こんにちは、総合病院で看護師長をしている田口と申します。

 

私は、昨年の4月に今の病院に赴任し、もうすぐ1年が経ちます。

 

実は、昨年赴任してきた時は、

看護師の認知症の患者さんへの対応に

驚きを隠せませんでした!

 

私の病棟は、急性期病棟で急患も多く、
認知症の患者さんの対応時に看護師がイライラしている
態度を現してしまう場面を見かけることが多々ありました。

 

 

 

私は、気になりその都度声をかけていましたが、

「わかっているんですが、他の仕事も回らないです。」

「師長さん、今年から看護師の数がこんなに減らされて…

でも業務量は増えてるんです!」と言われました。

 

 

私は、看護師としての大切なことを失っているように感じ
悲しい気持ちになりました。


 

ある、夜勤の出来事です。
認知症の患者Aさんが、
夜は寝ないし、ずっと何か言っている。
入院後、そんな夜が続いていました。
 

 

Aさんの言っていることはよく聞き取れないし
看護師が予測して会話しても、Aさんの思いとは違うようでした。


Aさんは、なかなか思いが通じないことで
徐々に興奮状態になっていきました。

 

そんなAさんに対し、

夜勤の看護師も、他の業務が気になりイライラし始めてました。



そのため、
私は、Aさんの側に行き、
一緒に居て*1、ただ、言っていることを受け取って*2、話を聴きました。
意味がつかめない言葉も多かったのですが、
Aさんにとって、「○○」と発したことは
単に「○○」と受け取り、意味や背景などを聴きませんでした。


そうすると、徐々にその方が何を言っているのかわかるようになりました。
そして、Aさんに何か恐怖心があることに気づきました。
 

私は、「ここが怖いの?」と聞いたら
Aさんは「そう」と言われました。
私は、「ここは病院でAさんが元気になって帰ってほしいよ。」と伝えました。
Aさんは、「そうだね。わかった。寝るね。」と言って、そのまま朝まで眠られました。


私が、Aさんと「ただ居る*1」「ただ相手の言うことを受け取る*2」ことを
この夜の後も続けました。
そして、Aさんは穏やかになり、夜はしっかり寝るようになりました。

 

 

このAさんとの対応の後、
看護師さん達が
他の認知症の患者さんとの対応も
変わっていきました。



認知症の患者さんの側で話を聴く姿が見られるようになり、
看護師も患者さんも笑顔が増えました。

 

看護師は、患者さんに起こっていることを見て
そして、患者さんの言っていることが
だんだんわかるようになる看護師も出てきました。

 

つい先日、
ナースステーションで
ある認知症の患者さんを囲って
数名の看護師さんが話しかけ
何を言っているかわからない返答に対しても
「うん。うん。そうなのね。」とただそのまま受け取っていました。

 

その空間は穏やかで、患者さんも安心していました。

 


病棟の業務は変わらず
ばたばたしていますが、患者さんと穏やかに過ごすことが
できるナースステーションやベッドサイドとなっています。
昨年の4月とは、違う対応、違う空間となっていることに
うれしく感じております。



*1ただいる *2受け取る は
CTNコーチング連続講座(*オプティマイズコース)で扱う内容です。

――
文:田口和美 企画・編集:石井由紀子


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