築地市場(東京都中央区)の江東区豊洲地区への移転問題で、石原慎太郎知事は27日、都議会予算特別委で民主党に対し「移転用地購入の予算執行については議会の意思を尊重する」との意向を表明した。用地購入費を削除する修正案の提出見送りを決めた民主党に対し譲歩を示す形で応えた。2日間審議を空転させた末、決着にこぎつけた民主党と都の成果。ただ知事の表情には妥協への抵抗感からか空々しさも漂った。新年度の市場移転関連予算は28日未明に予算特別委で可決する。【市川明代、江畑佳明、真野森作】

 「新市場の整備は議会の合意を踏まえて対処すべきでは」。民主党の和田宗春議員が質問をぶつけると、石原知事は手にした答弁書を掲げてつぶやいた。「これ、読めばいいんだろ」。発言は答弁書の棒読み。「二元代表制では、長と議会は対等な関係にある。議会の意思を尊重していきたい」。和田議員が「知事の方針の大転換。新市場の議論は新たな局面に入った」と質疑を締めくくると、苦笑いしてみせた。

 民主党が、予算審議の土壇場で決めた修正案見送り。石原知事はそれに対する譲歩として、現在地再整備を検討する組織を都に新設することも表明した。

 都議会が移転関連の予算案を可決することで、14年までに市場を移転する都の計画はとりあえず頓挫を免れる。だが都側が現在地再整備の検討に配慮を約束したことで、論議が再燃する余地が残り、移転計画の展望は依然不透明だ。

 仮に、民主党が修正案を提出していれば共産党などの賛同を得て可決された後、3分の2以上の賛成が必要な再議によって否決となる見通しだった。しかし、都庁内では「知事は再議権を行使しないまま、現在地再整備の検討も拒否し続ける」との憶測が流れた。民主党には「修正案可決だけでは移転と現在地再整備の両方の選択肢が消え、議論が行き詰まる。党の責任論に発展しかねない」と懸念が広がった。民主党と都の折衝は27日未明、民主側の条件を知事答弁などに盛り込むことで折り合いがついた。「名より実を取るという流れが強まった」とある民主都議は話す。

 予算特別委での質疑を終えた都議会は27日夜、「議会として現在地再整備の可能性について(市場)事業者の合意形成に向け検討し、知事は検討結果を尊重する」などを盛り込んだ付帯決議について会派間の調整に入った。民主党の大沢昇幹事長は「民主党が求めてきたものと同等の付帯決議になる」と話した。

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