JUST COMMUNICATION
今日のといず・くろすおーばーは!
当ブログ初のガンプラ、MGウイングガンダムをご紹介!
表題はガンダムWの前期OPから。壱伏はデビュー当時からのTWO-MIXファンです。
「任務……了解」
(注:以下のレビューは、壱伏の拘りと独断において、本商品の目玉として設定されたいくつかのギミックを故意に無視している。
正しい仕様を知りたい場合は、申し訳ないが余所を当たってもらえると 幸い。
また、本キットのデフォルト仕様に対してこれまでのレビューに比べて7割増しくらいに苦言を呈している個所があることを御承知願いたい)
○機体解説
型式番号XXXG-01W 頭頂高:16.3m 重量:7.1t 装甲材質:ガンダニュウム合金
建造:L1コロニー群 設計者:ドクターJ 搭乗者:ヒイロ・ユイ
「新機動戦記ガンダムW(1995年)」の主役機。
地球圏統一連合に対する一大テロ計画「オペレーション・メテオ」のために建造された機体。5機のガンダム中では原形となったウイングガンダムゼロの設計思想を最もストレートに受け継いでいるが、ゼロシステムのオミットをはじめとしてバランスを保ったまま過剰な戦闘力をあえて制限している。
前期OP(後期OPの楽曲が完成していたにも関わらず何故か3クール以上使用された)のフィルムでは毎回トールギスに左腕を斬り飛ばされた挙句OZのリーオー部隊にバズーカをバカスカ撃ち込まれたのを皮切りに、第一話でいきなり海に沈み、その後もヒイロの手で自爆する、ヒイロとの決着を望むゼクスの手でレストアされてもヒイロに搭乗を辞退される、ヒイロが宇宙へ上がる際に邪魔だからと海底に沈められる、膝にバズーカの直撃を受けて擱座・放棄、OZに改修されてレディ・アンが搭乗しリーブラの主砲からトールギスⅡ(トレーズ搭乗)を庇って下半身全損大破・破棄という、全体的にロクな目に遭っていない不遇の前半主役機として有名。
ちなみに機体そのものはヒイロが搭乗した物の他、ゼクスがOZ上層部に対し、自爆後レストアしていた機体を爆破・廃棄したかに見せかけるために組み上げたダミー機なども存在している。
どことなくノーブルなデザインと、シンプルでありながら効果的に印象を変える変形ギミックで、人気自体は高いのだが、その後のOVA「エンドレスワルツ」にて登場した「ウイングガンダムゼロカスタム」の印象が鮮烈過ぎたこともあり、若干地味な印象は否めない。
○キット解説
2004年3月の「No.69 ウイングガンダムVer.Ka」、同年10月の「No.75 ウイングガンダムゼロ(エンドレスワルツ版)」に遅れること6年。その間の技術発達を盛り込んで、とうとうTVシリーズファン待望のMGキット化を果たしたウイングガンダム(マスターグレード商品としてはNo.132に当たる)。
主なギミックは放映当時のHG1/100(以下旧1/100)で再現されており、前年「機動武闘伝Gガンダム」シリーズから1/100キットで肘の二重関節が標準搭載されたこともあってそこそこのアクション性を実現していたが、MGではよりダイナミックなアクションが決まるよう、可動箇所の増加が行われている。
なお、紹介するキットは壱伏がフル塗装を施した他、一部に別キットのパーツを用いている。詳しくは以下の解説を参照されたし。
MS形態前後
設定画や劇中に比べると若干スマートすぎる感はあるが、弄っていると気にならない程度。
頭部バルカン、肩部マシンキャノンは外装と別パーツ化されており、フレームに組み込まれる形となっている。
特徴的な胸部サーチアイやダクト、肩部の丸型センサーに頭部など、割と和風な鎧武者や裃を思わせるデザインラインとなっている。
肩関節はストレートに動かしても90度以上挙上出来るが、さらに肩関節を前方に引き出して可動軸を露出させることで……
さらに自然な「肩の入った動き」が可能になる。単なる一軸関節以上に自然に腕を上げられる。
鳥の爪(ランディングギア)を逃がすことで90度以上曲げることが出来る。
旧1/100では爪パーツが干渉して肘を曲げること自体が厳しかったことを考えると、この可動部追加は非常に有用と言える。
腰部・腹部でそれぞれボールジョイント接続されており、屈曲することも反らすことも可能。角度そのものは控え目だが表情を付けるのには非常に役立つ。
脚部は足が前方、側方にそれぞれ90度強、膝関節は脹脛のスラスターが太腿に接触するまで曲げられる。
足首は二重ボールジョイントによって良好な接地性を誇る。
爪先に可動部があるものの、足を畳む方向にしか動かないのがやや残念。
胸部を前方に迫り出させ、腹部ハッチを開く。胸部は小ハッチを開くことも、胸部全体を開放することも出来る。
コクピット内にはヒイロ・ユイのフィギュアを内蔵。またこれとは別に、序盤の学生服姿のヒイロ・ユイフィギュアも付属している。
翼は三段階に展開する。まずはクローズ状態。
根元から翼全体を開いた状態。
赤い小羽と、それ以外の大部分の間で開いた状態。
さらに主翼を広く展開した状態。
各翼ユニット間の小羽はMGオリジナルの物だが、カトキハジメ氏の放映当時の版権イラストで見ることが出来、Ver.Kaにもフィードバックされた要素である。
フルオープンするとここまで広がる。放映当時の旧1/100では白い主翼が30度ほど開く程度でややボリューム的に物足りなかったことを思うと、翼が水平以上に開くMGのギミックは映像のイメージ通りかそれ以上の迫力をもたらしている。
また、翼の基部をやや傾けたり、バックパックのスラスターノズルに角度を付けたりと、高機動性を強調するギミックは数多い。
ウイングガンダムは、というよりはGガンダムからガンダムXまでの平成三部作のガンダムは、どれも携行武装からして個性的に設定されているケースが多い。
手持ち武器を含めたトータルイメージでキャラクター性を補強していると言えるだろう。
ウイングガンダムの主武装。ウイングガンダムゼロのツインバスターライフルに比べて出力は50%以下に抑え、エネルギー供給も本体からの直接ドライブではなくカートリッジ式を採用している。
それでも強烈な破壊力を誇るが、フルパワーでの射撃は一回の出撃につき三発に限定される。
カートリッジ式であるため引き金さえ引ければ発射でき、カトル・ラバーバ・ウィナー搭乗のエアリーズが射撃してモビルドール・ビルゴの大群を一掃した他、L1コロニー群の地下組織が予備を一挺建造しており、固定砲台として使用したこともある。
なお、普段はどのようにしてカートリッジにエネルギーを貯めているかなど不明。
この武装を支えるために本キットでは半固定・指差し替え式のマニピュレータ―構造を採用しているが、1/100での手首非可動処理が個人的に大嫌いな壱伏は別キットからマニピュレータ―を流用している。
本来の仕様では、バスターライフル保持に特化した固定指パーツに加え、腕部の爪(ランディングギア)をバスターライフル後部に引っ掛けることで確実な固定を実現しているのだが、バスターライフルそのものが大型の割に軽量に出来ているため、通常MGタイプのマニピュレーターのみを使用しても充分保持出来る。
なんだ、これで充分じゃん。
ちなみに手首パーツを含めた一部フレームは「XXXGフレーム」というランナーに付属している。今後ウイング系ガンダムがMG化される時も、このフレームが使いまわされて、同じ手首の処理をされる可能性が極めて高い。
グフ1.0とか百式とか、今までも手首パーツを固定・半固定にしようと試みて爆死してきたんだから、今回もやめときゃいいのに……というのが偽らざる心境。
銃身を折り曲げることで、エネルギーパックの着脱が可能。ただしVer.Kaとは異なり予備カートリッジを携行するギミックがないためあまり意味がない。
左腕に装着するシールド。旧1/100では左腕から直接生えていた凸ジョイントをシールド裏側の凹ジョイントに差し込むかたちで固定していたが、MGでは両腕の凹ジョイントに、シールド側の接続アームを差し込む方式になっている。
そのため、右腕に装備することも可能。
強靭なガンダニュウム合金製で特殊コーティングがなされており、広い防御面積を活かした対実体弾・対ビーム防御に効果を発揮する他、鋭い先端を用いた打突武器としても使える。
衝動のままリリーナを瓦礫からかばってしまうシーンも再現可能。
プラモデルとしては初めて、中折れ機構・サーベル取り出しギミックを再現。
(放映当時に販売された完成品玩具「電装機動変形DXウイングガンダム」でも再現されていた)
ビームサーベル
何気に水中でも使用可能(他作品ではビームが拡散してしまうため使用が制限される設定であることが多め)なのがガンダムWにおける、ガンダムタイプのビームサーベル。
主役機としては珍しく、ウイングガンダムはビームサーベルを一基しか搭載していない。
ただし汎用クリアパーツ刀身を使っているため、キットにはビーム刃が二本付属していたりする。
ノベンタ元帥うっかり暗殺シーンも完全再現!
しまった、アストロトレインでも飛ばしておけばよかったか。
変形!
ウイングガンダムの高速・長距離巡航形態。ウイングガンダムゼロが有していた変形モードをほぼそのまま受け継いでいるのはウイングガンダムだけで、そのため並のMSはおろか同世代の他ガンダムに比べても圧倒的な作戦活動領域を誇ることとなった。
しかも宇宙での運用が前提であるウイングゼロのネオバードモード(元祖なのに何故かネオ)が揚力の足りない翼と高い推進力で強引に大気圏内飛行を行うのに対し、こちらのバードモードはより効率よく空力を制御しての飛行が可能となっている。
本形態でも大気圏突入が可能とされているが、第1話ではオプションパーツを装着してシャトルに偽装していた。他四体のガンダムの突入カプセル方式に比べ、大気圏突入中でもある程度自由に動ける強みがあったが、ゼクス・マーキス率いるOZ部隊に狙い撃ちにされて早い段階でバードモードに移行していた。
本商品で壱伏が個人的に気に入らなかったポイントは、「変形の際に手首を取り外す」という処理。
旧1/100よりギミックが退化してどうする。
しかも手首自体、無意味に保持力と形状を両立させようとして遊びづらくなっているし。
このことに我慢のならなかった壱伏は、手首の収納をあきらめて出しっぱなしにしておくことにした。これでもランディングギアとなるクローはそれっぽく接地するんだし、きっと構わないはずだ。
また腕の位置を保持するために腰サイドアーマーが跳ね上がって脇の下をロックするというギミックが追加されたが、ガン無視である。
もちろんバードモードでもウイングの開閉は可能。肩アーマーが干渉してウイングが水平にならないのだが……劇中でも角度は付いていた気がする。
「ウイングガンダムVer.Ka」とのツーショット。ちなみに本キットのデザインアレンジもカトキハジメ氏によるもの。
プロポーションなど部分的に相通ずるものがあり、
・大河原邦男氏のデザインによる大本のウイングガンダム
→後半主役機としてのウイングゼロ(同じく大河原デザイン)
→そのイメージを最大限引き出したウイングゼロカスタム(いわゆるEW版)
→ウイングゼロカスタムから逆算したウイングガンダム・アーリーモデル(Ver.Ka)
→Ver.Kaからのフィードバックを受けたMGウイングガンダム
……と言った流れでデザインワークがなされた物と思われる。
ちなみに写真のVer.Kaは未塗装。また、デフォルトではシールドの固定アームがバードモード時に余剰になるのが嫌で、オリジナルのグリップを増設している。
どうも壱伏の場合、MGウイング系統は思い入れが強い分、コレジャナイ感を覚えてしまう傾向があるようだ。
バードモード比較。旧1/100と並べたかったが、手元になかったので断念。
シールド機首の形状や肩アーマーの変形ギミックなどに、Ver.Kaの面影が残る。
無口無愛想無鉄砲
ガンダム00放映開始直後はヒイロに似たタイプだと目されていた刹那だが、片や機密保持のためならためらいなくガンダムを自爆させ、片や自他ともに認めるガンダム馬鹿……似ているようで決定的に噛み合わなさそうだ。
全体的には良好な出来なんですが、手首周りだけどうにも気に入らないという難儀なキットです。
Vガンダムでも手首は指パーツ差し替え・変形時取り外しとなっていますし、これを今後のスタンダードにしていく目論見があるのかも知れませんが……
個人的には、ウイングゼロ(テレビ版)は可動指にして欲しいところです。グリップごと真っ二つに割れるツインバスターライフルは、掌にピンを設けたペガン以降の手首の方が保持しやすいはずですし……
その辺りのことが気にならなくて、カトキ版プロポーションも受け入れられる人にはおススメです。