伝世舎のブログ

日々是好日

『遺し、伝える』ことが伝世舎の理念です。


分析後、作品の状態によっては保存へのコンサルティング。


必要なものには現状を維持したまま次の時代に遺すために修復を。




伝世舎 


TEL  03-6666-1200


受付時間:10:00~18:00


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 1月21日(土)より、松戸市戸定歴史館で「-明治21年の佐竹永湖とその周辺- 松戸神社神楽殿の絵画と修復展」が開催されています。
 22日には、伝世舎の三浦が「松戸神社神楽殿絵画の保存修復」についてのギャラリートークを行いました。皆さん熱心に聞いて頂きました。ありがとうございました。

 

 

 明治21年(1888年)に松戸神社旧神楽殿が建立されたときに寄進された、格天井絵36面と杉戸絵4面は、松戸神社と旧松戸町の人々が約130年もの年月を大切に受け継いできました。ただ、神楽殿内で自然環境にその年月を曝されてきましたので、格天井絵と杉戸絵はとても傷んでいました。その絵画の紹介と修復の展覧会です。
 この格天井画と杉戸絵は、東京藝術大学大学院保存修復日本画研究室監修の元、絵の部分を伝世舎、板の部分をおいかわ美術修復が修復を行いました。2014年1月の現地調査から始まり、2015年8月までおよそ1年半かけた修復事業となりました。

 

 絵画は佐竹永湖(さたけえいこ)と錦けい(けいは谷の旧字)の二人の画家よって、動植物が描かれています。板絵です。
 佐竹永湖は幕末から明治にかけて活躍した画家で、谷文晁の流れを汲む佐竹派一門です。
永湖は墨画に彩色が施された鳥獣を描いています。
 錦けいのプロフィールは不詳ですが、繊細な線と鮮やかな濃淡の彩色で草花を描いています。
 対照的な二人の絵が組み合わさって調和しています。
 時代の流れの中で忘れられていましたが、再評価がされてよい画家です。
 今回は、杉戸絵4面と天井絵7面が展示されています。他の天井絵は原寸大の画像が並んでいますので、全容を確認することができます。
 また、永湖の師である佐竹永海や一門の画家の作品も展示されています。
 展示が終わると、新築された神楽殿に戻りますので、今後観る機会はなかなか無いと思います。図録には、修復前と後の天井絵杉戸絵の画像、修復内容が載っています。興味のある方は読んでください。

 

 

 展覧会を開催している戸定(とじょう)歴史館は戸定が丘歴史公園内にあります。もと松戸徳川家の敷地を歴史公園として整備したものです。最後の水戸藩主・徳川昭武(あきたけ)が建設した戸定邸(国指定重要文化財)と庭園(国指定名勝)が、保存公開されています。明治時代の徳川家の住まいがほぼ完全に残る唯一の建物です。
 丘の上ですので見晴らしも良く、梅園もありこれからが見頃でしょう。松戸神社も近くですので、展覧会と一緒に散策すると楽しいかと思います。

 

 

「-明治21年の佐竹永湖とその周辺- 松戸神社神楽殿の絵画と修復展」
会期 平成29年1月21日(土)~3月5日(日)9:30~17:00
会場 松戸市戸定歴史館(JR常磐線松戸駅東口徒歩約10分)
詳細は、「松戸市デジタル美術館」で検索してください。

 

これからのギャラリートーク「松戸神社神楽殿絵画の保存修復」
2月4日(土)は三浦功美子(伝世舎)
2月18日(土)は久下有貴氏(東京藝術大学大学院保存修復日本画研修室)
3月4日(土)は及川崇氏(おいかわ美術修復)
午後2時より約30分
※申し込みは不要です。

 

講演会
2月5日(土)午後2時~3時30分
「佐竹永湖-文晁派の伝道者として」 講師は塩谷純氏(東京文化財研究所文化財情報資料部近・現代視覚芸術研究室長)
2月11日(土)午後2時~3時30分
「松戸神社神楽殿絵画の保存と修復」 講師は荒井経氏(東京藝術大学大学院保存修復日本画研修室准教授)
※講演会は申し込みが必要ですので、詳細は「松戸市デジタル美術館」で検索してください。
 
保存・修復についてのご相談、お問い合わせは伝世舎まで。
http://www.denseisya.com/
TEL/FAX  03-6666-1200

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新年明けましておめでとうございます。
 伝世舎は今年も文化財、美術品、史料などなどの大切な作品を伝えるためのお手伝い、保存と修復に勤しんで参ります。
 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 Amebaおみくじでは大吉、初詣のおみくじも大吉と、何だか新年早々めでたい気分で浮かれています。

 さて近々、伝世舎が修復に携わりました作品の展覧会が開催致します。
「-明治21年の佐竹永湖とその周辺- 松戸神社神楽殿の絵画と修復展」
会期 平成29年1月21日(土)~3月5日(日)9:30~17:00
会場 松戸市戸定歴史館(JR常磐線松戸駅東口徒歩約10分)
詳細は、「松戸市デジタル美術館」で検索してください。

 松戸神社は寛永3年(1626年)創建、で松戸市総鎮守とされて水戸徳川家より篤い崇拝を受け、光圀公の逸話が残っている神社です。
 その松戸神社の旧神楽殿(明治21年 1888年建立)の天井絵と杉戸絵の修復を、平成26年2月~平成27年8月まで約1年半掛けて行いました。
 この保存修復事業は、東京藝術大学大学院保存修復日本画研究室の荒井経准教授の監修のもと、絵画(色材)の修復は伝世舎、支持体(木材)の修復はおいかわ美術修復の及川崇氏の協同での作業でした。
 修復後に松戸市指定文化財として指定されました。

 展覧会では、その天井絵の一部と杉戸絵が展示され、修復内容についても解説されています。


 なお、会期中のイベントが盛り沢山ですので、ご興味のある方は「松戸市デジタル美術館」で検索してください。
 その中で、ギャラリートーク「松戸神社神楽殿絵画の保存修復」を行います。
 1月22日(日)、2月4日(土)は三浦功美子(伝世舎)
 2月18日(土)は久下有貴氏(東京藝術大学大学院保存修復日本画研修室)
 3月4日(土)は及川崇氏(おいかわ美術修復)
 午後2時より約30分
 ※申し込みは不要です。

 

また、講演会として、
2月5日(土)午後2時~3時30分
「佐竹永湖-文晁派の伝道者として」 講師は塩谷純氏(東京文化財研究所文化財情報資料部近・現代視覚芸術研究室長)
2月11日(土)午後2時~3時30分
「松戸神社神楽殿絵画の保存と修復」 講師は荒井経氏(東京藝術大学大学院保存修復日本画研修室准教授)
※講演会は申し込みが必要ですので、詳細は「松戸市デジタル美術館」で検索してください。


お時間がありましたら、お越し下さい。
新年早々から、伝世舎で携わった修復を観て頂ける機会ができました。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

保存・修復についてのご相談、お問い合わせは伝世舎まで。
http://www.denseisya.com/
TEL/FAX  03-6666-1200

 

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今年もとうとう残り数日となりました。
今年はブログを継続的に更新しようと目標を立てていたのですが、秋以降から滞ってしまいました。
新年からは、気を引き締めてブログ継続を頑張りたいと思っています。

今年最後のブログは、掛軸の箱についてです。
10月に開催した「修復のお仕事を展」では、「しまう」というテーマで、伝世舎では掛軸を保存する「桐箱」についての展示をしました。

展示した内容の一つに、「元箱(もとばこ)の保存事例」を致しました。
箱には、「箱書き」があるものが存在します。収納している作品の伝来などの記録であり、重要な場合があります。
作品を修復した時に寸法などが変わり、元の箱に入らなくなる事が起こります。新たな箱に収めた場合に、元箱をどうするのかが重要になってきます。
別々に保管した場合に、時間が経つと何の箱だったのかわからなくなる事が出てきます。
元箱を保管する方法の一つをご紹介致します。

「新調の箱に箱書きの蓋板を嵌め込んで保管」
掛軸を収納していた箱は桟蓋箱(さんぶたはこ)と言う種類で、蓋板の表と裏、底板の裏に箱書きがありました。


箱に緩みや反りが生じ、蓋の桟が欠失の損傷がありました。
掛軸を全体修復を行ったことで、寸法が変わり元箱に入らなくなりました。また元箱には損傷があり、気密性が低い桟蓋箱だったことから、気密性のある印籠箱(いんろうばこ)を新調しました。
蓋板と箱底板を分離し、旧蓋板は新調の印籠箱の蓋に嵌め込んで一体化させました。


旧箱底板は、新調の箱底に収めました。蓋の表と裏の箱書きが見えるようになっています。


元箱の形は失いましたが、箱書き部分が新調した箱に一体化したので、バラバラになる危険性は減りました。

 

箱は大事な作品を護るために重要です。
桐箱は、調湿生、断熱性が優れていることから、古くから美術品の保存箱として使われてきました。
その桐箱は、桐材の産地、乾燥加工、製作技術などによって、ピンからキリまであります。
木材から出るアク(黒い染み)が美術品に影響を及ぼすことがあるので、桐材だから大丈夫と使うと危険です。美術品の収納で使う場合は、箱選びには注意が必要です。

 

※桟蓋箱(さんぶたはこ)
蓋の裏の短手に一文字に二本の桟をつけ、蓋が前後左右の動かないようにしている箱。
茶掛などの軽い華奢なものに用いられている。
経年や環境によって、蓋が反って隙間が生じてしまい気密性に欠ける。
※印籠箱(いんろうはこ)
印籠のように蓋と身が内側でかみ合って、外側は平らになる構造の箱。
他の箱と比べて気密性が高いので、作品の保存箱として主流。

今年も、多くのご支援ご厚情を賜りましたこと、心から感謝しております。
新しい年の皆様のご繁栄とご多幸を心からお祈り申し上げます。

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