文化放送「吉田照美 飛べ!サルバドール!」11月4日

アーサー・ビナードさんのコメント

~「追悼:菅原文太さん これだけは言わせて」


ずっとお会いしたい方だった
晩年いろんな方と対談していろんな問題を掘り下げたりしていた
ちらっとお会いできるかもという話があったが実現しなかった...

菅原さんは自分から行く人だった 人にも現場にも
どこかでいつか会えるかなと思ったがかなわなくなった


作品で感動させてもらった人が亡くなると どんな人でも悲しいが
菅原さんの場合は身近な人が亡くなったような気持ち 大きな喪失感

日本という国だけじゃなく 文化も言語も
続くためには何をしなければいけないのかを考えていた方
ご高齢だったが 何かこれからという人がいなくなったような感覚
俳優としてではなく生活者として大きな仕事をできる方だった

菅原さんの訃報を広島の放送局で聞いた 番組が始まる時だったが
スタッフも出演者も この後番組ができるだろうかというほど みんなショックだった
出身は仙台だが 広島にとって特別の人だった
広島の映画で本当に根付いた人だった

僕がどこでつながりを感じるかというと「生き方」
もちろん映画スターとしてとてもかっこいい人だが
生活者として生き方を問うことができる人だった


日本で生き方を問える人ってなかなかいない 
迎合するのが当然みたいで
儲かればいいというのが浸透してしまっているが 
菅原さんは生き方を問うことができる人だった

2009年から山梨で農業を始めて 
自家採種の種を使い農薬を使わない
それを徹底的にやってそれでそれを語る


例えば種の問題 僕たちが食べている野菜の種がどうなっているか 
野口種苗の野口勲さんともつながりがあり ふたりの対談が見事だった
どうやったら日本の固定種を続けることができるか

TPPで遺伝子組み換えの食品がどんどん入って来る
実は今でも国内のお米の生産量の2倍に当たる
1700万トンの遺伝子組み換えの作物が毎年日本に入っている


遺伝子組み換えの作物がこんなに入ってることは
モンサントという遺伝子組み換えをやっている多国籍企業 
巨大なケミカル企業の日本のホームページに載っている
安心ですよと発信しているが
大豆の75% トウモロコシ80% なたね77%が遺伝子組み換えだということを
ちゃんと数字で見て それで菅原文太さん自家採種の種でやっていたことを考える


TPPで日本の国が続かないことになる
遺伝子組み換えの場合は 種が特許の対象になっていて
権利も法的に抑えられている 知的財産権も乗っ取られているから


それを菅原さんは見通して 捉えて語って それを自分で実践もする
問題ですよと言うだけで俳優として優雅に暮らすのでなく
本当に生き方で問う人だった


原発エネルギー問題でも思い切った発言をされていた
福一のメルトダウンを受けて
ドイツがまず脱原発をやる イタリアは国民投票で94%がいらないと
その時菅原さんは「反原発3国同盟をすべきだ」と言った


歴史を逆手に取って 無難じゃなくきわどいけど誰でも納得する発言
それは彼の映画の中の演じ方と一貫して一致している
映画の菅原さんと生活者の菅原さんがちゃんと一致している
それができる人はなかなかいない


社会を動かしているのは政治 
菅原さんは政治も生活者として関わらなきゃいけないと
一番簡単な関わり方は投票

菅原さんのようにかっこ良く発言はできなくても投票は行ける
文太さんが棄権するってあり得ない
今回は自分の1票を菅原さんのつもりになって 
絶対投票しなきゃいけない














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