一抹の寂しさを感じている、可愛いを愛する皆様には『待ってました!』のコレクションではないでしょうか???

 

 只、気をつけなければいけないのはあくまでも軽やかにお願いしますね。今季、ルックブックの中ではガーリーなウエアにスニーカーをコーディネイトしたりして、コンテンポラリーに楽しんでいます。私個人的には真っ黒なショートヘアに赤リップ、ロマッティックなドレスを一枚サラリと着てホワイトのスニーカーなんて、ノンシャランと楽しむが今年っぽい気がしますね。

 

 

 ミルクティーブラウンの巻き髪やナチュラルストッキング、アンクルストラップ付きのプラットホームサンダルなんかに合わせると。。。。。それはもう10年前の話ですのでお気を付けあそばせ。。。。。

 

 

 

 マリーアットワネットはお菓子や生活習慣だけではなくもちろんファッションもオーストリアから持ち込みました。彼女は身長154cmにバスト109cm、ウエストは58~59cmというトランジスタグラマーでファッションアイコンとしても注目され、ローズ・ベルタンというデザイナーのドレスを好んで着用していたそうです。

 

 実はロココを代表する高く盛り上げたヘアスタルは彼女が流行らせたそうで、かつらに小麦粉で出来た白い粉を振りかけて、顔が全体の真ん中に来るプロポーションが美しいとされていました。中でも有名な船の飾りを乗せたヘアスタイルは、当時アメリカ独立戦争において、フランス軍が敵対していたイギリス軍を破ったニュースに由来していて、不器用な彼女なりの愛国心の表現だったとか。。。。その後宮廷で一大トレンドとなり現在でもジャンポール・ゴルチエやスティーブン・ジョーンズ等多くのデザイナーが自身のコレクションに取り入ています。。。

 

 

 オーストリアから来た少女がフランス宮廷で一大スターに、ファッションリーダーになったように、レッド ヴァレンティノのスイートなコレクションでファッションリーダーを目指してみてはいかがですかぁぁぁ???

 

 

 

 はい。船の飾りでございますが、。。。。。私もかつて、乗せた事あります。。。。。知ってる人に聞いて下さいまし!!!!!!!wwww

 

 

 

 

 

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 今回、リポートしたヴァレンティノのお話が掲載されている、現在好評発売中の私の初めての著書、『ブランド・パスポート』では、世界のセレブのお話や、スタッズ・コレクション等より深くヴァレンティノの事を知る事が出来ます。

 是非、書店にてお求め下さいね。


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