[cdb] #120 長州ファイブ

テーマ:

本当は映画の試写会に行くはずだったんだけねぇ。

出したハガキの数だけ落選のお知らせが届き、

えーん、落胆の色は隠しきれません。

というわけで、松田龍平くんの映画を見るために、

仕事帰りに自転車を飛ばす。

いくら地元のシネコンだからって、

大きなスクリーンでお客さん4人だなんて、

贅沢も通り過ぎて少々寂しいんですけどね、

『長州ファイブ』>>


ペリー率いる黒船が浦賀に入港して10年。

世間では外国を打ち払おうとする攘夷の嵐が吹き荒れていた。

そんな幕末期に、敵を知るためには西洋へ行けという言葉に

発奮させられた5人の若者がいた。

若き日の伊籐博文、井上薫、井上勝、遠藤謹助、山尾庸三。

後に長州ファイブと呼ばれた彼らは刀を捨て、

新しい時代を切り開くべく英国へ密航する。


派手さはないけど、なかなかに良い映画ですね。

前半は攘夷に関するお話が主、

話し言葉が長州弁で聞き取りにくく、ちょっと掴みにいのだけども、

まあ、尊王攘夷に関することはなんとなくは日本人なら知ってるわけで、

幕府と攘夷派とが対立を繰り返す毎日、でもそんなことよりも、

敵を倒すにはまず敵を知ることが大事と若者に教えを請う佐久間、

その言葉に心動かされる若者達、密航を黙認した長州藩。

混乱の時代、やり方は様々あれど、

未来の日本の為にと行動する彼らが私にはとても新鮮に見えました。

そして、そのためにマゲを切り刀を捨てねばならぬこと、

それはいわゆる武士を辞める事、そして死を覚悟せねばならぬこと、

そこまでしてでもロンドン行きを決意した彼らの勇気は計り知れず、

静かに漲る情熱が同じ日本人としてとても素敵でした。

北村有起哉さん、以前お芝居で見たときはさして印象に残らなかったが、

迷う心、進むべき道を見つけた時の潔さ、とてもとても良かったですね。

あの時は、古田新太さんに食われちゃってたのかしら~。>>


幕末の日本が雑然としていたから余計に、

文明発達最盛期のロンドンの活気あふれる風景は迫力満点、

そして何よりも、髪を整えビシっと正装した彼ら長州ファイブの、

格好良いことといったらもう惚れ惚れするほど。

龍平くん、格好良くって鳥肌立ちそうです。

そして、新しいものに触れた彼らの目の輝きの清々しいことといったらね。

当初は英国と日本の作法の違いに笑わせてもらったが、

日本の為に技術を学び、約束通り生きたる機械となって日本に帰るという、

果てしない夢に一途な彼らの姿は度々心を打ち、

そんな彼らのことを黄色い猿と呼んでいたイギリス人達が、

最後には敬意を表す様子がとても心に残りました。

そして、国から援助を受けてやってきた薩摩藩の若者達、

境遇は違えど、異国で出会った縁、同じ志を掲げた彼らが山尾に

お金をカンパするシーンにはちょっとジーンとしてしまいましたね。

深々と頭を下げる山尾はやはり日本人、

武士としての心生きを捨てていないことに、私はうれしく思いました。

それから、この映画が実は骨太な映画かもしれないと思ったのは、

猛スピードで発達する文明の、

その裏の部分を彼らにも私達にも見せているというところ。

山尾と聾唖者メアリーとの関係は、優しく切なくほろ苦く、

とてもとても印象的でした。


これは事実を元にはしているだろうけど、多少の脚色はあって、

5人共々がリアリティを遥かに超えた人生、

でも、エンドロールの"長州ファイブのご子息"という文字を見て、

やっぱりこれは事実なんだと実感。

彼らの情熱と希望が今の日本の礎なんだと思うと、

改めて敬意の念を抱いたというわけ。


話は少々変わりますが、先週の直太朗マイラジで、

ムッシュが松田龍平くんの話をしてましたよね。

龍平くんもサッカーが上手いって言う。

そっか、そっか、だからあんなに上手だったのかと、

『青い春』([cdb]#89 )がまた観たくなった、今日この頃。

AD