厚生労働省は2013年度に導入する新たな高齢者医療制度の試算を発表した。08年度に導入した後期高齢者医療制度に加入する75歳以上の高齢者約14百万人のうち、12百万人は市町村が運営する国民健康保険に移り、働いている約2百万人は健保組合(大企業の社員)や共済組合(公務員)、協会けんぽ(中小企業の社員)に入る。後期高齢者医療制度から国保に移行する75歳以上の平均保険料は、13年度に年7万円と現行制度より2千円高くなるが、25年度は9.5万円と6千円安くなる。
医療費は年33兆円で国民一人当たり年26万円、寿命80年として生涯で2000万円、生涯給与3億円として7%の支出である。どちらにしても国民一人ひとりが医療費を負担するわけで、自己負担や保険料、税金をどのような割合にするのが、健康増進が進み、安心できる仕組みになるかの議論が少ないように思う。医療制度を一元化し医療手帳を発行して、生涯の医療費と保険料・保険金がだれもがいつでも分かる仕組みにして欲しい。そうすれば自己管理によって医療費の無駄削減が劇的に進むのではないか。
(推薦書籍)
ベーシック医療問題 第4版 日経文庫 1817医療制度改革の研究-持続可能な制度の構築に向けて日本の医療は変えられる日本の医療制度-その病理と処方箋社会保障の「不都合な真実」-子育て・医療・年金を経済学で考える実践ガイド・医療改革をどう実現すべきか医療戦略の本質-価値を向上させる競争「社会的入院」の研究-高齢者医療最大の病理にいかに対処すべきか日本の医療のなにが問題か