読者の皆さまには、いつも私のお話を楽しみにしていただきまして、ありがとうございますひらめき電球


さて、お約束していた「Hug」をテーマにしたお話の第2弾が出来上がりましたので、どうぞお読み

ください・・・ニコニコ

キューブは、1吻、2吻の中で、直樹が座っていて琴子が立っているシチュエーションのラブシー

ンって好きなんですよね~( ̄∇ ̄*)ゞエヘヘ

1吻だと、パパの会社の資金繰りに追い詰められた直樹を、お弁当をもってオフィスにやってきた

琴子がそっと抱きしめるシーンラブラブ

そして、2吻では理美の嫁姑問題を目の当たりにした琴子が、直樹に抱きついて「みんなが幸せ

になればいいな」とつぶやくあの最後には直樹にスイッチの入っちゃうラブシーン・・・ドキドキ


今回のお話は、そんなシチュエーションを思い浮かべながら読んでいただきたいなって思います。


どうぞ、お楽しみいただけますように・・・音譜


そして、リクエストしてくれたchangaさん、これで今回の爆弾処理はいかがでしょうか・・・

感想待ってるで~(= ̄∇ ̄=) ニィ・・・


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



   ~柔らかな抱擁~


<ねえ、入江君?・・・こうして抱きしめたら私の気持ちが全部入江君の心の中に流れ込んで行っ

たらいいのにっていつも思うの・・・>


琴子の想いは、いつも明け透けで、曇りがない。
誰だって、こっそりと人に知られたくない想いの一つや二つくらい持っているものなのに・・・
琴子は、オレに向かってその心の中を全てさらして、それでもまだ余りある愛情でオレを包み込む。





「入江君?まだ終わらないの?・・・」


もう深夜と言える時刻。夢中で資料とパソコンのモニターの間を行き来していたオレの思考に、不意

に琴子の声が聞こえた。


「えっ?・・・」


「えっ、じゃないよ・・・ねえ、どうしたの?そんなに根詰めて、入江君にしては珍しいね・・・」
少し驚いて振り向いたオレに、琴子がいぶかしげな視線を向ける。


「そんなことないさ・・・気にしないでお前はもう寝ろよ。電気もつけたままだからよく眠れるだろ?」
オレは、努めて笑顔を作るといつもの調子でからかうような言葉をかけると、再びパソコンのモニタを
見つめた。

すると、あっという間に周りの音も聞こえなくなり、オレの意識はただひとつの答えを求めて再び膨大

なデータの海を泳ぎ始める。


いったいどのくらいの時間がたったのか・・・
琴子に言葉を掛けてから、ほんの数分かそれとも何時間も経っていたのか・・・


ふと肩に何かが乗った感覚がして顔をあげた。
肩に乗ったものが手だとわかって見上げると、琴子がほんの少しだけ笑みを浮かべて立っていた。


「どうした?・・・眠れないのか?」
そう尋ねたオレに、琴子はただ首を横に振った。


「ねえ・・・入江君?・・・あの・・・あのね」
琴子が、少しためらいがちに言いよどむ。


「なんだよ・・・オレはまだ続きが・・・」「こっち向いて」
オレの言葉を阻むように、琴子が真っ直ぐにオレの目をみながら言った。


「ねえ、座ったままでいいからこっち向いて、お願い入江君!」
琴子のその声は、とても穏やかなのに、なぜか抗いがたい力をもっているように感じられて、オレ

は、言われるままに横に立つ琴子と向き合うように体の向きを変えた。
すると、オレの両肩に手を乗せた琴子が、一歩こちらに近づいたかと思うと、次の瞬間にはオレは
琴子の腕の中に抱きしめられていた。


琴子の心臓の鼓動が直接耳の中に流れ込み、その音はなぜかオレに安堵のため息を付かせた。
なぜ急にこんなことをするのか、どうしてそんなに心臓がドキドキと高鳴っているのか・・・


そんなことを聞く必要などない。


オレを心配する気持ち、何もできないと自分を責めている気持ち、ただただオレを愛する気持ちが
痛いほどに伝わってくる。


「ごめんね・・・」
琴子が小さくつぶやく。


「バカ・・・」
オレは答える。


体から無駄な力が抜けて、それまでどれ程自分が張り詰めていたかがはっきりとわかる。
琴子のぬくもりがオレを癒していく・・・


「ねえ、入江君?・・・こうして抱きしめたら私の気持ちが全部入江君の心の中に流れ込んで行っ

たらいいのにっていつも思うの・・・だって、言葉ではうまく伝えられなくて・・・」


―ちゃんと、わかってるさ・・・


「今担当している患者をなんとか助けたいんだ・・・たとえ西垣先生や医局長までもが匙を投げて

もオレはまだあきらめたくないんだよ。」
オレは、琴子の胸に頬を押しあてたままつぶやいた。
そして、琴子が小刻みにうなづきながらオレの頭を包む腕に少し力を入れた時、その言葉は琴子

が望むようにオレの心に直接語りかけるように流れ込んできた・・・


「入江君ならきっとできるよ・・・きっとできる・・・私は信じてる」


オレも、琴子の背中に腕を回してしっかりと抱きしめた。
そして、琴子の想いをエネルギーにして知らず知らずに萎えてしまいそうだった気持ちが奮い立

つのを感じていた。



―なあ、琴子?・・・こうして抱きしめた時、オレの気持ちがお前に見透かされたりしなくて良かった

って思うよ・・・だって、オレの想いを量りかねるから、お前はこうしてオレを抱きしめるのだから―


そうして、オレと琴子は、それぞれが相反する想いを真ん中に挟んで、強く強く抱きしめ合った。

「さあ、もう気が済んだろ?・・・いい加減寝ろよ。明日起きられないぞ」
オレは、琴子の背中を擦りながら諭すように言った。


「う、うん・・・」
琴子が仕方なさそうに体を起こすと、もう一度オレの顔を見下ろす。
その視線に誘われるように、オレは琴子の頬を両手挟んで引き寄せるとその唇に口づけた。

ふと、このままもう一度抱き合いたい衝動に駆られる・・・それでも、その思いはなんとか押し込めた。


「おやすみ・・・もう、邪魔すんなよ・・・」
オレは、不満げな琴子の額を指で弾いて、にやりと笑った。


「おやすみ」と答えて、ベッドに入った琴子は間もなく規則正しい寝息を立て始めた。
オレは、ふと仕事の手を止めて立ち上がると、眠っている琴子の顔を覗き込んだ。


<入江君ならきっとできるよ・・・きっとできる・・・私は信じてる>


琴子は、その柔らかな抱擁とさりげない言葉が、この後死を待つばかりだった患者の命をも救う

かもしれないなどとは思ってもいないだろう・・・
増してや、ただ抱きしめるだけで、このオレにどれ程の力を与えているかも・・・


「お前のお陰で、糸口がつかめそうだよ・・・」
オレはその寝顔に、そっと囁く・・・



琴子の顔にかかった髪を人差し指でそっと払う。

そして、その夢の中へ想いを吹き込むように、むき出しの額に唇を押し当てた・・・


―心から愛してるよ・・・と。


                                                    END


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


さて、いかがでしたか・・・はてなマーク

琴子の力は、本当に偉大ですね~ドキドキ



どうやら今日もうすでにジョセフは沖縄入りしているようですね・・・

明日は、いよいよジョセフのバースデーファンミですね~日本で開催されるというのに、この悲し

い程の距離感はなんでしょうか・・・(T▽T)アハハ!


でも、たとえ遠い南の空の下であっても、そこは日本なんだぁ~って気合いを入れて「お誕生日

おめでと~♪」の念を飛ばしたいと思いますクラッカー


沖縄へ行かれる方は、どうぞ気を付けて、ジョセフのお誕生日を思いっきり祝って、楽しんで来て

くださいね~合格



では、次のお話もどうぞお楽しみに・・・音譜


                                                By キューブ




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