伝世舎のブログ

日々是好日

『遺し、伝える』ことが伝世舎の理念です。


分析後、作品の状態によっては保存へのコンサルティング。


必要なものには現状を維持したまま次の時代に遺すために修復を。




伝世舎 


TEL  03-6666-1200


受付時間:10:00~18:00


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 2月11日(土)、茨城県久慈郡大子町にある大子町文化福祉会館「まいん」で開催された、第7回 大子町文化遺産活用シンポジウム「大子町の文化遺産を活かす」に参加してきました。
 今回7回目を迎えるこのシンポジウムは、大子町の伝統的産業や、歴史的建造物などの文化遺産を、次代に引き継ぐべく活動している各団体による報告を元に、会場に集まった皆で共に考える場として開催されました。


 このシンポジウムに関わるのは今年で3回目です。今まではお手伝い的な参加でしたが、昨年のシンポジウムの質疑応答の時間をフルに使わせて頂き、那須楮の重要性と生産の危機を訴えさせて頂きました。
 その後本年度から那須楮の生産と出荷の現状調査をすることになり、嶋根が担当することになりました。
なお、昨年11月14日に行われた「大子那須楮保存会」設立により、「那須楮」は「大子那須楮」という名称になりました。

 

 和紙の原料は、主に木の皮の繊維である楮(こうぞ)、雁皮(がんぴ)、三椏(みつまた)が使われます。その中の一つである楮は、かつては日本各地で生産され、その土地で紙を漉いていました。その後安価な外国産楮等に押され、生産量は減り続けています。
主な楮の産地としては土佐、石州などがありますが、ここ大子町は那須楮の生産地です。那須の問屋によって全国に売られたため「那須楮」と呼ばれました。
2014年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)は「和紙 日本の手漉和紙技術」を無形文化遺産に登録することを決めました。今回登録されたのは、「石州半紙」(島根県浜田市)と「本美濃紙」(岐阜県美濃市)、「細川紙」(埼玉県小川町、東秩父村)の3つの和紙です。
この中で大子那須楮を使用しているのが本美濃紙で、細川紙も一部の紙に使用しています。またこれとは別に、重要無形文化財保持者(人間国宝)の岩野市兵衛さんが漉く越前奉書紙の原料も大子那須楮です。

 

大子那須楮の黒皮。地元ではブイン皮と呼ばれる。これを白皮に仕上げる。

 

大子那須楮の白皮。昔から白皮の状態で出荷している。

 

 大子町文化財保護審議委員会委員長 阿久津久氏による基調講演 「大子町の文化遺産を活かす―大子の山城現地巡り―」で始まり、各パネラーによる報告がなされました。
会場はほぼ満員。続々と地元の人たちが集まってきます。
 今年の発表は、調査を2回しか行っていないために、あまり具体的な内容には至りません。ただ、別にお話を伺った細川紙の話しを交え、大子那須楮について報告してきました。


 質疑応答では「今後に展望はあるのか」という質問を頂きましたが、それを見出すのがこの調査なので、現時点での回答を明確に発信できないのが残念です。
 シンポジウム終了後の懇親会では、とくに若い方たちから楮に関する意見や質問があり、そんなところから新たな展望が出てくるのでは? と、少し期待しながら大子を後にしてきました。
 今後、調査に行ったときには、このブログでご報告します。

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 1月21日(土)より、松戸市戸定歴史館で「-明治21年の佐竹永湖とその周辺- 松戸神社神楽殿の絵画と修復展」が開催されています。
 22日には、伝世舎の三浦が「松戸神社神楽殿絵画の保存修復」についてのギャラリートークを行いました。皆さん熱心に聞いて頂きました。ありがとうございました。

 

 

 明治21年(1888年)に松戸神社旧神楽殿が建立されたときに寄進された、格天井絵36面と杉戸絵4面は、松戸神社と旧松戸町の人々が約130年もの年月を大切に受け継いできました。ただ、神楽殿内で自然環境にその年月を曝されてきましたので、格天井絵と杉戸絵はとても傷んでいました。その絵画の紹介と修復の展覧会です。
 この格天井画と杉戸絵は、東京藝術大学大学院保存修復日本画研究室監修の元、絵の部分を伝世舎、板の部分をおいかわ美術修復が修復を行いました。2014年1月の現地調査から始まり、2015年8月までおよそ1年半かけた修復事業となりました。

 

 絵画は佐竹永湖(さたけえいこ)と錦けい(けいは谷の旧字)の二人の画家よって、動植物が描かれています。板絵です。
 佐竹永湖は幕末から明治にかけて活躍した画家で、谷文晁の流れを汲む佐竹派一門です。
永湖は墨画に彩色が施された鳥獣を描いています。
 錦けいのプロフィールは不詳ですが、繊細な線と鮮やかな濃淡の彩色で草花を描いています。
 対照的な二人の絵が組み合わさって調和しています。
 時代の流れの中で忘れられていましたが、再評価がされてよい画家です。
 今回は、杉戸絵4面と天井絵7面が展示されています。他の天井絵は原寸大の画像が並んでいますので、全容を確認することができます。
 また、永湖の師である佐竹永海や一門の画家の作品も展示されています。
 展示が終わると、新築された神楽殿に戻りますので、今後観る機会はなかなか無いと思います。図録には、修復前と後の天井絵杉戸絵の画像、修復内容が載っています。興味のある方は読んでください。

 

 

 展覧会を開催している戸定(とじょう)歴史館は戸定が丘歴史公園内にあります。もと松戸徳川家の敷地を歴史公園として整備したものです。最後の水戸藩主・徳川昭武(あきたけ)が建設した戸定邸(国指定重要文化財)と庭園(国指定名勝)が、保存公開されています。明治時代の徳川家の住まいがほぼ完全に残る唯一の建物です。
 丘の上ですので見晴らしも良く、梅園もありこれからが見頃でしょう。松戸神社も近くですので、展覧会と一緒に散策すると楽しいかと思います。

 

 

「-明治21年の佐竹永湖とその周辺- 松戸神社神楽殿の絵画と修復展」
会期 平成29年1月21日(土)~3月5日(日)9:30~17:00
会場 松戸市戸定歴史館(JR常磐線松戸駅東口徒歩約10分)
詳細は、「松戸市デジタル美術館」で検索してください。

 

これからのギャラリートーク「松戸神社神楽殿絵画の保存修復」
2月4日(土)は三浦功美子(伝世舎)
2月18日(土)は久下有貴氏(東京藝術大学大学院保存修復日本画研修室)
3月4日(土)は及川崇氏(おいかわ美術修復)
午後2時より約30分
※申し込みは不要です。

 

講演会
2月5日(土)午後2時~3時30分
「佐竹永湖-文晁派の伝道者として」 講師は塩谷純氏(東京文化財研究所文化財情報資料部近・現代視覚芸術研究室長)
2月11日(土)午後2時~3時30分
「松戸神社神楽殿絵画の保存と修復」 講師は荒井経氏(東京藝術大学大学院保存修復日本画研修室准教授)
※講演会は申し込みが必要ですので、詳細は「松戸市デジタル美術館」で検索してください。
 
保存・修復についてのご相談、お問い合わせは伝世舎まで。
http://www.denseisya.com/
TEL/FAX  03-6666-1200

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新年明けましておめでとうございます。
 伝世舎は今年も文化財、美術品、史料などなどの大切な作品を伝えるためのお手伝い、保存と修復に勤しんで参ります。
 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 Amebaおみくじでは大吉、初詣のおみくじも大吉と、何だか新年早々めでたい気分で浮かれています。

 さて近々、伝世舎が修復に携わりました作品の展覧会が開催致します。
「-明治21年の佐竹永湖とその周辺- 松戸神社神楽殿の絵画と修復展」
会期 平成29年1月21日(土)~3月5日(日)9:30~17:00
会場 松戸市戸定歴史館(JR常磐線松戸駅東口徒歩約10分)
詳細は、「松戸市デジタル美術館」で検索してください。

 松戸神社は寛永3年(1626年)創建、で松戸市総鎮守とされて水戸徳川家より篤い崇拝を受け、光圀公の逸話が残っている神社です。
 その松戸神社の旧神楽殿(明治21年 1888年建立)の天井絵と杉戸絵の修復を、平成26年2月~平成27年8月まで約1年半掛けて行いました。
 この保存修復事業は、東京藝術大学大学院保存修復日本画研究室の荒井経准教授の監修のもと、絵画(色材)の修復は伝世舎、支持体(木材)の修復はおいかわ美術修復の及川崇氏の協同での作業でした。
 修復後に松戸市指定文化財として指定されました。

 展覧会では、その天井絵の一部と杉戸絵が展示され、修復内容についても解説されています。


 なお、会期中のイベントが盛り沢山ですので、ご興味のある方は「松戸市デジタル美術館」で検索してください。
 その中で、ギャラリートーク「松戸神社神楽殿絵画の保存修復」を行います。
 1月22日(日)、2月4日(土)は三浦功美子(伝世舎)
 2月18日(土)は久下有貴氏(東京藝術大学大学院保存修復日本画研修室)
 3月4日(土)は及川崇氏(おいかわ美術修復)
 午後2時より約30分
 ※申し込みは不要です。

 

また、講演会として、
2月5日(土)午後2時~3時30分
「佐竹永湖-文晁派の伝道者として」 講師は塩谷純氏(東京文化財研究所文化財情報資料部近・現代視覚芸術研究室長)
2月11日(土)午後2時~3時30分
「松戸神社神楽殿絵画の保存と修復」 講師は荒井経氏(東京藝術大学大学院保存修復日本画研修室准教授)
※講演会は申し込みが必要ですので、詳細は「松戸市デジタル美術館」で検索してください。


お時間がありましたら、お越し下さい。
新年早々から、伝世舎で携わった修復を観て頂ける機会ができました。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

保存・修復についてのご相談、お問い合わせは伝世舎まで。
http://www.denseisya.com/
TEL/FAX  03-6666-1200

 

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