やっと、たどり着きました。!!

妙に3が長くなりそうな気配でしたが、何とか押さえ込み、今回で終了できました。苦笑

ま、ちょこっとぶった切り系なのは否めないですが。←いつものこと。むかっ

そして内容がおかしなところもあるかと思いますが、多目に見てやってもらえるととてもありがたいです。

今回も、きゅ。様よりイラスト拝借しております。

本文ともかく、このイラストだけで価値あり!ですよ~ドキドキ

では、以下から最後の課題『コートにin』です。




探しているものは・・・ 3



『この手がセツカでなければいいのに…』


その言葉はカインと蓮の間を行き来していた蓮を、一気に『敦賀蓮』に引き戻した。


「も・・がみさん?」


側にいる、と言ったセツカの言葉は、果たして本当にセツカのものだったのか。

そして聞き間違いか?と思うほど小さく紡がれた言葉はキョーコのものだったのか。

それとも、自分の都合のいい幻聴だったのだろうか・・・。


期待してはいけないと分かっている。

戸惑いながら、それでも僅かな希望を込めて、キョーコの言葉と思いたかった蓮はその名を呼んだ。

しかし。


「・・・だれ?その人。私と誰を間違えてるの?いやよ!私以外の女なんかの名前を呼ばないで!」


返ってきた返事はキョーコではなく、セツカとしての言葉。

分かっていたはずなのに、底なしに一気に沈み込む自分を自覚する。


そう。彼女がこうして必死になってくれるのは、俺のためじゃなく、セツカの兄の『カイン』だから。俺が『敦賀蓮』に戻ったらその言葉は消えてなくなる・・・。


「・・・そんなに、俺のことが嫌いかい?最上さん」


渦巻く黒い思いは自己の理性とせめぎ合い、言うつもりのなかったその言葉を吐き出させた。

そしてキョーコは、そのあまりにも辛そうな蓮の声に抱きしめていた腕をそっとほどいてその顔を窺う

だが、俯く蓮の表情は読めない。


「・・・それなら、カインを演じていれば、君は俺の側にいてくれるの?どんな事があっても、何を知っても?」


言いながらゆらりと立ち上がった蓮に、今度は逆に上から覗きこまれて、キョーコはぎくりとする。

その昏い瞳の中に、静かに立ちのぼる煉情。引き込まれ、捉えられたら逃れられない強い何かがそこにあるように感じたキョーコは思わず身を引こうとした。

しかし、一瞬早く蓮がその腕をとり、キョーコが逃げるのを留める。そしてコートのベルトを素早く外すと、はらりと広がったそのコートの中へキョーコの身体を引き寄せた。



ひがなきままに-コートにin
                 イラストBy.きゅ。様

「・・・っ、つ、敦賀さん?濡れちゃいます!せっかくコートで少しは濡れずに済んでたのにっ」


慌てるキョーコに、蓮は艶を含んだその視線を向ける。


「今はセツ?それとも最上さん?」

「え・・・え、あの・・・」

「・・・いや、君がセツとしてしか俺の側にいたくないならずっとカインを演じつづけてみせる。だから・・・」


ぐ、っと抱きしめる蓮の腕に力が篭もる。


「そばに・・・いてくれないか?いや・・・・・いて、ほしい」


蓮の思いがけないその言葉に、キョーコの思考回路は白くなる。


 イマ、コノヒトハナニヲイッタノ?ソバニイテ?


その言葉と、蓮のコートにくるまれて抱かれる腕の中の暖かさに、何故だかつぅ、と涙があふれ出した。


「・・・じゃなくても・・・」


ぽそりと言うキョーコの声が聞き取れず、蓮は優しく聞き返す。


「何?最上さん」

「セツ、じゃなくて私が・・・そばにいても、いいんですか?」


涙を湛えた瞳で見上げるキョーコに、蓮が固まる。

その様子に自分が失言を放ったと思ったキョーコは慌てて蓮から離れようと試みた。


「ご、ごめんなさい。私ってば何を自惚れてたんでしょうね」


が、しかし。がっちり抱きとめられた身体はわずかな隙間すら蓮との間に作ることを許さない。怒っているのかと恐るおそる蓮を見れば、今までで最上級の神々スマイルでキョーコを見つめていた。


「それこそ、俺が自惚れてもいいのかな?」

「え?」

「セツが求めているのはカインであって俺じゃないだろう?最上さんは?」


―――― カインと俺、どっちを求めるの?


言葉にしない質問が、キョーコに届くと、流れ続ける涙が、また違う意味で止まらなくなった。


「カインこそ、『私』は必要ないんですよね。カインはセツが大切だからそばに置いてくれるけど・・・。反対に敦賀さんからカインが抜けたら、『セツ』が必要なくなって・・・私は居場所を失うんだと思ってました。私・・・それがいつの間にか辛くて、その日が来るのが怖くて・・・」


仮初めでもいい。このあたたかい腕の中の温もりと、何よりも心が落ち着くこのヒトの匂いがセツに向けられたものであっても。こうしていられるならセツのままでいよう・・・と。


キョーコが話す間、蓮は静かに抱きしめたキョーコの頭を優しく撫でていた。

その優しさに、キョーコがようやく落ち着きを取り戻す。

それを見て、蓮は重ねてキョーコに伝える。


「セツでも何でも、それは最上さんだよ。だからこそ、そばにいてほしい・・・」


純粋に、役に入り込んで演じる楽しさを思い出させてくれるから・・・。

そして ――― 何より愛しい存在だから。


「・・・・・そうね。カイン兄さんでも、だれでも、あのずさんな食生活はきっと変わらないものね」

調子を取り戻してきたキョーコは、照れ隠しに蓮の言葉をそう切り返した。
気付いた蓮も、それに乗ってくる。キョーコの身体を少しだけ離して顔がしっかり見えるように向き合う。そしてニヤリ、とカインの笑みを浮かべた。


「生意気言うのはこの口か?」


その台詞に覚えのあるキョーコは反射的に目を閉じて、あの“ほっぺたぎゅー”がくる!と身構える。

と、頬に当たったのは両サイドに引くための指ではなく、掌全体で、しかもそっと包み込むような優しさとぬくもり。

え?と思う間もなく訪れたのは・・・・。


掌以上にあたたかい唇。




――― 互いに探していたものの答えは

     こんなに近くにあるものだったんだね・・・



  END.

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い、いかがでしたでしょう?

委員長さま、日直さま、そして参加を快く承諾してくださった濡蓮委員会の皆様、ありがとうございました。

イラストを使用させていただいたきゅ。様、こんなんでよければ 押し付け 献上させてくださいませ~(。-人-。)






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