サイクルトレーラー・ライフ

リヤカーデザイナー兼ネットショップ店長兼フリーライター(怪しい?)をしている40代男子が、おもにタメにならないことを書いたり書かなかったりします。お酒・本・釣りの話題が中心でしょうか?
ロードバイク+サイクルトレーラーの生活も(販促がてら)紹介します。


テーマ:


もはや書いている本人にも収拾がつく気が全くしないといいます。


図々しくも、脳裏に浮かんだのは亡き栗本薫女史の「グイン・サーガ」だったりするのでした(←本当に図々しい)


あとはもう、実在の人物たちをどんどん投入して勝手に動いてもらいます(笑)。


ではれっつらご


                


第4話「宇宙要塞ア・バオア・クー(2)」


徳島の酒はぎりぎり足りたようだった。とりあえず、「酒がない!」と暴れだすものはいなかった。徳島GJ。

2軒目のジャズバーで永峰由華がやおらトランペットを取り出してライブに乱入し・・・

なぜか意気投合したバンドのメンバーと名刺交換し(←変に社会人)・・・

3軒目で意識を取り戻したリヤカー屋が店にあったワインの講釈を垂れはじめ・・・

〆のラーメンを求めて明け方の徳島市街を(大声で話しながら)徘徊し・・・

どうにかこうにか「ビジネスホテル近藤」にたどり着いて寝た。



そして朝。

みんなのスマホがひっきりなしにブンブン振動していた。

<こらー!おきろー!どこ行けばいいんだ馬鹿野郎!泣くぞ?>(←斉藤のりぞ)

<さて、どうしたものか・・・>(←石崎ぷらさん)

全員すっかり忘れていた。酒のせいにしよう。

宴会の大半を寝て過ごした荒井は、運転に備えて酒量も抑え気味だったこともあって最初に目を覚ました。

FBのメッセージに目を通し、おもしろいのでのりぞは放置してぷらさんに返信。

<おはよーございます。みなさんしこたま飲んだのでまだ起きませんな>

<想定内です。どうやって合流しましょうか?>

<ぷらさん今どこですか?>

<高松空港です>

<へ?徳島じゃなく?>

<斉藤さんが成田出発だということで、調べたら徳島便がなくて。高松で捕まえたほうが安心かなと>

<な、な、なんというイケメン>

<痛み入ります>

このくらいの配慮は朝飯前にやってのけるのがイケメンというものだ。飲んだくれて失神している場合ではない。

のりぞからまたメッセージ。

<レンタカー借りた。向かう>

<ちょっと待ったー>

<なんだよー、早く合流したいのにー>

<ぷらさんいるんだよ高松空港に>

<あら、うそ、やだ(はあと)>

くねくねするなと言いたい。

のりぞとぷらさんには勝手に合流してこちらに向かってもらうことにして、集合場所を指定。

「阿波おどり会館」

このふざけた名の建物が大まじめに存在するのが徳島クオリティである。

阿波おどりのために生まれ、阿波おどりに死す。徳島人だもの。



奇跡的に集合時間通りに全員がフロントに集合した。意外にちゃんとしていたりする。

「近藤、気が利いてるわ~。ウェルカムドリンクなんて」(←小林綾香)

「へ?」(←全員)

「え、あったよね伊右衛門」

「それ、きのう自分で買ってたよ」

矢野京子のクールな指摘に、綾香の顔がみるみる赤くなった。

超絶ド美人にこの属性はもはや反則である。

ゲラゲラ笑っていると、由華からメッセージ。

<阿波おどり会館なう>

「よっしゃ行くべ」

近藤からすぐの場所なのだ。荷物を車に放り込み、向かう。

「おはよー!」(←由華)

「おはようございますー」(←友行みかりん)

あれだけ浴びるように飲んでいながら、なぜどいつもこいつもスッキリした顔をしているのだ、と荒井は呆れた。

やのちんを見ると同じ顔をしていた。

非酒豪同士のシンパシーが生まれた。と、リヤカー屋が錯覚した。よく錯覚する。

「のりぞとぷらさんもここに集合、って連絡しておいた」

「ああ!」(←一同)

案の定忘れていたようである。

「来るのねぷらさん」「イケメンよ」「イケメンだわ」「ぐへへ」「触る」「あたしもー」

・・・。

会館内でおみやげを物色していると、背後から「ぎゃー」という雄叫びが聞こえた。

のりぞが両手をバタバタさせながら走ってきていた。後ろから保護者、じゃない、石崎ぷらさん。

「きゃー、みんなはじめまして~!」ハグハグハグ

SNS上では活発にやりとりをしているテンチョーズとはいえ、全国に散らばっているだけに実際に出会うのはそう容易ではない。『骨屋』の屋号で通っている斉藤のりぞも、主婦ゆえにそうそう出歩けるはずなどないのだった。レアキャラ。

それだけに、感激もひとしお、といったところだろう。

「アンタ、なんて言って出てきたのよ?」(←入澤REI)

「何にも言わないよ。書き置きして家出」

おお~、どよどよどよ

「なんて書き置きしてきたの?」(←由華)

「おかーさんはもういやです。アバヨ」

一同悶絶。唯一由華が真顔だった。

「あたしもやろう、それ」

「いいね、来ちゃいなよ横浜。全力エスコートします。ねえぷらさん?」(←荒井)

「します」

「絶対行く」

昨夜(と言うか明け方)ラーメンを食べそこねていたので、由華の案内でリベンジすることに。

徳島ラーメンの有名店に収まり、オーダーを終えたところで福田ゆっきーが言う。

「さて、かつえっちとやのちんの新会社の件やけどな」

清水かつえと矢野京子が、飲みかけのお冷を同時に吹き出した。

荒井がハンカチで顔を拭いた。拭いたハンカチをじっと見、大事そうにかばんにしまった。

「本気で言ってたん?」(←かつえ)

「げほげほげほ」(←京子)

「今年一番の本気やで」

本気のようだった。

「だからそんなお金ないって」(←かつえ)

「うんうんないない」(←京子)

「なかったらある奴に出させたらええやん」

「そんなアテないよ」(←かつえ)

「うんうんないない」(←京子)

「おるやろ淀川社長が」

そこにいる全員が膝を打った。

淀川社長とは、楽天総合ランキング1位を叩き出す洗剤「水ピカ」を売りまくっているショップの藤本茂樹のことだった。

毎晩のようにキタで豪遊していると噂されている。


☆★☆★☆★


藤本茂樹はくしゃみをした。

「またキタのお姉ちゃんが噂しとるなガハハ」

違います。


☆★☆★☆★


一方、大阪の卵系メンズ服屋の森垣太志は、うつぼ公園で早めのランチ中だった。

ワンコインで買った弁当の唐揚げが予想外に美味かったので機嫌がいい。

ふと、ベンチに置いたグレープフルーツジュースの缶を見た。

なんとなく、逆さにして置いてみた。

しばらくしてからプルタブを開け、飲む。

ちょっと美味しいような気がした。


☆★☆★☆★


一方、ホスト系卵屋の山田エロヤスは灼熱のハウスで鶏糞を相手に奮闘していた。

温度計は50℃に届きそうな勢いだ。

作業中、突然ニヤけだすのは温度にやられているか良からぬ妄想にふけっているかのいずれかだろう。


☆★☆★☆★


そしてその頃、札幌の子供服屋に辞表を提出した西村勇人は、おんぼろの中古車にテントを積んで、いままさに日本一周に旅立とうとしていた。

青年よ大志を抱け。

この場合の大志とは「モテたい」ということに他ならなかったが、男子の99%はそうなので特におかしくはない。

「出発!」

つぶやいてアクセルを踏んだがちっとも出発しない。

ニュートラルに入ったままだった。


☆★☆★☆★


「そんなこと言ったって、簡単に出すわけ無いじゃん」(←かつえ)

「うんうんないない」(←京子)

「そこは色仕掛けだろう当然」

入澤REIがハイアーマウンテンをぐいぐい突き出しながら言った。

それを見て、ついで自分の胸元に視線を落とし、京子が言った。

「無理くね?」

「お金を集める方法なら、他にもありますよね」

石崎の言葉に、一同が耳を傾ける。

「クラウドファウンディング」

クラウドファウンディングとは、元手のない起業家が、自分の事業やアイディアに対してネット上で投資を募るものだ。

この1~2年で、日本にも定着しつつある。

その流れを作ったのは、主として震災復興事業だ。

クラウドファウンディングサイトに応募し、事業内容のプレゼンをして、見返りを提示し、出資を募る。

「おもしろそー!わたしもやりたい!」(←由華)

「わたしもわたしもー」(←のりぞ)

「楽しそうなんでわたしも混ぜてもらっていいですか?」(←みかりん)

「おまーら自分の店があんだろ!とか言いつつあたしも一枚噛みたいw」(←REI)

「さて、何売ろうか?わくわく」(←永野まゆみん)

「海外のサイトにも売り込もうよ~。集まるお金がケタ違いになる可能性あるよ?協力できる」(←あやか)

当事者そっちのけで盛り上がる。

かつえと京子は顔を見合わせてやれやれ、のジェスチャー。

ラーメンが来た。

濃厚な醤油とんこつに生卵を投入し、すすり込みながら会話は続く。

「クラウドファウンディングにかけるなら、新しくて魅力的な商品を世に問うつもりで行かないと」(←石崎)

「それ自体をショップのコンセプトにしたらいいじゃん。『本当に売りたいものしか売らない』」(←荒井)

「売った方も買った方も幸せになれるようなのがいいよね~」

「いまのりぞが核心を突いた」

す、とゆっきーがスマホを片手に店を出る。電話をしているようだ。

戻ってきて言った。

「さっさと食べ。いくで」

「?????」(←一同)

「大阪に決まっとるやろ。淀川社長にアポ取った」

「おっけー、行こう。近い近い」(←荒井)

「えー、あたしはもうしばらく四国まわる~。サングラス屋さんにも行きたいのよね」

のりぞが言うのは松山の山崎達生のことだろう。

「あっいいないいな、わたしも乗っけてって~」(←由華)

「じゃあ、わたしもいいですか?」(←みかりん)



というわけで、ラーメニングを終えた一同はステップワゴンに石崎が加わり、斉藤のりぞのレンタカーに由華とみかりんが乗り、それぞれ反対の方向に走りはじめた。

「ぎゃー、高速こわいいいいいいい」(←のりぞ)

「へい、出発ぅ~」(←荒井)


☆★☆★☆★


淀川社長の背筋を、これまで感じたことのないような悪寒が盛大に行ったり来たりしたのは言うまでもない。




つづく


AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

サライさんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

AD

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

      ランキング

      • 総合
      • 新登場
      • 急上昇
      • トレンド

      ブログをはじめる

      たくさんの芸能人・有名人が
      書いているAmebaブログを
      無料で簡単にはじめることができます。

      公式トップブロガーへ応募

      多くの方にご紹介したいブログを
      執筆する方を「公式トップブロガー」
      として認定しております。

      芸能人・有名人ブログを開設

      Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
      ご希望される著名人の方/事務所様を
      随時募集しております。