テーマ:マビノギ英雄伝
「見たかッ!エンジェルパンチ!この天使さん悪の戯言を聞く耳などもたぬッ!!あと容赦せぬッ!よぉし!かっこいいぞぉッ!!」
今度は確かにパンチでしたが、しゃべってる最中に後ろからか殴るやりかたに釈然としないおじーちゃんに向かい天使さんが言いました。
「さあ!おじーちゃん!次は貴方の番ですよ!」
『え?』
さしものおじーちゃんも素で聞き返しました。
「おっと!なにか貴方は勘違いをしていますね!いいのです!貴方の迷いも悲しみも嘆きも苦しみも主のお与えになった試練であり運命!そう!これは運命なのですッ!」
おじーちゃんの勘違いではなく天使さんの言い間違いだったと思いますが、なんだか勢いで押し切られた気がします、てゆーかほんとにこいつ大丈夫なんでしょうか。
「さあ!ともに主の御元に参りましょう!!!!さあ!さあ!さあッ!!」
おじーちゃんの魂の行き先を巡る中二病と天使さんのわけのわからん修羅場に当惑する以外の選択肢が無いおじーちゃんでした。
テーマ:マビノギ英雄伝
「もう一度言おう・・・私の名は・・・天使さん!」
また名乗りました。
「おじーちゃん!貴方をお迎えにあがりました!慈しみ深き父なる主は貴方の苦しみや嘆きを取り去りその愛のもとに永遠の平安をお与えくださいます!さあ!祈りましょう!祈るのですッ!祈ってごらんなさいッ!!」
「いのりましょうちゃうで・・・この脳筋が・・・」
不意打ちで天使さんにドロップキックを食らった中二病が起きて来ました。
「ほう、我がエンジェルパンチを受けてまだ息があるとは・・」
いや、だから確かにドロップキックでした、あとエンジェルなセリフではありません。
「そのおじーちゃんは今回生き抜いた間の業を元にしかるべき段階にいくんや!邪魔すなや!愛だの永遠の平安だのテキトーなこと並べてキレイ事ぬか・・・あれ?」
テーマ:マビノギ英雄伝
いい加減ウザいのでぶん殴ろうかと思って泣き止んだおじーちゃんに対して中二病がなんか言います。
「あーほら“こっち側“ったってジゴクとかそんなんちゃうで?生きてる間に負った分と果たした分の業(カルマ)を折半して“次のとこ”を決めるだけや、ふつーどーりに四十九日待ってるときょうびメンドくさいことになるからな・・わかるか?まあわからんでもええわ、じゃ、おじーちゃん行こか?あー・・いや、逝こか?」
にわかに記憶を取り戻したおじーちゃんも、生きてる間の心の残りが無いわけではありません、しかし中二病の言う“次のとこ”において現世で果たせなかった業とやらを果す機会があるというのなら、現世を惜しむよりも“次のとこ”に進んだほうが正しい気がするし、なによりおじーちゃんの魂の決着としても合点がいきそうなので、ここは一つ腹をくくろうとした瞬間
「んなりませェんッッッ!!」
どこからとなくガチムチの男が現れると同時に中二病にいい感じのドロップキックをかましたので、中二病は物を大事にしない子供に遊ばれたお人形のように吹っ飛びました。
『・・・・・・・』
さっぱり状況が飲み込めなず亜然とするおじーちゃんに男が向きなおり言いました。
「私の名は・・・天使さん!」
またなんか変なのが来たようです。
テーマ:マビノギ英雄伝
麗らかな春模様は消え、一転して雪の降りしきるいろいろおかしな視界になりました。
『・・・・・!?』
「ああ、これな、せっかくバグSS撮れててもったいないんで使っただけやから特に意味あらへん、あ、じゃあなんか不思議なアレで場面変わったとか思っといて」
なんだかよくわからないとしか言いようにない状況と、わかってはいけないメタ発言に当惑しているおじーちゃんの意識に次々と忘れていた記憶が去来します。
『・・!・ああ・・?!・うああ・・・』
おじーちゃんの記憶が大分戻りました。
人間は辛いことでもなんでも忘れる事で泣かずに生きていけます、なんだか余計なことまで思い出させられたおじーちゃんは泣きたい気持ちを抑えられません。
「お?思い出した?そんじゃ話戻すけどな、あんときの契約にのっとり、おじーちゃんの魂はな、四十九日を待たずに“こっち側”のもんになんねや」
もはやそんな話も聞けないぐらいに茫然自失としてボロボロ涙を流し続けるおじーちゃんにしびれを切らせた中二病がどの口でかホザきました。
「あぁーもう、ええ歳こいて泣くなや!おじーちゃん!なあ!どうせすぐ忘れるから!な?もう・・・おじーちゃーん?・・スマィルアゲーィン?wwwww」
どうあってもウザいので一発ブン殴ってやろうかと思うおじーちゃんでした。