■「一抹の寂しさ」「誇りに思う」

 大阪の音楽文化発信拠点として親しまれてきた「大阪厚生年金会館」(大阪市西区)が3月末で、42年の歴史に幕を下ろす。国の年金福祉施設の見直しに伴い、昨秋、一般競争入札にかけられオリックス不動産が落札したが、閉館まであとわずかに迫った。2千席を超す関西屈指の規模で、音楽を志す人にはあこがれのホールだっただけに、関係者から惜しむ声が高まっている。(安田奈緒美)

 累計来場者は3200万人以上。美空ひばりさんをはじめ多くの歌手が同会館でコンサートを開いてきた。

 91回と最も多く舞台に立った高橋真梨子さんは「残念です。昨年11月、ステージに立ったときに最多出場と聞き、驚きと同時に、もう同じこの舞台に立つことはないという一抹の寂しさを感じました」と話す。

 大トリとして、27、28日にコンサートを開くロックバンド、SOPHIAのボーカル、松岡充さんは「学生時代、大勢のファンが笑顔で歩いてくる場面に何度も遭遇し、『俺もいつかここでライブを』と夢見ていたものです」と振り返る。

 「このステージに立てたことを誇りに思います。このホールに夢を見たすべてのアーティスト、すべてのファンに敬意を表して、最後のステージを締めくくりたい」

 ◆今後の利用に不安 

 音楽関係者らが閉館を惜しむ一方で、同会館で施設運営にかかわる職員らは再就職という切実な問題に直面している。現在、正職員が26人、パートも含めると約80人。閉館に伴い全員が職を失うが、正職員のうち次の職場が決まっているのはわずか数人だ。

 田中泰弘館長は「通常業務を続けながらの就職活動で、なかなかうまくいかない。次もホール運営を行うなら、慣れたスタッフの雇用を考えてほしい」と訴えるが、現段階でオリックス不動産から雇用に関する連絡はないという。

 昨年3月、閉館を見越した大阪市は、所在地の「新町一丁目地区」の地区計画を策定。建て替える場合でも千席以上のホール設置を義務づけた。オリックス不動産は使用目的を「分譲マンション及びホール」とし、今月末までに具体的な内容を発表するとしているが、4月以降の貸館の予約受け付けも行っていないのが現状だ。

 ◆ホール不足も 

 コンサートホール不足も懸念される。大阪では、平成20年末からフェスティバルホールが建て替えのために休館。受け皿となっている大阪国際会議場(大阪市北区)のメインホール(2754席)の来年度の予約は、ほぼ満杯状態という。

 興行関係者からは「厚生年金会館の2400席分が丸々なくなってしまうと、大阪で開かれるコンサートが少なくなるのでは」と心配の声が上がっている。 

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