モーツアルト セレナード 「グランパルティータ」 | 音に巡る想い(2005~2010) / ビデオ画像と音楽(2011~)

音に巡る想い(2005~2010) / ビデオ画像と音楽(2011~)

クラシック音楽に目覚めたのはSP時代だった。知人から借りたレコードが
きっかけ。後にLPを集めたりしたが、時に感動して涙した頃が懐かしい
な~。/

主に四季の花や自然の風景などビデオ撮りした動画に、出来るだけ自作のBGMを付けて載せたいと思います。

グノーのCDを返却に図書館に行って、予定の時間まで

1時間余りあったので、何かCDを一枚聴いておこうと思って

CD棚を探すと、フルトベングラー指揮によるモーツアルトの

「グランパルティータ」を見つけました。

おお、フルトベングラー指揮! それに興味を覚えて・・・・


録音が古いせいで、音質は良くなかったですが、なかなかいい

情感が伝わってきました。 途中しばらく、うとうとしてしまったの

ですが、もっとしっかり聴くべきだったと少し後悔・・・。


で、この曲をじっくり家で聴き直すことにしました。 フルトベング

ラーの盤は持っていないので、ウィーン・フィルハーモニー木管

グループによる演奏、昔の名盤ウエストミンスター・レーベルの

復刻盤(CD)です。


このCDを買った時、演奏はいいだろうとは思うのですが、音が

期待したほど良くなくて残念だったのですが、今回聴いても、

やはり音がどうも・・・・・。

物凄く乾いた音で、残響が全然ない。 マイクが近過ぎるので

しょうか、楽器の音がする。 そりゃ当たり前の話。いや、楽器の

指使いの音がしょっちゅう聞こえるんです。

リアルといえばリアル。 でも実際私はそんな近くで聴いたことは

ないですね。


まあ、そんな音質のせいか、第1楽章では表情がやや硬く、重い

感じがしました。

しかし、次第に慣れてくるもんです。 第2楽章の第2トリオの

オーボエの哀愁味ある旋律がたまりません。


第3楽章は、映画「アマデウス」でサリエリが感嘆した音楽です。

ファゴットとホルンの なんの変哲もない音に次いで天を仰ぎ見る

ようにしながら、まるで雲間から一筋の陽が差し込むように

言ったいたかどうか?  確か「神の声が聞こえる」とか言っていた。

その情感こもる美しい調べが切々と歌われるのです。


あまりに切なくて 胸がしめつけられそうな音楽の後に、第4楽章の

明るい楽想を聴くと、ほっとします。


第5楽章のアダージォもいいですが、少しアンサンブルが粗いように

思えます。残響音が全くないことによるのかも知れません。

アダージォの演奏って、むつかしいのだな、と思えるのでした。


第6楽章の主題と変奏が終わると、いよいよフィナーレ、第7楽章

です。 明るく悦ばしげな旋律が生き生きと奏せられ、豊かな楽想

が次々とあふれ出て、もう最高の愉悦を感じずにはおれません。

いろんな楽想を綴ってきた多楽章のセレナーデを締めくくるにふさわ

しい、本当に至福の音楽です。


参考までに、以前から持っていたLP盤のコレギウム・アウレウム

を聴いてみると、音はいいが、テンポの遅いのが気になった。

非常に丁寧な演奏で、優美。 柔らかいニュアンスに富むのはいい

のですが。 

その点で、第5楽章のアダージォは緻密なアンサンブルがすばらし

かった。


もう一点、大きな違いは、ウィーン・フィルではコントラファゴットの

怪しくも独特の音がいい効果を生み出していたのに対して、コレギ

ウ・アウレウムはコンタラバスを使っているようだ。

この音色上の相違は歴然としている。

優美だがやや平板な感じに対して、ウィーン・フィルの、変な言い方

だが、粗野な味わい深さはこのことにも関係しているかも知れない。


もっとも、楽譜には「Contra Basso」の表示しかなく、従って

どちらの演奏でもいいらしい。