火事が起こったのに十分な補償が受けられない3つのケース | 保険って何だろう?|保険アドバイザーのブログ

火事が起こったのに十分な補償が受けられない3つのケース

確率的に言えば、一生のうちで火災の被害を受ける確率はかなり低いと言えます。しかし、一度被害を被ると甚大な損失になるのも火災であると言えます。

そんな火災により大切な財産が失われることに備えるのが火災保険。

新潟の糸魚川で発生した大規模火災は、損害総額がおよそ30億円に上ると言われています。
その被害者の中には火災保険に加入していたが十分な補償を受けられず、「同じ大きさの家を建てることが出来ない」といった話も出ているようです。

普段は「お守り」程度の火災保険ですが、こういったタイミングできちんと見直しをして、いざというときに備えておく事をオススメします。

まず、「保険に入っていたのに十分な補償を受けられない」ものとして考えられる代表的な3つのパターンを解説したいと思います。

1、【保険目的の不足】「建物」と「家財」のどちらか一方しか加入していない。
住宅用の火災保険では、保険の目的は「建物」と「家財」に分けられます。持ち家の方でも意外と多いのが「建物は入っているが、家財には加入していない」というケース。
家を建て直せても、意外と家財一式を揃えるのにお金が掛かるものです。
家財の補償を追加するとその分保険料は上がりますが、「万全の補償」という意味では両方加入しておく方が良いといえます。

2、【保険金額が不十分】十分な補償額(保険金額)で加入していない。
そもそも火災保険の加入している補償額(保険金額)が低いため、十分な補償になっていないというケースです。以前、私が担当していたお客さまでも「お守り程度のものだから」といって、建物に対して200万円しか掛けていなかった方がいらっしゃいます。
ちなみに、昔の火災保険は低い補償額で加入していると、一部損害が発生した際に「比例てん補」といって、実際の損害額とか入金額の割合に比例して支払額が減額になるルールが適用される場合があります。長期契約で最初に手続きをしてそのままになっている保険は注意が必要です。
適正な加入金額の目安は、保険代理店に相談すれば教えてもらえるはずです。現在の加入金額の妥当性を再確認しておくのが良いでしょう。

3、【時価計算により減額】「再調達価格(新価)」で加入していない。
これも古い契約で長期加入したままになっている場合には要注意です。
最近の火災保険では、「再調達価格(新価)」といって「同じ大きさの建物を建て直す費用」を補償するようになっています。一方、「時価」の場合には築年数に応じて減額していく価値を考慮して、保険支払額も減額されていきます。築年数が経過していればしているほど、減額幅が大きくこととなります。
最近販売されている火災保険は基本的に「再調達価格」設定となっているはずですが、もしも「時価」のまま加入しているのであれば、「再調達価格」に変更しておく事をお勧めします。


保険はパンフレットや証券を見ているだけでは分かりにくい点が数多くあります。
せっかく加入している火災保険がいざという時に機能を発揮できるのかどうか、定期的にチェックしておくのが良いでしょう。