「まごころで奉仕します」-。埼玉県飯能市内の山中に犬の死骸(しがい)を捨てていたとして、廃棄物処理法違反の疑いで7日に逮捕された元三芳町議でペット葬儀業「花園ペット祭典」経営、阿部忍容疑者(71)。誠実さをうたい文句にした広告をタウンページにも掲載していたが、その言葉とはほど遠い経営実態が明らかになった。かつての顧客らは、憤りを隠せない様子だった。

  [フォト]阿部忍容疑者とはどんな人物?

 三芳町の住宅街の一角にある阿部容疑者宅。2階建ての自宅兼事務所の敷地内にはパンジーが十数鉢植えられるなど、一見して小ぎれいな印象を受ける。しかし、よく見ると、駐車場に動物のものとみられる骨が無造作に転がっていたり、室内には動物のものとみられる骨が入っているバケツや、骨壺も置いてあった。

 近くの主婦(44)は約20年前、電柱に張ってあったチラシを見て阿部容疑者にペットの葬儀を依頼。同容疑者は女性宅に祭壇を載せた車で訪れ、「日高の方の火葬場で焼いてきます」と言って犬を引き取った。そして、その日のうちに「無事終わりました」とだけ告げた。骨は、帰って来なかった。

 女性は今回の事件を受け、「葬儀はやったが、位牌(いはい)も骨壺もなかった。ちゃんと成仏してくれればいいけど…」と、当時を思い出して悲しそうに話した。

 別の近所のアルバイト女性(21)は、阿部容疑者がペット葬儀で使っていたとみられる車を見たことがあった。

 車には常に黒い位牌が載せてあったほか、トランクには葬儀用とみられる祭壇が積んであった。さらに女性は10年ほど前、阿部容疑者について「ペットをきちんと火葬せずにそこら辺で焼いている」とのうわさも耳にしたことがある。

 事件について女性は、「本当だとしたら、私にもペットがいるので許せない」と怒りをあらわにした。また、別の近くの50代主婦も今回の事件について「気持ちが悪いので事件のことは考えたくない」とまゆをひそめた。

 この事件を警察に通報したペットサロン関係者の女性(44)は、「容疑者が逮捕されたのはよかったが、この事件を契機にペットの火葬に関する法整備が進むことを望んでいる。きちんとした法があれば起きなかったことなので、『かわいそう』だけで終わってほしくない」と語った。

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