今夜は自重しない! | 無職候補生定あき

今夜は自重しない!

映画、パシフィックリムを見てきました

面白かった

 細かい突っ込みどころは満載だったけれど、それを含めても十二分に面白かった。
 元々何を期待して見に行った訳でもなく、最新の映像クリエイト技術って、なんかこうファンタジーとかハリウッドの大げさアクションシーンとかじゃなくて、こういうロボットとかでこそ映えそうだよなぁとか思ったのと、日本のイェーガー(作中のロボットの総称)が見たかったので、千葉まで見に行きました。
 多分、物心ついて成長して物語をきちんと理解できるようになってから見た映画で、初めて手に汗握ったと思う。
 昨今に限らず、大人向けの映画って、伏線いくつも張って、見てる人間をハっとさせるような後の展開が当然のようにあると思うんですが、パシフィックリムにはそういうのはほとんど無く、ただロボットが怪獣と戦う物語。
 上映時間の7割から8割くらいがロボvs怪獣のバトルシーンなので、伏線張って難解な物語になりようの無い感じだった。
 別に伏線のある物語が嫌いな訳じゃないんですが、たまにはこんなストレートな作品があっても良いと思う。

 ただ人類を守る為に、イェーガーに乗って怪獣を倒す。

 勧善懲悪と言って良いのか分からないけど、昭和のスーパーロボットのノリだと思う。昭和のスーパーロボット見た事無いけど!
 ありがちな国家間の足の引っ張り合いとかも全くないし、見てて痛快だった。
 ただちょっと差別的な事かもしれないけど、これは女性には受けなさそうだなぁと思った。


 でまぁ、決して細かくは無い突っ込みどころなんですが……。
 全体的に、ロボットの設定に無理というか矛盾が多すぎる気がする。
 一応テレビCMやオフィシャルを見て分かる程度の設定を含めた簡単なネタバレ程度で話します。
 ロボットの操作系を人間の脳に直結させる為、人間一人では人間の脳に負担が大きすぎる為、パイロットを二人用意して負荷を分散させる事で巨大ロボの操縦が可能となっています。
 まあ現実的なんて無粋な事を言えば、この時点でそれでもあんなデカイロボの精密な操縦なんて無理だろとか思うかもしれないんですが、昭和のスパロボ的に理屈を無視するような設定ではない。
 が、理屈を持ってくる割には、ロボの耐久性がおかしい。
 リアルロボットにせよスーパーロボットにせよ、定あきがロボットを見る際には、どうしてもガンパレード・マーチにある、機体がダメージを負うごとに機体性能が低下するという要素を考えてしまいます。
 パシフィックリムがある程度理屈を持ってくる以上、それは当然あってしかるべき要素だと思う。
 が、多分大雑把な印象では、その設定は、無い。
 映画を見ていて、あかん!そのダメージはあかん!これはもう戦えん!!と思ったけど、別に次の瞬間には普通に立ち上がってる。そしてまた、これはあかん!今度こそもうあかん!!と思ったけど、やっぱり次の瞬間には割りと普通に戦ってる。いやもうそれはあかん!どう考えたってそれはもう機体のシステム維持できないレベル!!とか思ったけど、やっぱり結構普通に動いてる。
 昭和のスパロボだってそんだけ攻撃うけたら「コウジ!これ以上は危険だ!」くらいの事を博士が言うと思うくらいのダメージを追ってる。
 ガンパレードマーチで言うと、機体性能の運動性能、火器管制性能とか、4つくらいあった項目が全部Sから、一気にCかDくらいまで落ちそうなダメージを食らっても、割とノーダメで普通に動く感じ。
 そう言った意味で一番酷いと思ったのは、最終決戦に参加する二機のロボ、片方は数時間前の戦闘で敵の新兵器電磁波攻撃で伝送系をオシャカにされる。片方は高度15000mの上空から落下、地上1000mくらいの所で逆噴射機能を使って衝撃を緩和するも、ヤバイ勢いで地上に着地する。
 そんな事があっても、数時間後には両機ともコンディションオールグリーン。

 そんだけ機体の耐久度が高いなら、もっとスマートで強いロボ作れるだろ

 とか突っ込める。
 そんな感じで突っ込みどころ満載。

 時間と劇場の関係で、2Dの吹き替え版で見たのですが、日本人はある程度の年齢を境に、吹き替え版で見る人間は少数派になっていくと思います。が、この映画は日本語吹き替え版の方がむしろ良いかもしれない。
 なんというか、その方が日本の特撮的な印象が強くなって、細かい突っ込みどころが幾分か緩和される感じがある。 

 総合的には十二分に面白かったので、ロボが嫌いじゃなければぜひ見てもらいたいタイトル、パシフィックリムでした。