こちらで長く紛れて暮らしていると、色々な中国人の習慣を目にするわけですが、中でもこの「おすそ分け文化(私が勝手に命名)」というのを見るにつけ色々と考えさせられます。

幼稚園にもいかないころから、子供達は遊び場でお菓子の交換などを(保護者を介在して)スタートします。ちょっとしたものでも、何か食べるときは、周りの人にも声をかけるのが「礼儀」のようです。

私のものはみんなのもの。

一事が万事そうではありませんが、そういう思考を育んでいるのではないかと推察しています。

また、例えばご飯中に誰かが家に来た時。
もしくは子供の友達が遊んでいてご飯の時間になった時。
明らかにその人の分がないとしても、
「一緒に食べようよ。」
と言います。
(そして相手は遠慮する。)

自分だけ食べるのは恥ずかしいとさえ考えている感じです。

「ご飯食べた?」が挨拶であるのと同様、食べる事を大切にする中国人の気遣いなのだろうと思います。
(話は逸れますが、時間通りにご飯を食べるのは、胃腸に大変いいことだという実感があります。日本にいた時は胃痛の常習犯だった私が中国に来てこちら風に暮らすうちに胃痛を起こさなくなりました)

こういう文化が、いい意味での遠慮のなさ、というか、他人との距離感につながっているような気がするんですよね。

娘は昼休みをとある預かり施設で過ごすのですが、国慶節休みでパパの実家に行くのでそこの名物「潮州牛肉丸」を持ち帰り、預かりのみんなと食べたいと言い出し、夫が、「そうかそうか」と手配しました。

先日預かりの先生に持って行きまして、
「みんなでお昼に食べてください」と渡したのですが、今日のお昼ご飯に出してくれたようで、
{CC5368B4-7209-4022-A168-F717ED62CFCC}

預かり施設のグループチャットで先生が連絡してきました。すると、見知らぬ保護者からも含めて、
{62A31BD5-F3B1-46EF-B1A4-3F15CEEFDD20}

ばばーっとお礼のメッセージをもらい、肉団子でこんなに盛り上がっていただけるのなら…とこの距離感がややくすぐったくもあり…。

勿論きちんとしたものを渡しているので、誰かがお腹壊したりとか、そんな心配はないですが、万一を考えたり、勝手に食べ物を見知らぬ子供も含めたある集団に提供するというのは、私的にはひるむところですが、夫をはじめ、預かりの先生もあまり気にしないようです。

そして放課後、預かりの友達と遊んでいた娘は、友達(とそのママ)に誘われて近所のモールに行くことに。
もらったら何かお返しをという事ですね。

こういう応酬は沢山あると面倒なのですが、でも、先を見越して遠慮して何のアクションも起こせないよりいいもんだなと最近は思っています。