カナダ・ビクトリアを訪れた後、僕は空路で一時間のカルガリーに向かいました。
 
カルガリーはカナダロッキー山脈の東にある人口100万人ほどで、石油が産出するのでカナダでは裕福な街として有名です。
 
カルガリーでは僕の友人がER(救急室)医師として勤務しており、以前から彼の仕事ぶりを見学したいと思ってたのです(^-^)
 
何故なら北米では医療システムが首尾良く組織化されていて、その効率の良さは日本より遥かに軍配が上がるからです。
 
日本医学も最初はドイツから導入されましたが、戦後は米国医学を継承しているのもそのレベルが高いのみならず、日本人医師にとっても学びやすかったからでしょう(^_^)
 
下写真はER勤務中の友人医師ですが、昔テレビで放映された人気番組”ER”さながらの雰囲気で、僕はER(救急室)に入った途端一気にテンションが上がりました(O_O)
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北米でのERは24時間・365日、ノンストップで稼働し続ける過酷な労働現場ですが、この激務を医師たちが8時間づつ3交代制で勤務します(>_<)
 
例えばこの日、友人医師と僕は午前中ジムで汗を流し、ベトナム料理店でフォーを食べた後正午にER入りしましたが、午後8時までぶっ通し勤務なのでベトナム料理店で軽食用に春巻きをテイク・アウトしました(^_^;)
 
ERに入室直後、友人医師が患者が登録されたコンピュータースクリーンを開けた途端、その画面にはすでに20人待ちの状態で僕は”ぎょっ”としました(・o・)


僕は友人医師に「こんなに沢山の患者さんを診るのですか?」と尋ねると、彼は肩をすくめながら「このスクリーンから患者さんが消えることはなく、ひたすら順番に診療してゆくのです」とつぶやきました。

 

実はこのスクリーン上の患者さんたちはさほど緊急性がなく、待ち時間を見るとすでに数時間待ちの方もいらっしゃいました(>_<)

 

この患者さんたちを次々とこなしてゆく友人医師の姿を見学しながら、僕はこれぞ医療の本来あるべき姿だと再確認でき大変感動しました。

 

しばらくすると一人の看護師さんが友人医師に”救急車で緊急性の高い患者さんが間もなく運ばれて来ます”と告げました。

 

いよいよERを専門とする友人医師の出番ですが、彼と僕は下写真のように患者さんが運び込まれた部屋に駆けつけると、右足が股関節から変形している様子がすぐに分かりました。。

 
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このER(救命室)が素晴らしいと思えるのは、患者さんに救命処置をしながらベッド上部に備え付けられたレントゲン撮影機で即座に撮影出来ることです。
 
僕も日本で救命医療に携わっていた時期がありますが、その際患者さんの救命処置を施した後、今度はレントゲン室まで運び込まざるを得ず、そこに時間差が出来て治療をしながらいつもストレスを感じていました。。
 
友人医師と僕はこの患者さんのレントゲン写真を見た途端、右股関節脱臼及び右骨盤骨折を確認しましたがその診断までほんの数分しかかかりませんでした(^^)
 
こういった点に北米医療の効率の良さを感じますが、それは患者さんにとっても朗報で、救急医療では早く処置を行えば行うほど回復・経過ともに良好となります。
 
診断がついた直後友人医師はこの患者さんに静脈麻酔を施し、患者さんが無意識になったところで、右股関節脱臼の整復を行いました。
 
しかし体格のよいこの患者さんの整復には大勢の協力が必要で、なんと僕までかり出され、皆が力を合わせてやっとの思いで整復に成功した際は室内で歓声が上がりました\(^O^)/
 
ER入室後まだ一時間も経たないうちにこういった患者さんたちが次から次へと運び込まれ、”これからの8時間どれだけ忙しくなるのだろう。。”と僕は覚悟を決めました。