1978(昭和53)年7月31日、
フジテレビ系列の「夜のヒットスタジオ」に
サザンオールスターズが初登場。
番組初の歌詞テロップ付きで
「勝手にシンドバッド」を歌ったその日
この番組にやはり初出場した歌手がいます。
それが本日ご紹介する本間由里。
歌はデビュー曲「青春道中哀歌」でした。
出身はPOPCON。
この方のPOPCONとの関わりがすごい。
1975(昭和50)年、第8回ポピュラーソングコンテストに
スズメの合唱団の一員として「夢見る頃」で出場。
この曲で第5回世界歌謡祭にも出場しています。
第10回ポピュラーソングコンテストに
「めぐり逢えたら」で出場。
第11回ポピュラーソングコンテスト
「魔法使いのおばあちゃま」を歌って入賞。
続く第12回ポプコンでは
甲斐完治と季節風の一員として
「悲雪」を歌って入賞。
第14回にも「ホワイトナイト」で
川上賞を受賞。
第12回ポプコンで、別の歌手が歌った
吉川裕一作詞作曲の「青春道中哀歌」が
デビュー曲となりました。
天性の歌唱力と少しハスキーながら、
伸びやかで、耳に心地よい揺らぎ系の声。
どちらかというと演歌系の楽曲を
当時20歳そこそこだったと思われますが
演歌系の歌手を凌ぐ表現力を
持っていたと思います。
ジャケット写真も印象的でした。
B面の楽曲、
「かわいた雨がふる」も特によかった。
ヤマハプロデュースの楽曲としては
一番演歌よりの佳曲でした。
2枚目シングルの「悲雪」
3枚目シングルの「とまり木」と
独特の雰囲気がとても好きでしたが、
あまり売れずに引退したようです。
しかし、ずっと気になっていて
ずっと歌を歌われているとか、
歌を教えているという噂を聴いていましたが、
歌手としての歩みを
まだ止めていませんでした。
2002(平成14)年に
大津あきら作詞、浜圭介作曲の
「港恋うれば」を発売。
大津あきらさんは
1997(平成9)年に47歳の若さで
亡くなられましたが
この作品は亡くなられる少し前に書かれた思われる
彼としては珍しい演歌。
詞も曲も渾身の1曲です。
1997(平成9)年に
浜圭介自身がリリースした
アルバム「10$の純情」に収録されていました。
この曲、本間由里がシングルで、
藤あや子がアルバムでカヴァーしています。
そして、先日、
「終章 エピローグ」という曲に出会いました。
昔と変わらない声
重ねた歳月が歌唱に磨きをかけ、
演歌系の上質なヴォーカルを聴かせる
味わい深い歌手として甦っていました。
作詞は山川夕斗、作曲は
作編曲家、ギタリストの川村栄二。
ポップスよりの演歌という感じで
とてもいい曲です。
この方の歌謡曲の編曲は、
どれも曲を惹き立てるカッコいいものばかり。
アニメや特撮、時代劇などの音楽での
活躍も目立っている方です。
川村さんと本間由里さんはご夫婦だと聞きました。
「港恋うれば」も「終章 エピローグ」も
DAMに配信されています。
秋元順子のように、大人の歌を
伝えるヴォーカリストとして、
本間由里に注目していきたいと思います。