週末に更新する予定でしたが、ちょこっとだけ早くできたので投下してみます。

今回のコレで、きゅ。様からイラスト使用許可いただいたのですが、その麗しさに速度全開でしたよ(;´▽`A``←それでも亀ガクリ

イメージ壊れたと言われない事を祈りつつ・・・。

以下から続きのスタートです。











探しているものは・・・2





どれくらい走っただろうか。降り続く雨は、キョーコの全身余すところなく濡らし続ける。


―――― どこ?どこにいるの?・・・兄さん!


静まり返る街の中。

自分が跳ね上げる足音代わりの水音と、乱れた吐息だけが響く。


一度立ち止まり、膝に手をついて酸素を求める体に少しだけ猶予を与える事にした。

露出が多い服とはいえ、普通の服ならぴったりと張り付く、という表現が正しいのだろうが、革製品の特徴でびっちり張り付くという表現がしっくり来るほど濡れている自分の姿に、背筋が寒くなる。

自分のことを思って、ではない。

自分はまだ走り回っているからいい。だが、蓮に関しては違う。きっと移動などはしていない。どこかに動かずにいるはずだ。

それは、取りも直さず、濡れたまま、思う存分雨にその体温を奪われ続けているということを示す。

風邪程度で済めばいいが、この冷たい雨は命の危険すら孕んでいる。


―――― 早く・・・見つけなくちゃ


呼吸を整え、キョーコは再び蓮を探すために足を踏み出した。




━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─




どのくらい、こうしているのだろう。

時間の感覚すら既になく、身体の感覚すら何だか怪しげになってきた。

自分を襲う黒い感覚。

過去、自分が自棄になって纏わり付かせていたモノ。

それが、やっと作り出した『敦賀蓮』としての存在を打ち消す勢いで蝕み始めている。




―――― このまま・・・蝕まれていったのなら・・・



   黒い闇に身を任せ、おちるところへ堕ちていけば

楽になれる?

   それとも・・・




その考えは自分を消してしまう恐ろしいもの。

過去にも一度捕われたその心が、再び同じ過ちに落ちようとしている。

しかし、それが分かったところで今の自分にはどうすることも出来ない。


抗えない、自分のこんなにも未熟なココロ。

一度は封印した筈のことですら、こんなにも容易くとり憑かれてしまう。


うつろな瞳でふと空を見上げても、そこにあるのは厚く暗い雲の広がりと、頭を冷やせと言わんばかりに落ちる雨。雲間を亘る閃光ですらも、自分を諫める黒龍の雷(イカズチ)。



―――― 誰も、俺を許さない・・・許しては貰えない。


こんな俺が『妖精のコーン』だと知ったら、あの子は離れていってしまうだろうか。


いや。その前にソレを告げてしまったのなら・・・俺はあの子を手放す事なんてできるわけがない。



俺を必要とする者が誰もいないのならば

あの子にすら拒まれてしまうのならば。

泣かれようが、嫌われようが、それこそ純粋なあの子を穢して・・・俺なしではいられないようにして。



―――― 同じところへ堕ちるまで・・・。




「・・・・ん、兄さん!ね、しっかりして!カイン兄さん!」


幻覚か?幻聴か?あの子の声がする。


「兄さんってば!」


はっ、として飛んでいた意識を現実に向けた途端。

モノクロの世界に、急に色が付くとはこのことか、と理解すると同時に、あれだけ焦がれたキョーコの、不安げな顔が目に入った。


「何だ?・・・なんて顔してるんだ、セツ」

「それは・・・そっくり返すわよ、兄さん・・・」


そう言ってキョーコはそぅっと蓮の頬を両手で包み込む。そして、その指がそっと目尻から頬にかけてのラインを拭うようになぞった。


その時になって初めて蓮は、雨に混ざって自分の頬を伝うものに気付く。



        ひがなきままに-みつけた

                         (イラストBy.きゅ。様)




「私がいるわ・・・。何があっても、私は兄さんの側にいる・・・。兄さんが私を要らないって言ったって、絶対に側を離れないんだから!・・・だから、・・・だから私を独りにしないで!」


そういいながら、キョーコは蓮の頭をそっと自分の胸に寄せ、蓮の濡れた髪に口付けるように抱きしめた。





  つづく


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すみません。

こりずにまだ続きます(;^_^A

最後に目指すはコートin!・・・って、できるのか?




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