在英邦人、でも心はキューバ

期間限定、シャンハイ在住。
英国&ニッポン共に年2回ペースで里帰り中。


テーマ:

トレッキングは頂上を目指す登山とは違って

誰でも気軽に楽しめる山歩きだ、と、うちの彼は言った。


ガイドブック等にもそう書いてある。


でもそれを鵜呑みにしてはいけない。


たしかに垂直にそそり立つ巨大な岩壁をよじ登る、というような

ロッククライミング的な難所は含まれてはいないし

特別なテクニックや長い経験が必要というわけではない。


山歩きをトレッキングと呼ぶなら、わたしも過去には

南米アンデスやカナディアンロッキーやヨーロッパアルプスで

何度か楽しんだことがある。

イングランドの湖水地方は今も定期的に歩いている。


でも、今回のヒマラヤはまったく次元が違っていた。

体力的にもっともっとタイヘンだったし

実際に歩いているときは「楽しみ」よりも「苦しみ」の方が

ずーっと大きかった。


今回のヒマラヤでのトレッキングが「トレッキング」なら

今までの山歩きは、裏山のお散歩、お手軽ウォーキング、

3泊4日のインカトレイルでさえハイキング程度だったと思えてくる。


18日間のヒマラヤでの山歩き、

あれは、わたしにとってはまちがいなく

「登山」、だった。






在英邦人、でも心はキューバ

ヒマラヤでの森林限界線、3800メートルくらいの地点。

とうとう富士山頂を越えてしまった、と、しみじみ。

(どうしても富士山を基準に考えてしまう...。)




ゆるやかといえばゆるやか。

こんな道ばかりなら楽だけど。


柵とかガードレールのようなものは一切ないので

おーっとっと、とバランスを崩したら

谷底へまっ逆さま...。


よろけるときは何が何でも山側へ、を肝に銘じる。




在英邦人、でも心はキューバ




在英邦人、でも心はキューバ



平坦な道にみえても足元は不規則にゴツゴツ。

ぼーっとしていると躓いて転びそうなので、

それなりに慎重に。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


全体的なイメージとしては

円錐形のひとつの山を山頂に向かってぐんぐん登っていく、

というものではなくて、

連なる山々を縫うように、アップダウンを繰り返しながら

じわじわと標高をあげていく、というものだった。


「登り」の行程のなかにも下りがたくさん含まれていて

それは気持ち的にかなり辛いことだった。


体力的には重力が後押ししてくれる下り坂の方が楽なのだけど、

せっかくここまで上ったのに、このあとまた上らなきゃならないことが

わかっているのに、どうしてここで下りなきゃいけないの?

じゃ今までの努力はなんだったの??と

どうにもこうにも納得がいかなくて。


先へ進むためには下ることも必要だと頭ではわかっているものの

下りるのはいやだよー、下りたくないよー、と

駄々っ子のように心が叫ぶ...。


ランチの休憩地点はあそこ、と指差された先の小さな集落は

直線距離的にはたいしたことはなさそうなところに見えている。

でもそこにたどり着くためには、いったん谷まで下って

川にかかる吊り橋を渡って、そこからまた降りた分以上に

さらに上へと登らなくてはならない。

考えただけでヘナヘナと力が抜ける。


ああ。



人生、山あり谷あり。


歩きながら、何度も何度もそうつぶやいていた。



(起伏のないフラットな人生と

アップダウンの激しいドラマチックな人生を選べるとしたら

わたしはやっぱり後者を選ぶだろう、と思う。)



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一ヵ月ぶりにネパールの話題に戻すと。


ネパールへの25日間の旅は我が家の英国人との個人旅行だったけれど

中核となるヒマラヤの山歩き部分は、首都カトマンドゥから出発する

トレッキング・ツアーに参加した。


指定された日に指定されたホテルに自力でたどり着きさえすれば

国籍や居住国は問わないインターナショナルな現地発着ツアー、

(このへんが日本発着のパッケージツアーとは大きく異なる点)

だけど、今回はたまたま、10名の参加メンバーのうち

わたし以外は全員英国人だった。

しかもみんな筋金入りの山歩き人!


イングランドの湖水地方やウェールズやスコットランドの山々は

いろんなルートで何度も制覇しているし、

ヨーロッパアルプスやピレネーも歩いた、

モンブランやキリ(アフリカのキリマンジャロ)も登頂した、という人たち。

ヒマラヤのトレッキング自体も別の山域で経験済みで

これが2回目、3回目、という人も。(うちの彼も含めて。)


モンブランもユングフラウもマッターホルンも行ったことはあるけれど

登山列車やケーブルカーで眺めのいい山頂あたりの駅まで運んでもらって

帰りに途中下車して1、2区間を歩いてくる、などというわたしのケースは

まったく比較にはならない。。。


そういう人たちとの山に入ってからの気力体力の違いは明白だった。

大学の山岳部の合宿に紛れ込んでしまった小学生みたいなわたし。


初日こそ、この程度ならラクラク~と歩いていたものの、

2日目以降、少しずつ、でも確実に、疲れは蓄積していって、

その疲れが回復しないまま歩き続ける翌日、また翌日、さらにその翌日、

日が増すにつれて、標高が上がるにつれて、

どんどんキツくなっていった...


夜になってもお風呂でゆったり湯船につかって一日の疲れを癒す、

なんてことは物理的に無理だし、

それどころか熱いシャワーだって何日かに一度のすごい贅沢だった。

途中の村やちょっとした集落にはゲストハウスがあって、泊り客ではなくても

いくらかのお金を払えばシャワーを使うことは可能だったけれど

タンクに溜めた水も、それを沸かす燃料も、とても貴重。

それがわかっていて湯水を「湯水のように使う」ことはできなかった。

ああここに温泉があったら...と、奥飛騨や信州の風景を思い浮かべながら

何度もつぶやいてしまった。


「わたしなんでこんなつらいことやってんの...」と

ぐるぐる悶々と自問すること毎日数回。

ホリデーなのに、ビーチでのんびり読書派なのに、

ホテルのプールサイドで夕暮れのカクテル派なのに、
なんでまたこんな自虐的なことを?

砂埃にまみれてヘトヘトになってクタクタになって??


ああでも来ちゃったからにはしょうがない、

道路も線路もないんだし、本日の目的地に辿り着いて

荷物を下ろしてこの登山靴を脱いで体を地面と水平にするためには

歩き続けるしかない、前に進むしかないんだ、

とにかくあと一歩、あと100メートル、あと少し、ほんの少しだけ...

その繰り返し。


そうやってやっとのことでその日の行程を歩ききったあと。


改めて眺める周りの風景の素晴らしさ、

一杯の紅茶と素朴なビスケットのしみわたる美味しさ、

シンプルだけどヘルシーで味わい深い夕食、

星空の下で眠る快感、

朝日を浴びながらの朝食、


今なんだかとても恋しく感じている。


あんなに辛かったのに、また行きたいと思ってしまうのは

なぜ?





在英邦人、でも心はキューバ


在英邦人、でも心はキューバ


ふりそそぐ光のなかで、ブレックファースト。

タンボチェにて。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


トレッキングの途中、何度も頭に浮かんできて

実際に声に出して歌ってしまったのが


「じーんせーい らーくーあーりゃー くーもあーるさー....」


なぜか、水戸黄門のテーマ。

フルコーラス歌えてしまった自分に驚く。

何度か歌っているうちに歌詞の意味がズシンときて

また驚く。


人生楽ありゃ 苦もあるさ 

涙のあとには 虹も出る 

歩いてゆくんだ しっかりと 

自分の道を 踏みしめて


人生勇気が 必要だ 

くじけりゃ誰かが 先に行く 

あとから来たのに 追い越され 

泣くのがいやなら さあ歩け



...深い。



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それは遠目にも明らかに

他のものとは違っていた。


まさか、と思ったけれど、近づくにつれて

やっぱりだ!と確信した。


やねよーりーたーかーい、どころか

富士山より高いところで

強い風を受けながら元気に泳ぐ

一匹の鯉。





在英邦人、でも心はキューバ



在英邦人、でも心はキューバ


ヒマラヤの空に躍る

ニッポンのこいのぼり。


雪の頂を背景に。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




在英邦人、でも心はキューバ


ヒマラヤの空にたなびいているものは

本来はこちら!



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