潤くんの腕の中にいる私。
ドクドクとお互いの胸の鼓動が聞こえる。
「うん…」と返事をするのが精一杯だったけれど…
ああ…
好きって…こういう気持ちなんだと知った。
元カレを大好きだと思っていた自分の気持ちを…今思えば、それは…
友達からスタートした恋。
’結局誰でもいいのな‘
その言葉に傷付いて、嫌われたくなくて。
だから必死で嫌われないように尽くしてきたの。
尽くして尽くして…それが恋だと…恋愛だと…
私は彼が大好きだからそうしている。
いつの間にか自分で自分の感情を勘違いしてしまっていたんだ。
会えばドキドキする。
触れたいと思う。
その人の前では可愛くいたいと思うし、緊張で胸が張り裂けそうになる。
恥ずかしくてたまらなくて…でもやっぱり好きで。
潤くんに感じているこの感情は嘘じゃない。
『やっと認めたな。フフ』
潤くんに抱き締められながらどんどん満たされていく。
『清楚な、健気な、可愛いタイプか。フフ』
「何それ?」
『家庭的な?フフ』
「…?」
『ん?こっちの話。フフ』
…?
潤くんの胸に顔を埋め、顔が見えないでいるけれど、潤くんが抱き締める腕の力が強くなるのを感じた。
後から知る。
それはまーくんの言葉だってことを。
『じゃあ…とりあえず飲もっか?フフ』
「あ、うん…////」
やっとほどかれた腕。
今、この瞬間から彼氏と彼女?
とんでもなく不思議な気持ちだった。
潤くんは案外普通で仕事のこととか、趣味とか?あとは友達の話も、飲みながらたくさんしてた。
そんな潤くんに徐々に私の緊張もほぐれる。
『んで?クリスマスどうする?』
あ…/////
そうだった
「ま、任せる」
『じゃあ、麦ちゃん家ね?』
「あ、うん。じゃあご飯作るね。」
まーくんには…私からちゃんと話そうと思う。
ずっと私を見ていてくれた人だから…
「みんなにも言わなきゃね…」
『俺から言っとくよ。』
「ううん、私からちゃんと言いたいな…またみんなでお鍋でもしよう?」
『じゃあ…スケジュール確認しとく。フフ』
まさかこんな日が来るなんて…
つい、一月前には想像もつかなかった。
こんな日が来るなんて…
『あ…』
「ん?」
ちゅっ…
潤くんは軽く触れるだけのキスをくれたんだ。