「政府と国民の間に、大きな乖離(かいり)が生じてしまいました」――。

 50年前の日米安保の改定に端を発した両国の「密約」を巡って、参考人質疑が行われた19日の衆院外務委員会。4人の参考人のうち、1998~99年に外務省の条約局長を務めた東郷和彦さん(65)は、核持ち込みの「密約」についてそう述べた後、「ようやくその乖離を埋められたと思います」と振り返った。

 この日午前9時から始まった委員会では冒頭、4人が10分間ずつ意見陳述を行い、最後に証言に立った東郷さんは、外務省の有識者委員会が今月9日、「日米間で、核を搭載した艦船が日本に事前協議なしに寄港する暗黙の合意があった」と認定したことについて意見を述べた。

 「二つの原爆を受けた日本は、いかなる核兵器も持ち込ませないという強力な国民感情があり、米政府の方針とは絶対に両立しなかった」。東郷さんは「そこに、政府と国民の間に大きな乖離が生じてしまった」と述ベると、「冷戦後20年、ようやくその乖離を埋められた。今後は少数の政治家と官僚だけでなく、国民レベルで真剣に議論し、成熟した安保政策を実現してほしい」と呼びかけた。

 一方、毎日新聞政治部の元記者で、72年の沖縄返還を巡る外務省機密漏えい事件で有罪判決を受けた西山太吉さん(78)は、午前8時半過ぎに国会に姿を見せ、「自分の思ったことを述べるだけ」と話した。

 かつて国会を取材の場にしていた西山さんは、参考人席で最初は少し緊張した様子だった。しかし、自分が有罪判決を受けることにつながった沖縄返還時の原状回復報償費の肩代わり問題に話が及ぶと、「(日本は)全部アメリカの要求を飲んでいた」と、当時の日本政府の対応を強い口調で批判した。

 質疑後、西山さんは「国会に来たのは何十年ぶり。ずっと自分が抱えてきたことを発言させていただいて理解を求めることができた。隔世の感がある」と、感慨深げに語った。

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