「物乃本や」は、江戸時代の書店でした。
「物の本によれば、、、」ってなんのこと?
いまは、こういう言葉はほとんど目にしませんが、
何かの本から引用したときに、「物の本によれば」とか「物乃本によれば」なんて言葉が以前はよく使われていましたね。この言葉って何だろうとずっと疑問でしたが、
先日、「これは元々は昔の本屋のことで、そこから、書物のことを言うようになったんだよ」と、絵図を知らせてくださいました。
江戸初期の京都の名所記『京雀』(浅井了意、1665)に描かれているものです。図に「物乃本や」と出ています。京都の町のガイドブックですね。
京都は当時から観光地だったんですね。
「申す。えー、中国の古典なんじゃが、『仏説般若波羅蜜多心経賛』を探しているんじゃがのー」
「おいでやす。これかいのー」
とでも言っているように見えるのは私だけでしょうね。
子細に見ると、僧侶が和綴じの本を手元に持っていますね。
「広島から来たんじゃがー、やっぱり京都じゃのー。おおきに」
昔は、本は、一般の人よりも僧侶とか朝廷や藩の学殖者など特定の人だけのものだったようです。
寺町通とありますが、この通りには江戸時代から続く老舗の専門古書店も多く、出張帰りにこっそり趣味の本を漁ったものです。今も健在でしょうか?
絵入りの草草紙や絵草紙、名所図絵や道中記、浮世絵、枕絵など、庶民が安価に買えるようになったのは、木版印刷が盛んになったもっと後のことでしょうか。
上は、江戸後期の東海道五十三駅道中記。双六(すごろく)ですね。
いまでいうカラー写真・イラスト入りチラシ。レイアウトもいいと思いません?
グラフィックデザイナーなんていないですよね。
どういう人がデザインしたんだろう?


