「これね・・・昔、母さんが、作ってくれたんだ」

と、少年は、懐かしそうに、目を細めました。

そのぬいぐるみ・・・長いこと、使い込んできたのか、汗ジミとか、1部すれて、毛玉が

出来ていたり・・・

そもそも、耳が取れかかっていたり、腹のあたりも、綿が見えてきている・・・

もともと形がわかって作ったのか?それも、怪しいのだが、かなり適当に作っているため、

異様な形状に・・・

さらに、汗・・・よだれ・・・乱暴に振り回したであろう

(男の子ですからね!))

ほつれ・・・などが、見受けられた。

そのため、より一層、不気味な雰囲気をかもしだす、謎の物体と化していたのでした。

 

他にも、ランドセルの中には、何か入っていて・・・

(よく、このバクも、入ったもんだ)

善行は、感心するように、少年のすることを、見つめていました。

教科書や、ノートなどに、押しつぶされて、すっかり変わり果てた姿が、垣間見えました。

少年は、そんなことは、お構いなしで、ランドセルの中身を、どんどん出していきます。

善行は、なぜだか、ハラハラドキドキしてしまい、

「あ~」

ついじれったくて、怒鳴りたいのを、必死でこらえました。

悪気はないんだろうけれど、この男の子は、すべての動作が、とてもスローモーなのだ。

それを、ぐっとこらえました。

 

 

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