水の中。

海外小説のレビューと、創作を。


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残るは天津影久一行のみ――
道中で逸刀流の剣士をことごとく葬り、那珂湊へ到着した吐鉤群。
船での逃亡を防ぐために、「港にいる人間をすべて斬り捨てよ」と命令するが、そこには意外な人物を乗せた船が待っていた。

無限の住人(28) (アフタヌーンKC)/沙村 広明
¥570
Amazon.co.jp

すげーなハバキ様の命令↑

この前段階での「貸し馬つかわれると困るから(道中の馬すべて)殺しとけ」も大ざっぱすぎてヒドイと思ってましたが、この悪役ぶりは圧巻だわ。なんかもう国益のためには誰殺しても構わないとゆー理屈みたいですが、しかしそもそも何でこんな事態になってんだっけ? ハバキさま非道な上に無能すぎる……。



そんなこんなで天津影久も万次さんも到着して、とうとう最終ラウンドが始まりましたね! おお、意外に盛り上がってきた!(自分が)
敵討ちで始まった本作ですが、いつの間にやら恩讐を超えて(つーかハバキ様の無茶苦茶が過ぎて恨みつらみが霞んでしまった……)、共同でもないけど戦線が!


久々に登場した槇絵さんの剣技とゆーか殺戮ぶりが物凄い(本人も分かってるみたいですが、万次さんて正直死なないのだけが取り柄だよな……)、見どころいっぱいのお話でしたが、だがしかしこの巻でわたくしが個人的に超注目したいのは、凛と万次さんの関係に言及する百琳ねーさんの発言でございます。そうですアレです。


「やっぱ『兄妹』ってのがしっくりくるわ、うん」です!


いやーおそらく作者さんも、凛を大人にして二人のあいだに恋愛フラグをたててみたものの、あまりしっくりこなかったのでしょうね。私も今までの関係性のほうが萌えがあるなー。うーん、物語における恋愛って、なさそうなとこに発生するのがいいわけであって、この二人の恋愛っていらんよなーと思います。
えーとほら、ここらへんのエピソードで言えば、天津影久が凛を助けるあたりとか、あっちのフラグのがイイよ! ぜんぜんイイよ!!



というわけで次巻を楽しみにしております。



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宇宙船内部に広がる巨大な居住空間――

捕えられた多恵は、間一髪で加工処理場からの脱出に成功するものの、異星人の少女に拾われてしまい、ますます玄野と遠ざかってしまうのだが……


GANTZ 30 (ヤングジャンプコミックス)/奥 浩哉
¥650
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異星人の侵略がどうこう以前に、
再生されちゃった玄野がふたりいることとか、
加藤が生きてることとか(オイ)を、
思わず忘れてしまいそうな最新巻(いかん加藤ホント忘れそう……)! です。



今現在進行中の「ケイちゃあああん!」「たえちゃああん!」という二人のすれ違いラブ(?)に目をくらまされ、なんつーかこの二人が再会できたらハッピーエンドではないのか? という気すらしてくる最近のGANTZ。
今までの絶望感からしたら、このカタストロフィ編は私にはラブコメくらいに感じられますよ!!



とはいえ、この異星人との「力の差」というのが、技術差でも特殊能力でもなく、「大きさの差」(異星人たらすっごくでかいんですよ! 人類なんか彼らにしてみれば虫くらいなんすよ!)というのが、なんというかスゴイ。
ちょっとこういう種類の圧倒的な力の差というものは想像していませんでしたね……。



彼ら巨大異星人が人類にしていることって、我々人類が小さき生き物に対してしていることと、何ひとつ変わらないのですよ。
踏みつけて殺してみたり、拾ってペットにしてみたり、食用にしてみたり。される側にしてみたら有無を言わさぬ大虐殺なのですが、アリンコで遊ぶ子供にいちいち深い悪意が無いのと同じで、悪意あっての行動ではないのです。



これコワイですよね。
これほど単純で絶対的な力の差があっては、同格の生き物として扱ってもらえない。交渉すらできない。
だからこそのGANTZミッション、戦士養成であったのかもしれませんが……しかしなあ。このでっかいひとたちは、さっさと飽きてヨソへ行ってもらうしかないんじゃないかなーという気がしてまいります。



とりあえず多恵ちゃんが生き残ってるところがミラクル!
(奥せんせい優しいなー)


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病気に倒れた田渕の無事に思わず泣いてしまい、自覚する絹恵。
(今まで耐えられたのは、ボスがいたからだ)
しかし感傷にひたる時間もなく、田渕不在のチームの運営に振り回され……?


Real Clothes 11 (クイーンズコミックス)/槇村 さとる
¥480
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おお! なんか前巻での登場人物リストラが上手くいったもようで、物語全体がスッキリしてきましたリアルクローズ。
絹ちゃんがボス田渕への恋心を自覚しつつ、「だけど私はボスとどうなりたいんだ?!」と悩むあたり、この主人公らしいですね。


うーん、それはねえ。恋でないとは言いませんが、彼女が好きなのはやはり「有能な上司としての田渕」なのですよね。つまりはただ「いつまでも仲良く一緒に仕事がしたいだけ」のことではないかと……。


もっと言ってしまうのなら、絹ちゃんとゆー主人公の人生における「仕事」の優先順位が非常に高いために、職場の最重要人物である田渕が一番大事なひとになってしまうだけのことではないかと。かと。


……かとは思うのですが! 色恋って勢いであって理屈ではないので、「とにかく好きなんだもん!!」と壁を突き破るだけのパワーがあるのなら何でもアリだよなーとは思います。



しかしなー、わたくしが田渕の立場であったならと考えてみますと(←それ考える必要あったっけ……?)、仕事での自分に惚れてくれている女なんかとは一緒に暮らせないけどなあ……だって気が休まらないじゃないすか、そんなのって。
ううーん、やっぱりイヤだなー、家庭は職場とは隔絶した世界でないと。24時間有能でなんかいられないっつの病気になるっつの。


という個人的なボヤキはさておき、ファストファッションH&Hへ転職した最近の美姫サマですが、あれ似合うのか?? というのが疑問で。
田渕は「若返りましたね」とか言っちゃってますけど、私には「若作りしてますね」にしか見えないのですが……いえ、安い服が悪いとゆーのでなく、ファッションて本人の個性とのバランスだと思うので、あれほど強い自我を持ち、美意識の高い中高年の美姫サマが着る服ではないだろー、と思ってしまうのですよねえ。
百貨店と対立する立場へ美姫サマを持ってくるという物語上の展開ですけども、でもやっぱり似合わないよなーと思ってしまいます。


そんな美姫サマが「百貨店はもう終わっているんじゃなくて?」と自信満々に田渕に言ったりするので、なんつーか説得力があるよーなないよーな感がとてもビミョウ。←考えすぎ







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相変わらずの片思いを続ける、ショコラティエ爽太。
報われない恋に苦悩しつつも、その反動で仕事は順調。
しかし爽太の思いもよらないところで、憧れのサエコさんの結婚生活に翳りが――?


失恋ショコラティエ 2 (フラワーコミックスアルファ)/水城 せとな
¥420
Amazon.co.jp

(3巻の画像がないー!!)


いやいやいや、ちょー面白いですね、このお話。
女子から見れば、ミエミエであざとい手口のキュートな人妻サエコさんですが、狙った男は外さないスーパー強打者! のはずの彼女が、意外にも結婚生活につまづいていたりして。


……まあ実際のとこ、彼女が爽太を意識しはじめたのも、8割方は結婚つーもんに失望したからではないかと思われます。ぶっちゃけこれって逃避だな!!


だって恋愛と結婚て違うものねえ。恋愛スナイパーが結婚生活という日常の現状維持に尽力するのってムリがあるよなあ。なんだかなー、かわいそうに。



しかしいまだ片思いと思い込んでいる主人公・爽太ですが、本人も自覚するとおり、こうして仕事のアイデアが湧いてくるのも、実現させるための意欲を持てるのも、この失恋、いや片思いが原動力なわけですよね。
本当にねー、人間て幸福でないときのほうが、いい仕事しますよね。まあ仕事にもよりますが、クリエイティブなお仕事などは特にそうではないかなー。


現状に満足している時には決して出てくることのない、
「こうだったらいいなー(妄想)」

「こんなことがあればいいのにな(願望)」
みたいなのが出てきますよね。
人は幸せな時には、どうしたって鈍感になってしまうからなあ……。



というわけで、長年にわたる片思いがくつがえりそーで、しかしこれはハッピーエンドなどではなく、ある意味すっごい危機なのでは?! という次巻ですね。たのしみ。



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今日も変わらぬ美味しい節約生活を心がける筧志郎。
ある日パートナーのケンジにゲイ仲間の食事会に誘われて……?

きのう何食べた?(4) (モーニングKC)/よしなが ふみ
¥590
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4巻目にして、はじめて料理レシピ部分を読み込みました!


何故かと言いますと、おそらくドラマ部分に読みどころが無かった(……)ためではないかと……。
なんといいますか、いまさら気がついてしまったのか、4巻目にしてそうなったのか読者の私にもいまひとつ不明なのですが、主人公である筧さんという人物に、あまり魅力が感じられないのですよね。


やたらと世間体を気にするところとか(たまたま店で隣あわせたカップルにゲイとバレたから何なのよ?)、おかずの品々へのこだわりとか(甘いものがかぶっているくらいが何なんだ!!)、こう、枯れているわりに口うるさい小市民(だいたい弁護士が小市民ぶるとこが分からん)ぽいところいい、何となく好感が持てないわー。


その延長なのか、ケンジと筧さんカップルにも魅力を感じないのですよね。
この二人は40代ながらすでに老夫婦みたいで、お互いのどこに惹かれたのやら、さっぱり分からん。
おじさんでなく、おばさん二人暮らしみたいだよなー……。


というわけで、こんなとこでわざわざレビュー(いやレビューでなく悪口か?)書いている身で申し訳ないですが、続巻は読まないかと思われます。





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昼間は仕事、夜は学校へ通い、母の世話にも忙しいサイちゃんこと才谷駿。
自由になれるのはハンドボールをしている時間だけ――しかし大事な公式戦を前に、母親がまた自殺未遂を起こしてしまうのだった。

明日のない空 (ビッグコミックス)/塀内 夏子
¥550
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明日のない空 2 (ビッグコミックス)/塀内 夏子
¥550
Amazon.co.jp

(なんで画像がないのじゃ!!)



ううーむ。


サイちゃんとこは母子家庭というよりは、無理心中の生き残りなわけですが、今回明かされたところによると「無理心中というよりは殺人事件」であったそうで。
サイちゃんママが立ち直れずに自殺を繰り返すのは、夫が子供たち(つまりサイちゃんの幼い弟妹ですね)を手にかける現場に居合わせてしまったから、なのですね……。



悲惨すぎるエピソードなのですが、しかし。
どう考えても全編にわたって引きずりそうなこの問題、意外にも主人公は80ページ目くらいで立ち直ってしまうのですよ。
なんかもうスゴイ。
サイちゃん、いや塀内センセーってスゴイ。



――自分は死を選んでおきながら、俺には強く生きろて言うんか。



弟たちを道連れにしながら自分を置いていったのは、つまりそういうことなのだろう。父親はもういないのだから、最後の愛情だと受け取るしかないじゃないか、と。


こ、これはねえ、普通であれば物語の最後の最後にようやく脱け出して出てくる結論だと思うのです。
フツーだったら、いやフツーフツー言うのはよくないか、私であったなら、かなりの時間を経なければ、父も、そして自分に負担ばかりかける母のことも、赦してなんかやれないと思うのですよね……。



ううーん。これが良いのか悪いのか、本作のタイトルは「明日のない空」ですが、登場人物たちは苦労しながらもみんなとっても良い子たちで、思いやりがあって前向きで、あまり絶望というものを感じさせないのです。
いや、そーゆー子はいいよ。好きですよ。
でも本作のようなお話で、それでいいのだろうか?



後半の「ガッツの姉・瑶子ちゃんがキャバクラデビューする? どうしよう!」のエピソードにしてからも、手に手をとってウフフアハハ逃亡という、わけわかんないくらいの明るい決着がついちゃってますけど、いいのかそれで。

あえて「辛く苦しく恵まれていない青春」という状況を選んでいるわりには、作風のせいかさっぱり暗くも悲惨にもならないこのお話。
これでいいのだろうか……。
ハンドボール話もあまり今後の発展があるようには思われないし、どうするのだろう……。



(たぶん塀内センセーご自身の個性として、いつまでもウジウジグズグズ悩むとか苦しむとかが無いのだろうな……骨太だな……)





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世継ぎもなく失政を重ね続けた綱吉の苦しみに満ちた治世は終わり、時代は家宣の天下へ――

しかし民衆に歓迎されたその将軍は、わずか三年で急逝してしまうのだった。



大奥 第6巻 (ジェッツコミックス)/よしなが ふみ
¥650
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男女逆転の社会がどうこう言う以前に、一巻分のページ数の中で、中高年の恋愛を何組も見せられるのはキツイ……。
なんつーか画面的にもキツイ……。



いきなり日よったことを言ってすみません、そもそも男女のながーい時間を追った上でやっと結ばれた恋なので、もうちょっと感動的なことが言いたいのですが、読み手である私自身が恋愛体質ではないせいか、右衛門佐の一世一代の大告白

「男と女っつーものは子づくりだけが全てじゃないじゃろ! 愛じゃろ!(←たぶん)」

も、わたくしには

「性交の目的は子作りだけでないじゃろ!!」

としか読めずに、(えー、このトシでなんでそんなに元気なの……)とゲンナリしてしまいました。いやむしろ純愛なんですけども。分かってはいるのですけども!



ええー、そういうわけで中高年うんぬんはさておき(置くと語るとこないのでは)、
あいかわらず「で、なんで男女逆転時代劇なわけなのだろう」というあたりがワカラナイ読者のわたくしですが、
今回の間部さまの活躍などを見るに、やはり「女性に男性としての社会的立場を与えたらどうなるか」とゆーかなりフェミニン(フェミニン?)な問題提起あるいは思考実験なのかもしれないですね。


だがしかしその結果、かなりしょっぱいことになっておりますが……。


何と言いますか、巻を重ねるごとにキツくなってきて楽しめなくなってきました。

私みたいな夢みがち? な人間には、こういう権力に群がる男女の業なんてものは胃にもたれる……もっとスウィート感のある物語でないと消化できないといいますか、だったら読むなという話ではあるのですけど……うーん、一巻くらいの雰囲気の、痛快時代劇がよかったですね。


映画化されている本作ですが、映画のほうは1巻ベースのような物語になっているのでは、という気がします。というかそれ以外にやりようがないよなー、これは……。


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突如として始まったカタストロフィ――異星文明からの攻撃に、人類はひたすら逃げ惑い、虫けらのように蹴散らされる。
混乱の中を逃げる玄野たちは、見知らぬ男たちに強制召集され「敵艦へ潜入し、情報を持ち帰れ」という命令を受けるのだった。
「GANTZ」とは、このための準備だったのか?

GANTZ 29 (ヤングジャンプコミックス)/奥 浩哉
¥650
Amazon.co.jp

これまでにも少しずつ日常崩壊の予兆はあったものの、前巻での


異星人来襲! ちゅどーん!



には心底ビックリしましたよ……。うわアメリカなんか一瞬で消えてるし!

これまでの「GANTZ」では、「限定された時間と空間の中でのミッション」がとてもオソロシく、しかしそこがいい! なんかすぐ隣で起こってそーなリアルさがいい! という物語であったのですが……。
奥せんせー思い切ったな! 
フェイクで入れていた陰謀ネタではなく、異星人ネタとは!!



そしてその「異星人」の設定がなかなかイイのです。
私が今まで読んできたSFでは、「異星人」というと「まったく違う進化をとげた、人類とはまったく違う生き物」であることが多かったものですが(ありますよねー、違いすぎて人類が生きているとは認識できなくて攻撃してきたりとかさ)、今回のGANTZに登場した異星人は、奇妙に人類ぽいのです。

基本的な姿形とか、目も鼻も口もあるところとか、とてもとても人類に似ている。
艦内の建物なども、まるで地球の都会みたいな見慣れた雰囲気で。
似ている。でも違う。
その似ているようで違うところが、キモこわいのですー!!
ううーむ、さすが奥せんせい。



しかし、以前の後書きで「この物語を読んでいる人を、遥か遠くに連れて行ってあげたい」などと志高いことを書いていらした作者さんなので、侵略される絶望感だけで終わるのではなく、「この先」がまだあるのだと思っております。
異星人が人類に似ているのではなく、逆なのかもしれないしなー。
まだまだ分からないところがたくさんで、楽しみです!





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W杯アジア最終予選、低迷する日本代表チームは窮地に陥っていた――勝利を託されたヘルマン・ヴィーズラーは、残り試合の全権限を条件に新監督へと就任する。
「代表を選び直す時間は無い、FWをひとり入れる」
ヘルマンが選んだFWは戌井凌駕、6年前に乱闘事件の果てに日本サッカー界を追放された、札付きの選手であった。

コラソン サッカー魂(1) (ヤングマガジンコミックス)/塀内 夏子
¥580
Amazon.co.jp


コラソン サッカー魂(2) (ヤングマガジンコミックス)/塀内 夏子
¥580
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こ、これは!
塀内センセーのサッカー漫画! しかも日本代表が題材ですよ!
だけども正直なところ、サッカーの漫画でなく、漫画のサッカーだと思ってお読みになったほうがよろしいかと……。



いえ、いまどきのサッカーファンなどには、これはリアルなドラマだとは感じてもらえないと思うのですよね……。

ダメダメ代表チーム(でも俊輔みたいな天才なひとはいる)、
腐りきった連盟のお偉方(しかし小物すぎる!)、
突然現れた、狂犬のようなFW(2巻のヘルマン発言で分からなくなったのですが、つまり戌井はどのへんが優れた選手なの……? まさかガッツだけとか?←ありそうだ。タイトルがコラソンだしな……)などなど。
分かりやすいといえば分かりやすい設定ですが、もーちょっとオトナな演出が出来ないものか。いや出来ないか。



いえ、なんつーかそのへんはもうこの際どうでもいい!



近年の塀内センセー漫画のなかでは、ギリギリ成立していると思うのです。
中でも、戌井凌駕というチンピラ狂犬主人公は、なかなか魅力があると思うのです。
というわけで、わたくしこの漫画を、

「戌井凌駕とゆーツンデレ主人公がチームに認められていく課程を楽しむ漫画」

として読むことにしました!



3巻もガツガツぶつかってくれるといーなあ……。



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いつもいつも自分だけが恋の相手に選ばれない、
働くばかりで歳をとるのが怖い、
学校の友達と同じフツーでいたい、


――女たちの本音を描く、全6篇の連作オムニバス。



HER (Feelコミックス)/ヤマシタ トモコ
¥680
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「『君に届け』の椎名軽穂推薦! これだから女の子って可愛い!」
というオビの文句は、いくらなんでも本作とはかけはなれすぎなアオリなんじゃねえのと、まあ購買層を広げるという目的は果たしているのかもしれませんが、しかし間違ってもそーゆーキラキラ少女まんがだと思って購入してはいけませんのでご注意を。


えー、本作はアレですね、コンセプトとしては、よしながふみ「愛すべき娘たち」のような、女子の生きにくさのアレコレを描いた、連作短編集です。



せっかくですので、一篇ずつの感想を。



CASE.1

モテ服なんて馬鹿みたいだけど、でもモテたいんだけど、なんであたしだけがいつも選ばれないの! とイライラカリカリしがちで、周りの男連中からはコワイと思われているらしい、井出さん(25歳)アパレル勤務。


あー、この愛されたい焦燥感は、若いときにはありがちだなー記憶にあるなあ! と思ってしまう、オープニングのイデさん編。
しかしですね、彼女のこの悩みは年齢とともに消えていくものなので(彼氏できるにしろ出来ないにしろ、焦っていられるステージはそう長くない……)、頑張れ! とエールをおくりたくなりました。



CASE.2 

毎日毎日、客とのコミュニケーションだけでお腹いっぱい。恋なんて出来ない。このままひたすら働いて歳をとって死ぬの……? という、美容師・小野房さん(31歳)。


はたから見ると、仕事に満足している安定した大人のようで、実はすりきれそうな毎日に疲れはてている彼女、ふとした瞬間に、常連客の不幸を妄想してしまったりするわけです。


……あるよね! だいたいさー、毎日生きてるってだけで疲れるよね!

でも60歳くらいの人が「30になった時にトシとったなーと思ってたけど、今から考えりゃ全然若いよ! あとになってみればあの時は若かったって思うことばっかりだよ」とか言ってましたので、あんまりトシをとることを怖がらなくていいのだそうです。(……と小野房さんに言ってあげたい。)



CASE.3

フツーでいたい。まだ処女なんてヘンだから隠さないといけないし、園芸好きなんてヘンだから秘密にするし、ダサい名前が大嫌いで、そして皆とおそろいのシュシュは絶対つけなきゃだし、という西鶴さん(16歳)。なのに偶然見かけた隣人のタケヤマさんは、年寄りなのにレズなのに、全然「ふつう」でないくせに、なぜだか堂々としていて……?


かわいいお話だなー。私はコレが一番好きで、もうちょっと長編で読みたいくらいです。

この物語のタケヤマさんのような「世間からは外れているけど、でも大切なことを言ってくれる年長者」て、なかなかいねえよ! 西鶴さんはラッキーだよ!




CASE.4

お洒落しない化粧もしない、だけど性欲だけはあって、行きずりの男と簡単に寝てしまう、そんな地味系会社員・西浦さん(34歳)。彼女を今も苦しめるのは、かつての母の不倫で……。


こ、これは分かんないわ……。不倫してた母へのあてつけ(?)で、女らしく装うこともなく、しかし性的には自堕落な生活をおくってしまう西浦さん。ううーん、彼女の母へのこだわりと地味な服装のところまではともかく、江古田ちゃん的ビッチ生活をするのがよくワカラナイ(自宅暮らしだしさ)。
というより、なんとなく彼女のコレは甘えではないかと思ってしまうなー。
「いいかげん許してやれよ母親の一時期の気の迷いくらい、いい歳していつまでも親を理由にするなよー」という気がしてしまいますね……。




……というわけで、息切れしてきたので、あとの二篇は省略で(オイ)。
しかしなー、作中で言われる「娘に訪れるすべての幸福も災厄も母親に由来する」というのは、正直なところ私にはよく分かりませんでした。うーん、それはかなり密接な母娘関係がある場合じゃないかなー……。


良くも悪くも、私自身はそういった「母親の呪い」みたいなのは実感したことはないですねえ。どちらかといえば父のほうがアレな人なので、そっちの呪いのほうがあるせいかもしれませんが……。

そうそう、そういえばこのまえ実家へ顔を出したところ、うちの母は「聞いてよ! この子の目の高さで歩いてみたら、もー首が疲れるったらないのよタイヘンよー! だから私最近は首のマッサージしてあげてるの」とか言って、得意げに犬の首のマッサージしてましたよ……。
アレ? もしかして私が母親にとくに執着されて(愛されて?)ないだけのことかも……!!(←気づくのおそい)





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