18日午前7時55分ごろ、名古屋市西区比良の新川で、イルカの仲間、スナメリが泳いでいると、付近住民から110番通報があった。警察から連絡を受けた名古屋港水族館の職員が午後0時15分過ぎ、新川支流の新地蔵川で捕まえ、水族館に運んだ。大きなけがは無いといい、館内のプールで保護している。

 スナメリは伊勢湾に生息するが、捕獲された現場は河口から約20キロの都市部の住宅街。名古屋市では最近、他の川でもスナメリが遡上(そじょう)しており、騒ぎが続いている。

 名古屋港水族館によると、個体はオスで体長約170センチ、体重約58.5キロの成体。川は水深1メートルほどで、護岸はコンクリートで固められ、辺りにはゴミが浮かんでいた。ドライスーツを着て川に入った職員が、ネットなどで岸辺に追い込んで保護した。

 現場で捕獲作業にあたった名古屋港水族館の斎藤豊・飼育展示課長は「肺呼吸なので淡水の川に入ってもただちに影響はない。20キロも遡上した個体を保護したのは初めての経験で、理由はよく分からない」と驚いていた。

 スナメリの生態を38年研究している鳥羽水族館(三重県鳥羽市)の古田正美館長によると、伊勢湾、三河湾には3000頭前後が生息していると推定される。もともと、沿岸に近づく特徴があり、川を遡上する例も多く報告されている。海水浴場などにも近づいてくる。古田館長は「テレビでスナメリの姿を見たが、元気そうだ。魚を追って川をさかのぼったのではないか」と話した。

 スナメリは、小型歯クジラ類ネズミイルカ科で成体で体長2メートル前後。仙台以南の沿岸から東シナ海、インド洋などに広範に生息、水深50メートル以下の浅い水域を好む。母親か乳母が授乳し、子育てすることで知られる。水産資源保護法により農相の許可が無いと捕獲できない。

 名古屋市では今月14日、南区の山崎川河口でもスナメリが泳いでいるのを水族館職員が確認している。頭部の傷などから、今回保護されたものとは別だった。山崎川のスナメリは16日午後に目撃されたきりになっている。【山田一晶】

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