この話で3(コートにin!)に行く前に、ちょこっと区切りの悪い状況の文が出てきた…というか、3のつもりで書き出したら、『・・・これ、2だよ』って内容になってしまったので、2.5としてだしま~す。

この文章構成能力の低さは、所詮素人が手を出してるからだよ、も~。

と開き直り、次の3に繋ぐべく気を取り直してUPです。

では、以下から2.5どーぞラブラブ









探しているものは・・・ 2.5




メインストリートを少し外れた細い路地奥に、捜し求めていた人はいた。

予想通り、自らの身体を降りしきる雨に好きなだけ打たせている。


駆け寄ったキョーコに気付く様子もなく、蓮は、何故かうつろな目で空を見上げたまま雨に打たれていた。


声をかけようと思ったのにそうすることができないキョーコ。


そこにあったのは、まるで一枚の絵画のような美しさ。

同時に、今にも消えてなくなりそうな、危うさと儚さ。


その瞬間、キョーコは何故か

  “ この人が消えてしまう!”

と本能的に悟っていた。



いや!いやよ!消えてしまうなんて!!

  ツルガサンガイナクナルナンテ!


兄さんがいなくなったら、私は一人になってしまう

  ソウ、ワタシハヒトリニ・・・



「え・・・?私、が一人に・・・?ち、違うわ!セツカが一人になってしまうのよ!」


不可解な思考に頭を振り、カインを呼ぶか蓮を呼ぶかで逡巡したキョーコだが、思い切って蓮に呼びかける。


「敦賀さん!敦賀さん!!


芝居を続ける状況ではないと思ったキョーコが蓮を呼ぶが、虚ろな蓮の瞳に覇気は戻らない。


「・・・・っ!カイン・・兄さん、ね、しっかりして!カイン兄さん!」


まさか、と思いつつ、カインを呼ぶ。と、次第に蓮の瞳にいつもの光が戻ってきた。


「兄さんってば!」


自分へと焦点を合わせてくれた蓮にほっとする反面、先程からの不可解な思考の答えが急に見えたキョーコは、複雑な思いに眉を寄せた。


 そう、か。やっぱり『私』は必要じゃないのね・・・。このヒトに必要なのは『セツカ』であって、『私』じゃない。

 ・・・ふふ。何を今更。最初から・・・わかってたことじゃない。

 『私』が必要とされてるわけじゃない、って・・・・。


そうして、蓮を見やると・・・。

雨に濡れた頬を、それとは違う水が伝っていく。それは、途切れることなく、静かに、静かに流れ行く。不思議なほど静かで、綺麗で、そして悲しい涙。


「何だ?・・・なんて顔してるんだ、セツ」

「それは・・・そっくり返すわよ、兄さん・・・」


そっと蓮の頬へ両手を伸ばし、キョーコは優しく包み込むように触れた。互いに触れた場所は冷え切っているはずなのに、不思議とそこから暖かさが全身へと広がる。

その温もりを失いたくはなかった。だから、キョーコはセツカとして蓮に呼びかける。


「私がいるわ・・・。何があっても、私は兄さんの側にいる・・・。兄さんが私を要らないって言ったって、絶対に側を離れないんだから!・・・だから、・・・だから私を独りにしないで!」


キョーコとしての叫びであれば、こんなことは何があっても口には出せない。でも、今ならセツカの想いとして口に出す事が許される。

蓮の頭をそっと自分の胸に寄せ、その濡れた髪に口付けるように抱きしめながら、キョーコはこの手がセツカでなければいいのに…と無意識に呟いていた。





3へつづく・・・


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