在英邦人、でも心はキューバ

期間限定、シャンハイ在住。
英国&ニッポン共に年2回ペースで里帰り中。


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昨日は映画館のスクリーンでオペラを堪能してきた。


ロンドンのロイヤルオペラハウスで上演されたオペラ「カルメン」の

3D映像バージョン 「CARMEN in 3D」


映画館でオペラ、ときくと、オペラファンからも、オペラに興味のない人からも

「ふう~ん...」とスルーされてしまいそうだけど、これ、素晴らしかった!

すごく楽しめたので、この感動が薄れないうちに。。。


開演前の楽屋のシーンからはじまって、

幕が上がる直前のステージの緊張感あふれる一瞬、

オーケストラピットの俯瞰図や指揮者の全身の動きなど、

たとえウン万円支払って最上級のチケットを買ったとしても

劇場では見ることができない光景がスクリーンに広がる。

映画ならではの演出に、最初の5分ですっかり心を奪われてしまった。


舞台セットそのものはシンプル、だからこそ、人間が映える。

それをいろんな角度からカメラが写し撮ってくれる。

途中、アップになったカルメンの瞳が潤んでいるように見えたと思ったら

次の瞬間、頬をつたう一筋の涙...。

実際の舞台では最前列の席からでもそこまではわからないかも。


主役級がすごいのはもちろんのこと、登場人物のひとりひとりが

群集シーンでも実に細かい演技をしていて、ディテールまで素晴らしい。

これまた実際の舞台ではどうしてもメインの人物に目が行ってしまうから

舞台の奥や端の方までもこんなにもすごいということは

なかなか気づけない。


観客席のオーケストラ・ストールに座っているような目線になったり、

ロイヤルボックスあたりから見下ろしているような目線になったり、

ステージに立っているかのような感覚になったり、

マルチアングルで楽しめるのも映像バージョンならでは。


オペラハウスではなく映画館ではあるけれど、

劇場の仄暗い空間でシートに体をうずめて

大きなスクリーンと臨場感のあるサウンドで楽しむ「カルメン」は

自宅でDVDを見るのとは桁違い。


もう一回観に行きたい!




在英邦人、でも心はキューバ



入り口で、シノプシス(あらすじ)と、キャスト・スタッフ名が書かれた

一枚の紙を手渡された。

映画ではふつうはこういうことはしないよね。


途中20分のインターミッション(休憩時間)が入るのもオペラ的。

休憩を入れて2時間50分の上映時間。


歌も台詞もフランス語で、英語の字幕付き。

(日本の場合は当然日本語字幕のはず)


ちなみに「ドン・ホセ」 Don Jose も、フランス語なので

「ドン・ジョゼ」 と発音されてます。



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世界中のいろんな劇場で、いろんな監督の、いろんな歌手の、

いろんな「カルメン」が、今も上演され続けている。


この「カルメン」は、2010年の英国ロイヤルオペラ・バージョン。

オペラ通(?)の人はイロイロいいたいことがあるかもしれない。

過去の作品とくらべて誰々の方がよかったとかわるかったとか、

云々かんぬん、薀蓄たらたら...。

(個人的に、良し悪しを評価する人は好きにはなれない。

人それぞれ、好みの問題だと思う。それを押し付ける人は、苦手。)


わたしは、素直に楽しめた。


とにかく音楽が好き。

衣装や全体の舞台美術も好き。

セビリア(セビージャ)、ジプシー、闘牛士、タバコ工場、

情熱、妖艶、誘惑、堕落、転落、狂気、

「カルメン」の世界観そのものが好き。


世界初というこのオペラ3D映画、

むしろ、オペラ未体験の人にこそおすすめしたい。

「オペラってこんなにすごいのか!」と思えるはず!

これが気に入ったら、いつかぜひロイヤルオペラハウスで

本物のオペラ体験を!



「カルメン in 3D」オフィシャルサイト:

右上の小窓で言語を選択すれば、「日本語」でも読めます。

http://www.carmen3d.com/default.aspx



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この映画とは別バージョンだけど、お気に入り。



YouYubeより :

マリア・カラスのハバネラ

「Maria CALLAS sings Carmen HABANERA in covent garden」

http://www.youtube.com/watch?v=6fZRssq7UlM



「Carmen - Ouverture」

http://www.youtube.com/watch?v=PQI5LtRtrb0




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つかのまの現実逃避、またまた映画館へ。


そんなことやってる場合じゃないってときに限って

ほかのことがやりたくなるのは

学生時代の試験前の状態から変わっていないかも。。。



どうしても気になって、もう一度観たくて、

二度目の鑑賞をしたのが 「BLACK SWAN」 ブラック・スワン。

上映期間中に同じ作品をまた観にいく、というのは久しぶり。


好きな作品かときかれるとちょっと返答に困る。

でも、ものすごく印象に残った作品。

なんともいえない後味は、ビターでダークでドロドロと濃厚。


バレエが舞台になっているけれど、アート系の作品というよりは

サイコスリラーというか心理サスペンスというか、そういう感じ。

妖しくて美しくてキケンな香りが漂う、クオリティの高い恐怖映画。


このあいだ山岸凉子さんの漫画「ヴィリ」に触れたときにも

似たようなことを書いたけれど、まさに同じ匂いがする。

往年の山岸バレエ漫画(または怖~い短篇集)を凝縮して

映画化したのかと思うほど。

ゾクッと鳥肌が立つような作品。


(鳥肌!このたとえ、自分で書いて、まさにそうだと納得!)



「白鳥の湖」の白鳥と黒鳥、演じるのは同じひとりのダンサー。

白と黒、光と影、純真と邪悪、幻想と現実、真実と嘘。

正反対のようで、実はぴったり一致、表裏一体。


じわじわと追い詰められてずぼずぼと狂気の世界に入り込んでいく

ヒロイン役を演じたナタリー・ポートマンがすごい。


鍛え抜かれたパーフェクトなボディと、

心の脆さ、精神の幼さ、その対比もすごい。


壊れていくほどに完璧に近づいていく。

それがまた、残酷で、美しい。


トップに立つアーティストの苦悩は凡人のわたしにはわからないけれど、

打ち勝たなくてはいけないのは、他人ではなくて自分自身の弱さ、

というのは、なんだかとてもよくわかる気がする。

怖いのはライバルではなく自分の中にある心の闇。

それはバレエの世界だけに限った話じゃなくて。



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日本での公開は5月とのこと。

詳細は知らないで見たほうがいいと思うので、これ以上はいわない。

見てのお楽しみということで。


最後に、予告編映像のなかからの、キーワード。

舞台監督のせりふ。


the only person standing in your way is you

「君を邪魔してるのは君自身だ」




映画「ブラック・スワン」公式サイト:

http://movies2.foxjapan.com/blackswan/



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英国在住の人へ:


楽しみにしている番組が、BBC4の新シリーズ

「Agony & Ecstasy : A Year with English National Ballet」


英国有数のバレエ団ENB(イングリッシュ・ナショナル・バレエ)の

1年を追いかけたドキュメンタリー。

アゴニー・アンド・エクスタシー、

苦痛と快楽、とか、苦悩と恍惚、とか、そんな感じの意味。

ENBの舞台裏の実像や人間模様、

「ブラック・スワン」のフィクションの世界と比べてみるのも面白そう。


詳細はBBCサイトでどうぞ。

http://www.bbc.co.uk/programmes/b00z8tp8


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「TOTEM」のチケットはあらかじめ取っておいたけれど、

我が家の英国人の仕事の都合がどうなるのかわからなくて

それ以外の日の予定は未定のままだった。

(人のスケジュールに合わせるというのは結構ストレスがたまる。)

けっきょく願いが通じてもう一夜、自由な時間の獲得に成功!


ミュージカルにしようかバレエにしようかさんざん迷った末に

その日選んだのは、バレエ。

前から観たいと思っていたロイヤルバレエの「ジゼル」、

ちょうど公演日だったので。


オープニングナイトや特別なイベントでもない限り

オペラもバレエもミュージカルも、当日行こうと思いついたとしても

ひとり分ならたいていなんとかなる。

そして今回も、ちゃんとなんとかなった。


わたしのお気に入り、ストール・サークルのサイド、

ステージ近くのシートが一席だけポツリと空いていた!

舞台の一部が切れるので、距離感のわりにチケットはお手ごろ。

オーケストラも間近。



眺めはこんな感じ。(開演前)



在英邦人、でも心はキューバ



馬蹄形の客席、振り返るとこんな感じ。(終演後)



在英邦人、でも心はキューバ



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第一幕の暖色系の素朴な村の風景、

ヨーロッパらしい枯葉色の舞台と

第二幕の寒々しい夜の風景、

怪しい気配が漂う青白い舞台のコントラストも美しく

物語の世界に自然と引き込まれていく。


踊りの技巧的なことはよくわからないけれど

ダンサーの演技力、表現力のすばらしさは疑いようもなく、

ないはずのせりふがきこえてくるようだった。


劇場を出てからもしばらくのあいだ、上質の小説を読み終えたときのような

深い余韻に浸っていた。




カーテンコールの写真。




在英邦人、でも心はキューバ



在英邦人、でも心はキューバ



Giselle :  Leanne Benjamin

Albrecht :  Edward Watson

Hilarion : Johannes Stepanek

Myrtha : Itziar Mendizabal


日本人ダンサーも、存在感があって

みんなとてもすてきだった。


Leader of the hunt : Ryoichi Hirano (平野亮一さん)

Moyna : Yuhui Choe (崔由姫さん)

Pas de six : Akane Takada (高田茜さん)、Kenta Kura (蔵健太さん)、他。



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「ジゼル」を観たいと思っていた理由のひとつが、

山岸凉子さんの漫画「ヴィリ」という作品の影響。


「ヴィリ」(ウィリー)というのは「ジゼル」にでてくる精霊たち、

結婚前に亡くなった女性のユーレイ、のこと。


バレエを扱ってはいるけれど、人間がメインの心理ドラマで

主人公は少女ではなく、40代のバレエダンサー。

「バレエマンガ」とか「少女マンガ」というカテゴリーには収まりきらない

複雑な味わいのある一冊。(そう、一冊で完結なのも、ありがたい。)


バレエファンでなくても、少女マンガはちょっと...という人も

未読の人はぜひ。





在英邦人、でも心はキューバ

描きこみすぎないところが、味。

日本画や能に通じるような幽玄の美を感じる。

大人の鑑賞に堪えうる作品。



この日ジゼルを演じたのも、奇しくも40代のプリンシパル・ダンサー。

舞台の上で踊る姿は10代のジゼルにみえてくるからすごい。

つい「ヴィリ」の主人公と重ねてしまった。

(勝手な妄想をお許しください。)



在英邦人、でも心はキューバ



在英邦人、でも心はキューバ

GISELLE
The Royal Ballet
@Royal Opera House
Jan 2011 / London



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ロイヤルオペラハウスとその周辺。



在英邦人、でも心はキューバ





在英邦人、でも心はキューバ



在英邦人、でも心はキューバ


ロンドン、コヴェントガーデンにて。



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