Zガンダム メモリアルボックス版

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 今日は週刊マガジン連載中の「チェンジング・ナウ」の紹介の予定でしたが、予定を変更して、「機動戦士Zガンダム ― メモリアルボックス版」を紹介します。
 なぜって、こっちの方が高いから。

 私は年代的に、初代ガンダム世代なのですが、一番好きなのがZです。もう、ガンダムなんてZの前座です。偉い人には、それがわからんのです。

 ってな訳で、個人的なZガンダムの見所は、主人公カミーユ・ビダンの自称ライバル「ジェリド・メサ」でしょう。

 カミーユの名前を聞いて、「女の名前なのに」と呟いたら、カミーユにいきなり殴られた、ジェリド。
 女性のライラ大尉に挑発されて、殴りかかるも返り討ちにあう、ジェリド。
 何度もカミーユを追い詰めるも、邪魔が入ったりして止めをさせない、ジェリド。
 最後の最後にカミーユに挑むも、あっさりと蹴散らされる、ジェリド。

 そんな、ジェリドの勇姿が見れるのは、Zガンダムだけ!




タイトル: 機動戦士Zガンダム Part I ― メモリアルボックス版




タイトル: 機動戦士Zガンダム Part II ― メモリアルボックス版




タイトル: 機動戦士Zガンダム Part III ― メモリアルボックス版
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第二章 虜囚・2

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「リックス、いるか?」レインはリックスの部屋へと忍び込むと、そう小さな声で聞いた。
 が、声は返っては来なかった。リックスはここには、いないのである。そのため、静まり返ったリックスの部屋には、外の雨の音だけが響いていた。
 レインはしばらく考えていると、ゆっくりと壁に掛かっている肖像画に近づいていった。そして、その肖像画の裏を調べると、レインは手紙を見つけた。
 その手紙は二枚あり、一枚には地図が描かれてあった。そして、もう一枚には、こう書かれていた。

“レインさん、済みません。今夜は、急の警護を言いつかったので、エルミさんの所には案内できません。
 ですが、どうしても、今夜、エルミさんを助けたいのならば、地図を書いておきましたので、それを頼りにエルミさんの所まで行って下さい。
 呉々も、あのキサラギ殿にだけは、気をつけて下さい。昨夜、あなたが追われていた、あの黒服の男の事です。
 成功を祈ります、リックス”

「しょうがねえな。一人で行くか」レインはそう呟くと、リックスの部屋を静かに出ていった。
 そして、廊下に出ると、レインは廊下を左へと歩いていった。運良く人の気配は無く、レインは誰にも見つかる事も無く、上への階段へと辿り着く事ができた。
 その階段をレインは登ると、下と同じような廊下へと出た。レインはその廊下を今度は、右へと歩いていった。すると、すぐに上への階段へと辿り着き、レインはその階段を登っていった。
 そこは三度、下と同じような廊下であった。その廊下をレインは右へと歩いていった。そして、しばらくして、レインは城の奥へ続く横道へと出くわした。
 と、その時、その横道から誰かが歩いてくる足音を聞いて、レインはすぐ側の部屋へと飛び込んだ。そして、レインはその部屋の扉に耳を押しつけると、その足音に神経を集中させた。
 その足音はゆっくりとレインのいる、部屋の前を通り過ぎていった。それを聞くと、レインは息を大きく吐き出し、その足音が完全に消えてから、廊下へと出ていった。
 そして、レインは城の奥への横道を歩いていった。しばらくして、レインは下への階段へと辿り着き、その階段をゆっくりと降りていった。
 その後、レインは左右と前方に伸びている、廊下を左へと歩いていった。そして、しばらくして、レインは右手に並んだ扉の一つを開け、ある一室へと入っていった。
 その部屋は豪華な部屋であり、どうやら、来賓用の部屋のようであった。そして、その部屋に負けない程の豪華な寝床には、ふかふかの敷布と掛け布団があり、その中でエルミが静かな寝息を立てていた。
 その寝顔をしばらくの間、レインは見詰めていた。そして、すぐに我に帰ると、レインは頭を左右に振った。
「おい、エルミ。起きろ」レインはエルミの肩を軽く揺すりながら、そう静かに言った。
 すると、ゆっくりとエルミが瞼を開いた。その瞬間、レインは心臓が高鳴るのを覚えた。
「よ……、よう。助けに……、来たぜ」レインはどぎまぎしながら、そう言った。
「あなたは……、誰……?」と、エルミが口を開いた。
「え……?」その瞬間、レインは呆気に取られてしまった。
「な……、何を言ってるんだよ、エルミ? 俺だよ、レインだよ」
「わからない……。あなたは、私を知っている。でも……、私は何も知らない……。自分の名前さえも……」エルミのその声は、言い知れぬ悲しみに満ちていた。
「くそったれ……! エルミの記憶を消しやがったな!」レインは歯を食い縛ると、そう憎々しげに言い放った。
「優しい人……。でも、あなたの心には、悲しい影が潜んでいる……」そのエルミの言葉は、レインの心臓を貫いた。
「エルミ……、ここを出るぞ」そう無理に声を出すと、レインはエルミの右腕をつかんだ。
「あ……」次の瞬間、レインはエルミの右腕を離した。そして、その場に崩れ落ちてしまった。
(ディゼ……)
 レインは右手で左腕をしっかりとつかむと、じっとその左腕を見詰めた。すると、いつの間にか、その左腕が滲んでいった。そして、いつしか、レインは大粒の涙で床に敷かれていた絨毯を濡らしていた。
 エルミは掛け布団を上げると、寝床を椅子代わりにして座った。そして、そっとレインの頭に両手を添えると、ゆっくりと優しくそれを抱き締めた。
(可哀相な人……)
 と、エルミの頬を涙が伝わり、レインの背中へと落ちた。すると、レインはエルミの手を取り、ゆっくりと顔を上げた。
「エ……、ルミ……」レインはそう呟くと、ゆっくりと崩れ落ちていった。
 そのレインの背中には、目に見えない程の細さの針が突き刺さっていた。と、レインの背後の壁が膨らみ、黒服の男が姿を現した。
 その黒服の男、キサラギは壁の色と同じ色の布を畳み込んで懐に仕舞込むと、ゆっくりとレインへと近づいていった。エルミはそのキサラギを恐怖の色に染まった目で、見詰めていた。
「エルミ殿、悪夢はもう終わりで御座います。ゆっくりとお休み下さい」そう言うと、キサラギは右手の人差し指と親指を軽く擦り合わせた。すると、その二本の指の間から煙が立ち上り、ゆっくりとエルミを包み込んだ。
 と、エルミは力無く寝床へと倒れ込んだ。そのエルミをキサラギは寝床へときちんと寝かしつけると、掛け布団を静かに掛けた。
 その後、レインを抱え込むと、キサラギは音も無く部屋を出ていった。そして、エルミの眠る部屋は、再び、静けさに包まれたのであった。
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取り換え子

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「金さえ積めば、ドラゴンだろうと始末するそうだな?」村長が目の前の男に、尋ねる。
「報酬は高いがな」男がそう、興味無さ気に答える。
「大した仕事ではない。十五の子供一人を殺して欲しいだけだ」
「聞いてないのか?」それを聞いた男が、眉を顰める。
「何をだ?」
「俺は人殺しの仕事は受けない」そう言うと、男は部屋を出ようとする。
「待ってくれ。なら、大丈夫だ。奴は、人間じゃない。妖精だ」
 その村長の言葉に、男は立ち止まる。そして、しばらくの沈黙の後、男はゆっくりと振り向いた。
「取り換え子……、か。親は何と言ってる?」
「自分の子供が妖精に取り換えられた事に気づいてから、精神的におかしくなり始めてたらしくてね。今まで、周りに気づかれないようにしていたんだが、とうとう……」
「村の人間で、知っているのは?」
「わしだけだ。で、引き受けてくれるのか?」
「その子はどこに?」
「奴の家は、ここの向かい。そこにいるはずだ」
「そうか」男はそう答えると、部屋を出ていった。

「こっちに来ないで。ひ、人殺し……」
 少年が後退りする。背後は、壁。それ以上、逃げる事は出来ない。
「人殺し? おまえは人なのか? 妖精ではないのか?」
「そ、そんな事……、言ったって……」
「どうなんだ? おまえは人間なのか? 妖精なのか? 人間として生きるのか? それとも、妖精として生きるのか?」男がそう問い詰めながら、少年に近づく。
「妖精として生きるのなら、この村を出て、人里離れた森にでも行け。だが、人間として生きると言うのなら……」男はそう言うと、腰の剣に手を伸ばした。
 少年はそれを見ると、男の目と腰の剣を交互に見た。そして、震えながらも、意を決したように、口を開いた。
「僕は……、妖精なんかじゃない。人間だよ」
「そうか。ならば……」男はそう言うと、ゆっくりと、腰の剣を引き抜いた。

「なぜだ? 耳の尖っている部分を斬った所で、いずれ元に戻るのではないのか?」仕事の結果報告を聞いた村長は、少々不満げにそう聞いた。
「傷口を火で焼いた。少々、見栄えは悪くなるが、元に戻る事は無い」
「だが、奴が本当に人間になった訳ではあるまい?」村長は納得しない。
「奴は人間として、生きる事を選んだ。それで充分ではないのか?」
「確かに、奴の親は正気を取り戻した。そして、本当の子供が帰ってきたと思い込んでる」そう、村長が肩を竦ませる。
「それに、俺は人間を殺さないと言ったはずだ」
「奇麗事だな」そう言うと、村長は男に金貨の入った袋を投げつけた。
「ああ。だが、これは俺が、決めた事だ」
(そう。人間として生きる事を選んだ時に、な)
 袋を手に取ると、男は黙って部屋を出ていった。
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ハンニバル戦記

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 特攻野郎Aチームでお馴染みのハンニバルとローマとの戦いを中心に、第一次ポエニ戦役からカルタゴ滅亡までを綴る一冊。

 強大なローマ連合に、ハンニバルがいかに挑んだのか?

 稀代の名将ハンニバルの進攻を、ローマがいかに凌いだのか?

 その全てが、この一冊に。

 どこの馬の骨ともわからない人間の小説を読む暇があったら、これを読もう。

 文庫本も出てますが、ハンニバルとローマに敬意を表し、こちらをお勧めします。
 三分冊になった安い文庫本が欲しい人は、勝手に探して買って下さい。



著者: 塩野 七生
タイトル: ローマ人の物語〈2〉― ハンニバル戦記

第二章 虜囚・1

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 レインは夢を見ていた。それは、レインの決して思い出したくなかった、忌まわしい過去の再現であった。
 夢の中で、レインは野原で大の字に寝転び、満天の夜空を見詰めていた。夜の涼しげな風がレインの頬を撫で、草や木が静かに佇んでいた。
 静かな夜であった。まるで、この世には自分一人だけしか存在しないかのような気分に、レインがなりつつあるほどの……。
 と、そのレインの思いを消し去る声がした。それは、最愛の妹のディゼの泣き叫ぶ声であった。
「なっ?」レインは飛び起きた。
 そして、しばらくの間、茫然としていると、レインは一路我が家へと駆け出していった。やがて、レインの母と父の声もその耳に入り込んできた。それは、どちらも悲痛の叫びであった。
 レインは焦り出していた。何が家で起きているのか、レインには見当がつかなかった。が、今のレインには急いで家へと帰る事しか、それを知る術は無かった。
 やがて、レインは血の臭いを嗅ぎ取った。それは、決して嗅ぎたくはなかった、非常に嫌な臭いであった。
「親父! おふくろ! ディゼ!」思わず、レインはそう叫んでいた。
 そして、レインはようやく、自分の家へと帰り着いた。そこには、信じられない光景が広がっていた。
 入口の扉は破壊され、その近くに四体の馬が繋がれていた。血の臭いはその入口より漂ってきており、そこからは人の争う喧噪が聞こえてきていた。
 レインは躊躇った。そして、言い知れぬ恐怖に吐き気と目眩を催し、レインはゆっくりと崩れ落ちた。
「おかあさん……!」と、その瞬間、ディゼの悲痛の叫びが聞こえてきた。
「ディゼ!」次の瞬間、レインは立ち上がり、家へと飛び込んでいた。
 そこには、レインの父親と妹のディゼ、そして、四人の不気味な仮面をつけた男達がいた。その男達の足下には、無残な姿と化したレインの母親の姿もあった。それは、レインが一番見たくない光景であった。
 四人の男のうちの一人が、血に染まった一本の剣を握り締めていた。その血は、正しくレインの母親の血であった。
「おふくろ?」レインはそう叫んだ。
「レイン?」レインの父親はそのレインを見ると、そう驚きの声を上げた。
「おにいちゃん!」と、ディゼの顔が明るくなり、そして、再び暗くなった。
「何奴?」四人の男がそうレインの方を振り返る。
「う……、嘘だろ……? そうだよな……、親父? ディゼ? なあ……、おふくろ。冗談は止めて……、早く起き上がってくれよ……?」レインの声は震えていた。
「この家の者か……。ならば、生かす訳にはいかんな」そう四人の内の一人が言う。どうやら、この男が他の三人の指揮者のようであった。
「はっ」そう剣を握り締めた男は頷くと、剣を握り直してレインに近づいていった。
「逃げろ、レイン!」と、レインの父親がその男の胴体をつかむ。
「グシャナ!」そう指揮者らしき男が怒鳴る。
「はっ」そう男の一人、グシャナが答えると同時に短剣を引き抜き、レインの父親の背中に突き立てる。
「ぐあっ?」レインの父親の顔が苦痛に歪む。が、決して手を離そうとはしなかった。
「親父に、何をする!」そうレインが叫び、グシャナに飛び掛かる。
 が、グシャナはそれを軽く往し、レインを壁に投げ飛ばした。そして、レインの父親も振り解かれ、右腕を刎ね飛ばされてしまった。
「ぐっ?」そうレインの父親は呻いた。
「ふっ……。化物も痛みを感じるのか……?」そう指揮者らしき男が、レインの父親を見て呟く。その声には忌まわしい言葉を吐き捨てるかのような、悪意が籠められていた。
「親父?」レインが叫ぶ。
「行け……、レイン! ディゼを連れて……。急げ……!」そうレインの父親が、苦しそうに叫ぶ。
「くっ……。ディゼ!」レインは歯を食い縛ると、左手でディゼの右腕を引っ掴んだ。そして、ディゼを無理やり引っ張ると、右腕を大きく振り回して、レインは家を飛び出していった。
「おとうさん!」ディゼがそう泣き叫ぶ。
「逃がすな!」レイン達の後ろで、指揮者らしき男の叫び声がする。
 が、レインは後ろを振り返らずに、ただひたすら走り続けた。涙で全ての物が滲んで見え、ディゼの右腕の重さも感じられなかった。
 と、レインは立ち止まり、ゆっくりと左手に視線を移した。そして、その左手がつかんでいる、ディゼの右腕へと視線を移す。
 次の瞬間、レインは右手で目を抑えると、その場に崩れ落ちた。そして、レインは凍りついたかのように動かない左手から、ディゼの右腕を力づくで剥ぎ取った。
 その後、レインはゆっくりと左手を目線まで上げた。その左手は微かに震え、血の気が完全に無くなっていた。レインは一度両目を固く瞑ると、極めてゆっくりとディゼの右腕へと視線を移した。そこには、ディゼの右腕だけが力無く落ちていた。
「ディゼ!」レインは喉が潰れんばかりに、そう叫んだ。
 そこで、レインは目を覚ました。雨水なのか涙なのか、そのレインの顔は濡れていた。
 雨はまだ、降り続けていた。それは、まるで空が流した大粒の涙かのように、レインには思えた。

小遣い稼ぎ

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 基本的に、自分が買った物でお気に入りの物、自分が関わってない物限定で。

※思うまでも無く、騙されます

第一章 追手・6

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「だ……?」レインは無理に声を出そうとした。
「静かに……。彼に聞かれてはまずい」が、そう耳元で男の声がしたので、レインは口を噤んだ。
 しばらくの間、レインもその男も微動だにしなかった。やがて、部屋の暗闇に目が馴れ、レインは男の姿を見る事が出来るようになった。
 男はレインよりも多少年上で、誠実そうな顔立ちをしていた。髭は奇麗に剃られており、清潔な服装をしていた。
「もう、大丈夫のようですね」そう言うと、男はレインの口から右手を離した。
「おい……」レインは眉を顰めると、男を睨みつけた。
「ん……? と……、自己紹介がまだでしたね。私の名前はリックス、近衛隊長です」そうリックスは笑みを浮かべると、レインに右手を差し出した。
 レインはその右手を見ると、自分の右手を見詰めた。そして、握手をするべきかどうか、レインは躊躇った。
 リックスは無垢な子供のような笑みを浮かべたまま、右手を差し出していた。決して、何かを企んでいるようには見えなかった。が、ここは敵地であった。そして、リックスは自分の事を近衛隊長だと言ったのである。
(罠か……? だが……、俺一人捕まえるのに、そんな大掛かりな事はしないはず……)
 レインは疑いの眼で、じっとリックスを見詰めていた。と、それに気づいたのか、リックスが一つ溜息を吐いた。
「そうですね。警戒されるのも仕方がありませんね。ただし、一つ言っておきますが、私は少なくともあなたの敵ではありません。あなたはエルミさんを助けに来たのでしょう?」リックスは右手を引っ込めると、そう言った。
「その通りだ。なぜ、それを知ってる?」
「いえ、鎌をかけただけですよ」そう言うと、リックスは笑みを浮かべた。
 その瞬間、レインは腰の袋から血脈の短剣を取り出すと、リックスの喉目掛けて突き出した。が、リックスが後ろに飛び退ったため、それは空を突く事になってしまった。
「なるほど、それが血脈の短剣ですか。初めて、見ますね」血脈の短剣の刃の赤い輝きを見ると、リックスは興味深げに頷いた。
「怪しい奴め」そう呟くと、レインは血脈の短剣をリックスの目の前にちらつかせた。
(変な野郎だな。ここは、一先ず退散するか)
 レインはリックスの背後の窓を盗み見た。窓は開いていた。そして、レインはこの部屋が、さっき忍び込んだ部屋である事に気づいた。
 リックスはそのレインを警戒もせずに、じっと見詰めていた。その澄んだ目がレインを見詰め、レインは何とも言えない後ろめたさを感じてきた。
「逃げるのなら、私は追いません。そして、この部屋の窓も随時開けておきますから、いつでも使って下さい」と、リックスが口を開いた。
「なっ……?」レインは思わず、驚きの声を上げた。
「信じる必要はありませんが、私はあなたの味方です。次にあなたが来る時までには、エルミさんの居場所も突き止めておきます。私がいない時は、そこの肖像画の裏を調べて下さい。手紙をそこに、隠しておきますから……」
 レインは、髪を左手で掻き上げた。そして、血脈の短剣を腰の袋に仕舞い込むと、横目でシャミルと言う女性の肖像画を見詰めた。
 リックスはそれを、ただ黙って見詰めていた。レインにはそのリックスが何を考えているのかが、全く読み取れなかった。だが、少なくとも、嫌な予感だけはレインから消え去っていた。
 レインは溜息を吐いた。そして、決心した。リックスをほぼ全面的に信用する事を……。
「良いだろう。おまえを少しは信じてやる。だが、二つ聞きたい事がある」
「ありがとう。何でも、聞いて下さい」リックスがそう頷く。
「なぜ、俺が血脈の短剣を持っている事を、あの男は知っていたんだ? 普通なら、血脈の短剣を盗んだ盗賊が、のこのこ舞い戻るなんて考えられない。どうして、俺が戻ってくる事がわかったんだ?」
「え? あなたはエルミさんの仲間では、ないのですか?」
「違う。俺がエルミに会ったのは、血脈の短剣を盗んだ後だ」
「そ、そうなんですか……。私はてっきり、あなたがエルミさんと同じ……」
「ん? エルミと同じ、なんだって?」
「え? と、ああ、さっきの質問の答えですが、私にはわかりません。ですが、キサラギ殿は東方の人です。何かしらの呪術で、あなたの行動を予見したのでは?」
「そうか」レインがそう、少々不満気に言う。
(何を言いかけたんだ、こいつは? ふん。まあ、良いか)
「もう一つ、俺を手助けするって言うのは、帝国に刃向かう事になるんじゃあないのか? なぜ、俺を助けようとする?」
「それは……、まず、陛下と数人の軍師のある計画を知った方が良いでしょう。今、ここには、先ほどあなたを狙った東方諸国の一つナパ・ジェイのキサラギ殿、そして、南西のタリアの使者がいます」
「タリアの使者? あんな辺鄙な国が、何をしにこんな所に来ているんだ?」と、レインが驚く。
「三国間の情報を交換するためです。つい一ヶ月程前、ナパ・ジェイ、タリア、そして、この帝国とで、同盟が結ばれました」
「あ……? 同盟だ? そんな、遠い国同士で同盟を結んで、どうするつもりなんだよ?」レインがそう、人を馬鹿にしたような表情をする。
「思惑はそれぞれでしょう。タリアは国土を増やしたいがために、ナパ・ジェイは東方諸国を手中に収めるために、そして、我が帝国は東方諸国とタリアの周辺の国々を除いた全ての国々を手中に収め、世界帝国を築くために……」リックスはそう言うと、表情を歪めて下を向いた。
「ちっ……。ナパ・ジェイが隣のチェインに侵攻したのは、そう言った後ろ盾があったからか……」それを聞くと、レインは眉を顰めた。
「はい。ですから、無闇な戦乱を望まない私や数人の兵士達は、この計画を阻止しようと、計画を練っているのです。あなたを助ける事が、この計画を阻止する事になると、私は直感しました。なぜかは、私にもわかりません。ですが、あなたが血脈の短剣を盗み出し、エルミさんを助けに来たのも、何かの運命なのでしょう」
「わかった」そう頷くと、レインはすっと立ち上がった。そして、レインは窓へと歩いていくと、外へと身を乗り出した。
「俺の名は、レイン。明日の夜、また、来る。それまでに、エルミの居場所を調べておけよ? 言っておくが、これは命令だ。わかったな?」そう言うと、レインは外へと出ていった。
(忙しくなりそうですね。でも、陛下が言う通り、エルミさんは魔性の末裔なのでしょうか?)
 リックスはレインを見送ると、静かに窓を閉めた。そして、扉に向かって歩いていき、ふと、立ち止まって肖像画を見詰めた。
「シャミル……、もしかしたら、私達は結ばれなくなるかも知れないよ? だから、私を怨むなら怨んで欲しいな」リックスはそう、表情を曇らせた。
 そして、リックスは俯くと、扉を開けて廊下へと出ていった。雨はまだ、止みそうになかった。

スパム

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 ここ数年、頭の悪い件名のスパムが増えました。
 やっぱり、頭の悪い人だから、頭が悪い件名しか考え付かないのでしょう。

 後、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」も守っているメールは皆無に等しいです。
 やっぱり、頭の悪い人だから法律を守れないか、その法律を知らないのでしょう。

 でも、引っかかる人も頭が悪いんだから、これで良いのかも知れない。

 そう言えば、個人を装ったメールや、間違いを装ったメールは、広告メールには当たらないと言う逃げ道が使えるのだろうか?
 後、ねずみ講やマルチ商法の勧誘メールは、その他のスパムに駆逐されたのか、ここ数年見てないですね。

 そろそろ、画期的なアンチスパム技術が出現しない物だろうか?

第一章 追手・5

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 雨が降り始めてきた。その雨は大粒の雨であり、その雨音は全ての音を掻き消す程の大きさであった。それは、まるで嵐のようであった。
 この雨によって、夢の世界から引き戻された人々はその異常さに震え上がり、警備の任に就いていた帝国の兵士達は眉を顰めた。まだ、嵐の季節までは程遠く、この時期は雨すらも碌に降らぬ時期だったからである。
 この時期外れの嵐は、兵士達に不吉な予感を抱かせた。が、その中で、一人この雨に歓喜する者がいた。レインである。
 レインは魔性の森でその雨を気持ち良さそうに浴び、一本の大木の上から帝都ラルグーンを見詰めていた。その黒衣を纏ったレインの姿は闇と同化し、二つの目だけが暗闇の中に煌いていた。
「恵みの雨だ。へっ! 見てろよ、帝国の悪人ども! この正義の味方、レイン様がきさまらを出し抜いてやるぜ!」そう一声叫ぶと、レインは木の枝から飛び降り、疾風の如くラルグーンへと駆け出した。
 そして、ラルグーンへと入り込むと、レインは慎重に道を選び、且つ素早くその道を駆け抜けていった。レインは時には立ち止まり、兵士達の巡回が通り過ぎるのを待ち、時には音も無く屋根へと飛び乗り、屋根から屋根へと飛び移って、城へと向かって突き進んでいった。
 雨音がレインの足音を暗闇がレインの姿を覆い隠し、レインは何者にもその存在を悟られずに、城へと辿り着く事ができた。この大雨のため、城門の警備はさらに強化されてはいたが、それも焼け石に水であった。
(この大雨と暗闇の中の、たった一人の人間を見つける事なんか、不可能に近いんだよ)
 レインはその光景を見ると、馬鹿にするようにほくそ笑んだ。そして、城壁を易々と飛び越えると、レインは鍵の掛かっていなかった窓から、城の中へと忍び込んだ。その忍び込んだ部屋は明かりが無く暗く、人の気配は無かった。が、今まで、人がいたらしく、寝床の敷布と掛け布団が多少乱れていた。
(ちっ……。碌な物がありゃしねえ)
 レインはゆっくりと部屋を見回すと、眉を顰めた。この部屋の主は質素な性格であるらしく、部屋の調度品は窮めて簡素な物であった。
 と、窓の向かい側に扉があり、扉に向かって左手の壁に一枚の肖像画が飾ってある事に、レインは気づいた。その肖像画は一人の女性の絵であり、その女性の名前が額縁に刻まれていた。
「シャミル……、か……」その肖像画を見ると、レインはそう呟いた。
(母親じゃあないな。恋人か、婚約者か……。それとも……)
「妹か……」レインはそう呟き、直後、頭を強く左右に振った。
 と、レインは肖像画から目を逸らすと、ゆっくりと扉へ近づいていった。そして、扉の目の前まで来ると、レインは扉に耳をつけて外に人の気配が無い事を確認し、ゆっくりと扉を開いた。そこは廊下であり、人の姿は無かった。
 その不自然な程の静けさを壊さないように静かに扉を閉めると、レインはゆっくりと左右を見た。右にも左にも、同じように扉が続いていたため、どちらが城の奥への道かは、レインには一概にはわからなかった。
(地下牢なら、その名の通り地下だろうが……。女を牢屋に放り込む訳には、さすがにいかないだろう。見張りつきで、どこかの部屋に監禁が、妥当か)
 暫くの間、レインはどちらに向かうか考えていた。が、一度は入り込んだ事があるとは言え、レインには向かうべき場所がわかるはずも無かった。
『左だ……』
 と、突然、何者かの声がしたような気がし、レインは鋭く左右に視線を向けた。が、何者の姿も見出す事はできなかった。
(気の所為……、か?)
 レインはしばらくの間、廊下の左の方を見つめていた。そして、意を決したかのように頷くと、レインは歩き出した。
(どちらに行こうが、同じだ。左に行けってんなら、行くまでだ)
 レインは小走りに廊下を進んでいき、やがて、上への階段を見つけた。まだ、廊下は続いてはいたが、レインは階段を腰を屈めてゆっくりと登っていった。そして、登りながら、レインは腰の短剣を引き抜いた。
 やがて、階段が終わりに近づくと、レインはゆっくりと顔を上げた。そして、上に人のいない事を確認したすると、レインは上の階へと上がり切った。そこは、下と同じような廊下であり、等間隔に扉が並んでいた。
(ここも……、下と同じ兵士達の宿舎だな。しかし……、いやに静かだな……。嫌な予感がしてきやがるし……)
 レインは眉を顰めると、耳に全神経を集中させた。が、何の物音も聞こえてきはしなかった。と、その時、鼻を刺す異臭を嗅ぎ取り、レインは口と鼻を押さえて後ろへと飛び退いた。
「へ……? うわっ!」飛び退いた先に下への階段があり、そのため、レインは下の階へと転げ落ちてしまった。
「ぐっ……」と、レインが床に頭を打ちつけ、両手で頭を抱えたまま動かなくなる。
 そのレインの目の前に、上の階から一人の黒服の男が舞い降りてきた。その男は顔も黒い布で隠し、目だけが見えていた。そして、その腰には一本の小刀の鞘が、黒服とそれを絞める黒い布の間に突き刺さっていた。
「面白い御仁だ。慎重且つ、大胆な行動を取る」黒服の男はそう呟くと、ゆっくりと屈み込もうとした。
「ていっ!」その瞬間、レインは仰向けになり、両腕を土台にして黒服の男目掛けて両足蹴りを食らわせた。
 そして、その反動を利用して後ろに宙返りすると、レインは短剣を構えて立ち上がった。黒服の男はそれを見るとゆっくりと立ち上がり、蹴られた腹の汚れを手で払い取った。
「そして、機転が利き、その二つの瞳は野獣の如き……。面白い」そう笑みを浮かべると、黒服の男は腰の短剣を引き抜き、ゆっくりと逆手に構えた。
(ちっ……。ナパ・ジェイの暗殺集団、シルヴァか……!)
 それを見ると、レインは嫌な顔をした。そして、ゆっくりと横目で左右を見る。どちらにも人の気配は無く、さっきと変わらず静けさを保っていた。
 黒服の男はそれを見ると、小刀を後ろ手に構え、左手を懐に忍ばせた。そして、少し腰を下げると、黒服の男はレインを見詰めた。
「血脈の短剣とやらを渡すが良い。さすれば、命だけは助けよう。今から鍛えさえすれば、御主は良いシルヴァとなろう……」
(……? なぜ、俺が血脈の短剣を持っている事を知ってるんだ? ちっ。今は、それ所じゃないか)
「その気持ちは大変ありがたいが、俺はおまえ達みたいな田舎集団の仲間入りなんか、御免だね」そう言うと、レインは左の方へと駆け出した。
 その瞬間、黒服の男はレインの足元に向かって、懐から取り出した何かを投げつけた。その何かはレインの足下へと突き刺さり、レインは立ち止まらざるを得なくなってしまった。
「くっ……!」レインは呻き、足下を凝視した。
 その足下には、三本の柄の無い短刀のような刃が突き刺さっていた。その三本の刃の握りには、丸い穴が空いており紐を通せるようになっていた。
「無駄だ。御主は喩えるならば、蜘蛛の巣にかかりし一羽の蝶、蟻地獄へと落ちし一匹の蟻、逃げる事は不可能」
「そうかい。だがな……、蜘蛛を逆に食い殺す蝶だって、蟻地獄を食い殺す蟻だって、どこかにいるかも知れないんだぜ?」そう言うと、レインは黒服の男に向かって飛び掛かっていった。
 レインは黒服の男に向かって、短剣を突き出した。が、その攻撃は黒服の男が逆手に構えた小刀によって、受け止められてしまった。そして、次の瞬間、黒服の男はレインの右腕の袖を左手でしっかりとつかむと小刀を手放し、レインの懐へと入り込んだ。
 と、黒服の男はレインに背中を見せると、右手でレインの顎をつかんだ。そして、黒服の男は膝を曲げ、背中にレインの体を乗せると、前へと屈み込むと同時に勢い良く膝を伸ばした。
「な?」その瞬間、レインは驚きの声を上げた。
 と、レインの体が半円を描いた。そして、レインは勢い良く、背中を打ちつけてしまった。
「つぅ……!」レインは痛みに表情を歪めた。
(シルヴァの体術か……!)
「どうした? 御主の自慢は、身の熟しではないのか?」そう黒服の男がレインを見下ろす。
「そのつもりだったんだが、自信を無くしちまったぜ」そう言うと、レインは笑みを浮かべた。
 と、レインは黒服の男の小刀に手を伸ばすと、それをつかみざま黒服の男目掛けて投げつけた。それは、黒服の男に難なく避けられた。が、そんな事には構いもせずに、レインは立ち上がると、黒服の男に背を向けて一目散にその場から逃げ出していった。
「逃げるのか!」
「当たり前だろ、馬鹿!」そう言い残すと、レインは全速力で廊下を駆け抜けていった。
「逃がさん!」そのレインを黒服の男が追う。
(は、速い!)
 レインは後ろをちらりとみると、目を大きく見開いた。そして、額に冷や汗が滲み、レインは寒気を覚えた。
 と、レインが前に向き直った瞬間、扉の一つが開け放たれ、レインは何者かによって部屋の中へと引き込まれた。そして、次の瞬間、扉は閉められ、レインは口を塞がれてしまった。

ニンテンドーDS ダウンロードサービス

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ニンテンドーDS ダウンロードサービス」と言う物があります。
 こう言うのは、GBAの頃からありますが、その頃に比べて以下の様に手軽になってます。

・GBAと体験台をケーブルで繋げなくて良い。
・体験台の操作がいらない。(DS側の操作だけで良い)
・他の人がダウンロード中でも、待つ必要が無い。

 が、個人的には、ケーブルを繋げてダウンロードする方が好きだったりする。

 だって、甲殻機動隊みたいだから……。