ブルースカイ・・・858 | GO風呂

ブルースカイ・・・858


人気ロックグループが次々とステージを繰り広げ


スタジアムは、すでに活気づいていた。


しかし、それはプロローグに過ぎない・・・


メインステージを待ちわびる観客は、


どこからともなく始まったウェーブを、何度も繰り返し、


あちこちで、応援合戦が始まる。


「EIKICHI YAZAWA 40th ANNIVERSARY LIVE ”BLUE SKY”」


それまで雲に覆われていた天気も、


開演時間が近づくにつれ、


そのタイトルどおり、青空を覗かせ始めた。



GO風呂



「・・・永ちゃん、聞きに行かないか?」


青春を共にしてきた、親友からの誘いだった。


「もちろん!」


不意に懐かしい感情がよみがえって来た。



・・・青春時代・・・


同郷出身のビッグネーム


「矢沢永吉」の歌とサクセスストーリーは、


我々にとってのバイブルだった。


友情、恋愛、旅立ち、別れ・・・様々な場面に、


常に「永ちゃん」の歌があった。



その憧れを手本とし、


自らの夢を実現する為、


夢中で走り続け・・・時が過ぎた。


いつしか「永ちゃん」の歌は、


懐かしい思い出となっていた。



・・・今の自分に永ちゃんの歌はどう響くのだろう?



聞き覚えのある、懐かしいサウンドが流れ、


重なり合うスポットライトの中から


その姿が現れた瞬間、


総立ちになった観客の


スタジアムを揺るがす程の歓声と拍手が響き渡った。



GO風呂



40周年記念と言う、厳選された構成のなかで、


その殆どの曲を口ずさめる事は嬉しかった。


懐かしいあの頃の思いに浸ることも出来た。


・・・気がつけば僕自身、


リズムに合わせて動き出してしまう体と


湧きあがる感情を押さえる事は出来なかった。


横に立つ友が、時折、


鼻をすすり、目頭を拭っている事も感じた。



熱気、興奮、・・・そして、永ちゃんコールのなか、


立ちつくし、手拍子をとり続けていたことも忘れ、


2時間に及ぶステージは


名残惜しさと共に過ぎて行った。



GO風呂



休むことなく、全力で歌い続けた


「永ちゃん」のスタイルは、


昔と同じだった。


そして、


スタジアムに詰めかけた


6万人以上にも及ぶ観客の心をつかんだ


「永ちゃん」の魅力も、変わってはいなかった。




・・・40年間走り続け、


これからも変わる事は無いだろう


「永ちゃん」の歌と生きざまを、


目の当たりにして・・・




懐かしい思い出として


終わらせるのではなく、


幾つになろうとも、


夢やあこがれを追い


「青空」に向って、


走り続けねばならない事を


強く心に感じた。




GO風呂



GO風呂